たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

2015年の音楽配信市場読み解き

先月CDなどのパッケージメディアの売り上げというか生産状況について色々考察など入れてみたけど、音楽配信の方も年間のデータが出たのでざーっとレビューしていこう。日本レコード協会有料音楽配信売上実績というデータで、こちらは配信業者からの売上データ提出による物なので生産じゃなくて売上なんですね(そもそも複製コストゼロの配信で「生産」を数えることには意味がないしね)。とはいえ、パッケージメディアの時と言葉を合わせた方が良さそうなので「市場読み解き」というタイトルにしとく。たぶん来年もこのタイトルでいくはず。

はっきり明記しているわけではないけど、日本レコード協会が正規音源を扱っていると認定している証である「エルマーク」を付与されている音楽配信サイトがこの集計の対象になっている物と推測される。iTunes StoreAmazon MP3などの外資系のみならずLINE MUSICやAWAといった定額制配信サイトにもちろんついている(Apple Musicは記載がないがiTunes Storeに含まれているだろう)し、リスト(PDFです)を見るに各アーティスト・レコード会社等の直販サイトも対象になっているようです。としてもちょっと腑に落ちないところがあるんだけど…それはちょっと後で触れます。

ちなみに昨年までの文章はこちら。2011年と2012年はパッケージと一緒。
2011年:音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話
2012年:レコード業界のゆくえ2013(音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話 Part.2)
2013年:2013年の音楽配信売上まとめ
2014年:2014年の音楽配信の売上読み解き

ここまでの文章は去年と殆ど同じだけど、基本同じことをあまり繰り返してもくどいので、こちらも適宜参照していただけるとこれ幸い。

●サマリー:定額制配信様々…?

まずは売上数量。

volume PC/スマホシングル:1億884万8千DL(前年比100%)
PC/スマホアルバム:843万7千DL(前年比109%)
着うた+着うたフル:1482万9千DL(前年比61%)
メロディコール:4,399万4千件(前年比83%)
DL数総計:1億7,811万3千件(前年比91%、ビデオ等その他項目含む)
単曲もアルバムも一緒くたにしておいて数を数えるっていうのは変な話ではある。ここ数年は着うた+着うたフルが急速に落ち込んだ分をPC/スマホ向けでカバーするけどトータルは減少、というところであった。今年までくると着うた+着うたフルは5〜600万件と大した減少数ではないのだけど、PC/スマホ向けダウンロードが停滞しているために今年も引き続きトータルダウンロード数は減少となった。じゃあなんでそんなことになっているのかな、ってところで売上金額。

sales

PC/スマホシングル:174億3,800万円(前年比100%) PC/スマホアルバム:92億2,900万円(前年比111%) 着うた+着うたフル:23億4,000万円(前年比56%) メロディーコール:29億5,300万円(前年比79%) ダウンロード総計:346億8,500万円(前年比100%、ビデオ等その他項目含む) サブスクリプション:123億9,300万円(前年比159%) 音楽配信売上総計:470億7,300万円(前年比108%)

見て明らかなのはサブスクリプション(つまるところ定額制配信)の伸張とPC/スマホ向けシングル曲の停滞。もちろんその中核にいたのはApple Music、LINE MUSIC、AWAといった第2世代の定額音楽配信サービスだ。ただし、純粋に増えた金額だけ見れば2013年→2014年とほぼ同じだ。ここについては四半期別のデータをもとにここ5年くらいの動きをもう少し詳しく見ていきたい。

detail

2015年の2Q(4〜6月)にAWAとLINE MUSICが立ち上がったあたりからダウンロード売上が頭打ちになっていることがわかる(前掲の数字に出ている通りアルバムはまだ前年度比で上昇しているんだけど、)。また、今年のサブスクリプションの伸張は後半(3Qと4Q)に集中しており(この期間での増加分で30億円であり年間伸び額の66%だ)、第2世代定額制音楽配信が無料期間を終了してもそれなりの人数が有料会員として継続したと推測される。そしてその時期からPC/スマホ向けのダウンロード金額が伸び悩んでいることから、喰い合いが生じているというのもまた事実。しかしこの傾向は世界全体としてそうだしトータルではプラスだからいいかな、という感じなんだろう。

ところで気になっていることが一つある。サブスクリプションの1Q売上は23億4000万円。1月あたり8億円弱、と算出されるわけだ。そしてドコモのdヒッツが2015年の3月に会員数300万人突破を発表したが、この料金が300円か500円のいずれかであることから間をとって一人400円とすると1月あたり12億円の売上が上がることになるわけだけど、計算合わなくない?????実際にはdヒッツには初月無料制度があったりとかで割引も講じられているわけだけど、内訳がわからないから色々見えない(当たり前だけどdヒッツはLマーク認証サイトである)。

何が言いたいのかというと、(数字の不明な点はあるにせよ)今の定額制音楽配信についてはみんなが注目しているApple Music、LINE MUSIC、AWA等と同じくらいにドコモのdヒッツもプレゼンスがあるということ。2013→2014の伸張はかなりここによるところが大きいと考えられる(会員数の推移を見ると顕著)。しかもdヒッツは今年に入ってから嵐の楽曲を配信開始した。ジャニーズの楽曲は他のところでは全然出てこないのに、である(ちなみにSMAPSexy Zoneなど一部のジャニーズグループはレコチョクに単曲配信をしているが、あくまでレコチョクのアプリでしか聴けない)。

どうしてか、という理由の一つにdヒッツの配信方法がオンデマンド型ではない、ということが挙げられる。ドコモのdヒッツの説明ページにはこうある。

テーマに沿った楽曲があらかじめ登録されているので、ひとつずつ楽曲を選択する必要がありません。 毎月10曲ずつ、好きな曲を「myヒッツ」に保存することで、好きな時に好きな曲が聴ける♪ 音楽プログラムにある曲はもちろん、プログラムにない曲も検索して「myヒッツ」保存が可能!myヒッツした曲は、あたかも楽曲を購入したかのように、いつでもお好きなタイミングでお楽しみいただけます。

どういうことかというと、オフライン保存できるのは月10曲のみであり、基本はドコモが用意したプレイリストに沿った形(AWAのライトプランみたいな感じ)で使ってね、ということだ。この形式ならCD等の購入につながるとして許可する権利者も結構多い。例えばサザンオールスターズはdヒッツに280曲も出しているスマートフォンでリンク先に行くと楽曲試聴もできる)。そんな形態ながらも嵐はジャニーズとして初めてこういった定額制音楽配信サービスに参入した、というのが相当なインパクトなので、これからの動向に注目なわけ。もしかしたら、dヒッツがサービスを拡充していくことで定額制音楽配信サービスのダークホースになる可能性もありうる。この楽曲群をそのままオンデマンド型に持っていければ、という仮定の話であり結構難しいとは思われるが。(2/25追記:dヒッツには「携帯電話契約時にセットで結ばせる所謂「レ点営業商品(申込用紙にチェックマークを入れさせて契約させる商品)」であり、やめ忘れによりあまり使われてないのではという指摘がある。それは確かにそうであるが、ドコモ側でもその問題は認識していて改善に取り組んでるゆえのラインナップ改善であろう。実際ドコモ側の発表ではあるがアクティブユーザーの比率は改善してきているようである。)

