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みんなが音楽をどう味わってるのかって話

昨日ツイートしたらそこそこ反応があったので、詳しくご紹介。

YouTubeやニコ動が音楽購入に好影響、一方で買い控え要因にも~レコ協調査 -INTERNET Watch

この記事は、日本レコード協会が行った「音楽メディアユーザー実態調査」の動画サービスが音楽購買に与える影響の項目にフォーカスした記事。まあ読めば分かるけどYouTubeとかニコニコ動画とか動画サービスへのMVのアップはまあ試聴機みたいな役割になってて、音楽買う気ある人には背中を押すような役割になるし買う気がない人にはまあここで聴いたしいいやって言うことになるよねという話だと重う。まあ敢えて言えば音楽買う気がある人の背中をどんどん押せるし、もしかしたら買う気が無い人もこれくらい測ってもいいかなという気になるかもしれないしでないよりあった方がいいんじゃないかなとは思う。

という感じなんだけど、まあ「インターネットWatch」の記事だからインターネットに関わりのある一部分だけの紹介だったので、せっかくだから他の部分も見てみようという話。というわけでこちら。

2012年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表

この調査、レジーさんが去年ブログで取り上げてたけど、非常に表面をなめる感じの記事になっている。しかも根本的な問題として、その年ごとにやたら調査項目が違うところがあって(最近はまだマシだけど)、一貫性がなくて時系列で物事をとらえることができない。もうちょっとマジメにやれよと思うこともあるけど、まあなかなか見ない物珍しい話もあるのでおつきあいください。ていうか去年爆発的にアクセスがあったレコード産業の現状記事といい、このブログはレコード協会の発表記事をわかりやすく解説するブログなのか?(自分への問いかけ)

1:みんな音楽聴かなくなったよねって話。

まず最初に出てくるのが「CD購入・レンタル利用・インターネット有料音楽配信購入の構造」っていう項目。「新品CD購入率は29.4%、有料音楽配信・着うたフル購入率は12.1%。、CDレンタル率は 21.6%」ということでふーん。と思うんだけど、これらの集団には重なりがあるので重複内容にするとアンケートに答えた人のうち音楽にお金を投じている人の割合は合計42.9%になる。因みに去年は47.5%だった。うーむ順調に減ってるね。因みにこの調査が今の切り口になったのは最近で、その前はCDだけで調査していたんだけど、そんな2001年のアンケート調査におけるCD購入率はなんと約72%。それしか選択肢がなかったとはいえ、とっても多かったわけだ。そんな状況は今のままじゃもう絶対に戻ってこないよ。どうやっても12年前を取り戻すのは相当無理なような気はするけどさ。

 

因みにこの次のページでは「半年間での平均購入数」が出てるんだけど個別項目別の数値だけ出してて、トータルで音楽にお金を投じた人の割合はどうなのっていうことに関しては不思議なことに触れられていない。というか、わざと出さないようにしてるんじゃないかな。クライアントは「音楽にお金を投じるのが当たり前だろう」と思っているレコード協会の人なんだから、「実は半年以内に音楽にお金を投じるようになったのは少数派なんです」とか言われると烈火のごとく怒り出すに違いない。だからおおっぴらには書かないようにしようとしてる気がする。切られないようにするため。いいのかそれで、○○総研(資料見れば書いてあるから分かるけど)。

そんでもって中盤では有料徴収層・無料徴収層・無関心層に分けて色々訂正アンケートを取っているんだけど、「無料動画配信サイト等を通じた視聴が、音楽の「購入(所有)」を代替しているこ とが、無料聴取層における非購入の最も大きな要因」という結論が出ている。これが冒頭にあげた記事にも書いてあった話。いやまあわかるんだけどさあ、この質問ちょっとおかしい。「購入しなくても好きなときに聴取できた(YouTubeなどを使った)ため購入しなかった」「パソコン・スマートフォンなどで無料動画配信サイト(YouTubeなど)での聴取が増えた」っていう回答項目が1位・2位なんだけど、この二つの違いって何?分からない…あと無料ダウンロード音源の話も回答項目が2つあって分かりづらいんだけど、それらの項目を並べ立ててあらかじめ用意したかのような結論を述べるのはどうなのよ…

ただこの「有料聴取層の減少」ってのはほんと音楽業界にはリアルな課題だよね。まあ間口としてのレコード業界さん達はリアルに自分たちがユーザーにどう寄りそうか考えた方がいいと思う。「無料聴取層・無関心層においても、音楽との多様な関わり方・接し方が根付いており、本当の無関心層は全体のわずか5%未満とみなすことができる。様々な角度からユーザーの関心を 高める施策が必要」とある。数値の導き方は若干乱暴な気がするけど、結論は間違ってないよね。それがストリーミングとかなのかは知らんけど。

