たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

2018年2月に聴いて良かったアルバム

今月も色々聴いたので紹介してくぞ〜 

集団行動「充分未来」

相対性理論の真部脩一・西浦大輔を中心とするユニットの新アルバム。というわけだけどそろそろこのグループに対するその類の呼称も改めるべきでは、と思わされる一作。真部さんの作るメロディは記名性が高く一聴しただけで彼の作品とわかるけどアレンジ面での洗練・ボーカルのこなれ感などあって新しさを感じることができる。相対性理論後の真部ワークス随一の快作。「フロンティア」が白眉。

大橋トリオ「STEREO」

 大橋トリオの作品は毎回良い。温かみのあるボーカルとアレンジというのは根底にありながら毎回新しい音を入れてたりして挑戦してる感じが好ましい。「VENUS」のイントロで一気に引き込まれた。

lyrical school「"TAKE ME OUT" ON DEC 16」

昨年12月16日のリキッドルームでのワンマンライブから、昨年5月に今のメンバーになって以降に作られた楽曲だけを抜き出して作られたライブアルバム。すんごく曲が良いし(多少のミスはありつつ)アイドルらしいハツラツとしたパフォーマンス。しかしながらこのアルバム、驚くほどミックスなどがされていない。なので音量が小さくて聴きづらい部分があったりするのだけど、逆に生々しさを際立てているようにも感じるところ。「PIZZA」「つれてってよ」「DANCE WITH YOU」が良い

AL「NOW PLAYING」

これは正確には1月のアルバムだけどApple Musicに入ったのが2月なので2月扱い。andymoriのデビューから10年近くになるけど、瑞々しい少年らしさを兼ね備えたロックンロールを奏でられるのは本当に奇跡だなあと思う。

 

今月は結構粒揃いだった気がするぞ。ありがたやである。

2018年1月に聴いて良かったアルバム

今年から月一企画にするぞ。なぜかというとまとめてやるのが大変だから。でも月一なのに早速この記事が翌月中旬にずれ込んでるのは気にしない方が幸せになれます。君みたいに勘のいいガキは嫌いだよ…

 

というわけで早速。今年からは時代にあわせてSpotifyApple Musicの埋め込み主体で行くぜ。でも盤で欲しいぜって人はタイトルをクリックしてくれよな。

Little Glee Monster「juice」

 

歌の中身もいいんだけど、とにかく音が良いなあと感じた。最近音が綺麗なのが好き、というか汚いのがダメになってきてる(ジャンルとはあまり関係ない)。歳かな……

POLTA「LOVE TO DIE」

POLTAの2年半ぶりのフルアルバム。リード曲になってるメロディアスな曲も良いんだけど疾走感ある曲がとてもよい。「失踪志願」「とけいのむこう」「イエスタデイノーモア」などなど、どれも曲調とアンバランスな歌詞がすごくいい味出してる。

People In The Box「Kodomo Rengou」

 去年の年末にライブで見て(ボーカルの波多野さんが喉を痛めたが故のインストゥルメンタル編成だったという例外要素はあったけど)めちゃくちゃ音の圧力を感じたPeople In The Box。アルバムも3人のアンサンブルが緻密さと大胆さが全開ですごく引き込まれるものがあった。

Chris Dave and the Drumhedz「Chris Dave and the Drumhedz」 

ロバート・グラスパー・エクスペリメントの初期メンバーでディアンジェロのドラムでもあり最近では宇多田ヒカル「あなた」にも参加した稀代のR&Bドラマーであるクリス・デイヴの初ソロアルバム。4年前のフリーDLのミックステープからは随分作品としてのまとまりが出てるし(当たり前か)2年前にライブで見た時の「なんじゃこりゃ感」が凝縮されてパッケージングされてると感じる。

 

うん、1ヶ月ずつやれば大変じゃないな。こんな感じで来月以降もやっていきます。って、もう半月したら来月の分作らないとだなw 

2017年マイベストディスクトップ20

さて、楽曲ベスト10に続きアルバム単位でのベスト20をまとめてみました。毎回思うけど曲の方が母数多いのに選出少ないの不思議だなあって思ってたけど前回のエントリで答え書いてたわ。基本アルバム単位で音楽聴いてるから曲単位で印象に残るのは相当なものなんだ、という話で。配信が普及してアルバムという単位が解体されたみたいな話はよく出回っており、僕は旧世代側の人間なのかなとか思っちゃう。歳はとりたくないもんだな。なんの話だっけ。

 

過去のものはこちら。多くなってきたので何が1位かは省略するから、各自の目で確かめてくださいね。

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

 

アルバムの場合はシングルに加えて追加の選考基準があるのでそれも書いておきますね。

 

構成の妙:つまるところ曲順。個々の良くても、明らかにかみ合わせの悪い並び順になっていたりしてるとつらい気持ちになります。
成長性・進化:アルバムというのはシングル以上にそのミュージシャンの一定期間における活動のまとめというような色彩を持つと思うわけ。だから、やっぱり前より良くなってほしいしマンネリ感や成長が見て取れない感じを見ると「惜しいな」と思っちゃう。
時代性:「この2017年に鳴るべき音か」とかいうけどハイパー主観に満ちた要素。どちらかというと「この時代にこれかよ!」みたいな原点要素に使われてしまう気もしなくもなく。あくまでも、自分にとってのジャストフィット感でしかないことは強調しておきたい。主観だ主観!!