さて、ここでどんな曲がたくさんDLされたかも記しておこう。正確な数字はないけど、2015年にリリースされた楽曲で、その年のうちに日本レコード協会でプラチナ(25万DL)以上のランクに認定されたのは以下の楽曲(ページリニューアルにより条件をつけて検索できるようになったから助かる)。

ダブル・プラチナ(50万DL〜)

プラチナ(25万DL~)

個人的な感触としては、着うた全盛の時とそんなにラインナップ変わらないような気がしている。シングルトラック単位だとそんなもんかな、という印象。そして去年は松たか子の「Let It Go」というミリオンヒットがあったのだけど、2015年はそこまで突出したものはなく、全会一致で決まるような「1年を代表するようなヒットソング」はないという状態かな、と。まあ敢えて言えば「トリセツ」なのでしょうが、年が明けてからbuck numberの「クリスマスソング」もダブルプラチナになっているので、突出している、というわけでもないかな。

www.youtube.com

www.youtube.com

そんな感じで2年連続で売上金額が前年度越えした日本の音楽配信市場。定額制配信が伸張したものの、ダウンロードは頭打ち。そんな中でこれからどうなるか展望のような物を述べていきたい。

●相変わらずのパイの少なさをどうするかという話

去年のこの記事でテイラー・スウィフトSpotifyに「NO」を突き付け最新アルバム「1989」を大ヒットさせた、という話を書いた。そして彼女は去年もApple Musicの立ち上げに当たって分配率で揉めるという騒ぎを起こした。この話自体はApple側の反応があまりにも早かったことから一種のプロレスみたいなもの、あるいは炎上マーケティングみたいなものなのかな、と推測されるところだけど、メガヒットを出すミュージシャンの動向がこういったサービスの生命線を握っていることを露わにした(「ブロックバスター戦略」みたいな話ですね)。そういった話では、去年アデルが「25」を一切のサブスクリプション型配信サイトなどに通さず、1500万枚以上を2015年のうちに売り上げた。

日本でも大物がサービスの命運を動かす事情は似たようなところがある。そういった大物ミュージシャンにフォーカスすると最も楽曲数のあるAplle Musicですら、iTunes Storeと比べると配信カタログ数はかなり不足しているし、iTunes Store(やmoraやレコチョク)ですら未配信の大物ミュージシャンは未だ多い。なぜ未配信かというと、そもそも配信しなくても買ってくれる人の量が多いからわざわざ配信でディスカウントする必要がないからだ。だからこそ嵐の参入は驚きをもって迎えられた(いや、dヒッツのことなんかみんな見てないから興味ないか…?)。ここを取り込めないと音楽配信サービスが大きく伸びることは見込めない。そもそも音楽配信サービスの売上額というのはパッケージメディアの1/4〜1/5くらいなわけですから。

日本はレンタルCDがあるなど極めて独特な環境であり配信への阻害要因は大きいんだけど、今時CDドライブのないPCも増えてきているし、そもそもPCない人もずいぶんいるし(この5年で個人向け出荷台数も相当減ってしまっている)新しく音楽買ってもらおうとするのであれば配信の方が早いわけ。インフラ面でもCDが今後伸びる芽はないので、業界の命を守りたければ配信を通じて「音楽を聴く人」を増やす必要があるだろう。そもそも音楽自体興味ない、「金払う価値ない」位の考えの人が今の日本のマジョリティである事は疑いようもないので、dヒッツやAWAライトプランや、Spotifyのようなフリーミアムなど、安い価格あるいは0円でリーチを伸ばす施策も欠かせないだろう。フリーミアム自体はリスク高くてやらなそうな気がするけど、YouTubeでしか音楽を聞かない人の多さやLINE MUSIC無料期間終了後の反応の悪さはさすがにわかってるでしょ、とは言いたい。まだその先に「お金払ってもう少し色々自由に聴かない?」みたいな道は用意しておいたほうが良いのでは、というだけ。なんだかんだ制約などありつつ配信の利便性は高いので(この半年くらい、Apple Musicにないものはよほど好きなミュージシャンでない限りCDで買わずにまずダウンロード配信を使う、という流れになっている)、どんどん良い方に変わっていってほしいなあという次第。

2015年の音楽パッケージメディア(CD・レコードなど)の市場読み解き

例年通り、2015年の音楽パッケージメディア情勢についてレコード協会さんの生産実績統計が発表になったのでそこに対する分析など書いていきたい。生データはこちら。

一般社団法人 日本レコード協会|各種統計

去年この協会のWebサイトがリニューアルしたのだが、はっきり言ってUI的には改悪そのものである。標準の文字の大きさでアクセスすると、表のセルの中で多桁数字に対する改行が入っており、数がわかりづらい。バカじゃないのか。しかもWindowsで文字を小さくすると1行に収まるがMacでは収まらない(SafariChromeFirefoxどれでもだ)。担当者の方には即刻修正してほしい。ていうかこのデータ見てほしくないのか???

さて、例により前口上。ぶっちゃけた話、この記事には景気のいい話は余り出てこない。だからといってそれを煽るためにこの記事を書いているわけでは無いし、「今の音楽がダメだからCDが売れない」みたいなくだらない結論を書くつもりも無い。この売上集計を元にした記事は今回で5回目になるけど、正しい情報を書いてその背景に何が起きてるかを客観的に分析するだけだ。なぜ僕がやるのかというと誰もやってないからだし、自分自身にとってこの深掘する作業が面白くて楽しいからだ。そして原典のデータが見づらいから、という新しい理由も加わった(笑)。というわけでよろしく。

因みに、上記で参照しているのは生産実績統計なので、小売りで売れた分とは若干一致しないところがあります。後でちょっと触れるけど今年は12月の生産が多い分野もあり、元日発売日製品は12月のうちに作って出荷(さらにはフラゲもあるけど)するため年内の実績になる、みたいなことも発生する。

因みに過去の記事はこちら。

2011年:音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話
2012年:レコード業界のゆくえ2013(音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話 Part.2)
2013年:2013年の音楽パッケージメディア(CD・映像・アナログ等)売上まとめ
2014年:2014年の音楽パッケージメディア(CD・レコードなど)の売上読み解き

毎年タイトルをマイナーアップデートしてるんだなwそして今年も……

●サマリー

ではCDと映像メディアについて、まず数量ベースで暦年単位での推移を比較。

volume1

CDシングル:5,514万枚(前年比99%) CDアルバム:11,269万枚(前年比98%) CD合計:16,783万枚(前年比99%) 音楽DVD/Blu-ray:5,407万枚(前年比101%)

毎年同じ話をするけど、日本だけでなく全世界では音楽パッケージメディアとしての主流はシングルではなくアルバムなんです。金額だけでなく枚数もアルバムの方が上回っている、という話です。ただし、それでも日本は世界的に見てシングル比率が高いというところはあります(昔国際比較の記事載せましたが、基本的には変わってないはずです)。

volume2

CDシングル:417億円(前年比100%) CDアルバム:1,384億円(前年比97%) CD合計:1,801億円(前年比98%) 音楽DVD/Blu-ray:719億円(前年比106%)

