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SAKANAQUARIUMという「芸術」

2010年10月8日。 サカナクションのワンマンライブ「SAKANAQUARIUM 21.1(B)」に行ってきた。

去年のCOUNTDOWN JAPANで見てから、フェスで見る度に彼等の魅力にとりつかれ気付けば武道館まで来ていた。サカナクションのワンマンライブを見るのは初めてで、それが彼等にとっても初めてである日本武道館。いやがおうにも期待は高まるってもんだ。

そんなわけで昨日、全身で体感してきたSAKANAQUARIUMの感想。

写真はRO69ナタリーにあるのでこれを見ると話が分かりやすいかも。

まずはセットリスト。

  1. Ame(B) 2.ライトダンス 3.セントレイ 4.アドベンチャー 5.Klee 6.フクロウ 7.涙ディライト 8.アンダー 9.シーラカンスと僕 10.マレーシア32 ~ 21.1 11.Paradise of Sunny 12.新曲(タイトル未定) 13.ネイティブダンサー 14.インナーワールド 15.サンプル 16.三日月サンセット 17.アルクアラウンド 18.アイデンティティ 19.enough

Encore 20.GO TO THE FUTURE 21.白波トップウォーター

Double Encore 22.目が明く藍色

End Roll ホーリーダンス(Instrumental Remix)

とりあえず久々にAme(B)で始まったライブ。名音源である札幌ライブの音源でもこれで始まっており、やっぱりサカナクションのライブといえばこれだよなあという感じ。そしてライトダンス。この繋ぎもそこからの流れ出しそもそもアルバムでもこの曲順だしで、さらにその次にセントレイがかかっちゃうわけで、とにかくあっという間にテンションはMAXになるわけだ。

それにしてもやはり彼等は屋内が似合う。とにかく照明から何からこだわりが見えて、「ライブ空間」を作り上げるからだ。屋内で見るのはCDJ以来だけど、今回は「SAKANAQUARIUM」という空間を徹底して作り上げていたと思う。特に今回の武道館、会場の形が六角形で、普通のライブハウスとはちょっと違うので、中央においたちょっとシャンデリアっぽくもあった全方位型の照明ユニット等が生きてくるのかなと。

その真骨頂だったと思えるのはちょうど折り返し地点に当たるインストゥルメンタルの曲において(因みに21.1は少ししかやらなかったので1曲換算せず)。歌詞がない分、視覚情報をたくさん持ってくることでさらにこのSAKANAQUARIUMという空間の深い部分へ誘い込んでいく。そういうのはクラブなんかではよくやってる話で、現に2週間前のneautralnationではDJ KENTAROがLEDディスプレイでふんだんに視覚効果をちりばめていて凄いなーって感じだったけど、 それをポップスの文脈の上でやれてしまうサカナクションって凄いなあと思う。2000年代の後半から日本のポップスにおいてクロスオーバー的な物が着実に根を張ってきてるなあと思っていて、例えばthe band apartとかriddim saunterとかはそれこそブラックミュージックからボサノヴァからとか色々なエキスを吸収してロックしてるんだけど、それと並ぶ大きい流れとしてあったダンスミュージックとのクロスオーバー、いわゆる「踊れるロック」方面において、彼等は昨日一つの記念碑を建てたと言ってもいいんじゃないかな。

そんなわけで、音楽と照明が高いレベルで融合していたなと思う昨日のライブ。そういう意味で凄く良かったのが、「ネイティブダンサー」。ステージ後方のディスプレイに向けて充てられる緑色のレーザー光線が不規則に動く。それがサビの部分になると、PVでステップを踏む足を追ったものだと分かる。

サカナクション「ネイティブダンサー」

めちゃめちゃ格好良かった!指定席じゃなかったら超踊ってたぞ。これはライブを超えたライブだ。SAKANAQUARIUMという一つの総合エンターテイメント。一つの芸術の形だ。そして視覚情報が音と共に身体に刻まれることで、次に音を聞いたら視覚情報が頭の中に思い浮かぶ。そして、新しい曲はどんな風に味付けされるのかなとか考える。そしてまた彼等のステージを見に行く。まさに、全身で音楽の楽しみを味わうという幸せな循環。最後の方にボーカル山口一郎氏が音楽業界に今起きている逆風に触れていたけど、彼等はまさに魚のように荒れ狂う逆流をかいくぐり泳ぎ、一つの到達点を超えたとも言える。

最後にセットリストに触れておくと、生で聴きたくて仕方がなかった「目が明く藍色」が聴けて良かった。この曲は「ナイトフィッシングイズグッド」に並ぶロック・コンチェルトだと僕は思っていて、フェスとかでも一度は聴けるかと思っていたけどそんなことはなかったので感慨もひとしお。その一方で、この上ない締めの曲としてライブでの定番中の定番だった「ナイトフィッシングイズグッド」は披露されなかった。終演後のインタビューで「同じ事を繰り返したくない」ということでわざと外した旨を話していたけど、その意図は理解できる。まあ聴きたかったけどね。今までの彼等の集大成となるライブだったことは間違いないんだけど、多分ここからサカナクション第2章みたいな気持ちなんだろうな。ナイトフィッシングイズグッドを封印するというわけではなく、それを超えようとするのだと。次の武道館がどんな物になるのかが楽しみだし、彼等の進化も凄く楽しみ。まだまだのびしろありの、最高の未完成形を見た。音楽の楽しさが凝縮された、最高の一夜だった!

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