 

というわけで、そういった観点から選んだと言われている20枚はこちらです。コメント入れるのはトップ10から。

 

20位:chara「Sympathy」

19位:CRCK/LCKS「Lighter」

18位:MONDO GROSSO「何度でも生まれ変わる」

17位:パスピエ「&DNA」

 

16位:ねごと「SOAK」

 

15位:吉田ヨウヘイgroup「ar」

 

14位:思い出野郎Aチーム「夜のすべて」

 

13位:かせきさいだぁ「ONIGIRI UNIVERSITY」

 

12位:SHISHAMO「SHISHAMO4」

11位:Emerald「Pavlov City」

10位:さよならポニーテール「夢見る惑星」

久々にさよポニ聴いたけど、前は淡々としていたポップスって感じだったのが緩急つくようになって、アルバムとしてのまとまりも良かったし昔よりきちんと耳に残るようになったし、聴いてかなり満足がいった。

9位:indigo la End「Crying End Roll」

個人的には今までの川谷絵音ワークスの中でも屈指の出来なのでは、と感じた。ドラムがいろいろ工夫されて一辺倒な感じになってないしメロディもとても良い。

8位:Special Favorite Music「Royal Blue」

年初に一度ライブで見た。このバンドについては、「音が豊かなポップス」って感想。ただホーンズと何が入っているからってわけではなく、アンサンブル自体に一般的なロック・ポップスのバンドと少し違うものを感じる。

7位:ものんくる「世界はここにしかないって上手に言って」

 

ジャズとポップスのどっちでもあり、どっちでもない感じがすごく好き。ライブも行ったけど、なかなかにしてパワフルで良かった。

6位:Base Ball Bear「光源」

ベボベはインディーズの時から聴いてたけど、なかなかここ数年マンネリ感があったところを、メンバー脱退というピンチをチャンスに変えて1段階上のステージに進んだ印象を受ける。こいちゃんの歌い方も少し変わったかな?

5位:Maison book girl「image」

ブクガは今まで全くのノーマークだったけどこのアルバムは凄まじく良かった。独特のリズムとスピード感とサウンドで一気に世界観に浸れる感じがすごく良い。

4位:SUSHIBOYS「NIGIRI」

リリスクの自主企画に出演発表されるっていうから聴いたらトラックは洗練されてるわコミカルでスキルフルなラップだわでかなり気に入った一作。今年のめっけもん。ライブも楽しかった。なお、CDは500枚程度しかプレスされていないのでプレミアもの。

3位:SKY-HI「SKY-HI Tour 2017 Final "WELIVE" in BUDOKAN」

http://img.imageimg.net/artist/skyhi/img/product_1026394.jpg 

ライブアルバムだけどこれがランクイン。スタジオアルバムよりも音の・ボーカルの圧力や凄みが桁違いで、このアルバムのライブの翌日に自分がVIVA LA ROCKで見たときの衝撃的な体験が思い出された。ライブアルバムとして今までで最高のものでは?

2位:土岐麻子「PINK」

 

土岐さんのメジャーデビュー後のアルバムの中では1番好き。インディーズのときの「Debut」が最高であったことは揺るぎないけど、いろいろサウンド的にも新しいトライをしててそれが効果的に作用しているように感じる。

1位:阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」

 

めちゃくちゃ耳に馴染む楽曲群だった。最初から最後まで落ち着いて聴いていられる歌たち。ライブも1度行ったけど、演奏もしっかりしていてもっと聴かれてほしいグループだなと思った次第。トータルで一番いいなと思ったので優勝。

 

ざっくりとした総評みたいなもんだけど、今年はいいアルバム自体たくさんあったけどシーンとしても個人としても「本命不在」を感じてしまった。このランキングは1位〜6位くらいまでの差はかなり小さい。良いことなのか悪いことなのかはよくわからないけど、いい音楽がたくさんある状態であることは好ましいことなので、来年以降もいろいろ聴いて楽しんでいきたいところ。

それから、トップ20は全てApple Musicで聞いた作品。「ストリーミングで聴いた作品は印象に残らない」みたいなこと今でもいう人いるけど、9割以上これで聴いているので全部平等です。笑。CDを買っていないということはないです。配信でない作品をライブ会場の手売りで買ったりとかね。

そんなわけで来年もよろしくです。なお、例年年初にやっていたCDJ振り返り記事ですが、なんと10年ぶりくらいに行かなかったためやりませんのであしからず。それではよいお年を。

