昨年12月16日のリキッドルームでのワンマンライブから、昨年5月に今のメンバーになって以降に作られた楽曲だけを抜き出して作られたライブアルバム。すんごく曲が良いし(多少のミスはありつつ)アイドルらしいハツラツとしたパフォーマンス。しかしながらこのアルバム、驚くほどミックスなどがされていない。なので音量が小さくて聴きづらい部分があったりするのだけど、逆に生々しさを際立てているようにも感じるところ。「PIZZA」「つれてってよ」「DANCE WITH YOU」が良い
去年の「魔法的」ツアーに行ってめちゃくちゃ満足してもっと聴きたいなとずっと思っていたところに満を持して出てきた感じ。他の人があまり使わない言葉回しから作られる歌詞、それを詩的に伝える歌唱(彼の歌唱は世間で言われる上手下手とは全く別のレイヤーにあると思う)。小沢健二 is back!!という感じ全開の一曲。
サカナクションはテクノ・ダンスミュージックとロックの融合というコンセプトを掲げていることもあり、クラブなりレイヴ・パーティーなりを連想させる空間作りを各種テクノロジーで実現しているように感じるところで、事務所が同じなBUMP OF CHIKENやしばしばその演出の壮大ぶりが話題になるSEKAI NO OWARIなどと同様、空間をテクノロジーで演出している、といえそう。大箱になればなるほどこの手のテクノロジーは増えていく。そうしないと空間がスカスカになってしまうので、これからもそういうのは増えていくしサカナクションについては大箱になったことに伴いスピーカーの数も相当増やしてさらに6.1chのサラウンドにしたという点でもこれからの大規模ライブのお手本になっていきそうである(ただし、個人的な所感としては6.1chサラウンドについては楽曲本体にはあまり活用されていなかった。スピーカーの数の方が重要でしょう)。
映画とペンギンが大好きで服装がめちゃくちゃガーリーなサブカル女子のyuuはその声質も相まって「夢見る女の子」みたいなキャラや「寂しがる女の子」みたいなキャラを仮託されることが多く、楽曲にオンリーワンの味わいを加えている。独特な浮遊感と芯の強さを兼ね備える彼女はlyrical school の「lyrical=叙情的」な部分を一身に負う存在とも言える。彼女の歌唱でしか表現できないことはたくさんある。「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」の歌メロをはじめ、高いキーを背伸びして歌い上げるところがキュンとくる。そしてダンスをはじめ一つ一つの所作がとても丁寧。risano&hinakoが本能型だとしたらyuuはとても理性的な存在で、グループのパフォーマンスに落ち着きを与えている。
始動から半年で8曲作られ既に7曲がライブで既に披露されている。特に10月の自主企画の時はこれら7曲でライブの殆どが構成され、これより前に作られた曲は殆どショートバージョンでフルに披露されたのは「photograph」だけだった。ヒップホップはやはり演者のパーソナリティと不可分である面が強いのでガンガン新曲出して今のメンバーに楽曲をアジャストさせていくことは必要だと思うのでこの動きは好ましく思ってる。「プチャヘンザ!」や「FRESH!!!」のようなキラーチューンが欲しいなと思ってるんだけどどうやら「DANCE WITH YOU」がそれに該当しそう(この曲、びっくりするほど良い)。しかしながら4曲はCDリリース未定ということなのでライブに来ないと聴けない。これまたレア感があるぞ。