たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

よりそう音楽との邂逅 :クラムボン YOMIURI again & again!!! ~Acoustic sound & Band sound~

週末、クラムボンよみうりランドでの2DAYSライブに行ってきたのでその話。

クラムボンは多分一番長くライブに通ってるバンドかな。といってもまだ3年ちょいくらいだけど。フェスとかでも見たけどやっぱワンマンが好きだな。そして年1回の恒例ワンマン。野音最終年(活動10周年の時)からずっと行ってるんだけど、いつも趣向を懲らしつつも3人のライブ力が高いのでいつも満足して味わってる。

3年前の野音、一昨年のよみうりランド、去年の両国国技館を経て今年はふたたびよみうりランド。そしてしかも2DAYSで2日間全く別内容。どんなことを仕込んでくるのか楽しみにしながら(前日に酒をがぶ飲みしすぎて3年連続二日酔いで)ライブ当日を迎えたわけ。そんなわけで思ったこととか書きますよ。

1日目:Acoustic Sound

最初一本のマイクの前に漫才師みたいに並んで和やかな雰囲気から「サラウンド」。アコースティックでやるってこういう感じかーというか、あまりにも和やかになっていて全く別の曲みたいだった。そんなわけで、「今日は全曲Reだよー(By郁子さん)」なライブ。2曲目は「Re-THE NEW SONG」だったりしたけどそれもちょいちょいアレンジ変わったりしてるから、本当に全部違うんだよね。クラムボンのライブってわりと鉄板構成みたいな所が最近できつつあるので(後述)、逆にどの曲がどんな構成で出てくるかわからないこのライブはほんとドキドキわくわくの連続でもあったわけ。

そして途中から徳澤青弦画賛か、そして更にストリングスが7人増えて重厚なストリングス部隊と織り成す音のワンダーランドへ。

「はなれ ばなれ」はゆったりペースながらおどろおどろしくなってストリングスもなぜか怖い感じでまさに「B級ホラー(ミトさん談)」。「tiny pride」や「Aspen」はものすごく心地よい曲に。そして「ララバイ サラバイ」はもうなんというか曲の深度がめちゃめちゃ増してる感じになってて、いつもは何か持っていかれるくらいの圧倒的な存在感を放っていた曲なんだけど、逆に深く深くへ誘う没頭観というか日が宇方向へのベクトルの引力を持つ曲へと生まれ変わってた。なんとも変幻自在。

その中でも特に際立っていたのは郁子さん・ミトさんのそれぞれのソロ作品。「なみだ と ほほえむ」は最も聴きたかった曲。それがこんなにもやさしいアレンジになって生まれ変わるとは。そしてミトソロ「No One Really Care」。個人的には1日目のベストアクトに推したい。元々の曲自体にストリングスが入っているんだけど、それをこの重厚さでやられるともう、ね。ストリングスの音色には「巻き込む」力があると思っている。途切れない、長く繋がった音が多いしね。その音色に思いっきり巻き込まれた瞬間。

そして最後のIdも圧巻だったな。この日の曲は基本的には2月にやった「MTV Unplugged」のアレンジをベースにしてる曲が多くて、これもまたその一つ。Unpluggedの時はストリングスはなかったから、今回より重厚感が増した感じを受ける。大団円。

http://twitter.com/tanimiyan/status/247289443432665088

と、思っていたわけですが。ですが。

2日目:Band Set

2日目はバンドセット。すなわちこっちがいつもの「恒例ワンマン」の形。

まあ昨日神ライブだったし、今回はいつも通りだし、定番の流れあるしーとか思っていたんですけどね。

まずいきなりKANADE。この時点でもう予想を裏切る展開。えっ最初シカゴじゃないのみたいな。そしてNOW!!!からGOOD TIME MUSICとわりと最近の曲で前半を固める。それだけで意外感満載で「えっ、ちょっとどうなるの?」っていう状態に。そこから「はなれ ばなれ」「パンと蜜をめしあがれ」をへて、超懐かし曲のコーナー。1曲目はJPの曲でわかんなかったw(あとで調べたら「ORENZI」だった)2曲目は「まちわび まちさび」!まさかこれが生で聴けるとは。しかしまあこの2曲若い。どっちも20世紀の曲だもんなあ。クラムボンの初期に多く見られたアバンギャルドさっていうのが凄く出てるよね。最近は大人になっちゃった感があるもんね(たまにKa-Ka-KaLMa!みたいなのが出てきて楽しいんだけどね)。そんでもってちょっと時代を進めて「このバージョンでは相当久しぶり」という「アホイ!」。これライブでやるとなかなかにして楽しいね。どうしても初めて行ったクラムボンLiveであるNHKホールにおけるダブルアンコールでの「Re-アホイ!」の印象がめちゃ強かったわけだったけど。