枚数と同じで微減、といった感じ。今年の日本の音楽ビジネスにおけるトピックはApple Music、Google Play Music、LINE MUSIC、AWAといった定額制音楽配信が始まったことであり、それにより音楽の聴取形態が大きく変わることは間違いないのだけど、これでCDはますます売れなくなるとも、ひとまず定額制のストリーミングからパッケージ販売への導線が作られるとか両方の説があった。それで結果はどうなったかというとCDの販売数量及び金額は増えも減りもしてもいない。まあたかだか1年でドラスティックに変わるわけでもないし、定額制音楽配信自体日本で本格的に出てきたのは今年後半で浸透度はまだまだ低いので、こ年の数値が底打ちなのか足踏みなのかを含め、色々結果が出てくるのはこれからだろう(これら含む配信の話はまた来月に)。ただ、僕個人の話をすればCDを買う枚数が去年の後半から確実に減ったのは間違いない。

因みに、ここで挙げられている数値は日本レコード協会の集計数値であり、その加盟社が対象となるのでいわゆる「メジャーレーベル」の数値に限られたものになる(日本におけるメジャーレーベルの定義は日本レコード協会加盟社であること、です。詳しくは山口一郎さんによるラジオでの解説を参照あれ)。とはいえ、インディーズレーベルも生産や流通の一部をメジャーレーベルたるレコード会社に委託しているケースは極めて多いので「ほぼ」市場規模の数値、といってもそんなに問題ないんじゃないかと思う。

●CD売上の前年比較詳細

年間を通じたパッケージメディアの売上には殆ど去年と同じということになったために、去年以上に書くことがない。因みに洋邦別に前年比を出すと邦楽が104%、洋楽が73%くらい。その結果、パッケージメディアにおける洋楽比率は過去最低の14%にまで落ち込んだ。去年がアナ雪特需で一時的に盛り返していたとはいえ、ちょっとびっくりな数字ではある。では実際傾向どうだったのかということで、例によりオリコントップ100の属性比較。集計期間が1ヶ月ズレており、さらにシングルは4割くらいカバーできるけどアルバムは15%程度だから参考程度にしかならないことをご承知置きくださいませ。それからジャンル分けだけど、例年通りポップスとロックの境界線が曖昧な気がするけどそこはまあ気にすんな。

genre

やっぱり洋楽の数値は少なくなっていた。心配だ。あと、ジャニーズと48G以外のアイドルによるアルバムは一切トップ100にランクインしなかった。ただし、今年はPerfumeももクロBABYMETALの三者が春にアルバムを出すことが発表されているので一時的なものでしょう。でんぱ組.inc等もランクインしなかったことは意外だけど、よくよく考えるとこの辺りも上記3グループと異なりCD売上が接触頼みな面があるなので、単価の高いアルバムはなかなか売りづらいんだろうなあと思わされるところ。シングルのアニメ・声優については「ラブライブ!(サンシャイン含む)」「THE IDOL M@STER」の関連作品がほとんど。また、去年やってみたオリコン100位作品の売上枚数推移はこちら(去年5年分しか作らなかったので気合い入れて10年分に延ばしてみた)。

No100

アルバムは前年からさらに減少、シングルは微増という予想通りな感じ。面白いのは、シングルは2009年を境にオリコン年間100位の数値が盛り返し、アルバムは一貫して下がっているというもの。ちなみに2010年からAKB48が年間チャート連続1位を続けており、いわゆる「複数買い」が定着した時期とオリコン年間100位作品の枚数が下げ止まった時期は一致している。シングルは複数枚買いしやすいのでこういう結果になったのかなという感じだけど、一貫して売り上げが小粒化しているアルバムの数値を見るとちと易きに流れていやしないかな……という気持ちにもなる。シングルとアルバムの利益率の違いなどがわかれば色々見えてきそうな気も。

さて次は例年通りの月別比較で少しブレイクダウン。

single album

去年ほど月ごとのばらつきは少ないかなって感じ。10月と11月のシングル売り上げが大きく落ち込んでるのが気になる。

●映像メディアの先行き

映像メディアについても月ごとの比較を。ここ数年は「DVDからBlu-rayへのシフトが進んでいるがDVDの落ち込みが大きすぎ」という傾向。しかし今年はDVDの落ち込みが微減に止まった結果、トータルの数字は伸びました。

video

単価が高くタイトル数が少ないので、ヒット作品が出るとものすごく伸びるのがこの邪なるの特徴。Blu-ray1作7,000円とすると5万枚売れれば3.5億円(上記グラフでは350)になる。それで市場の0.5%だからね…2015年は2・4・12月が高いが、2月はキスマイ・安室奈美恵、4月は嵐と関ジャニ∞、12月は3代目JSBゴールデンボンバーなどが作品を出ている。また、嵐が元日にライブDVD/Blu-rayを一緒に出したのだけど、12月のうちに生産され出荷され販売が開始しているのでその数値も入ってのことだろう。ちなみに嵐はDVD・Blu-rayともに30万枚ほど売れるので1作だけで30〜40億円。下手な月の1ヶ月分の実績を軽々と叩き出すモンスターコンテンツなのである。

去年からNetflixや先行していたHuluをはじめとする定額制動画配信サービスがにわかに盛り上がってきたけど、コンサート放送というのはあまりカバーされていないこともあり、音楽映像市場はしばらくこのままなのではないか、という感じである。iTunesで売られている作品も少ないしね。

●アナログレコード、本格立ち上がり?

さて去年も独立した項を一つ設けたアナログレコード。暦年比較はこんな感じ。アナログレコードについては中古市場の存在は欠かせないのだけどそもそも把握が極めて難しい上、生産を伴わない流通取引であるため新譜と一緒のマーケットとして考えることには個人的に抵抗がある(メーカー脳)。

analog1

2015年の売上金額は、去年を大幅に上回った。今年はカセットテープよりも相当上の枚数・金額を叩き出している。ちなみに気になっていたので今年は月別推移も作ってみることにした。

analog2

全世界でRECORD STORE DAYが行われ日本も追従した4月よりも、「レコードの日」と銘打ちメーカー側がキャンペーンを行った11月のほうが生産高が上。因みに僕はどっちの月にも1枚ずつ買いました。なんとなく市場が立ち上がりつつあるのかな、という感じのするアナログレコード。ただ、どうしても高付加価値商品ではあるので幅広く売れる商品ではないと思うし、ブームと言っていい市場規模なのかいまいちつかみかねているというのが実情。今後どこまで伸びるのかは正直よくわからない。

●総括のような物

今年は音楽聴取にとってターニングポイントとなる1年になりそうけど、本格的に影響が出てくるのはこれからなのかもしれない。もしかしたらならないかもしれないけど。毎年言ってるけどレコード会社は「音楽を聴く人」をどれだけ増やすかということが最大の命題であることは間違いない(どの業界でも多かれ少なかれ言えることではあるんだけど)。かといって長期的な視野でどうこうしている余裕なんてないわけで、複数枚商法・特典商法でのパッケージ商品延命でなんとか目の前の状況をやりくりしているのが現状。

ただ、CDを売るのか、音楽を売るのか、本当に大事なものはどちらなのかということはほんとよく考えた方がいいと思う。僕自身、Apple Musicを使い始めてからCDを買ってリッピングするのが超面倒になってしまっている。本当に好きなもの以外はほとんど配信(Apple MusicもiTunes Storeも使っている)で買うようになった。なんというか音楽を載せるメディアがついに本格的に変わろうとしているんじゃないか、という気がしてきている。