2017年マイベストソングトップ10

年も暮れてきたので毎年恒例のマイベストを挙げたい。まずは楽曲から。これまでの記事は下記の通りですよ。

2013年 1位:パスピエ「ON THE AIR」
2014年 1位:きのこ帝国「東京」
2015年 1位:lyrical school「ゆめであいたいね」
2016年 1位:POLTA「春が過ぎても」

さて、本題へと入る前に自分がどういうところを重視・注目するのかという話を軽くしておきたい。因みにほとんど去年のコピペなのであまりつっこまないでね。

アレンジ:メロディや歌詞に合った(もしくは巧妙に外した)アレンジか、全体の音の均整が取れてるか、ハッとさせられるポイントがあるかなどがポイントだと思われる。基本的に過度にシンプルなスローバラードなどは面白くないと考えるタチです。
メロディ:耳に残るか、美しいと感じるか、など。この辺は多分に自分の感性によるところなんだけど音感がないのでどういうメロディが好きかはあまり説明できない。すみませんな!
リズム:元々重視してたんだけどここ数年は更に重視傾向に。変拍子大好き。普通のエイトビートにするよりバスドラやハイハットで16分音符を適度に挟み込んでアクセントにしているようなのが好き。あとベースはメロディ楽器みたいな気持ちでいます。
音像:説明の難しいところで、アレンジとも密接に関連してると思うんだけど要は「キレイに聞こえるか」みたいなところが評価ポイント。パワーメタルみたいなのは好きだけどハードコア系のメタルテイストは好きになれない、みたいな話。そういう観点からは、歌詞も言葉の響きとして良いかみたいなのが気になる。中身が気になるケースはレア。
影響:自分の生活にインパクトを与えたかどうかみたいな話だけど、これは年に1曲出るか出ないかくらいです。まあ主観による補正みたいなもんだと思ってもらえれば。

そんな観点から選んだように推測される今年のベスト10はこちら。Apple系の配信リンクを入れてますが、時間の都合によりAmazonとかSpotifyのリンクは気が向いたら入れるんで勘弁してください。

10位:宇多田ヒカル「あなた」

 

クリス・デイヴのドラムのゆらぎが、宇多田ヒカルの声のもつふるえと合わさって独特なグルーヴを生み出している曲。

9位:DADARAY「イキツクシ」

 

川谷絵音ワークス、全般的に良かったけどその中でもこれが好きだった。独特の色気がある。フェスで2度見たけどライブでもとてもよい佇まいだった。

8位:思い出野郎Aチーム「ダンスには間に合う」

リリスクの主催イベントでやってたんだけど、とにかくライブでみんなで一緒に歌ったりしながら聴いてたの、今年行ったたくさんのライブの中でもとりわけよい光景だった。

7位:MONDO GROSSO「ラビリンス」

 

ここ数年ジャズやR&Bをたくさん聴いてきてたので、MONDO GROSSOが出てきた時よりもよりすんなり自分の耳にフィットする感覚がある。しかし満島ひかりの歌声、なんか独特の存在感があるね。 

6位:w-inds「We don't need to talk anymore」

恥ずかしながらw-indsをきちんと聴いたのはこれが初めてってくらいなんだけど衝撃的に良かった。いい意味でJ-POPぽくないというか、ちょっと先に進んでる感じ。ただ従来のリスナーをそこまで置いてきぼりにもしない感じ。 

5位:Kaede「あの子が暮らす街(まであとどれくらい?)」

Negicco本体の曲も今年は少ないながら粒ぞろいだったんだけどこの曲はかなりびっくりした。かえぽだけだとこんな感じなのか、と。歌声がすごく独特。なんか喋りと歌唱の中間地点みたいなところにあるような不思議な感じの歌だった。

4位:ONE III NOTES「SHADOW AND TRUTH」

僕が大好きな漫画家であるオノ・ナツメ先生の「ACCA13区監察課」のオープニングテーマ。めちゃくちゃカッコいいサウンドでなんとなくカウボーイ・ビバップ的な印象を与える曲だったかも。アレンジがよく練られてたな、という感想。

3位:小沢健二「流動体について」

 

去年の「魔法的」ツアーに行ってめちゃくちゃ満足してもっと聴きたいなとずっと思っていたところに満を持して出てきた感じ。他の人があまり使わない言葉回しから作られる歌詞、それを詩的に伝える歌唱(彼の歌唱は世間で言われる上手下手とは全く別のレイヤーにあると思う)。小沢健二 is back!!という感じ全開の一曲。

2位:かせきさいだぁ「カンフーダンス」

この曲を初めて聴いたのは2015年の5月にあった代官山loopの企画でのかせきさいだぁ&ハグトーンズのライブ。もしその年のうちに音源がリリースされていればその年の年間ベストに選出していたかもしれないくらい1度ライブで聴いただけで心を鷲掴みにされてしまった曲だ(実際にはその場でのあまりの好評っぷりにアンコールでもやったので2度聴いたが)。楽しさの極致みたいな曲で、スタジオ録音にあたってはNegiccoDJみそしるとMCごはんをゲストに加えている。これがまたいい味出してる!またライブで聴きたいなあ。

1位:lyrical school「つれてってよ」

  