因みに今回の衣装、よみうりランドの雰囲気にあわせて戦台風。「J-POP戦士、クラムボン!」ということで、ボンイエロー(郁子さん)は鎧みたいな模様の服。ボンパープル(大介さん)はなんかすごい髪型wボンブルー(ミトさん)が一番普通だったかな。まあ「プリキュアショー見たい」とか言ってたけど。

そんな話のあとに「そういうのに一番合う曲です」と便箋歌。えっwwwしかし、郁子さん「あなたは本当にダメダメな人ね」ミトさん「ああ、大人だってプリキュア見ますよ」と、もうなんかゆるいやりとりが繰り広げられてるわけ。ゆるいといえば3Piece2(ライブアルバム)で遺憾なく発揮された「ゆるMC&客の反応」はやっぱり今日も相変わらずで、やたら状況を端的に表現してくる人を「端的さん」と名付けたり、ヤジに返したりとかまあ自由。その空気って、ともすると凄くぐだぐだで内輪な感じになっちゃって一見さんに疎外感与えるんだけど、なんだかんだでクラムボンの3人はいなしが上手い。だからそのまま転がりきらないところで終わる。それが良い。

そんで「便箋歌」→「コントラスト」→「サラウンド」→「Merry go round!!」ときて、また久しぶりにやる曲「Carnival」!これは本当に嬉しかった。一番最初にリアルタイムで聴いたアルバムである「Musical」の中でも抜群に好きな曲だったので、とにかく嬉しかった。おそらく聴く機会無いだろうなって思ってたもん。この曲は郁子さんのオルガンと絡み合う独特なリズムがものすごく癖になる曲。そして堕ちていく感覚。これを生で聴けるとは!もううっとり。

そして終盤は「バイタルサイン」からの「tayu-tau」→「Long Song」。ずいぶんMusical推しだったなあ、今日の選曲。いや個人的にはものすごく嬉しいんだけどね。

そしてアンコールで新曲「Rough & Lough」。(今日やる中で一番テンポ早い)という、「THE NEW SONG」みたいな軽やかに流れていく曲。初の地上波アニメ主題歌ということもあって、ミトさんのやや前のめり的な気合いがみちみちていて良かったです。笑

アンコールの締めは「Folklore」。みんなでシンガロング。しかし、昨日は「Re-Folklore」から「ここで終わらないのがクラムボン!」っていって「Id」をやっただけに高まる期待。ダブルアンコールを待つ拍手。そしてやっぱりあったよダブルアンコール。曲は「ある鼓動」。ミトさんアコギ、大ちゃんサンプラー、郁子さんマイクで会場を歌いながら練り歩き。上に登ってくとき僕らのすぐ近く通ったし!めっちゃ近かった!!(そもそも席がAブロックの前の方だったので近いは近いわけだけど)最後に思わぬおまけまでもらっちゃって、極楽門が開いてそこからメンバー退場で大団円。

はっきり言って3年前のNHKホールと野音に匹敵するものすごいライブだった2日目。少なくとも脱野音後のワンマンとしては最高。3人だけでここまでできるのはやっぱりすごいと思うんだよね。去年の国技館の演出も良かったけど、本当に最小限のエフェクトで思いっきりやって空気を作りあげてしまうクラムボンのライブバンドとしての真価が遺憾なく発揮されていたベストステージだと思うわけ。はっきりと申し上げる。めちゃめちゃ良かった。今年ベストタイだ。

クラムボンのライブに行くといつも「ああ、音楽聴いたなあ。」という多幸感に包まれる。必要最小限の演出だけで、とにかく空気を作りあげる音楽。空気のように、よりそうように聴こえ、そこにある音楽。音楽を味わうということをただただ楽しめるのがクラムボンのワンマンライブ。今年はこの2日間だけなんだよなあ、聴けるの。しかしやはり代えがたい幸福感を味わえて良かった。行って良かった。と本当に心から思いましたよ。ありがとうクラムボン

カメラ結構入ってたわけなので↓のように作品化希望!できればそろそろBDでたのんます!

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