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カワイイ・メタル・ジャスティス!〜BABYMETALの日本武道館2DAYSの話

BABYMETAL Music

BABYMETALの日本武道館公演2DAYSに行ってきた。結論から言うと最高だったんだけど、それでは話が終わってしまうので、ちょっとした元ネタ備忘録や自分が思ってたことなんかを書くことにしたい。

●エクストリーム・メタル・アイドル・ライブ

ライブの詳細はナタリーのレポートを参照してほしい。

1日目:ナタリー - BABYMETAL、初武道館初日は1万人コルセット祭り
2日目 :ナタリー - BABYMETAL武道館で第1章完結、海外武者修行の旅へ

会場は魔法陣型の360度ステージ、曲と共に燃え上がる炎、「いいね!」「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」などではPerfumeサカナクションでもこんなに一度には出てこないんじゃないかっていうほどのレーザー光線の嵐。せり上がり回転する魔法陣。とにかく舞台演出は過剰も過剰。その過剰さこそがBABYMETALのライブの非日常性を増幅して、僕達を完全に日常から切り離して「赤い夜」「黒い夜」にどっぷりつからせてくれた。火薬・特効・レーザー光線・可動型ステージ。どれも通常の舞台装置よりも格段にお金がかかるはずだ。サザンやPerfumeなどで大規模なショーを行っているアミューズの資本とノウハウが惜しまずにつぎ込まれてる。「ヘドバン」に寄稿された増田勇一さん(元BURRN!!副編集長)による昨年末のSU-METAL聖誕祭レポートの言葉を借りるなら、「正しく予算が使われたショウ」だ。

1日目の「赤い夜 LEGEND "巨大コルセット祭り"~天下一メタル武道界ファイナル~」は、事前の予想通り神バンド(生演奏)によるアルバム「BABYMETAL」の全曲演奏(曲順は変わってたけど)。MC(映像による)・アンコールは無しでひたすらストイックにライブパフォーマンスを披露する場だった。しかし驚いたのは、翌日の「黒い夜 "LEGEND DOOMSDAY"~召喚の儀~」も全曲神バンドによる演奏だったこと。こちらの方はおなじみの映像によるMCも入り、各曲の振り・演出は概ね前日を踏襲していたけど音的側面と演出的側面が揃ったパーフェクトなライブだった。

赤い夜のラス前の曲でYUIMETALがステージから落ちるというアクシデントがあったということもあって、黒い夜が無事に終わって安心すると共に、「なんという過剰で極端でクオリティの高いライブだったんだ…!」と思った。いつものことながらMCを徹底排除、ドレスコードを用意(1日目は会場前で配布されるコルセットを着用が必須、券もぎりのスタッフまでコルセットしてた)ってまさにV系。ここまでやってオッケーなんだから、そりゃあKOBAMETALがリリースする曲を徹底的にメタルっぽくするために過剰なまでに時間をかけるのも許容されるよね。アミューズは懐が深いなあwww

●「BABYMETALはメタルなのか」に見る幅広い層に受け入れられた理由

さて、今メタルっぽくするって話が出たけど、「BABYMETALはメタルなのか」という質問は今まで何度も繰り返されてきた。筋肉少女帯橘高文彦さんに言わせれば「メタルキッズってのは「あれはメタルじゃねえ!」っていうのが大好き」とのことだけど、実際世間のヘヴィメタルのイメージからほど遠いような楽曲、特にメタルコアとも言われるラウドミュージック(日本ではマキシマムザホルモンFear, and Loathing in Las Vegas、SiMなど)が随分と多いのでそう感じられる気はする。そんな訳で、ざっくりベビメタの楽曲を分類してみた。

  • 様式美型ヘヴィメタル:「イジメ、ダメ、ゼッタイ」「BABYMETAL DEATH」「紅月 -アカツキ-」「悪魔の輪舞曲(プログレメタルだけど一応ここに分類)」
  • インダストリアルメタル:「Catch me if you can」「ギミチョコ!!」
  • ニューメタル/メタルコア:「いいね!」「メギツネ」「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」「おねだり大作戦」「4の歌」
  • その他:「ド・キ・ド・キ☆モーニング(アイドルソング+メタル)」「ヘドバンギャー!!(V系歌謡メタル)」

前にリリスクに絡めてアイドルは音楽ジャンルの見本市みたいな話をしたけど、BABYMETALはそれ単独でヘヴィメタルとその派生ジャンルの見本市になっている。と同時にいろんなファン層に訴えかける楽曲の振り幅がある。メタラーやドルオタはもちろん、ラウドロック好きのロックキッズ、V系ファンなどいろんなところに届くわけだ。だからベビメタのライブはいろんな人が来てて色んな風習がごちゃ混ぜになっている。カオスだけど、すごく面白い現場だ。

●オマージュ備忘録

さて、楽曲の話になったところで今回の主なオマージュ類を振り返っておこう。個人的な備忘録も兼ねて。因みにシングル曲「いいね!」「ヘドバンギャー!!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」「メギツネ」と「ギミチョコ!!」は詳細に書いた別記事があるのでそれを見て頂ければ幸い。

まず「赤い夜」「黒い夜」はX JAPANの1994年末の東京ドーム2DAYSライブ「青い夜」「白い夜」のもじりだ。そして全員コルセット着用は前も言ったとおりYOSHIKIオマージュ。

「天下一メタル武道会」はもちろんドラゴンボール天下一武道会が元ネタで、BABYMETALが優勝して本物のメタルを手に入れたところ、突如7つの球状に分裂してメタルボールになり、天かける竜の如く空へ登って行き、空を紅に染めましたとさ。めでたしめでたし。

続いて個別ソロ楽曲。元ネタの楽曲のYouTubeを下に貼っておきました。

  • おねだり大作戦:この曲はリンプ・ビズキットの「My Generation」のオマージュで、2:48辺りの特徴的なシャウトも再現してるしこれぞって感じに仕上がってるのだけど、チャラいラップメタルを小さな女の子二人にやらせようという発想はイカレてる!!支持!!