 

1位は2年ぶりのリリスク。結局リリスクかよ!と言われそうだけど実際いい曲なんだから仕方ない。かわいらしさと情感のバランスがすんばらしく良い。「夏休みのBABY」の時より各自のラップはこなれてきてて、個性も出始めてきている(ライブで何度か披露した後に録音されたのが理由として大きい)。とにかく今年の後半はライブでもスマホでもたくさんたくさんこの曲を聴いた。もうこの曲以外に1位はありえないでしょう。

 

全体的な感想としては、基本アルバム聴きなので曲単位で聴くことが少なく、上位はシングルリリースされたものが中心になった。聴き方が順位に影響を及ぼしている、というのは結構ありそうだなと思った。

 

そんなわけで次はアルバムだけど、まだ全く順位付けてない!!果たして2017年のうちに仕上がるのか!?お楽しみに〜〜

第6回アイドル楽曲大賞2017に投票しました

さあ師走だよ!もう1年を振り返る季節ですね。ということでまずはこちらから。

第6回アイドル楽曲大賞2017

投票するにあたっていくつか個人的に定めたポリシーとかについて述べておく。まずノミネートリストが出てから新しく音源をあさったりとかとかはしていない(フィロソフィーのダンスのアルバムみたいにリリースされたのは普通に聴いたけど)。聴き逃しているものを掘り起こして投票してもそれは自分にとっての楽曲大賞なのか?という疑念があった。そもそもこの賞は投票層が極端に偏っているので自分としては個人的な振り返りのために投票するという体にしているし。それから同カテゴリ内では同じグループの重複が無いようにした。まあ、このイベントは「2010年以降継続しているアイドルムーブメント」の当事者が対象だと考えているのでPerfumeSILENT SIRENLittle Glee Monsterなどはノミネートされていても意図的に投票大賞から外している。

それでは投票内容の公開。

メジャー部門

1位:吉田凜音「最高革命」

最高革命

最高革命

  • 吉田凜音
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

2位:欅坂46「エキセントリック」

3位:清 竜人25「25」

4位:NGT48「青春時計」

 

5位:私立恵比寿中学「なないろ」

正直に言って本当に殆ど直球メジャーなものしか聴いていない。そんな中なんとなく聴いた吉田凜音はかなり良かった。清竜人25ありがとう。そんな感じ。 

インディーズ・地方部門

1位:lyrical school 「夏休みのBABY」

2位:フィロソフィーのダンス「ダンス・ファウンダー」

3位:Task Have Fun「ギュッと、チュッと」

4位:Negicco「ともだちがいない!」

5位:脇田もなり「Boy Friend」

5位のもなりちゃん以外は全部ライブで見たやつ。Negiccoは今までと違う感じで好きってなった。Taskは2回見たけどこの曲かわいいなーとか思いながら見てた。フィロソフィーのダンスは一時期ライブを集中的に見たけどパワーがあった。音源だと若干微妙になるんだけど……リリスクの夏休みのBABYは、この曲なかったら今年の後半の自分はもっと違う生活をしていただろうなあと思うので1位。 

アルバム部門

1位:Maison book girl「image」

 

2位:吉田凜音「STAY FOOL!!」

3位:amiinA「Varkely」

アルバムはブクガが圧倒的に良かった。というか自分が聴いた中ではそこまで豊作感なかったかな〜〜という感じ。ただライブで聴いた時はまた色々違う印象を受けたのでそれはそれで面白い。amiinAはいつも作り込まれてて良い。なんだかんだ音源で聴く分には作り込まれた楽曲を聴くのが好きなのかな自分。

 

推し箱部門

lyrical school

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今年のリリスクに関してはこの紙面では言い表せないので今までに書いた記事を見て。

 

いつも変化を続けて色々な逆風とかそういうのと戦い続けてる5人のことがホント好きなので来年もよろしくお願いします。リキッド楽しみ。

所感

アイドルシーンがどうこうとかと関係なくこのイベントの立ち位置がなんか厳しくなっているなあという気がする。すでに誰か言ってるかもしれないけど当初のノミネートリストが夏の大型アイドルフェスに出演しているグループだけに限られていたというのは運営側のモチベーションを問う声もままあったけどアイドルシーンがひたたすら拡散しているということのようにも感じた。

去年「楽曲派はほぼ死滅してる中楽曲派(笑)という空気が残ってるのきつい」みたいな話書いたけど第2世代楽曲派アイドルみたい感じでヤナミュー・オサカナ・フィロのス辺りが存在感出てきてまた「楽曲派」的空気感は盛り返しをやや見せてる印象。とはいえマジョリティではないけど。あと第1世代の子達もまだ頑張ってるからね。名指しはしないけど。

