たにみやんアーカイブ(新館)

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まぎれもなく@NHK_PR 〜書評:「中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?」

出るとわかったときから期待してて、届いたらもうものすごい勢いで読み進めてしまったよ。

中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?

Twitterでおそらく一番有名な企業アカウントであるNHK広報局の中の何か(自称)が、Twitterを始めてNHKの公式アカウントになった経緯、その後の特筆するべきエピソードについて自ら語った、という本。

本の体裁がものすごく軽くてゆるいこともあってありきたりなTwitter活用術の本かと思わされるけど、そうではない。というかね、そういうTwitter活用術のセミナーに出かけていくエピソードが前書きにあるんだけど、このエピソードでそういうのの内容(例としてNHK_PR本人のツイートが出てきて、「ゆるい喋りをしましょう」「定番のギャグを入れましょう」なんていう解説が入るという…)をまっこうから「わかってない」というわけ。そこからタイトルに繋がっていくわけだけど、このエピソードの語り口がものすごく面白い。もうそこ読んだだけでやられたよ。なぜAmazonはこの本になか見!検索を用意しないんだ!わかっとらん!

少し落ち着こう。

先に中身の話をすると、タイトルに対する答え(なぜツイートがゆるいのか)について「こうだよ」と明言しているわけじゃないんだけど、読み進めていけばわかるようになっている。それを読み解くのがこの本の楽しみの一つだからあまり書かないけど、NHK_PRの中のなにかが考えた「NHKなりの」理由がそこにはある。「NHKなりの」なので、他の会社にそのまま転用できるわけじゃないけど、逆に読者に考えさせる構成にしていることで読んだ人の中である程度一般化できるようになってるのはいいんじゃないかな、と思う。

それもさることながら、この本の最大の魅力はその語り口。もうね、140字を遙かに超える長文になってもあくまでNHK_PRなの。読めばわかるよ。NHK_PR好きな人は全員買って読めってくらいに成分満載だから。

僕がNHK広報局をTwitterでフォローしたのっていつかなと振り返ってみたら2010年の1月初旬だった。当時まだフォロワーが6000人くらいしかいなかった頃で、広瀬香美とか勝間和代とかがどちらかというと日本Twitter界の中心だったんじゃないかなっていう、今と違う世界がそこにあったあの頃。なんか懐かしいな。ハマコーさんがTwitter始めたのもあの頃だったなあ。あのころからずっとNHK_PRの中の何かはぶれずに活動し続けている。なぜ中の何かなのか。突如ツイートする「あなたたちがNHK_PRです!」の真意とは。全部書いてあります。読めばわかります。読んで考えて知ること。それができるのがこの本のいいところ。想像以上にいい本でした。これは買いだ!