というわけで来月定額制含めた配信の話をしますのでお楽しみに。

COUNTDOWN JAPAN 15/16に行ってきた話 〜完全に確立した"年末の風物詩"〜

あけましておめでとうございます。定例なので、今年も昨年末から元旦にかけて行っていたCOUNTDOWN JAPANについて色々振り返るところから始めたいと思います。新年早々振り返りから始まるのだけどいいのか。

今年も去年同様後2日参加でした。見たのはこんな感じ。 30日:cero→LITTLE GREE MONSTER→東京スカパラダイスオーケストラパスピエ→GOOD ON THE REEL→back number→DAOKO→電気グルーヴサカナクション 31日:the HIATUSthe band apart→The Fin.→Shiggy Jr.→エレファントカシマシ清竜人25→BUMP OF CHICKENCzecho No RepublicSPECIAL OTHERS→banvox→SCANDAL

特に良かったのはceroBUMP OF CHICKEN。後者については後ほど詳述します。あと良かったのはサカナクション、Suchmos、Shiggy Jr.、清竜人25辺り。自分の好きなもの中心に見てたから当たり前ではあるんだけど、全般的に満足度高かった。

さて、今年も実際に行って色々気付いたところがあるので書き残しておきたいと思う。

●ブッキングの話〜アニソンDAYは定着するか?

今年のブッキングの特徴だけど、概ね昨年までの傾向を踏襲しつつ幾つか変化があったのでまとめておく。

  • 昨年に引き続き「異分野は単体集客武道館以上」が基本線(一部例外あり)
  • 28日のアニソン関連ブッキングが拡大
  • 新人のピックアップも積極的に

今年呼ばれたグループアイドルはBABYMETAL、でんぱ組.inc、チームしゃちほこの3組。いずれも日本武道館公演をソールドアウトさせた実績のあるグループだし、横浜アリーナ2DAYSを成功させ東京ドームを控えるBABYMETALや代々木第一体育館2DAYSを成功させたでんぱ組.incはEARTH STAGEに配置された。ただあくまでそれは例外的というか、ジャンルの枠をこれらのグループが飛び越えてるとの判断によるもので、後述するアニソン関連歌手やSirent Sirenなども含め、日本武道館を売り切っても「ロックフェスがアウェイ」のグループはCOSMO・MOON・ASTROの3ステージのいずれかに配されている(GAKLAXY STAGEの大半は武道館でやったことなんてないミュージシャンなのに!)。率直に言って目配せしてますよレベルで、それ自体の集客効果についてはかなりシビアに見ているようだ。

そして、去年も28日に呼ばれたアニソン勢(何故28日なのかというとコミケと重ならないのがその日だけだからだろう)については、昨年に引き続きのKalafinaOLDCODEX、LiSAに加えてAimer、藍井エイル茅原実里が追加され、加えて昨年ごっそり削られたボカロ勢からじんが復活。タイムテーブル上は全く重なってなかったので、その気になればプチアニメロウィンターライブする事も可能であった。年末にはこういうタイプのアニソンライブイベントが無く、なおかつ28日は仕事納めが終わってない人も多くそもそも来られる人が少ない(が、これらのファンは若年層が多くこの日程でも来られる)ので層を広げで会場を埋めるというのは有効な策だろう(現にこの日は4日間のうち唯一当日券が出た日になった)。

また、これはRIJFと合わせて話すべきことなのだろうけど次世代のバンドをピックアップ・ブッキングしていこうという考えがあるようで、ネクストブレイク組がかなり呼ばれてたな、という印象。Shiggy Jr.なんかもそうだろうけどThe Fin.、Suchmosなど既存のROJ的文脈と離れたグループがそこに該当する。元々1000人未満のライブハウスでワンマンというグループが多いこともあり決して動員が良かったとは言えないが、今後も継続してブッキングしてほしいところ。

●会場設備の改善と「音楽の鳴るお祭り」化

会場は今年も1〜8ホール+イベントホールをライブ会場及び飲食スペース、9〜11ホールをクローク・物販・リクライニングスペースとする形。基本ライブ・フードエリアにたくさん人が入るようにしている形なんだけど、今年は大きく2つのマイナーアップデートがあった。1つはGALAXY STAGEの位置でもう一つは開催時間の変更。

まず会場の話。昨年は8ホールをまるまる使う形だったのが、今年は方向を変えて7〜8ホールをまとめたエリアの半分弱を使う形となった。多分なんだけど、去年より収容人数は少なくなってるはず(公式サイトによると収容人数16,000人。去年のは書いていないんだったけど、20,000人って話だったような……?)。また、昨年は丸ごと1つのホールで壁も立ててと記憶しているのだけど、防音のような工夫は幕が張ってある程度でステージの音がほぼ丸聞こえ。もちろん幕の向こう側に行った方が音は良く聞こえるとはいえ、別にフードエリアでもそこそこ音楽を楽しめるという状況。この工夫は、率直に言って最近のこのフェスの客層にはわりとマッチしているのではないか、という気もしてきてしまう。まずは、下のエリアマップを見てみてほしい。

CDJ1516_MAP

これはCDJ公式サイトのマップに僕が赤線を書き入れたものだ。6個ほど赤で新規に書き加えているけどこれは何かというと、写真撮影ポイントとして行列ができていたところだ。昨年に引き続き公式コラボブースとして登場したスターウォーズブースはライトセイバーを持って写真を撮れるところで、WOWOWブースでは撮影した写真をSNSにアップすることでステカーがもらえる、という試みをしていた。それがいいとか悪いとかそういうことではなく、写真撮影に行列しながらも音楽がそれなりに聴こえる場であるというような工夫が比較的されているように感じた(COSMO/MOON間とASTORO2階ロビーにあるROCKオブジェクトは音が聞こえづらくなる位置だけど)。大多数がそうだというつもりは全くないけど、「その辺で音楽が鳴っているお祭り」くらいな感じで来ている人もそれなりにいるんじゃないかという気がする。ステージはそこそこおめあてのをちょっと見られればいいやみたいな。そういう感じでフェス慣れしている人から全然慣れていない人まで様々な人を受け入れる都合上、会場整理・誘導(特に海浜幕張駅から9〜11ホールへの誘導)なんかはかなり小慣れてきたなという感想を持った。あと、個人的にはこのステージ入口ディスプレイが良いなと感じた(その分ラインナップ看板がなくなったのはちょっと納得いかないけど)。

IMG_3002

それからもう一つの時間変更だけど、今年は開演時間と終演時間がそれぞれ1時間早まった。シンプルに会場にいる人が多くなりすぎたので電車のキャパとの兼ね合いによるものだろう。先に述べた会場整理・誘導など含めてイベントとしての洗練度というか快適性の追究は引き続き行われているようなので来年もより良くなることを期待するところ。今年はそこまで寒くなかったので9〜11ホールへの移動が大変ということはなかったけど、終演後は人がたくさん集まって移動に時間がかかるので風除けなどあるとめちゃ寒かった時なんか良いのでは、というリクエストをしておきたい。去年から言ってるけど。

●紅白中継で「世間」とつながったCDJ

今年のCDJの最大のトピックとして挙げられるのはBUMP OF CHICKENの紅白初出場とそれがCDJ会場からの中継で行われたことだろう。クイックレポートにも記載があるけど少し補足しきながら振り返りたい。