最終集計結果にはあまり興味がないので予想とかはしないけど、今年もどんどん振り返っていきたい。こちらからは以上です。

テクノロジーはライブ・エンターテイメントをどう拡張するのか

最近はリリスクばかり見に行ってるたにみやんさんですが、もちろん他にもいろいろ行ってるわけで、今日はその辺の話をしたい。特に9~10月に立て続けに行ったBABYMETALとサカナクションの大箱ライブがなかなかテクノロジー駆使した演出をしていて面白かったのでその辺の話。あとそれとはちょっと異なるけど先日話題を博した実証実験なんかの話も交えたい。

●空間を演出するテクノロジー、演者にフォーカスするテクノロジー

時系列的には後になるんだけど、まずはサカナクションの話をしたい。関東では幕張メッセ2DAYS、大阪では大阪城ホール2DAYSでおこなわれたうち、僕は幕張メッセの2日目に。以前からレーザー光線や可動式LED照明(NINJAR LIGHT)にオイルアートを活用した視覚的効果をライブに積極的に取り入れ、音楽だけにとどまらない総合エンターテイメントを志向していたけど、今回のライブはその集大成的な意味合いもあったように感じた。

サカナクションはテクノ・ダンスミュージックとロックの融合というコンセプトを掲げていることもあり、クラブなりレイヴ・パーティーなりを連想させる空間作りを各種テクノロジーで実現しているように感じるところで、事務所が同じなBUMP OF CHIKENやしばしばその演出の壮大ぶりが話題になるSEKAI NO OWARIなどと同様、空間をテクノロジーで演出している、といえそう。大箱になればなるほどこの手のテクノロジーは増えていく。そうしないと空間がスカスカになってしまうので、これからもそういうのは増えていくしサカナクションについては大箱になったことに伴いスピーカーの数も相当増やしてさらに6.1chのサラウンドにしたという点でもこれからの大規模ライブのお手本になっていきそうである(ただし、個人的な所感としては6.1chサラウンドについては楽曲本体にはあまり活用されていなかった。スピーカーの数の方が重要でしょう)。

 

ただし、どんなミュージシャンも大規模になったらそんな演出をしなくてはいけないのか、という話も出てくるのではないかと思う。その辺向き不向きもあるだろうし…というものだ。そこに対する一つの回答になっていたと思われるのがBABYMETALのワンマンライブ「巨大キツネ祭り」だ。さいたまスーパーアリーナでの公演に2日連続で行ったんだけど、このライブではステージの背景に巨大ディスプレイを用意してメンバーを大映しにするというのが演出の核だった。

いつものBABYMETALのライブだとステージセットが大胆だったりで結構演出に気合が入っていることが多く、どちらかというとさっき挙げたような「世界観をブーストする」ような演出が主体だったのだけど、それとは真逆の構成だった。実際行った人達からは「演出が少なめ」と捉えられた方が多かったようにも見受けられたけど、僕は逆の感想を持った。これは「演者にフォーカスする」演出だと。ステージの背景をまるまる使ったマルチディスプレイは可動式な上にアリーナ備え付けの設備よりも解像度が高くてめちゃくちゃ鮮明に映るものであった。高さは10メートルくらいはあっただろうか。これでメンバーが大映しになればどんな端席からもBABYMETALの3人のことがよく見える(実際2日目は200レベルの最後列だったが、それでもメンバーの表情がよく見えたのでかなり満足感高かった)。特にBABYMETALのように「まずはメンバーの姿を見たい」アイドルならばこういう演出はよくハマるのではないかと思うところだ。VRやARの一歩手前みたいな感じだなとも思ったし。実際BABYMETALは東京ドーム公演でも360度ステージに合わせた360度ディスプレイを採用しており、演者を遠くの観客にも見せるということに対してとても積極的だ。規模に関わらずシンプルにライブを見せたいと考えるバンド・ミュージシャンにとっても大いに参考になるのではないか、と思うところだ。 

Perfumeがトライした「距離を超える」ことの意義

少し前になるけどPerfumeNTT docomoとコラボレーションして技術デモのようなライブをやった。東京・ニューヨーク・ロンドンの3カ所にメンバーが分かれ、ニューヨークとロンドンのパフォーマンス映像を東京でリアルタイム編集してYouTubeを通じて世界に流した、というものだ。アーカイブが残ってるので見てほしい(もっとも、アーカイブではその時の衝撃は伝わりづらいかも。僕もそれで見たクチだけどw)。

さて、このパフォーマンスのテクニカルな面での特徴は国を横断する通信であるということ以外に通信経路の一部にdocomoが実証実験を進めている5Gモバイル回線を使っているということが挙げられる。この5Gモバイル回線とはどんなものなのかdocomoのホワイトペーパーを確認してみたところ、次のような要求条件を引いて開発しているという。

  • 低遅延(理論値1ms以下)
  • 大量の収容数(2010年比1000倍のトラフィック流量・100倍の同時接続数を実現)
  • 高速通信(1Gbps)

今一般提供されている光回線とほぼ同等の通信環境がモバイル回線で可能になるというわけだ。マジかよ。その辺パフォーマンス後にNTT docomoの担当役員の方が囲み取材で答えててその中になかなか面白い話があったのでここで紹介。

 

