たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

2020年マイベストソングトップ10

さて、いよいよ年の瀬ということで今年の振り返り。毎年その1年に聴いた音楽の中から良かったものを選ぶということをしているので今年もやろうと思います。まずは曲から。過去のはこちら。

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

基本アルバム単位で聴く屋さんなので曲単位でのベスト選ぶのに苦労してて去年は10個リストアップすることすらできず、今回は10曲選んだものの順位をつけることができなかった…今年に関していえば、4月以降の音楽視聴形態にも大きな理由が求められそうな気がする。在宅勤務主体になって音楽を聴く時間が減ったんですよね。今までは通勤中や移動中ずっと聴いていたんだけど外出時間の減少によりググッと減って、仕事も打ち合わせ主体だったりしたのでなかなか聴けずでした。そんな中でも印象に残った10曲はこちら。なおほとんど歌詞は重視してません。

 

POLLYANNA「LIFE」

cero「Fdf」

RYUTIST「ALIVE」

lyrical school「HOMETENOBIRU」

ガバね、好きなんですよ。元々ビートを強調した音楽が好きなのかもだしぐちゃぐちゃうるさいのも好き。あと、ヒップホップにおけるセルフボースティングを「私かわいい、えらい」に集約させるセンスは超よいと思います。これは発明。

ukka「恋、いちばんめ」

個人的にこれが今年のアイドル楽曲大賞だったかもしれない(今年は投票しなかった)

イヤホンズ「耳の中へ!!!」

5年前のデビュー曲のリアレンジ版なんだけど、ドラムはじめとするアレンジが「春〜Spring〜」すぎる(Hysteric Blueの楠瀬タクヤ氏が関わってるので当然だけど)。好みど真ん中突かれた感じ

CHAI「Plastic Love」

なんかのライブかイベントの時に会場でかかってるのをShazamしたら「えっこれCHAIなの!?」ってなった。表現の幅が広がってる感じがして良い

パスピエ「まだら」

今年のパスピエの楽曲、どれもよかったです。

星野源「うちで踊ろう」

多分今年一番聴いた曲だと思う(iPhone/iTunesで一番聴いたのは「耳の中へ!!!」でした)。短い中にたくさんの意味の詰まった普遍性の高い曲。

OK?NO!! 「How Have You Been?」

5年前に突然解散してしまったOK?NO!が解散からジャスト5年後にふらっと新曲をドロップしてくれるなんて。ありがたいことですなあ。

 

なんだかんだ曲単位の方が自分の好み出やすいのかなとか思った次第(もっと雑な言い方をすると偏ってる)。アルバムも程なくアップするけどそっちの方がバラエティに富んでる気がするかも。お楽しみに!

2020年11月に聴いてよかった音楽

今年ももうすぐおしまい!なのでまきで行きます(いつもこれくらいの時期に出せ)。

 

 

高井伊吹「kaléidoscope」

純J-POPぽくない、クラシックやジャズなどの要素も含む柔らかい音とハイトーンかつ柔らかい感じの独特な声が耳によく残る良作

 

Turntable Films「Herbier」

4年ぶりのアルバム。最初聴いて「豊穣を祝う歌みたいな華やかさに満ちた楽曲たちだなあって思ったらHarbierって植物園って意味なのね。それはそれで納得。

 

怒髪天「ヘヴィ・メンタル・アティテュード」

怒髪天は前から好きで聴いてたけど一時期「ポジティブ大人感」というか哀愁が薄れた感じがイマイチだなって思ってて少し離れてた。しかしながら今回はまたちょいと戻ってきてる感じがして良い。「ポポポ!」とか「アルコール消毒だ!」って言って酒を飲む歌だしこれこれこういうのだよ!って感じでうれしくなった。

 

小西真奈美「Cure」

デビューアルバムはKREVAプロデュースでラップをやった小西真奈美の2ndは亀田誠治後藤正文堀込高樹、Kan Sanoの4人がプロデュースして、オリジナルとカバー1曲ずつ作るというコンセプトのアルバム。本人の歌声という素材をどう活かすかというアプローチがみなそれぞれ違って面白いし複数のプロデューサーの色にうまく合わせられるのは女優さんならではと言うべきか。それにしても声が良い。

LUCKY TAPES「Blend」

シックな感じのR&Bっぽい雰囲気で全体的に好き、というか個人的にはバンド最高傑作と言ってもいいくらい好き。しかしながらこれまで彼らの音楽性の中核を成していたと思われる華やかさはかけらもないくらいに減退してて結構びっくりだったりする。

 

鴨田潤 featuring 寺尾紗穂「ニ」

 