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  • 4の歌:シンガポールでの会場移動中でゆいもあが作って遊んでた歌をメタルアレンジしたもの。映像MCで「本当のレゲエを〜」と言ってたけど、レゲエ要素のあるメタルコアと言ったらSiMだ。そしてAメロのギターリフはメタリカの「Master Of Puppets」のイントロのそれ(下の映像だと0:26辺りのところ)。しかしながら予想外に神バンドの演奏がはまってた。あとナタリーにも写真載ってたけど、この曲の振り付けは破壊的なかわいらしさだ。カワイイは正義。

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  • 紅月 -アカツキ-:X JAPAN「紅」のオマージュで他にも「Silent Jealousy」を彷彿とさせるサビのメロディなどX要素のたくさん入ったメロスピ。曲の最初に「アカツキだー!」と叫ぶのはToshiが「クレナイだー!」と叫んでいたのを模したもの(下の映像だと1:31辺り。「べに」などと読み間違えされることが多かったかららしいw)。Unfinished Ver.(12月の幕張メッセ公演で披露されたピアノバラードバージョン。ファンクラブ限定版CDに収録)を頭に持ってくるアレンジでより「紅」っぽさ増加。

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  • 悪魔の輪舞曲:神バンドも手を焼く高難易度のプログレッシブメタル。その中でもジェントと言われる音を意識してる。具体例はメシュガーなど。SU-METALのボーカルの凄みを感じられる一曲。この曲の時にギターの神とベースの神が中心を背に3人で回る魔法陣に乗って演奏し始めると真ん中からSU-METALが出てくる演出、悪魔召喚みたいですごく良かった。

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そして黒い夜のアンコールに入るとき、キツネ様の母親、ゴッドマザーは言った。「あの銅鑼を鳴らすのはあなた」!!元ネタの名前を出すのもはばかられるようなあからさまなネタ。そしてアンコールの2曲目「ヘドバンギャー!!」が終わった後に瀕死のSU-METALが最後の力で銅鑼を鳴らしてその場に倒れこみライブ終了!!これもまた定番のXネタ。

その後メタルレジスタンスの真実が語られる…ってだいたい知ってたけど。そして国民的マエストロや対抗勢力だった巨大勢力アイドルもキツネサインをするに至ったので(2/7のMステ出演のこと)、日本でのメタルレジスタンスは完了したことが語られ、BABYMETALは次の地に召喚されることとなった。ここで殆どのファンが思った。召喚の儀って、呼ぶ方じゃなく呼ばれる方だったのか……!!!因みにその最後の召喚の儀はやっぱりXネタで、YOSHIKIのソロ曲にしてX JAPANのライブオープニング曲だった「Amethyst」のオマージュ。

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最後の「JAPAN…JAPAN…」というところまできっちりオマージュしてるという、ねw

そして、次のライブ「LEGEND "Y" YUIMETAL聖誕祭」「LEGEND "M" MOAMETAL聖誕祭」の開催が発表。場所は……え?よ、ヨーロッパぁ!!!!????

● そして世界へ…?

というわけでこのライブをもって日本でのメタルレジスタンス第一章が終了し、これから海外に武者修行へ行く事が発表された。なんだけどこれはYUIMETALとMOAMETALが中学3年生になったことでさくら学院の最高学年に高校受験にと忙しくなることから活動を縮小せざるを得ないので一旦海外ライブ期間ということにしてインターバルを置いたということなんだろう。

それから、メタルらしさを出すべくダウンチューニングやドラムの音一つまでにこだわるため過剰なまでに時間がかかる楽曲制作に時間を割くようにしたいというのもあると考えられる。そもそも3年間活動しといて15曲しか持ち曲がないというのは相当異例。BABYMETALはそのコンセプトゆえ、長くやる(成長してもやり続ける)ことはできない。それゆえ、来たるべき本当の終わりの時までにやりきるために、楽曲を作り溜めしたいという意図があるのではないかと思っている。

しかしながらこの2日間はあまりにも濃厚で、とにかく最高のライブだった。この高クオリティライブの「次」はどのような物になるのか、メタルレジスタンス第二章が楽しみ。それまでに世界でのメタル・レジスタンスを完遂してほしい。USA TODAYにも取り上げられ、超有名ロック誌「Kerrang!」からも取材オファーが来ているという。そしてメタル系をはじめとする世界中の各Web媒体に取り上げられて「ギミチョコ!!」の再生数うなぎ昇り。メタリカの「メタル・ジャスティス(原題:...And Justice For All.)」よろしく、「カワイイ・メタル・ジャスティス」をワールドワイドに広めてほしい。カワイイは正義!メタルも正義!!(去年のサマソニラウドパーク出演時の映像MCより)

とにかく満足。このクオリティならホント何度でも見たいと思ったくらい。次のライブが楽しみですね。

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