話の中で特に興味深かったのは次の点。

  • 5Gを使ったのはロンドンからの映像が日本に来て建物に入ってから映像デコーダーまでの部分(いわゆるラストワンマイル)。ただし多少距離が離れても低遅延性は維持できる
  • 動画はフルHD×4本を送っているので4K相当のデータ量。
  • 動画の中に埋め込まれた絶対時刻を基準にして東京のスタジオで出力映像をシンクロしている
    (注:いくら光の速度でも大陸間通信では1秒未満にしても遅延は不可避だしNYロンドンそれぞれ東京との距離は違う。なのでこういった処理を施している。ただしあまりにも遅延が大きいと補正のしようがなくなる。今回の環境では幸いにして遅延は許容範囲)
  • 5Gは今の所スペック通りの性能を出せている(もちろん検証環境だからだけど)。国内での通信ならかなり遅延なしで使えそう

このパフォーマンスのテーマだった「距離を超える」パフォーマンスができたわけでエンタメ的には凄く可能性を秘めたものになったと思う。

例えば今回のように演者が離れたところにいてもコラボレーションできる。技術じゃなくてPerfumeがすごいみたいな意見も聞かれたしそれはもちろんだと思うけど、ある種このレベルの同期を体得して表現できる人であれば複数会場で別々のことをして合わせるというのも可能なのではないだろうか(余談。おそらく5Gが本格的にローンチするとインターネットの輻輳は避けられないだろう。そうなるとエンタメ用にIP-VPNのモバイルVPNを使うという選択肢も出てきそう。モバイルルーターに5GVPN SIMの刺したのを置いてインターネットを避けた安定した通信をするというのもありうる。もちろん5Gのキャパシティがスペック通りでかつそれを超えるデバイスが集合しないことが条件にはなるけど……)。今まで中継挟むとどうしても遅延みたいなのが発生してた(それがある種味になってるところもあった)けどリアルタイム同期につなげる可能性がかなり出てきたのではと感じた。ライブビューイング的なものも、今までは大きな設備・固定の回線が必要だったものがもっと手軽になる可能性もある。この辺面白いソリューションいっぱい出てきそう。

 ●テクノロジーがエンタメをエンパワーする

テクノロジーは今までできなかったことを可能にしてくれる。ただ、月並みな意見だけどやはり主であるのはライブアクト・パフォーマンスであるべきだというのは言うまでもない。あくまで、テクノロジーはエンターテイメントをエンパワーするものでしょう。その辺を見誤ってテクノロジーの導入が先に立つ、倒錯したようなライブも時には出てくるかもしれない。でもそういうのはお客さんにはすぐわかると思う。そういう目的と手段が入れ替わったようなものでは持続しない。「巨大キツネ祭り」みたいにひたすら演者にフォーカスするようなテクノロジーの使い方は新鮮に感じたし、「何のためにテクノロジーを使うか」の回答として、これからの新しい基準になりうるものではないかと感じた。テクノロジーでライブ・エンタメがもっと豊かで楽しいものになることを願ってやまない。

lyrical schoolのライブがいよいよすごいのでその魅力を本気出して考えてみた

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またリリスクの話かよ!と思われるかもしれないけど、前回のブログを書いてから2ヶ月で彼女達のライブがまたすごい方向に進んできていると思うのでその点について今日は書きたい。あの記事を書いて以降、都内のライブハウスであった対バン(アウェー含む)にはほぼ全部行ったんだけど、どれもすごく盛り上がってるしとにかく楽しい。しかも毎回毎回成長・進化していて独特のグルーヴ感が出てきていると思うんだけど、ただ「楽しいよ!」とかそういうのではあまり伝わらなそうな気がしたので、深掘りして考えてみたい。

リリスク=ウータン・クラン!?予測不可能なライブの楽しさ

今のところYouTubeに上がっている最新のライブ映像は9月10日のアイドル甲子園出演時のものなので、これを素材にして話をしたい。全部見ると25分くらいあるから最初の3曲(10分)でもいい。

まず、ラップしながら踊る曲とそうでない曲が分かれて来ている。具体的には夏休みのBABY以前のリリスクの曲は踊り、その後にできた曲とtengal6時代の一部の曲は踊りはほぼ入ってない。そして従来からの曲は随分と踊る部分を減らしているものが多いがその分踊る所はキビキビと踊りメリハリをつけている。しかし踊らないからといって突っ立ってる訳ではなくあちこち動き回ってお客さんを煽ったりレスしたり他にも色々なんかしてるわけ。その煽りやら立ち回り方が面白くて目がいっちゃうのだ。

メンバー同士で抱き合ったりいちゃついたりとかそういうのはもちろんながら最近はプチ寸劇みたいな動きをしたり途中でバナナを食べたり食べさせたり食べさせようとして断られたりしている。温泉の宴会場でライブした時はラムネを一気飲みするわ座布団を積み上げてその上で正座してラップするわでやりたい放題(余談だがこの湯会のライブは現体制ベストライブの一つだ)。わざわざ小道具を持ち込んでいるあたりツッコミどころだと思うのだけど、メンバーが楽しそうにライブをしている姿もさることながら予測不可能なメンバーの行動が独特なグルーヴ感につながっているのではないかとも思えてきてしまう。いいぞもっとやれ。

