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lyrical schoolの新曲とリキッドルームワンマンライブとこれからの話をしよう

lyrical school Music

2014年の2月7日、渋谷のWWWでlyrical schoolのライブを見て、そのライブがあまりにも良かったものだから彼女達をちょっと追ってみようと思うようになった。そのライブのアンコールのMCでリーダーayakaが言っていた「次はリキッドルームでワンマンやって満員にしたい」という言葉は、9ヶ月の時を経て実現することとなる。2014年11月2日、恵比寿リキッドルームワンマンライブ。当日券も若干出たもののそれも売り切れ最終的には満員御礼に。

 

その前に、この週の初めに出たニューシングル「PRIDE」の話をしたい。

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この「PRIDE」に関しては各メディアで色々良いインタビュー・レビューが出ているのでそちらも是非見てほしい。特に長年彼女達を見てきた高木"JET"晋一郎さんによるAOLニュースでのインタビューと、「アイドルの読み方」の著者香月孝史さんのRealsoundでのレビューは抜群にお勧め。(ナタリーのは個別インタビューが若干コアファン向けだよねw)その上で、自分が感じたことを少し。

今までのリリスクの「かわいいアイドルラップ」ではなく、より硬派なラップ(いわゆるギャングスタラップ的な感じ)だったために少なからず戸惑った人も多かったように感じた。僕も最初聴いたときは想像してたものと違うなあという感触だったけど、「リリスクもこういう所に踏み込むのか!」という驚きにも似た感心の気持ちが確実にあった。アイドルラップというジャンルの拡張。もっといろんな人に届けようという気持ちがあるんだろうな、と解釈した。

加えて感じたのは、「これ難しいな…!」ということ。特に中盤のファストライムは「P.S.」でyumi&amiがやった物とはまた違う難しさがある、と。4周年を経て5年目にさしかかる今、積み重ねてきたものをぶつけてきたということなのだろう。そして、前作「FRESH!!!」にも増してminanの存在が書かせなくなっていることを強く実感した。両曲で最も盛り上がるパートを担っている彼女は、一番最後に入ってきたメンバーながらその歌唱力はグループにとって確実に欠かせない物になっている。プロデューサーキムさんはインタビューで「今年の活動は全て恵比寿リキッドルームでのライブを念頭に置いてやってきた」と語っていたが、それに向けてピースが揃った感触すらあった。

あとは再録曲。tengal6時代のCDに収録されている曲は今のライブでもやっているが、一部の曲は歌詞が違うしそもそもレコーディングされたのは今から2〜3年前の物なので、まだラップに慣れていないような所も多数見受けられるものだった。なので、ファンとしては再録音源(特にtengal6の現行メンバーバージョン)の発表は悲願でもあった。そしていざリリースされてみるとどの曲も「ライブでやっているあの感じ」がよく出てて、「ゆるふわラップ」ではない瑞々しさに満ちた「アイドルラップ」としてのリリスクの現在地点をきっちりと伝えられる物になった。

 

そして今年の活動の集大成たるイベント、恵比寿リキッドルームでのライブ。セットリストはmeiちゃんの手書きセットリストをご参照あれ。

基本的に明るい曲を数曲連続してやって、メロウな曲を数曲連続してやる、ということを交互に繰り返す構成だったこのライブ。彼女達の曲はラップという形態を取っているが故に「日常」に接近している、ということを前にも書いたけど、昼と夜を繰り返すかのようなこのライブの構成はまさにそのコンセプトを地で行くかのようだった。そして殆どMCはなく、各曲はマネージャーでもあるDJ岩渕竜也によりノンストップに近い形で繋がれ、とにかく「リリスクはとにかくライブパフォーマンスが最高」ということを見せつけることが出来ただろう。まさに「ライブで証明してきたうちらが正真正銘リリカルスクール!」だ。

そして最初に「brand new day」、ど真ん中の区切りの部分でメンバーによる4年間の振り返りと共に届けられた「FRESH!!!」、本編最後に凛とした姿を見せつけた「PRIDE」と、今年に出たシングル曲がライブの中で極めて重要な役割を果たしていることが印象深く、今年見てきたリリスクの活動はやはりここに繋がってたんだなあということを再確認。

