亀田音楽専門学校SEASON2のケーススタディをしてみよう〜#07「ハモハモ大作戦」

毎週恒例アップの亀田音楽専門学校ケーススタディ第7回です。講師の人がどんどう増えているような…気のせいかな。

過去の記事はこちら。第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第1部の最終回

さて、第7回はゴスペラーズ先生をお迎えして「ハモハモ大作戦」。本人曰く「この回に呼ばれて良かった。この回の放送に他の人がでているのを見ることにならなくて良かった!」とのこと。笑。確かにピッタリですよね〜。さて、今回も前半部分で講義のポイントを押さえて後半でコメントしたりケーススタディということで現実のJ-POPに応用されてる例を探りますよ。あくまで後半が本体だからね!ホントだからね!

●講義の内容

今回のテーマは、「ハモる」。「ハモる」とは、主旋律にハーモニーを付けること。そういうハーモニーを活用した「ハモった」名曲として、井上陽水・安全地帯「夏の終りのハーモニー」、あみん「待つわ」、絢香×コブクロWINDING ROAD」、そしてゴスペラーズ「ひとり」が挙げられる。そして、わかりやすい例として、ゴスペラーズ先生がHappy Birthday to you.をハモる。ハモることにより自分一人では出せない音が出せて、とても気持ち良区楽しめるという効果がある。というわけで、そのハーモニーの具体的な手法をいくつか紹介していく。

その1:三度ハモ

ハモり技術の基本。三度ハモの「三度」とはなんでしょう??ということなんだけど、音と音との高さの違いを示すのが度数。同じ音同士だと一度、ひとつあげると二度、二つあげると三度。(三度は長短両方あるのだけど詳しい説明は省略)実際に弾いて実演したところ二度だと音が近すぎて若干窮屈な印象があったものの、三度はそういったことはなく適切なあんばい。そんな三度ハモの名曲としては、サザンオールスターズ真夏の果実」が挙げられた。ハーモニーがずっと寄り添ってるのでメロディーに束が出来、それにより言葉が2倍に広がる。より立体的に、奥行きが出来るような効果があるハーモニーだ。

その2 まっすぐハモ

ハモる側がひたすら一つの音だけで歌うのがまっすぐハモ。しかし、実際に聴いてみるとずっと同じ音には聞こえない、不思議なハーモニーだ。なぜかというと二つの音の距離に変化が生じているからで、シンプルなハーモニーに見せかけて色々な物語が生まれる。効果があるのだ。まっすぐハモの名曲としてはあみん「待つわ」が挙げられる。この曲はまっすぐハモと三度ハモを組み合わせている。三度ハモは感情の方向が同じだけどまっすぐハモは分かれている。それで二つの感情を表現することが出来る。

その3ウーア-コーラス

「ウー」「アー」などの声で伴奏をすることで、メロディーの背景を描く効果がある(具体的な言葉でないため)。なぜ「ウー」「アー」なのかというと、メインの歌の母音がどれでも邪魔にならないから。その中でも「ウー」が一番使いやすい。ウーアーハモの名曲としては、サザンオールスターズいとしのエリー 」が挙げられる。実はサビの前半は三度ハモをしていて、後半でウーア-コーラス。J-POPでは定番の組み合わせであり、前半では縦の組み合わせが強く、後半は横に広がる感じ。

ゴスペラーズが選ぶハーモニーの名曲

  • シュガー「ウェディング・ベル」 ハーモニーやコーラスの「美しさ」と「楽しさ」が両方詰まっている曲
  • デューク・エイセス筑波山麓合唱団」 コーラスは身近な物でこんなに遊べる物と言うことがよくわかる
  • 山下達郎「クリスマスイブ」

ハーモニーの作り方

「ひとり」のサビ作りの話。この曲のサビはメロディーが上下するのでみんなで追いかけると慌ただしくなるのでまっすぐコーラスで幅感を出して言葉の太さを作ることで安定感を持たせるようにしたとのこと。メインメロディーを外してハーモニーだけ聴いた方がより曲のらしさが出てくるということだそうです。

まとめ

ゴスペラーズの安岡さんからは「ハモってることがいいというわけではなく、その曲を伝えるためにはどんなコーラスがあるといいのかということが大事」と。

亀田校長からは「ハーモニーは音楽をカラフルに彩る最強のテクニック。ハーモニーを駆使して、それぞれの情景に合う物は何かを考えながら作ると素敵な音楽が出来るでしょう」とのコメント。

●補足、コメントなど

サザンのハーモニーはさすがですね。しかし、最近ハーモニーが目立つ曲をあまり聴いていないような気も少ししたり。その辺はユニゾン主体のアイドルを聴く機会が増えたからかな、と思うわけだけど実は…(わかりやすい引き)

ケーススタディ

今回のケーススタディは探しやすかったです。ただ、ハモるのであればシンプルにどれかを使っているというよりも複合型の方が多かった気も。んでもって、最近ちょいとケーススタディの方が雑になっていた気がするので今回はみっちりやります。別に好きなミュージシャンを取り上げるからというわけではないよ!

三度ハモの例

レキシ「年貢 for you Feat.旗本ひろし(秦基博)」

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最新アルバム「レシキ」のリードナンバー。秦基博という歌がとにかく素晴らしい歌手とレキシという実は意外と歌うまい(本人曰く会った人から本当にそう言われるらしい)歌手の素晴らしき組み合わせ。1番は秦さんもとい旗本さんがメインメロディを歌い、2番ではレキシ池ちゃんがメインメロディを歌う。そのAメロの後半辺りからサビにかけての所でコーラス側に回っているもう一人が三度のハモで合わせる、というのが基本的な構図です。すごいのは両名とも綺麗に三度ハモをやってのけていること。これは二人ともボーカリストとしての能力が高くないとそうそう出来ないでしょう。

レキシは歌のうまいゲストボーカルを多数招いているので他にも「万葉集」「大奥〜ラビリンス〜」「武士ワンダーランド」「キャッチミー岡っ引きさん」などハーモニーを駆使している曲が多数あります。

まっすぐハモ、ウーアーハモ(変形型)の例

lyrical school「ひとりぼっちのラビリンス」

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ヒップホップアイドルのlyrical schoolの2013年発売アルバム「date course」からの1曲で、作詞作曲は今をときめくtofubeats(このブログを読むのが初めての人向けの説明)。この曲は孤独感・寂寥感の描写が図抜けてるメロウなナンバーで、それを引き立てる役割をしているのが効果的に使われているハーモニー。アイドル楽曲って一般的にユニゾンが多いけどこの曲は実に上手くハーモニーを入れているんです。

まず最初の「ひとりぼっちのラビリンス 迷宮迷路トラベリン」のところで裏に「ヤーヤヤヤ…」とはいるコーラス。これはウーアーハモの変形版ですね。ウーアーハモはあまり細かく切らないのでギリギリな感じですが(最初の「やー」のところだけかな)、やはり具体的な歌詞を持たないコーラスなので楽曲の背景が見えてくる効果があるわけですね。

そして1:30位からの「今夜〜」のところ。それぞれ区切りのところ「さがすよ Uh」「ゆらゆらUh」「でんしゃでUh」のところでこのパートを担当する3人の内一人がまっすぐハモをしている。この曲テーマで低い音のまっすぐハモはちょっとした孤独感みたいな物が出ているように思うわけです。よく考えて作ってるなあ、tofubeatsさん(彼のようにサンプリング・ヒップホップが主戦場で楽譜を知らない人が自然にこういうアウトプットを出したという事実が凄い)。

 

さて、次回はビブラート。これ去年やらなかったっけ?と思ったらファルセットでした。笑