たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

まんべくん問題で改めて思う「Don't Be Evil」

スルーしようかとも思ったけどいろいろ思うことがあったので勢いだけで書くことにしよう。

最近Twitterでいろいろと炎上騒ぎが頻発してて、いろんな人が実名バレしたりして大変なことになってたわけだけど、今度はキャラクターが炎上するという訳のわからないことが起こって驚いた。それがまんべくん問題なわけだけど、1週間近くたつ今になって、改めて自分の思うところをまとめてみたい。

●一応経緯的なもの 北海道の長万部という町が町おこしのために作った「まんべくん」という見た目的にはあまりゆるくないゆるキャラTwitterを始めたところ、やたらにつぶやきまくることと結構ゆるキャラにあるまじき毒舌をぶちかましていたところ話題になり8万ものフォロワーがついて人気に火がついた。しかし、8月14日に突如「さて、明日は終戦記念日だからまんべくん戦争の勉強するねッ!」「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです。ありがとうございました。」とツイート、さらにはこれに反応したフォロワーにたいして「(^¬^≡^¬^)ピャーッ!今日は大漁!大漁!」などとあおり、騒ぎを大きくした。 これに対して一般ユーザーから長万部町に苦情が入り、町長が謝罪、さらにはまんべくんツイッターをとりしきっていた株式会社エムへの使用許諾を停止、まんべくんツイッターは中止となってしまったという話。

●どこまでが良くて、どこまでが良くなかったのか 当たり前だけどこれは人によって違う話。でもこれがごちゃごちゃしてる人が多いような気もする。なので、自分なりに整理して書いてみたい。

  • そもそもまんべくんの毒悦的な立ち位置はOKか これは別にそれでもいいと思ってた。でも、自分にとってはものすごく来るというほどではなかった。ただし大量RTされてくるのはおもしろいと思ったものも結構ある。
  • 戦争云々に対するツイートについて 内容の是非はここでは論じない(その必要はない)けど、まんべくんの名を借りてやることではなかったと思う。さらにその後の釣り宣言は(むしろそれこそが後に引けない状況を作ったという意味で)決定的にまずい。ていうかここまでやったことあったっけ?
  • 町の対応 クレームに簡単に屈しすぎ。町の見解ではなくエム社の見解とするまではいいが、その後あっさり彼らを切り捨てたのは、まんべくんだけでなく待ち事態の再起の可能性も奪った。長万部には17年前に行ったことあるけど、その時点で相当か沿ってたから、今はどうなっているのかと考えると、なんてもったいないことをしたのだと思う。ダーティーキャラでも何でも引き受けて町おこしするくらいの気概はなかったのか。鷲宮町を見習ったほうがいい。
  • 炎上が起こること自体 長万部町に抗議した人は何の目的で抗議したんだろう。「正しくないと思ったから」?「許せなかったから」?違うだろう。単純に自分にとって不愉快だっただけだろう。今のネット社会は不満をあまりにも簡単にぶつけることができすぎる。騒ぎを大きくするのはいつでも関係ない人たちであることに、僕は正直何ともいえないもやもや感を持っている。

●総合的に思うこと まんべくん、エム社、長万部町の対応を見るにつけ、Googleのモットーといわれている「Don't Be Evil」ということが、この時代になり、インターネットに接するあらゆる人の行動指針になりつつあるのではないかという思いが確信に変わりつつある。まんべくんというキャラクターの陰に隠れて言いたい放題だったエム社の社長は自分のTwitterでは想像もつかない程しおらしかった。長万部町は自分たちの保身のために、まんべくんというキャラを通じて長万部の観光振興に貢献したエム社をいとも簡単に切り捨てた。どちらも典型的に不誠実な行動であり、その責めを彼らは負うことになってくるだろう。すなわち不誠実であることがリスクになる時代が来たということ。正直であることが大事だよとかそういう道徳的な話ではなく、嘘が簡単にばれて拡散する時代だからこそ、正しくないとフォースの暗黒面に飲み込まれてしまうという話。翻れば、大震災以後(もちろん以前からそうだが)、そうやってたくさんの道を踏み違えた企業や人が(その結果の是非はまた別として)沈んで行ってしまっている。

だから「Don't Be Evil」なのだ。

もちろん発信側だけでなく受け側も同様に適度に「Don't Be Evil」たるべきであろう。という話が、最近ずっとインターネットで炎上を続ける事象につながるわけで…ということで、多分この話は続くが、本日はここまで。