イルリメ名義じゃないのね、という理由は聴いて即わかった。寺尾紗穂のピアノ弾き語りをアレンジ・プロデュースするという形。lyrical schoolに提供した「わらって.net」のカバー(セルフカバーと言っていいのか?)はラップぽくない感じがすごい。そして片想い「踊る理由」を元にした「The Reason To Dance」も最初聴いてもわからない。なんか底知れぬものを感じるアルバムであった。

 

さてさて、ここまで11ヶ月の記録と12月に聴いたものでよかったのをピックアップしてマイベスト選出しますよ。お楽しみに。

2020年10月に聴いて良かった音楽

今年も残りあと少しですねえ。

 

BLACKPINK「THE ALBUM」

なんとフルアルバムは初めてと。相変わらず1曲1曲が強いけどやっぱり「Ice Cream」が好きかなー。なんだかんだグループの楽曲の傾向とか癖とかもわかるようになってきてる

LiSA「LEO-NiNE」

「紅蓮華」のスマッシュヒットでアニメファン以外にも知られるところとなったLiSAの新作。基本的にはアッパーな曲が多い(ので実は紅蓮華も少し異端感ある)中で「わがままケット・シー」あたりのミディアムテンポ曲を聴くと「上手いなあ」って感激しちゃう。

tricot「10」

デビュー10周年の「10」。変拍子で激しくも独特のメロディとテンポがあるのは変わらずなんだけど最初の「おまえ」→「サマーナイトタウン」からしてめっぽう良い。「箱」の異形感とか中嶋イッキュウのジェニーハイでの活動とかがフィードバックされてるのかなとか思ったり。

藤原さくら「SUPERMARKET」

近年の作品にはmabanuaはじめorigami PRODUCTIONSの面々が関わっててオーガニックなギターサウンドに欧米インディポップ風味が加味されて聴き心地がいいながらきちんと耳にとまる感じの音というかフックが効いてる感じなのが良い。「Light and Right」とか声がマッチしてるしトラックが自分好みで最高。

さよひめぼう「AILEN GALAXY GIRL」

前半宇宙っぽい感じでタイトル通りだな〜って思わせたところにいきなり急展開してガバっぽくなるの良いなって思う。キュートさ残したガバなのも良い

 

WANDS「BURN THE SECRET」

上杉昇のいないWANDSWANDSではない」という意見はわからないこともないんだけど個人的には第3期も普通に聴いてたし今回もまあクイーン&アダムランバートとは言わないけどWANDSとして聴いてなるほどと思うところはある。「David Bowieのように綺麗に死ねたら」って歌詞がめちゃくちゃ引っかかるんだけどこの曲キャッチーなメロディだしWANDSを今っぽくアップデートした感じで全体的に良いと思う。ただ歌詞はあまり今っぽくない気もする(ある種それがWANDSらしさなのかもしれないけど)。悩ましいけど敬遠するような作品ではなくきちんと聴いた方がいいよねって思うところ。

 

もう年末じゃん!今月分こそは早めに書くぞ(決意)

2020年9月に聴いて良かった音楽

中間決算的なアレの関係だろうか新譜がたくさん出てて良いものたくさんでした

 

BBHF「BBHF1〜南下する青年〜」

満を辞しての2ndアルバム。Galileo Galileiの時同様に洋楽みたいというか同時代の洋楽ロックとの同期性を感じる充実の楽曲群。

 

早見沙織「GARDEN」

前作「JUNCTION」から打って変わってのいわゆるポスト・シティポップ的なヴェイパーウェイヴ・フューチャーファンク的な楽曲群。一聴して「ふむふむ」と思ってたところに本人インタビューで「私Night Tempo古参です」との言葉がありめちゃくちゃ納得した。

 

SILENT SIREN「mix10th」

サイサイももう10周年なんですね。ここ数年はバンドとしての集客規模が大きくなるのに応じてバンドサウンドとしてのかっこよさとボーカルすぅの声質などから本来的に備えてるかわいさのバランスに苦慮してる印象がある。メロディは相変わらず良いので個人的には個性をもっと出してほしいなって思う。他のバンドと同じことやっても仕方ないので。

 

Kaede「秋の惑星、ハートはナイトブルー」

Lamp染谷大陽とウワノソラ角谷博栄のプロデュース作品なんだけどホント秋に聴くにふさわしい作品になってるしボーカルの声質とマッチしながらおとなしくなりすぎず軽快に鳴る楽器隊がものすごく心地いい。かえぽソロの最高傑作と個人的には思うところ。

 