1曲目の「Hello,world!」が終わったら影アナ鮎貝さんも登場しての5分以上に及ぶ長めのMC(ここはあまり評判よくなかったけどもう1曲やってギリギリになったら怒られるとか色々理由があったんだろう)。そして鮎貝さんの「それでは紅白歌合戦の会場の様子を見てみましょう」の声で前方ディスプレイが紅白のオンエア映像に切り替わり。西野カナ「トリセツ」の曲紹介くらいから流れる。この時点ではまだ音声なし。そして西野カナの歌唱が終わったところで音声が入り、司会のV6井ノ原快彦が藤原基央に意気込みを聞いて準備を促した後「COUNTDOWN JAPAN、国内最大の年越しフェスです」という紹介。お茶の間でCDJの名前が出てくるなんて!!何年も通っている側としては感慨深い瞬間であった。音楽好きではない知人・友人の間では名前も存在も知られてなかったわけで。ある種、コミケに次ぐ「年末の風物詩」としてその地位が確立された瞬間ではないかなと思う。

そして、映像が入ったあたりから徐々に紅白モードに切り替わっていくのを現場で肌で感じることができたのはとても良かった。バンプの演奏もめちゃくちゃ気合い入っていたし、観客の盛り上がりも良かった。結構な数の人がテレビに映りたいというか現場に居合わせたいという野次馬だったけど(結構な数の人が中継終わってすぐ出て行った)、そういう人達も含めて会場の空気感に独特のものがあったのを肌で感じた。バンプに特に思い入れがあるわけではないけど、率直に言ってものすごい感慨深いステージだった。

この歴史的瞬間についてだけど、事務所の後輩であるサカナクションが2013年の紅白歌合戦に出たことから繋がっているだろう。それ以来所謂「音楽雑誌」初の文化圏が紅白に入り込んでいくことになった走りだ。2014年のセカオワも、2015年のバンプゲスの極み乙女も(あるいは星野源も)、サカナクションが築き上げた道に乗っていると言っていいんじゃないかと思う。バンプは紅白どころかテレビにすら出ないことを信条とするバンドの代表的存在だった。しかし、それすらも動かした、ということはとても大きなインパクトのある出演だったんだな、ということを2年たった今再度確信する次第。

 

そんなわけで今年も良いCDJでした。基本的に今年見られた変化は好ましいものだと思っているので、きっと次回も行ってると思います。そんでもって今年もよろしくお願いいたします。

洋楽マイベストとか書きつつ2015年を総括するの巻

暮れゆく今年。まずはApple Musicでいろいろ聴いたしせっかくなんで洋楽ベストも出しておこうみたいな話です。率直な話聴いた作品の数は圧倒的に少ないので色々ご勘弁頂きたい!w

10:Kendrick Scott Oracle「We Are the Drum」

www.youtube.com

9:Thundercat「The Beyond / Where the Giants Roam」

www.youtube.com

8:Alabama Shakes「Sound & Color」

www.youtube.com

 7:Robert Glasper「Covered」

www.youtube.com

6:Kendrick Lamar「To Pimp A Butterfly」

www.youtube.com

 

 5:Hiatus Kaiyote「Choose Your Weapon」

www.youtube.com

4:Kamashi Washington「The Epic」

www.youtube.com

3:The Spandettes「Sequin Sunrise」

www.youtube.com

2:Christian Scott「Stretch Music」

www.youtube.com

1:Tigran Hamasyan「Mockroot」

www.youtube.com

 

超偏ってるやんけ!!!!!!!!

ほとんどジャズとネオソウル的なものばっかりであった。いや、パッションピットもニュー・オーダーカーリー・レイ・ジェプセンもミューズも聴いたんだよ。でも圧倒的にこの界隈が面白かった。特に2位のクリスティアン・スコットと5位のハイエイタス・カイヨーテはとにかくドラム・リズムが楽しすぎたのでオススメです。前に音ゲーの記事書いたけど、特にドラムマニアをやってたことはこの辺の界隈が好きなことに影響大かもしれないのです。今でも大概の曲のドラムのフレーズが頭の中でドラムマニア譜面(旧筐体の方ね)に変換されて流れてくるので(笑)、複雑なリズムがあるとどう表現するのかなーとか色々興味津々になるわけ。自分でなんとなくてでリズム打ったりとか。そんなわけでこんな順位になりましたとさ。1位のティグランは1月のリリースだけど、ほんとたくさん聴いた。メタルっぽさがあるところなんかも含めて自分の好みにかなり合ってた感じ。

ちなみにSpandettesはライブも行きました(アトグラスパーのエクスペリメントの方も。トリオは行かなかった)。ちなみに今年のベストライブはD'Angelo And The Vanguardです(アルバムは去年だったけど)。はっきり言うと生涯ベスト位な感じ。まあ来年春に再来日するんでまた行きますがね!生涯ベスト更新か、それもと2位に位置付けられるか楽しみであります。(あと年明けにはクリス・デイヴ&ドラムヘッズも…!)

www.youtube.com

●2015年を振り返る

正直に言うと2月以降あまり記事を書けなかった。そんな中Apple Musicが出た翌日に3時間くらいで書いた記事がきっかけになって雑誌に載ることになった。色々と勉強になる経験でありとても楽しかったし身の回りの人にも色々読んでもらえてよかったなあという感じなんだけど、全般的に今年書いた記事については質的にも満足していないものが多く、来年以降は直したいなあという気持ち。具体的には、自分がどう考えたかとか感じたかとかを掘り下げて明確な言葉にしたいとか、単純に表現の引き出しを増やしたいなあとかそういう話。そういえば今年は読書量も少なかったな……

ここで今年書いた記事で良かったものをつらつら挙げていきましょう。

tanimiyan.hatenablog.jp

tanimiyan.hatenablog.jp

ベビメタ関連で1月に書いた記事2つとも結構よく書けてるという自信あり。正直Road Of Resistanceの楽曲解説は何度か書いたこの手の記事の中で一番よくできてるかも。ベビメタ快進撃の概説はその前に大間違いな記事が上がったからそのカウンターとして書いた節があるんだけど、個人的に考えていたことをまとめ切れた感じがある。横浜アリーナも行ったし、来年の東京ドームを前に、THE ONE(ベビメタの会員サービス)は結局継続するのでありました。

tanimiyan.hatenablog.jp

個人的に今年の記事で一番気に入ってるかもしれない。音ゲーをゲームとしてだけ捉えるのではなく、ミュージシャンの受け皿だったり若い世代の音楽受容経路の一つだったりとかいろんな面から見てみると面白いんじゃないかな、という話です。あと、嵐が新曲出したりするたびに佐々木博史さんがお仕事されてるかどうか確認してます。

tanimiyan.hatenablog.jp

雑誌「MONOQLO」に載ることになったきっかけの記事。実は今年書いた記事の中で書くまでに要した時間が一番短い記事でもある。Apple Musicが開始された次の日の昼休みくらいに思いついて、そのまま帰りの電車の中で大体ネタを整理して、帰宅してから1時間半くらいで書き上げた。今年一番集中力を発揮した瞬間かもしれない。「Apple Music邦楽少なくてダメ」みたいな直後評判を多少なりともひっくり返せたのかな、という気もしたり。それにしても今年は良くも悪くもApple Music様々、という1年だった。自分の音楽の選定・捜索基準が相当変わってしまった。

tanimiyan.hatenablog.jp

あとこれは当面の僕のテーマかもなあと思いつつある。30代になってもずっと日常的に音楽聴いてて新曲探したりをしているレアな人間ではあるので、それなりに自分が得たものを代わりに誰かに伝えたい、みたいな気持ちは最近強くなってるかも。

自分がどうこうというよりも読み手にとってノイズになると考えているから、個人的な話や自分の属性めいたものはブログにあまり書きたくないんだけど、30代でフラフラ音楽聴き歩いている人間というのは世間的には少数派みたいなんで、日々簡単じゃないなあと思う瞬間はあれど、来年も色々自分が見聞きしたものを周りに配布していきたいなあという気持ち。あまり締まらない話ですが来年もよろしくお願いします。

それじゃ、幕張(CDJ)行ってくるね!!

