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「亀田音楽専門学校」のケーススタディをしてみよう〜#01 「おもてなしのイントロ術」

NHKEテレでこの10月に始まった新番組「亀田音楽専門学校」。椎名林檎などをプロデュースし東京事変のベーシストとしても有名な髭の師匠こと亀田誠治さんがJ-POPでつかわれる色々な技巧や理論を丁寧に解説してくれるという番組。お正月に二夜連続でやって好評だったのでめでたくレギュラー番組化となったようだ。

亀田音楽専門学校 - NHK

それで第1回を見たらすごく面白かった。ご丁寧に某音楽ニュースサイトが書き起こしてくれちゃってるんだけど、せっかくなんで自分なりに音楽の勉強ということでさっくり要約した後に、番組で使われてた曲とは違う曲をケーススタディ的に探してきてここにアウトプットしてみよう、というお話。

まあ便乗企画なんだけど、お勉強というのはアウトプットしてナンボというのが僕のポリシーなので、がんばって毎週続けたいところ。突然終わったらご愛敬ですが。

というわけで、第1回は「おもてなしのイントロ術」。

●講義内容の要約

イントロは曲の顔である。イントロは聴いた人を最初に引き込む役目がある。そしてそのタイプは3つに分けられる。

1:曲中のメロディーを引用したイントロ。例示としてコブクロの「蕾」。その後の曲を「テイスティング」させるような役割。ゲストのアンジェラ・アキは「手紙」でこのメソッド(亀田師匠から習った)を使った、とのこと。

2:専用のメロディーを持つイントロ。例示としてKANの「愛は勝つ」。曲によそ行きの雰囲気を出す、曲のメッセージを込めた専用のメロディー。サビが終わった後に反復して使うことで相乗効果をもたらす(曲のテーマを呼び戻す)。ある種の第2の顔。因みにアンジェラ・アキは「サクラ色」でこのメソッドを亀田師匠に提案されて使ったとのこと。

ここでアンジェラからイントロの名曲として今井美樹の「PIECE OF MY WISH」(タイプ2)、B.B.クイーンズ「踊るポンポコリン」(タイプ1)、椎名林檎「ここでキスして。」(タイプ3)を披露。「ここでキスして。」のイントロは、歌う前の息継ぎ、とのことで、実は元々イントロがあった物をブレスだけにした意図的な物である、とのこと。そして上手く話が繋がったところでタイプ3へ。

3:シンプルなイントロ。例示として山下達郎の「クリスマス・イブ」。メロディー無し、コードと楽器の響きで情景・場面を思い浮かばせる。亀田さん「俺だったらイントロの鐘の音たくさん入れちゃうよ」。わかるww

結論:イントロは曲を聴く人を迎え入れるおもてなしである。

ケーススタディ

てなわけで、実例として各ケースについていくつか例示をしてみようと。

1:曲中のメロディーを引用したイントロ

まあぶっちゃけた話これは一番簡単に見つかる。GLAYのHOWEVERとか貼ろうかなと思ったけど、せっかくなんで自分の好きなイントロのやつを。

ムラマサ「夢風鈴」

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2009年に解散したガールズスカバンド ムラマサ☆が2007年に発表した2枚目のフルアルバム「Lifull」のリード曲。この頃ってYum!Yum!Orangeを筆頭にガールズスカ・パンクバンドが大量に出てきてた頃だ。Belly Roll、けちゃっぷmania、midnightPunpkin、GOLLBETTY…なんだかんだでAIRJAM世代から継承されたパンク・メロコアみたいな感じな音楽性で総じて微妙だったけど、その中でポップに振り切っていて一番ブレイクしそうだったのがムラマサ☆だったんだよね。メロディとボーカルの王道さがすごくよかったのだけど、メンバーの音楽に向けた方向性の不一致で解散。現在ボーカルのユミはソロ活動中、ギター・ベース・ドラムの3人は別のボーカルを迎えてミライライトっていうバンドを結成(現在ギターのリョウタが脱退)。ホーンズ隊は音楽をやめたメンバーが殆ど。続けて欲しかったな。

夢風鈴は曲中のフレーズ(サビの部分)が使われる前にドラムフレーズが先に入るという2段構えになっていてちょっと変則的なところがあるので、今度は本当に曲中のフレーズを冒頭にもってきた曲を紹介。

BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」

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激しいサビの部分のフレーズを冒頭にピアノ演奏だけで弾くことによって、イジメをすることは誰も幸せにしないというもの悲しさを表現してます。多分。イジメ、カッコワルイヨ。「メタルは様式美の音楽」とよくいうけどこの曲自体は思いっきりJ-POPの様式美にのっとってる音楽ともいえるというね。笑

2:専用のメロディーを持つイントロ

これについてはまず最初に浮かんだのはこれ。

パスピエ「最終電車

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まあこれは切なさを感じさせる秀逸なメロディーのイントロだと思うんだけど、亀田さんが「愛は勝つ」の話で言っていた通り、サビが終わった直後にまた反復して出現して曲の主題を引き立たせる効果を出している(名付けて「愛は勝つメソッド」w)。パスピエの作曲担当である成田ハネダはクラシック畑で芸大出身の理論派なので、この辺りはかなり理詰めで研究した上で作ってそう。

あとはこれかな。

Cymbals「My Brave Face」

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これも「愛は勝つメソッド」が使われている。しかもこれサビだけじゃなくて最初のAメロ終わったタイミングにも入れるなどとにかくつぎこみまくり。イントロ専用のメロディーは「愛は勝つメソッド」で引き立つ。覚えた。

ところでこの曲については最近作者の沖井さんがこんなコメントを残している。

そう思って聴くと、確かにMV冒頭の男の人もさえない感じだし口笛とか哀愁漂ってる感じあるよね。

3:シンプルなイントロ

これは結構探すの迷ったんだけど、これじゃないかと。

レキシ「狩りから稲作へ」

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ピアノのコードだけのシンプルなイントロで、それこそ縄文時代弥生時代みたいな開けた風景をイメージさせるわけ。どうしてもMCやコールアンドレスポンスのお笑い要素ばっかりが注目されがちなレキシさんだけど本人含む演奏の実力とポップセンスがベースにあってのあのやんちゃぶりだということは忘れてはいけないですね。池ちゃんはファンクとビートルズとJ-POPで育った人なので、その辺の王道感はきっちり踏まえてるわけ。

 

まあこんな感じで毎週やれればいいかな。