博報堂「生活定点調査」データに見える日本人と音楽の関わり

博報堂生活研究所が毎年行っている「生活定点」調査。「同じ条件で設定した調査地域で、同じ状況の調査対象者を毎回新たに抽出。同じ質問を繰り返し投げ掛け、その回答の変化を定点観測している」という事を22年間も続けているという根気のある時系列調査です。もちろん時代に合わせて質問項目の追加なんかはしているみたいですが。

なんと、この度そのデータが無償公開されたので、早速色々見てみました。こちらから見られるけど、グラフがスムーズに切り替わったりするの楽しいね。

これだけ設問があるので、せっかくだから音楽関連のものを色々抜き出してみて傾向なんかを見てみよう、というのが今回の趣旨。まあ出典をちゃんと示せば使って良いよとのことだったので、せっかくなので。安易な記事作りなのは承知の上だよ!なんとExcelファイルまで落とせるんですよ。って僕の環境では正常に動かなかったけど……(結局親のPC借りたw)

というわけで各設問で最新の統計結果を挟みつつ、色々なグラフを見て確認していこうという試みです。これね、ユーザーインターフェイスがスムーズですごく面白いからぜひ直接確認してみてください。

※グラフは基本「全体」「男性年代別」「女性年代別」の順です。

1.趣味は音楽鑑賞 26.9%

chart (2) chartchart (1) 複数回答なので26.9%はまあいい方なんじゃないかな。実際この設問「趣味は○○」では回答の選択肢が57個あるけど、映画鑑賞(35.2%)、パソコン(29.7%)、ショッピング(28.3%)、読書(28.3%)に続く5位。しかし、ここに上げている他の趣味と際立って違うのは「20代の構成比がやたら高い」ということ。年代別グラフを見ると、男性女性共に20代では50%程な一方、それ以外の年代ではその半分以下、となっている(ただ、20代男子のここ数年の下がり方は凄い。前にライターの宇野維正さんがフェスが体育会女子主導になってるって言ってたけどその話を裏付けするかのような数字)。映画が若干同じ構図ではあるけど、この辺は過去にやられてきた別の調査とも一致するところである。あと60代が一昨年から今年にかけて随分上がっているのはポール・マッカートニーローリング・ストーンズなどの大御所来日効果ですね。

 

2.音楽の情報に関心がある 32.6%

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これも複数回答なんだけど30曲中7番目と真ん中より若干上の方って位かな。この項目で面白いのは男女で年代差の傾向に違いがあること。男性は20代から30代になった瞬間にがた落ちするんだけど女性はそれに比べると若干下がり方がゆるい。これはジャニーズの存在…というよりも子育ての中でも色々音楽と触れる機会があったりするからなんじゃないかな、とか。

 

3.レンタルビデオやDVDやCDをよく借りる方だ 16.1%

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じりじり減っている。そもそも店舗数が減っているので仕方ない節はあるかも。これも基本的に20代が一番多いって構図なんだけどやっぱり20代男子はわかりやすく減ってるんですね。

 

4.音楽配信サービスを利用している Yes:19.8% No:80.2%

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グラフが途中からなのは時代だと思って諦めてください。笑。15%いってれば良い方だと思っていたのだけどそれよりは多かった。しかしこの項目、20代では2008年に一度ピークを迎えて2012年まで下がってその後上昇傾向(女性はそうでもない)という感じになっているのに対し、他の年代では右肩上がりの形になっている、というのが面白い。いわゆる着うた的なものは20代(特に女性)での利用が圧倒的に多かったという話。

 

5.音楽配信サービスをどのデバイスで使っているか PC:23.0% ケータイ・スマホ:64.8% 両方同じくらい:6.9% その他:5.0%

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この記事だけはグラフ作成全体だけでご勘弁。年代別は複雑すぎて無理でした…(個別リンクから見てみてください)圧倒的なケータイ・スマホ利用率。PCが上がってる時期(2008〜2010辺り)は単純にガラケー向け配信が急速に廃れただけで、スマホから配信で買える環境が整ってきたらまた元の状態に戻りつつある、というわけ。何かこの辺は過去の色々なエントリーで述べてきたことと比較的一致するね。。そもそもPCで何かする、ということ自体が少ないんじゃないかと思うけどそれはまた別の話。因みにこの項目では20代が1番PC利用率低いです。

 

6.今後、音楽配信サービスを利用したいか 思う:37.5% 思わない:62.5%

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全く増えていない。そして年代別に見ると20代で「利用したい」といっている人の比率が年々下がっている。YouTubeで十分という層(あるいは音楽にお金を払うなんて馬鹿らしいと思う層)が増えていることの一つの証左だろう。そして特に20代女子の「配信利用したい」比率の低下が凄まじいのはいわゆる着うたの衰退とのダブルパンチだろう。もしSpotifyが日本進出した時に歓迎されるとしたら、その理由は「無料だから」に尽きるだろう。諸外国とプレミアムユーザーの比率は変わるのか、とか色々興味あるけど、ちょっとこれ凄いな。

 

この調査はどちらかという斗升的な面で消費動向を捉えるための物だという認識なんだけど、今までこのブログでも書いてきたことと一致するところが多いな、と思っている。僕は業界の人じゃないけど、もしそうだとしたら「30代で訪れる音楽離れ」をどうしようかという所に注力するなあ。この年代は結婚・子育てなどで 生活の仕方が大きく変わる年代なのである種仕方ないところはあるといえばあるんだけど、やっぱり「音楽を聴くこと」のマーケティングって重要なんじゃないかなとか。それによって一生音楽と付き合ってこうという人が増える、みたいな。

若年層が音楽(というか音源聴く)ことにお金を使いたいと思っていないことに関しては、ある程度開き直った方がいいだろうね、という感じ。配信だCDだ、というのとはまた別次元であるように思うよ。

特に結論めいた物も無いけど以上こんな感じでした。関連エントリーも読んでね~。