2015年マイベストディスクトップ20 10位〜1位

はい、今年のまとめということで、よく聴いたアルバムベスト10です。

一応おさらい。基本的なルールは今年発売された邦楽のアルバム(ミニアルバム含む)からの選出。因みに過去のランキングはこちらからどうぞ。
2010年のランキング 1位:サカナクション「kikUUiki」
2011年のランキング 1位:レキシ「レキツ」
2012年のランキング 1位:cero「My Lost City」
2013年のランキング 1位:tofubeats「lost decade」
2014年のランキング 1位:BABYMETAL「BABYMETAL」
20位から11位

ここで挙げたアルバムはホントにどれもお勧めです。例年以上に上位は横一線です。例によりAmazoniTunesApple Musicへの試聴リンクは付いているけどAWAやLINE MUSICやGoogle Play Musicユーザーの人は自分で探してくれ!

10位:lyrical school「SPOT」

www.youtube.com

 

詳細はこちら。個々の楽曲は良い。構成もよくわかる。ただ、若干のぶつ切り感があったかな。いずれにせよ「CAR」「ゆめであいたいね」などの秀逸なアルバム新曲もありでトータルの満足度は高かった。メンバーが変わってこれからどうなっていくのか、来年もウォッチしていく感じ。ひとまずhimeちゃん加入初回のライブはニコ生で見たけど、えらくラップが上手くて驚いた。

9位:きのこ帝国「猫とアレルギー」

www.youtube.com

 

前は結構よく聴いていたけど最近はあまり音楽聞いてないよっていう人にきのこ帝国を聴かせたら「Coccoっぽい」というコメントをもらった。確かに作品を出すたびにどんどん穏やかで落ち着いた曲になって本来のメロディの良さが際立っていってる、というのは両者に共通するところかも。今作は聞きながらうっとりする感じがしてよかった。

8位:CICADA「Bedroom」

www.youtube.com

 

ネオソウル meets クラブミュージック meets J-POPみたいな感じで、個人的には完全に好みのど真ん中みたいなサウンドだった。しかもこういう曲やるグループってほとんど男性ボーカルなんだけど(これは日本で無くて海外でもそうだ)、若干paris matchみたいな色気のある女性ボーカルがポイント高し。こういうバンドがもっと出てくるとグルーヴ感とか多様化してより面白くなっていくと思うから応援したい。

7位:安室奈美恵「_genic」

www.youtube.com

 

シンプルに、超クオリティが高かった。テイラー・スウィフトとかアリアナ・グランデとかと並べて聴いても別に違和感ないだろう。あと去年のバンプに続き初音ミクとも共演していたんだけど、より特性を活かすというか、リズム重視で歌わせている感じで、アプローチというか考え方の違いが際立ってるなあとしきり。

6位:星野源「Yellow Dancer」

www.youtube.com

 

以前からの内省的な感じの曲やSAKEROCKを彷彿とさせるようなインストも挟み込みながらも、大部分を占めるのはブラックミュージック直系の王道J-POP。アシッドな感じの「Snow Men」や「Soul」なんかも含め、全体的に開かれている印象が強く、とにかく彼は色々と良い時期にあるんだろうな、ということが強く感じられる物であった。この勢いで紅白出て、スターダムを一気に登って行っちゃうんだろうなあ。すごいなあ。

5位:bird「Lush

 

試聴用のSoundCloud音源、なぜ消したし…「ドラム良ければ全てよし」と言い切る富田ラボさんがここ数年の「ロバート・グラスパー以降」のリズム・ドラム革新に対する研究成果を遺憾なくつぎ込んだ作品。前から僕も取り上げている「ヒップホップのアナログマシンで作られたよれたビートをジャズドラマーが自分の手で再現」したものを構造分解して冨田さんオリジナルのサンプリング音源を使ってデジタルに再現する、という恐ろしい作品。単純なビートはあまりないのでそれなりにノリが独特で入りづらいみたいなところはあるかもしれないけど、とにかくドラムがサイコーであり、聴いていてスリルを味わえる。これについてはbirdと冨田さん二人のインタビューがハイパー面白いのでぜひ読むべき。

4位:cero「Obscure Ride」

www.youtube.com

 

birdと並ぶ「今年の最先端」枠の代表選手。ネオソウル・今ジャズ的なものをJ-POPの中に落とし込むということ自体は、この作品リリース時に挙げた通り近年急激に増えてきている。しかしながら、そういった作品群の中でこのアルバムのクオリティは群を抜いている。なぜかというと、「変にアーバンにカッコつけた感じになっていない、肩肘張らないポップスに仕上げていること」と、メロディや高城晶平のボーカル技術などによるところが大きい。それは彼等が経てきた音楽的変遷による積み上げによるというところもあり、「最初からブラック思考ではないバンドだった」ことは案外大きいのかもしれない。だからこれからもまだまだ変わっていくわけで。年末、久々に見るのが楽しみである。

3位:POLTA「SAD COMMUNICATION」

www.youtube.com

noteにもブログにも長文のレビューっぽいものを垂れ流してしまった後で何を書くのかって感じもするんだけど、どうしてもこのアルバムのことを話そうとすると「30代の自分の現状」みたいなものと切り離して考えることができない。ただ、それを踏まえても率直にメロディ・アレンジに無駄がない聴きごたえのある作品だと思う次第。 だからこそ歌詞の内容がすんなり入ってくる、とも言えるわけで。今の時代こういう率直なギターポップをやるバンドはいないので、いろいろ苦労しているみたいな話もTwitterなんかで伝え聞くところであるので大事にして行ってほしいし僕も来年こそはライブ行かないとな。

2位:アナログフィッシュ「Almost A Rainbow」

www.youtube.com

 

上で挙げている「Baby Soda Pop」はこのアルバムの1曲目なんだけど、こんな美しいハーモニーをのっけからならされてしまったらそれだけでノックアウトなのであった。そしてこの歌詞がとても良い。もちろん「Baby Soda Pop」もなんだけど、「No Rain(No Rainbow)」はさらに良い(柴那典さんの分析を参照。というか必読)。この曲の「ただそうであるというだけのものに対価っているの?」や、「Baby Soda Pop」の「待ちに流れているようなラブソングみたいな言葉が恋の言葉だというなら、僕は恋を知らないってことだ」という、なんとなく感じているけど言葉にしていなかったような心境に輪郭を付けてくれるような歌詞。とにかく必聴。

1位:花澤香菜Blue Avenue

www.youtube.com

 

