たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

私とリリスク、あるいは私がこの5人のlyrical schoolを好きな理由

先月今の5人のlyrical schoolについて、その表現の独自性や意義について存分に語った。

全3回で20,000字書き起こししてたくさん語ってもう満足したかなと思っていたが、基本的には客観的な視点で書いた文章なので「結局自分がこの5人のリリスクをどう好きだったのか」みたいな話はほとんど書いてないことに気づいた。なので、ごくごく個人的な気持ちを文章に起こしておきたい。まあ自分の文章なのでこれまでと似た感じにはなるかもしれないけど。

何かが産まれそうな感覚

自分はいわゆる「旧体制」からのリリスクのファンであった。まあ現場にもそこそこ行ってて、メンバーからの認知もあってくらいの状態ではあった(ただ、キングレコードへの移籍後はあまり行ってなかった)。なので今の5人のリリスクのお披露目にももちろん行った。しかしまだ自分的にピンときてなくてそこからは1ヶ月に1度くらい行くみたいなゆるいペースだった。

それが7月のリリイベに行って「これは違うぞ」と感じ、推しもできて通うようになっていったのだけどその辺りから新しいものができてきている感触を覚えるようになった。そこは何より新曲が次々と出てきたのが大きい。7月のつれてってよを皮切りに「NOW!」「DANCE WITH YOU」をはじめとする新しい楽曲が12月まで毎月披露されていたのだ。6ヶ月間で合計9曲。結構なペースだったと思うんだけど、主催イベントのたびに何か起き、そこで出た面白いものを日常のミニライブで味わうみたいなサイクルができていた。

この感じはその後も続き、「WORLD'S END」「BE KIND REWIND」とアルバムが出たらすぐにそのリリース期間に新しい曲が出ており、ツアーの終盤でも新しい曲が出るなど常に何かがあった。中には未だに音源化されてないものもあるが、この制作ペースは常に自分達をワクワクさせてくれていた。新型コロナウィルスの流行によって一旦そのサイクルは途絶えたかに見えたが、なんだかんだ曲が出てくるペースは変わらず四半期に一度は必ず何かしらの新曲が出ていたわけで、新鮮な気持ちを常に持てていたのは結構大きかったと思う。ちなみにドロップされた新曲の中で衝撃度が高かったのは「DANCE WITH YOU」「Short Good-bye」「パジャマパーティー」「Bring the noise」あたり。あとブランニューガール笑

ずっとわちゃわちゃしてる5人

この5人のリリスクのライブは振り付けが無い(全ての曲にないわけではなく、昔の振付付きの曲はそのままやっているが)。なので動きはフリーになるわけだけど、そこで何をしているかというと、各々が好きなように動いてて、あるメンバーは音に身を任せてたり、あるメンバーは踊ってたり、はたまたあるメンバーは他のメンバーにじゃれついたりいたずらしたりしている。定番になってるものもあれば1回しか見られないものもあったりなのが面白い。そういった中からメンバーの間での関係性や個々の新たな一面が見えてくる。これはアレだ。アイドルオタクが大好きな「わちゃわちゃ」だ。リリスクは歌いながらステージ上でわちゃわちゃしてるんだ。なあ、最高じゃないか????(突然の豹変)

hinakoちゃんやhimeちゃんはメンバーによくイタズラを仕掛けたりする。被害に遭いやすいのはyuuちゃんだ。risanoちゃんもたまにやられるけどマイペースを貫いてることが多い。minanちゃんも最近やられることがある。あとrisanoちゃんはなぜか10年以上前のお笑い芸人のネタを突然持ってくることがある。hinakoちゃんは曲の中でTWICEやNiziUの振り付けを踊ったりする。最近はhimeちゃんhinakoちゃんyuuちゃんがSPY FAMILYにハマっているのでアーニャのモノマネポーズを曲に合わせて挟んだりする。もちろんバチッとキメるべきところはキメるわけだけど、終始何かが起きてるので見てて飽きない。初見の人にも、繰り返し見る人にも何かしら「面白い!かわいい!」と感じさせるポイントがあるのが今ののリリスクのライブだ。振り付けがないから何をみればいいかわからないという方にはこう言いたい。メンバー同士のわちゃわちゃを見ましょう。笑

各メンバーの魅力について語る2022

久々にこの個人レビューめいた文章を書く。こういうの書くとメンバーのことがより好きになるんだよね。改めて自分はこの5人のことがただただ好きだったなと再確認した。なお、副読本的にナタリーによる直近のインタビューもオススメしとく。

なお、今のツアーで全員のパフォーマンス(とわちゃわちゃぶり)がものすごくパワーアップしているので要注目です。

hime

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リリスクの爆イケギャルことhimeさん。僕はこの方に頭が上がらないのでさん付けにする(後で怒られるやつ)。かなりアングラなところまで日本語ラップを愛聴してる彼女は5人での活動を始めてから大きくラップのフロウが変わり、低音気味のクールなラップスタイルになった。自然体でできてる感じで僕はhimeさんのフロウがとても好き。近作だと「ユメミテル」「NIGHT FLIGHT(大好きなhime三連符ラップ!)あたりが特に良い。そんな中で諸々の所作にかわいらしさが滲み出てるのもとてもいいなって思うんだけど、お茶目なイタズラもよくしてくる。というか僕は何度かステージ上のhimeさんからイタズラされたことがある。正直おいしかったですありがとうございます。と言ってきたけど、真面目な話KANDYTOWNみたいな感じにって言って今のライブスタイルを提案したり時としてセットリスト構成にも参加したりとリリスクの作品を作り上げるプロセスにあたって重要な役割を果たしていたhimeちゃんはこの5人のリリスクにおける主人公的な存在だったと僕は思ってる。この5年間はhimeちゃんが中心にいたストーリーだった。僕はこのスタイル本当に好きだったよ。ありがとう。