あいみょん「おいしいパスタがあると聞いて」

あいみょんの新譜は湘南乃風みたいなタイトルだが(語弊)、引き続き引き続きよい歌が揃ってる。先行シングル「ハレノヒ」「裸の心」とかは歌い出しのメロディがなんか印象に残るし書き下ろしの「朝陽」はイントロのギターフレーズの爽快感がすごい。シンガーとしてもソングライターとしてもまだまだ先に進んでるのすごいなって思う。

 

ペンギンラッシュ「皆空色」

ペンギンラッシュ、ビクターからメジャーデビュー。1曲目がなんかEGO-WRAPPIN'ぽいけど良いのか。しかしこれまで同様のジャズテイストを取り込んだ大人なバンドサウンドというコアな部分は変わってないので安心。次の「二〇二〇」のドラムが好き。

 

 

ENDRECHERI「LOVE FADERS」

言わずと知れた堂本剛ソロプロジェクト。ファンク中心のブラックテイスト満載の音楽は自分的にもかなり好み。個人的にはもっとブイブイ言わせておいてほしい感もあるけど、彼の色気ある声がカッコ良かったりするのでわOKだなって思う。

 

ラブリーサマーちゃん「THE THIRD SUMMER OF LOVE」

音が重いダウナーなこれぞオルタナティブロックという感じなのが良い。ジャケットアートワークに出てるようなサイケっぽい感じも出てるしボーカルの気だるい感じも合ってるし。これまでの路線の延長上ではあるけど一つ到達点にたどりついのではと思われる会心作。

 

 

asmi「bond」

若干ウィスパーボイスっぽい一面のあるボーカルとメロウなトラックのハマり具合がとても良い。半分くらいの曲名が食べ物なんだけど歌詞が「クリームソーダってそんなにめちゃくちゃおいしいわけじゃない」とかなんかシニカルなのが良い。

 

降幡愛「Moonrise」

がんばルビィの声優さんの歌手デビューアルバム。歌声が全然違うのにも驚きなんだけど、80年代シティポップ感。本人が相当好きだからってことでこういう形になったということなんだけどなんだかんだ現代風にはなってて、早見沙織さんのアルバムとは好対照というか、1曲目は似てる気がするけどそこから逆方向に分岐する感じw特に中盤の曲でベタさをうまく現代的にデフォルメしてるなって思う。

 

 

ゆったり買いてたら結構時間かかった。来月もネタはたくさんありそうなのでがんばります

2020年8月に聴いて良かった音楽

最近仕事が忙しくなかなか音楽を聴けてない感があります。だからこんな遅くになってしまったのか……?

 

米津玄師「STRAY SHEEP」

個人的には聴くの「YANKEE」以来。マジで様々な変化に驚く。ギターがガリガリなる曲は若干影を潜め、その頃からあった曲のバラエティが全方位的に進化していった感じ。聴いてて驚きと感動を覚える。これが大作か……今年のマスト盤の一つ

ずっと真夜中でいいのに「朗らかな皮膚とて不服」

不穏なタイトルwずとまよに関していうとメロディとテンポが好きなんだけどあとはピアノの使い方も相当好みな気がする。

上白石萌音「note」

橋本絵莉子YUKI野田洋次郎水野良樹大橋トリオなど豪華メンバーによる作品。この手のアルバムは割と散漫になりがちなんだけどなかなか統一感取れてるしボーカルの声質良いしで落ち着いて聴けるのでとても良い。大橋トリオ編曲の「Little Birds」良いね。

小山田壮平「THE TRAVELING LIFE」

小山田壮平がギターを持って歌ったらそれはもう小山田壮平の歌以外にはなり得ないのだ…というヘボいレトリックはさておき、andymori以降ALと並行してやってたソロ活動のアルバムがようやく登場。アンサンブルとか置いといてとにかく小山田壮平の唯一無二の「うた」にフォーカスしたアルバム。じっくり聴きたくなるやつ。

さとうもか「GLINTS」

甘くてまったりしててでもなんか毒があって、人の心をぐっさり刺さる歌声。いよいよ才能が開花してきたなあって感じる決定版の3作目。今までよりバンドアンサンブル重視になって一番好き。「Strawberry Milk Ships」とかふざけすぎてて良いw

安藤裕子「Barometz」

初期からのねえやんファンとしては今作は久々に「箱庭感」というか独特でオンリーワンな雰囲気がふんだんに出てて好きな一作。ってまあ「箱庭」って曲もあるんだけどさ。なんとなく音の反響させ方とかもそういうの意識してるのかな?とか思った。

 

来月もよろしくです!