僕としてはやっぱり普段ライブでやることの少ないメロウな曲パートが抜群に良くて、「しってる / しらない」がすごくよかったのと、そして「bye bye」から「ひとりぼっちのラビリンス」「ケセラセラ」「Sing, Sing」の辺りの聴きごたえの良さに大満足した。この辺の曲はリリイベだと1曲やればいい方、みたいな感じなので存分に味わえて嬉しいところで、こういうしっとりとした雰囲気を出せるアイドルは希少だと思うのでこの辺りも是非注目されてほしいなあと思う次第。

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そして最後には今まで3回しかやったことのないという「6本のマイク」。各メンバーが自分でリリックを書いてラップをするこの曲、hina・minanの途中加入組2名だけでなく全員が歌詞をこの日のために書き直し、リリスクが「次のステージ」に向かうということを力強く宣言。その後アコースティックアレンジされた「tengal6」でこの日のライブは大団円を迎えた。総楽曲数は33曲(1曲繰り返したので披露されたのは32曲。因みにリリース済楽曲数は34曲だ)。みずみずしさ、かわいさ、かっこよさといったリリスクの良いところが全て見られたライブであり、VJも派手さはないもののライブの彩りに花を添えていたし(「FRESH!!!」でナカG先生のマンガで描かれている6人が動いていく効果はかわいらしくてよかった)、文句なしだった。

 

ここからはこれからの話。

「PRIDE」はオリコンデイリーで初登場3位となり、この時点で「FRESH!!!」の売上は超えた。その後は10位代後半を続推移しており日曜日には5位になるが、最終的には「brand new day」の13位とほぼ同じ所に落ち着くことが濃厚。10位以内という目標には残念ながら届かなそうだ。と思っていたら、なんとウィークリー順位は9位という快挙を成し遂げた(11/4更新)。しかし、オリコン10位以内よりもっと大事なことがある。それはこの曲をロングヒットさせることだ。この記事を見てほしい。

[音楽]441・これが今の「ヒットシングル」 - 夢の枕木たち〜私を支える音楽と言葉

オリコン10位以内に入っても、翌週にはチャート圏外になってしまうのであれば、それは瞬間風速に過ぎない。一方ででんぱ組.incBABYMETALのように最近急上昇してアリーナを埋めるに至ったアイドルなんかの例を見ても、5〜6週以上チャートインし続けたシングルをきっかけにブレイクしているのがわかる。なので、オリコン10位以内には届かなかったとしてもこの最高のライブの評判と曲の評判を大事に持続させていれば次のステージへの道が開けてくるんじゃないかと確信している。ヒップホップのノリはアイドルソングのマジョリティとは違うところにあるとは思うけど、もっと色々なリスナー層を取り込めるポテンシャルはきっとある。

僕はlyrical schooltofubeatsには本当に感謝している。なにせ去年の春くらいまでは僕はヒップホップが凄く苦手で全然聴けなかったんだから。それがリリスクとtofubeatsの曲を聴く度に苦手意識が取れていって、それこそ新しいドアを開いてもらったわけ。だからこそJazzとヒップホップの汽水域とも言えるようなロバート・グラスパーテイラー・マクファーリン、ホセ・ジェイムズみたいな現代ジャズ最前線のミュージシャンもすんなり聴けるようになったわけだし、そこからブラックミュージック独特のリズム感・グルーヴ感みたいなものが好きになってSMAP東京女子流などの今年のアルバムを存分に堪能できるようになったわけだ。その上毎回見るライブはいつも良くて、前見たときよりも良くなってるなんてホント感謝してもしきれないくらい。今日は今までで一番良かったけど、次にワンマンライブをやるときはもっと良いものになっているはずだという確信もある。前から言ってるけど一見普通の女の子がマイクを持って歌うと輝くというアイドルの「魔法」を、リリスクのライブでは強く感じるのだ。次のステージも、その次のステージもまだまだ見ていきたいです。これからが本当に楽しみ。

 

おいでよ パーティーへいそごう 君と僕だけかかる魔法