新体制が動き出してから半年で、メンバーの個性もパフォーマンスに強烈に表出されるようになってきた。それもものすごくはっきりと。まるで、彼女たちが和製ウータン・クランなんじゃないかという気すらしてしまう(ちなみにソニーミュージックのWebサイトに残ってるウータン・クランのプロフィールは妙にエッジが立っていて面白い)。

なので、早速個々の魅力的なメンバーについて紹介していきたい。

●炸裂するメンバーの個性とフロウ

メンバー紹介する前に。himeはトークイベントで今のリリスクのライブは楽屋の雰囲気をそのまま持ち込む感じでやろうとしていると話していた。つまりメンバーの素のパーソナリティが反映されるようなステージングになっているということだ。それを踏まえた上でここからのメンバーごとのレビューを読んでいただきたい。

●risano

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5月から加入した3人の中で、パフォーマンス面で最も目立っているのは彼女であるということに異論を唱える人はいないだろう。オーディエンスをガンガン煽り、英語で曲コールしたり色々セリフを挟んだり(たまにお昼ご飯に何を食べたかも英語でそれっぽく言う)、その抜群のダンス能力で合間合間にソロダンスを披露したり。彼女の特徴を一言で表すなら「ファンキー」だ。むき出しのパフォーマンスをガンガンぶつけてくる彼女。ロサンゼルスに2年半暮らしていたこともあり、英語はもとより全体的にブラックミュージックが染み付いているかのようなフロウを繰り出してくる。今のメンバーは全体的にキーが高い中で唯一の低音ボイスなので曲に安定感を与えてくれる。すんごいパフォーマーだよ、りさの先生。

●hinako

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hinakoはかわいい。超かわいい。いや僕がhinako推しだから言っているのではなくて、ライブにおける所作が何やってもめちゃくちゃかわいいいのだ。たまに変顔みたいなことしたりシーンによってはマジな顔になるけど基本的には笑顔。かわいいとお茶目のスキルが限界突破していて、まさに天真爛漫。risanoとはまた別のベクトルで破天荒でライブ中に色々アドリブでメンバーにいたずらしたり甘えたりおちゃらけたりする。その全てがかわいくて、見るとついつい笑顔になってしまう。ほんと目が離せないのです。そんな彼女は「3度の飯よりディズニーが好き」で、テレビでよく見る芸人のギャグを真似したりするのが好きな普通のかわいい女の子だ。ある意味リリスクの初期コンセプトである「ラップをしたことのない素人の女の子がラップする」の体現者ともいえる。そんな中でもラップスキルはめきめき向上してきているし、あと「プチャヘンザ!」のサビ前、「サマーファンデーション」の大サビのような胸キュンフレーズをやらせたら右に出るものはいない。あれは練習とかでどうにかなるものではなく、天賦のアイドル性と言っていいのではないか。「アイドルラップ」の「アイドル」要素を牽引するリリスクのカワイイ・リーサル・ウェポン、それがhinakoだ。

●yuu

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映画とペンギンが大好きで服装がめちゃくちゃガーリーなサブカル女子のyuuはその声質も相まって「夢見る女の子」みたいなキャラや「寂しがる女の子」みたいなキャラを仮託されることが多く、楽曲にオンリーワンの味わいを加えている。独特な浮遊感と芯の強さを兼ね備える彼女はlyrical school の「lyrical=叙情的」な部分を一身に負う存在とも言える。彼女の歌唱でしか表現できないことはたくさんある。「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」の歌メロをはじめ、高いキーを背伸びして歌い上げるところがキュンとくる。そしてダンスをはじめ一つ一つの所作がとても丁寧。risano&hinakoが本能型だとしたらyuuはとても理性的な存在で、グループのパフォーマンスに落ち着きを与えている。 

●minan

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minanについて話す時に欠かせないフレーズは「カッコいい」であり、実際にステージ上の姿はカッコいいので女の子のファンも多いのがminanさん(ただしこれは強調しておきたいのだけどステージの外ではめちゃくちゃかわいい)。しかしその雰囲気は一朝一夕に身につけたものではない。最近はhimeと「1日30個韻を踏もう」とトレーニングに励んでいる(hime談)とのこと。そのストイックさが人を引きつけて離さないあの凛とした歌唱に表れているのではないか。音程・声量共にとても安定したminanの歌唱があるから、各メンバーは冒険できる。まさに、minanあってこその今のリリスクなのだ。