ぶっちゃけた話をすると、この曲に収録されているシングル曲は別にそんなに良くない(やくしまるえつこ作詞作曲の「こきゅうとす」に関して言えば、完全に曲と声がマッチしていて驚いたけど、それでも曲自体がいいか、というと普通くらい)。ただし、アルバムのために新規にニューヨークでレコーディングした楽曲がめちゃくちゃいい。1曲目「I ♥ NEW DAY!!」のイントロのドラムの音が質感がめちゃくちゃ良くて、そこで一気に引き込まれる。そこからの曲順の緩急はなかなか良い。個人的にはクラムボンのミトさん作曲による「Trace」やプロデューサー北川勝利さんによるダブナンバー「プール」等の憂いを帯びた楽曲群がとてもはまっていた。前から言っている通り声優さんのアルバムは表現力を誇示しようと収録曲の曲調があらばらで散漫な物が多い、と思っていたのだけど、このアルバムに関して言えばそこをプロデューサーが上手く仕切って整理している、という印象を持った。これまでのアルバムも曲はいいんだけど耳に残らない、みたいなのが多かったけど、今回はそんなこと無かった。割り切りが大事というか、欲張らないことが大事だということを教えて頂きました。VIVA LA ROCK初日(というかスピッツ出演日)と重なってなければ武道館ワンマンも行ったんだけどなあ……

●感想とか総評とか

選んでみるとびっくりするくらいに「ブラックミュージックをそれぞれの形で咀嚼して折衷的にアウトプットしている音楽」の割合が高い。さらにいうとネオソウルや今ジャズ・JTNC的を取り込んだJ-POPはトップ10の半分くらいを占めている。去年くらいから自分の音楽的関心のメインである部分だしそもそもこういう折衷的・クロスオーバー的なものが大好きなのでまあそうだよなって感じなんだけど、自分こんなにブラックミュージック好きだったのか!と少々驚いている。もちろんトップ20に上げたもの以外にもそういった傾向のものをたくさん聴いてるしApple Music使い始めてからは海外の新世代ジャズをガンガン聴いているので来年以降も同じような感じになるかもw

なんだけど、そういう範疇に入るはずの「アーバンなシティポップ」的な、カッティングギター中心でファンク・ソウル系のベースラインをのっけたような「シティポップ」的なものには食傷気味になってしまっている。フォーマットとしてはもう相当界隈に氾濫してしまっているので、ここからは歌詞・メロディの良さを上げるかリズム面などに工夫を入れるかなどしていかないとこれらのバンドは持続が難しいのではないかと感じた。そういう面での先行事例としてはベストディスクに入れていないけどAwesome City Clubの「Awesome City Tracks2」なんかはそういう取り組みが見られて、とても聴きごたえがあった。

今回はApple Musicへのリンクもつけてみた。定額制ストリーミングサービスで自分の音楽視聴スタイルが何か変わったかというと、CDリッピングが果てしなくめんどくさくなったのでほとんどレンタルしなくなり、CDよりも大抵配信で買うようになった(値段が安いというのもあるけどそれは前からで、本格的に利便性を求めて配信を使うようになった)。なのでジャニーズは今年下半期殆ど聴かなかった。というかこれに出てる曲ばっか聴いてるのである種の偏りは生じているのかもしれない。今のところどんどんApple Musicで聴けるようになっているので、来年以降も生活の中心ツールになるだろうな、と感じている。

というわけで来年もいろいろ聞いていきたいな、という感じなんだけど多分もう1回くらい使って洋楽とかもろもろ回収し損ねている話をするんじゃないかと思う。

2015年マイベストディスクトップ20 20位〜11位

さて、マイベストソングトップ10も発表し終わったところでいよいよ後編というか本番、今年のベストディスクの発表に移りたいと思います。ディスクというかアルバムなんですが。毎年聞くものが増えていて選出に困っているわけで、今回も例に漏れず。因みに、大体全体は3分割くらいな感じになってて、7・8曲ごと位に大きな境界線があります。なんでそういうことを先に言うかというと、上位はかなり団子だということを言いたいからです。

というわけで、基本的なルールは今年発売された邦楽のアルバム(ミニアルバム含む)からの選出。因みに過去のランキングはこちらからどうぞ。
2010年のランキング 1位:サカナクション「kikUUiki」
2011年のランキング 1位:レキシ「レキツ」
2012年のランキング 1位:cero「My Lost City」
2013年のランキング 1位:tofubeats「lost decade」
2014年のランキング 1位:BABYMETAL「BABYMETAL」

それではまず20位から11位(長いので前編後編で分割するよ)。例によりAmazoniTunesApple Musicへの試聴リンクは付いているけどAWAやLINE MUSICやGoogle Play Musicユーザーの人は自分で探してくれ!

20位:Suchmos「The Bay」

www.youtube.com

めっちゃブラックで今っぽい。これをシティ・ポップと皆は呼ぶのだろうか…?所謂ヒップホップ・ネオソウル直系のサウンドを若干アーバンな味付けしている感じ。と思ったら、SANABAGUNメンバーの一部がやっているバンドなのね。納得のサウンド&クオリティだ。

19位:宮川純「The Way」

www.youtube.com

国内ジャズ勢で今年一番良かったなあと思ったのは宮川純のアルバム。全曲試聴を聴けばわかるけどとにかくかっこいい。因みにドラムは去年Taylor McFerrinのライブにてサポートをやっていた23歳の俊英石若駿。彼のことはそれ以来結構注目していたので自身のソロ作「CLEANUP」や北園みなみ「Never Let Me Go」なども聴いたけど、そういった石若駿参加作品の中でも今年ナンバーワンじゃないかなあ。

18位:ぼくのりりっくのぼうよみ「hollow world」

www.youtube.com

 

先行でApple Musicに出ていた「パッチワーク」を聴いて「これはヤバいな…!」という感想を抱いた。声や歌い方はオザケンのようでもあり、セカオワFukaseのようでもあり。ただ言葉の運び方やそれが音とマッチする感触なんかはものすごくスマートでみんな天才だ天才だっていうわけがわかる。因みにこの文章書くまでずっと「hello world」だと思っていたw

17位:シャムキャッツ「TAKE CARE」

www.youtube.com

5曲入りのミニアルバム。今までのアルバムとはちょっと違ってメロウ色・みずみずしさが強い感じ。2曲目「KISS」が白眉。とにかくリードギターのエコーがきいた音が素晴らしく、聴いていると眠くなりそう(良い意味で)。

16位:ボールズ「SEASON」

www.youtube.com

「切ないロック」っていうのはこういうやつのことなんじゃないか??という仕上がり。胸に来るリフ・フレーズ・メロディ。そういう意味ではFOLKSの「Blue & Yellow」なんかもとても良かったけど、全体的な曲の仕上がりやアルバムとしてのまとまりなんかはこっちかな、って感じ。とても丁寧に歌を聴かせてくれている。

15位:esno「Release」

www.youtube.com

夏くらいにものすごく沢山聞いてた気がする。ベストソングで挙げた「21時のクラゲと月」以外にもdaokoをフィーチャーした「夕暮れパラレリズム」、リリスクゆみずさんの「ターニングポイント」など、とにかくきれいな音+かわいらしい女子ボーカル+ヒップホップ/ラップの組み合わせが心地良い。裏を返せば相当狙って作られた作品であるのは明確なんだけど、もうなんか抗えない。笑