2:ボリュームユーザーはどこって話

次の項目には年代別マーケットシェアというのがある。CD市場と有料音楽配信市場は30〜40代のシェアが高いという話。これにはわりと納得感がある。2012年の調査で書かれていた「CDの最有力購買層は20代」とあったのがそのままスライドした感じ。それから有料音楽配信についてはPC所有率との相関関係があるので、やはりそれなりに所得がある30〜40代の方が数値が高くなる傾向があるだろう。

にしてはあとの方で出てくる「有料聴取層・無料聴取層・無関心層」の分類の時にこの世代の有料聴取層割合が嫌に低いのが気になるんだよなあ。いったいどんな調査してるんだ…30〜40代にヘビーリスナーが多いってこと?単純に母数が多いってこと?これだけじゃよくわからんです。

あと、50代以上のユーザーの平均購入数が増えたのはおそらく、山下達郎松任谷由実桑田佳祐といったベテランミュージシャンのベストアルバム発売による物だろうと推察される。そのためにユーミンのベストに至っては(おそらく)本人の美意識とかをかなぐり捨てた超わかりやすいジャケットになってる(WASTE OF POPSさんのブログを引用)。まあこうやって売る努力を大物ベテランミュージシャンもしてるわけで、「俺は音楽がしたいんじゃなくて商売はしたくないんだよ」みたいなことを言うバンド面の方々におかれましては彼ら彼女らの爪の垢を煎じてお飲みいただいた方がよろしいんじゃないかと思います。誰とは言わないけど。

なんか結論が見えなくなってしまった。とりあえずボリュームユーザーなんて無いんだよ、といいたい。というかそもそも市場全体が減ってるんだからさあ。

3:聴かれてる音楽の変化とライブの話

何か息切れしてる感があるけど、とりあえず最後に小話をいくつか。「購入したシングルCD」では日本のアイドルが目をひく伸びを見せてる。「アルバム」ではそうでもないけど。ていうかそもそも今見てる限りでは日本のアイドルでアルバム主体の活動をしているグループが殆どいないけどさ。因みに調査期間(2012年の3月〜8月)の中で出た主要なアイドルのアルバムはAKB48の「1830m」くらいかな。あとはきゃりーぱみゅぱみゅか。でもアイドルに分類されてるのかなあ。アイドルだと思ってるロック評論家さんもいるみたいだけど(イヤミだな)。

あとK-POPシングルの数値が下がってるアルバムの値が上がっているね。この時期はアルバムのリリースが多かったね(オリコンベスト100作品としては少女時代・BIGBANG・チャングンソク・T-ARAが出してる)。ちょうど竹島問題とかサッカーの3位決定戦での騒動とか色々あって韓国への印象が凄く悪くなった時期だけど、その前に買っているかは別問題。来年はどうなるのだろう。

因みに今年から「有料配信でどんなジャンルを買ったのか」という項目が新設された。今更だよ!!去年との比較もできないよ!!と、見る度になんか嫌になってくるなこの調査記事。

最後のお話。

ライブ・コンサートのお話。過去1年間(2011年9月〜2012年8月)に一度でもライブ・コンサートに行ったことのある人へのアンケート。かいつまんで言うと、

  • 参加率は全体平均で約3割
  • 参加した人の平均参加回数は大体2回くらい、チケット代支出は16,670円
  • 会場での関連商品・グッズの購入額は約6,000円/年
  • 会場でのCD/DVD購入額は1,500円/年

ということで、想像以上にグッズ販売の比率は高い。習慣ダイヤモンドが1月に特集した「誰が音楽を殺したか?」という記事(Kindle限定で100円!)にあるように、エイベックスなんかは積極的にこの辺進めているそうな。まあa-nationとかレコード会社主体のイベントとしてはパイオニアだよね。最近はEMI ROCKとかも定期イベントとして定着してきてるのかな。でもこれくらいの規模がないと正直辛いよね。いくつかのレーベルで○○周年記念!みたいなライブイベントのは去年ずいぶんあった記憶。

とはいえ去年ぶち上げてたほどライブも盤石じゃないみたいで、今日はミスチル主催フェスとして相当な動員を誇っていたap bank fesが今年の開催をお休みすることが流れてきた。JAPAN JAM、NO NUKES、neutralnationといったフェスが規模の縮小を余儀なくされただのライブイベントになってしまっている現状を見ても正直しんどいなあと思うところはある。

さてどうしましょうかねえ。という話は4月頃の「日本のレコード産業」の解説記事にて。乞うご期待。笑