●hime

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かつて所属していたライムベリーでのキャリアもあってアイドルラップといえばみたいな言われ方をすることもままある彼女だけど、物心ついた時から今まで熱心なヒップホップリスナーであり、今も旬なラッパー・ヒップホップクルーのライブに足繁く通っていてKANDYTOWNに憧れていることはそんなに知られてない(と思う)。今のライブスタイルを提案したり、色々アイディアを出したりで「かっこいいことしかやりたくない」と言ってはばからない彼女はかっこいいラップからかわいいラップまでこなせるオールラウンドプレイヤーだ。himeがラップを始めると会場のボルテージが明確に上がるのが体感できる。かつては渡された仮歌そのままでラップしていたが今はほとんど聞かないで自分自身のフロウを出そうとトライを続けているとのこと。そう、もちろんhimeも今まさに成長を続けているのだ。

改めて見ると、ほんと個性的。そして重なってるところが少なくてバランスが良いなあと思う。

●楽曲面での変化

メンバーについてたっぷり話したところで次は曲の話。リリスクが今の5人になってから作られた楽曲は下記の8つ。

  • 夏休みのBABY(7/18リリース)
  • Concrete Jungle 〜Boy Meets Girl〜(7/18リリース)
  • つれてってよ(12/19リリース予定)
  • CALL ME TIGHT(12/19リリース予定、未発表)
  • (GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!(リリース未定)
  • I.J.(仮) (リリース未定)
  • NOW!(リリース未定)
  • DANCE WITH YOU(リリース未定) 

始動から半年で8曲作られ既に7曲がライブで既に披露されている。特に10月の自主企画の時はこれら7曲でライブの殆どが構成され、これより前に作られた曲は殆どショートバージョンでフルに披露されたのは「photograph」だけだった。ヒップホップはやはり演者のパーソナリティと不可分である面が強いのでガンガン新曲出して今のメンバーに楽曲をアジャストさせていくことは必要だと思うのでこの動きは好ましく思ってる。「プチャヘンザ!」や「FRESH!!!」のようなキラーチューンが欲しいなと思ってるんだけどどうやら「DANCE WITH YOU」がそれに該当しそう(この曲、びっくりするほど良い)。しかしながら4曲はCDリリース未定ということなのでライブに来ないと聴けない。これまたレア感があるぞ。

楽曲の特徴という面ではどんな感じかというとまず各メンバーの担当割りがそこそこ長めになっている。初期楽曲に近いとかメンバー変わったから一からみたいな要素よりも、単純にメンバーごとのフロウを聞かせたいみたいな意図の方が強いのではという感じもする。おそらくダンスを減らしているのもその辺の意図とリンクするところではないかと推察される(何せ踊りながらラップするということはとても大変だ)。何事もバランスであり今はこうするのがよいと思ってラップ重視にしている、ということだと思うけど各人の飲み込みの早さや個性の確立が想像以上に早かったので相当面白いことになっているのではないか。

楽曲制作陣は昨年のアルバム「guidebook」でも製作陣の中心であった泉水マサチュリー(WEEKEND)・大久保潤也(アナ)が引き続き大半の楽曲を書く体制になっており、他にも坪光茂樹・高橋コースケなどおなじみのメンツが時折提供、という感じだ。以前は様々なミュージシャンから提供を受けていたが新体制のスタートにあたっては気心と統一感を重視したのだろう。バンドサウンド+サンプリングで割と聴きやすいトラックが多い。

そんな中で異彩を放っているのが「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」。どちらかというとハードコアタイプの楽曲なのだけど、タイトな楽曲でありながらかわいらしさやはしゃいでるような感じをキープした絶妙な塩梅の仕上がり。この曲は今のリリスクによる「女の子たちの成り上がり物語」の開幕宣言と捉えている。これまでに僕はリリスクの楽曲と「日常」の結びつきについて何度か話をしてきた。それが完全になくなったとかまでは言わないにせよメンバーが変わったことを機に新しいモードに移行しているんだなというところを感じさせる。

●ライブハウスでのリリスクは最強である

リリスクのライブ、今だとニューシングルリリース前なのでいろいろなところで週末インストアライブをやっている。ただ、僕は是非ともライブハウスで見ることをお勧めしたい。なにせ「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」や「DANCE WITH YOU」などのビートがめちゃくちゃ増幅されてドープな感じになる。メンバーの気合も入ってるし、とにかくライブハウスでのリリスクのライブは毎度マジックが起きている。特に10月の自主企画「MY DATE」は嵐のような激しさだった。リリスクの楽曲ってBPM100〜120くらいでそんなに早くないしわかりやすいファストラップみたいなこともしていないわけだけどそれでも爆発的な盛り上がりを生むことができるんだってことを是非とも体感してほしい。直近だと11月5日に対バン企画「MY DATE」12月9日に名古屋で企画ワンマン12月16日の恵比寿リキッドルームでのワンマンライブがある(12/3の矢口真里主催やぐフェス出演もあるが、キャパシティがブッキングに見合ってなくてチケット争奪戦なので置いておく)。

「今のリリスクはこんなにすごいんだぞ」ということをひたすら書いてきたけど、なぜここまで長々書いてきたかというと今のリリスクがめちゃくちゃ良くなっているということがかつて見ていた人達含めあまり知られていないんじゃないかと感じているからだ。すんごいもったいない。見れば間違いなくわかる。見にいらっしゃい。おいでよ。