 

 

2020年6月と7月に聴いてよかった音楽

6月少なかったのでまとめました。決して面倒だったわけでは……

 

 

シバノソウ「あこがれ」

かき鳴らし系ギターポップに少し低いけどやや透明感を含む声が響く。なかなかいいバランスで調和してるように思う。あと最初の曲のイントロが30秒近くあるのが時代に逆行してて良い

ふたりの文学「曲集」

電子ピアノの音が印象的なまったりとしたポップスに少しけだるい感じの声質のボーカルが混ざり聴いてると緩やかな気持ちになれる良ポップス愛好家の皆さんにはマストな一枚。もっと聞きたいしこれはライブでも観たいですな…

 

佐々木彩夏「A-rin Assort」

問:このアルバムでは何回「あーりん」って言っているでしょうか。数えようとして断念しました。曲の半分くらいがヒャダインな訳だけど個人的にはもっとめちゃくちゃやってほしかった笑

RYUTIST「ファルセット」

蓮沼執太による前衛的な1曲目「GIRL」からアイドルミーツポップス組曲「ALIVE」の大作感が凄まじく、この後の楽曲も軒並み良いんだけどまずこの二つのインパクトがとても強い。後半は沖井礼二・北川勝利・清浦夏実・ikkubaruとこれまたその筋の人にはたまらんラインナップを揃え、期待にそぐわぬ楽曲群。

 

デリック・ホッジ「COLOR OF NOIZE」

デリック・ホッジといえばロバート・グラスパー・エクスペリメント及び関連プロジェクトにおけるベーシストなわけだけどソロだとジャズっぽさもありスピリチュアル感もありでかなりバラエティとボリューム感に満ちた曲達を出してくれてる。夜に聴きたい。

 

イヤホンズ「Theory of evolution」

声優ユニットイヤホンズ の3rdアルバムは「進化論」の名が表す通りの実験的かつ野心的な新曲群と珠玉のリアレンジ楽曲達からなる渾身の作品。まずインタビュー音声をサンプリングして楽曲化した「記録」、そして生活音や環境音にポエトリーリーディングを交えた「記憶」。この2曲だけでももうお腹いっぱいだけど「背中のWING!!!」「わがままなアレゴリー!!!」といったリアレンジ曲も光る。そして2つの合唱曲を並行再生して一つの楽曲にする「循環謳歌」。おかしいでしょこれ……ってなったところで最後にデビュー曲のリアレンジ「耳の中へ!!!」。元Hysteric Blueの楠瀬タクヤ所属の月蝕會議によるリアレンジはどことなく「春〜Spring〜」の面影を感じる。声優の「声」を最大限に活かしきった、アートとポップの総取りをしてる今年の大本命作品。

 

というわけで来月もよろしくです。

2020年5月に聴いて良かった音楽

一部4月最終週分が入ってますが、5月になってから聴いたので。

 

Awesome City Club「Grow Apart」

メンバー脱退、レコード会社移籍など色々あって心機一転の新作。今までずっとバンド名をもじったアルバム名であったのをやめたりしたこともあり、色々ゼロベースで考えられたのかなと思われるようなトライもありで好感。

 

ゲスの極み乙女。「ストリーミング、CD、レコード」

他の川谷絵音WORKSと比べてのゲスの極み乙女。の特長って男女ボーカルで曲の変化や見所がたくさんあることだと思うんだけど、そこと元々のメロディーの良さにかなりフォーカスされている印象。今までは飛び道具感・トリックスター感もあったけどその辺はより濃ゆいジェニーハイって存在ができたからそっちに割り振るようになった感。

 

ロバート・グラスパー「Fuck Yo Feelings(Instrumental)」

去年出たアルバムのインストバージョン。元々超良い演奏だったわけなのでさらにそれが引き立つ。そしてイヤホンで聴くとクリス・デイヴのドラムの音が暴力的な大きさで良いw

 

mei ehara「Ampersand」

5月一番たくさん聴いたかも。カクバリズムの新進気鋭のミュージシャン。フィッシュマンズあるいは初期ceroを彷彿とさせるようなダブみのあるサウンドが聴き心地良し。ボーカルもまったりめのサウンドに合ってて良いね。

 

藤井風「HELP EVER HURT NEVER」

今っぽさ満点のブラックミュージック味のあるシティポップ的なサウンドで「何なんw」ってタイトルで肥溜めにダイブって歌ってそれでかっこいいのがヤバい。

 

the 1975「Notes On A Conditional Form」

去年のサマソニで優勝だったthe 1975の新譜。割とベタに直球なロックナンバーから打ち込みありシューゲイザーありでめちゃくちゃバラエティに富んでるんだけどとにかくボリューミー。22曲で1時間21分という時代の流れに抗うかのような大作。これをやってのけてしまうあたりに彼らが今世界の音楽におけるトップランナーであるということを実感する。

 

そんなわけでもうすぐ2020年も折り返しですね。