14位:OK!?NO「Rhapsody」

www.youtube.com

BandCampで発表されてた既存曲も取り直して収録していることもあり、ほぼ全曲がキラーチューン。その分目新しさという点では若干欠けるところはあるけど、クオリティは高い。スタジオ録音になってとても洗練されたので、すでにBandCampで買ってる人にもお勧めしたい。このアルバムのリリースライブにて突然の解散宣言。行ってホントに良かったなあ。

13位:TWEEDEES「The Sound sounds.」

www.youtube.com

復活の沖井礼二。それだけでもう感無量ではあるんだけど、このアルバム単体としてはこんな位置。正直FROGの1stアルバムの時の衝撃を超えるには至らなかった。曲は抜群にいいんだけど、清浦夏実の名言も踏まえた過去の沖井礼二ワークスからの本格的な更新はこれからだなあというところ。カバー曲は正直いらんかった気がする。

12位:星野みちる「You Love Me」

www.youtube.com

AKB48第一期生の歌手、星野みちる。これくらいの世代(ギリギリ同世代?)の歌手としてとてもまっすぐなポップスを歌っている、という印象。1曲目の「ディスコティークに連れてって」のイントロでやられ、2曲目の小西康陽提供曲「夏なんだし」が最低で(この曲に入っているオマージュなどは無視しとく)テンション下がるんだけどそのあとはセクシーさとかわいらしさとさわやかさのほどよいミックスで持ち直す。笑。ライブ見に行きたい。

11位:パスピエ「娑婆ラバ」

www.youtube.com

 

とにかく後半の楽曲の存在感が凄まじい。印象的なイントロ、単調ではないながらもインパクトがあり体に響いて来るリズム、そして耳に残る良いメロディと歌詞。特に「つくり囃子」については、極端なまでに緩急が付いている曲調をはじめとして、「MATATABISTEP」以降パスピエが再度構築してきたオリジナリティの、一つの到達点ではないだろうか。

 

今年ほど順位づけに悩んだ年もないんだけど、総評とか傾向とかはトップ10発表後にって感じでよろしくなり。そう間を空けずに発表するつもりなのでよろしくです。

2015年マイベストソングトップ10

というわけで今年もいよいよ終わり、という感じになってきましたので、いよいよ毎年恒例のあれ、行きたいと思います。2015年マイベスト。昨年同様楽曲はベスト10、アルバムはベスト20で行きます。一応いくつか条件があります。邦楽・J-POP縛りで1ミュージシャン辺り1つにすること、それからネット上に何らかの聞ける音源(YouTubeSoundCloud)があることです。あとこの次に年間ベストアルバムを出すので、それとの兼ね合いもちょっとだけ考えたり。そしたらなんか若干面白みのないランキングになった気もしなくもないな…

因みに過去のベストはこちら。アルバムとは違って最近しかやってないの。
2013年 1位:パスピエ「On The Air」
2014年 1位:きのこ帝国「東京」

それでは行きましょう。今年からApple Musicへのリンクもあるものにはつけるようにしました。さすがにGoogle Play Musicまではカバーしきれないのでそれは各自で頼むよ。

10位:椎名林檎「長く短い祭」

www.youtube.com

僕にとっては、ホセ・ジェイムスとコラボしてた椎名林檎がこういう曲を出すということは悲願だったかもしれない。ネオソウル・今ジャズ的な意匠をJ-POPに、というより椎名林檎に持ち込んだらこんなにも妖艶な雰囲気の曲になるんですね。浮雲とのデュエットと言うこともあるんだけど、めちゃムーディーなサウンドで良い。

9位:赤い公園「KOIKI」

www.youtube.com

今年のギターロック方面での優秀賞。赤い公園の楽曲は全体的にガチャガチャしている感じがあるんだけど、それがきちんと調和取れているような感じになっているのが良い。なのですごく好き。ただリスナーの耳にしがみついて離せなくするような音数が多いだけの楽曲とは違うと思うの。

8位:Emerald「ふれたい光」

www.youtube.com

日本版ネオソウル系の中では独特な音の温かみを持つEmerald。この曲について言えば、後半のドラマティックな展開がめちゃくちゃ気に入った。

7位:清 竜人25「Mr.PLAY BOY…♡」

www.youtube.com

今年多分リリスクの次くらいに通った(それでも一桁回数だけど)清竜人25。その中で一番良かったのは間違いなくこれ。ビッグバンド系のオケが入る曲に僕がめっぽう弱いってのと、単純にスケベ一直線ともいうべきな勢いにやられて選出。清竜人25の特徴として挙げられる「非現実感」というものがトップクラスに出ていたと感じるところ。

6位:BABYMETAL「Road of Resistance」

www.youtube.com

ベビメタでは珍しい、それなりにメッセージ性や主張がある歌詞。単純に僕がメロスピ・パワーメタルものが大好きというのもあるけど、聴くとなんか気合が入る。良い曲だと思います。

5位:esno「21時のクラゲと月 feat.ボンジュール鈴木

www.youtube.com

  

esnoのアルバムは夏にめちゃめちゃ聴いていたんだけど、その中でも一番好きなのはこれ。美メロっぽいオケに舌ったらずなボーカルで完全にあざといの塊以外の何物でもないんだけど、残念ながら好きだ。笑

4位:Shiggy Jr.「サマータイムラブ」

www.youtube.com

 

Shaggy Jr.の曲は明るいサウンドでちょっと切ない内容を歌うっていうギャップに本質があるんじゃないかと思っているんだけど、個人的には歌詞自体もなんかひきつけられるものがある。普遍的なものにこれから進んでいきそうだなあ、ということを強く感じる。

3位:cero「Summer Soul」

www.youtube.com

 

ロケ地が自分が通ってた大学の周り!というのもあるけど特にサウンドというかリズムのグルーヴ感が自分好み。CDリリースに先駆け最初にライブで聴いた時に「あ、これはすごい」と確信した。

2位:Negicco「ねぇバーディア」

www.youtube.com

 

なんかこの前と入れ替わっている気がするけど堪忍な!Negiccoと池ちゃんが組んで良い曲にならないわけがないと思っていたけど、やっぱり出来上がりは一級品であった。エビ中に過去提供した曲と割と曲調なんかは似ててなるほど…という感じで、あとはNegicco3人の魅力分上積み。

1位:lyrical school「ゆめであいたいね」

www.youtube.com

 

リリスクとtofubeatsの最高傑作。単純に曲のヒキは「おいでよ」「プチャヘンザ」の方があると思うけど、楽曲の作りはよく練られている(メロとサビでリズムが変わってるところとか)と思うし、メンバーの魅力はかなり出ていると思うのです。ヒップホップっぽいかというと少し違うところがあるかもしんないけど、単純にポップソングとしてすごくよくできている曲だと思う。

 

総評。レンタルCD、SoundCloudやBandcampなどのネット音楽に続き今年はサブスクリプション型定額配信が登場することで、たくさんの音楽を聴くこと自体はものすごく簡単にできるようになっている。それだけに、アルバムを離れて楽曲単位でよく聴いたもの、となるとどうしても自分が元々よく聴いてたものを選びがちで保守的なセレクトになる、という話を実感した。そのあたりトップ4には如実に出ているわけですが、その分アルバムの方はそういう縛り・くくりみたいなものからかなり外れたような気がするのでご期待ください。笑