 

hinako

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「わたしの〜こと好きな人?」はい!はい!!

hinakoちゃんはかわいい。世界の真理だ。動きのパターンも豊か、表情も豊か。リリスクのステージングを華やかにしてくれてる存在だ。ディズニー大好きでミニーちゃんみたい、いやミニーちゃんそのものだ。ちょっぴりというかだいぶおてんばで、メンバーへのいたずらを一番する笑。ヒップアタックからだる絡みにいちゃつきとバラエティに富んでるんだけど独特の愛嬌というか愛され力を発揮していてみると絶対笑顔になる。何やってもかわいいhinakoちゃんだけど、今作の「NIGHT FLIGHT」をはじめ、「TIME MACHINE」「SHARK FIN SOUP」などクール・ミステリアス・あるいは刹那的な独特のフロウを繰り出す。(他のメンバーにもそういう面があるのを承知の上で言うが)彼女にしか出せないオンリーワンのフロウがある。「オレンジ」「サマーファンデーション」「Bring the noise」なんかもそう。夏の夜に映えそうなフロウを聴いて、hinakoちゃんにうっとりメロメロになりましょう。

yuu

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yuuちゃんは普段はほんわかした癒し系ガール。メンバーにいじられることも多いキャラだったり。しかしステージに立って歌うと凛とした雰囲気を持った存在感ある歌い手になる。「消える惑星」「Find me!」などMVの実質主演みたいな形になっていることもあり、ずっと続いているリリスクのカラーを一番体現しているといえる存在だ。というわけでyuuちゃんは何が良いかというとまず声が良い。毎週やってるTwitterスペースではファンと一対一の対話を続けてるが常に落ち着いてほんわかした声で癒しの空間を作りつつ、きちんとファンから話を引き出しうまく進めていく。yuuちゃんにはカウンセラーとかそういう方面の才能もあるのでは、というくらいに思っている。さてさてステージ上のyuuちゃんだがそのほんわかした声が伸びやかな凛とした歌声になるのがなんともグッとくる。今作だとやはり見どころは「Find me!」や「LALALA」あたり。そして歌と並んで注目どころなのはダンス。所作が美しくて目を引く。曲のストーリーに入り込んだyuuちゃんを君も目撃しよう。

risano

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risanoちゃんはワイルドだ。文字通り。とか言ってると「ワイルドだろ〜う?」とか言われそう。そう、なぜかネタとして持ってくる芸人の世代が全体的に10年以上前なのだ。

いきなり話が逸れてしまった。ステージ上で誰よりも動き回り、一番小さいけど存在感は人一倍。独特のリズム感や歌唱でリリスクのライブにダイナミックさをもたらしているのがrisanoちゃんなのである。かなり本能で動いてるとしか思えないくらいペース配分考えずに動いてる時もあって、「Pakara!」から「YABAINATSU」に続く時なんかは曲が終わった後ゼーハー言っててそれ自体が笑いとして成立することもある。MCでも基本思ったままのことを言うし聞こえたことを聞こえたまま言うので聞き間違いしてる時とかわりとすごいことになる。そして無軌道トークをしてhimeちゃんからツッコミを受けるのもわりと定番芸。

しかしながら、risanoちゃんに関していえば一番凄いのは間違いなくその「成長力」だろう。ものすごく素直なので吸収力がすごい。「フリースタイルティーチャー」への出演及びそれに伴うラップ鍛錬と実践でスキルを大いに伸ばしていき、フリースタイルイベントに出るまでになった。進化し続けるrisanoちゃんの今を目撃してほしい。

minan

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なあ知ってるか、今のminanちゃん、めちゃくちゃかわいいんだぜ。……というとminan推しに当たり前だろって怒られそうだけど、この5人のリリスクの時間が終わることが発表されてからは5人でいることへの愛おしさを隠さず表明し、たまにSNS上でいじけてみせたりととてもキュートだ。

今までグループのお姉さん的立場にあったがゆえに遠慮して出さないでいたお茶目な部分なんかもフルに発揮した結果、すんごくかわいい。というかそもそもminanちゃんは2人姉妹の妹なのだ。「bounce」のフックで全力笑顔で最高やんのポーズをしたり(最高やんのポーズとは)、Pakara!ではしゃぐのに混ざったりして存分に「今」を楽しんでいる。

minanちゃんといえばソロでも活動するその歌の上手さに定評があり、今作もいくつかの曲でフックを単独で歌っている。個人的には「NIGHT FLIGHT」推しなんだけど、やはり「LAST SCENE」の慈愛に満ちた歌唱は特筆すべきところだろう。ただひとりリリスクに残り続けていく決断をしてくれた彼女。その彼女が紡ぐ愛に満ちたステージをぜひとも見よう。

 

だんだんと勧誘めいた感じになったけど泣いても笑ってもこの5人でのライブはあと1回、7月24日の日比谷野外大音楽堂のみ。5年間この5人でやってきた練度の高いステージが見られることは間違いなし*1。絶対に満足できます。こんなご時世だけど、この文章を見て心に何か感じるものがあった人はぜひお越しいただければ、こんなに嬉しいことはない。

配信もありますよ。

最後に一言申し上げると本当にこの5人のリリスクのことが大好きです。7月24日、5年間で一番リリスクのことが大好きな日になるでしょう。楽しみだ。

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*1:そういえば5人以上いるアイドルがメンバーの増減なく長期間活動した例を探していたが、ももクロの5人時代が6年9ヶ月、わーすたの5人時代が6年8ヶ月、でんぱ組.incの6人時代が5年7ヶ月くらいだった。この5人のリリスクは5年2ヶ月なわけで相当な偉業であると言っていい