音楽の海を泳ぐ魚達の話〜TOKYO FM&JFN PRESENT EARTH×HEART LIVE2012 フィッシュマンズ×サカナクション
昨日はここに行ってきた。
TOKYO FM&JFN PRESENT EARTH×HEART LIVE2012
開催の理念とかはとりあえずサイトを見てくださいな。僕が語るよりもきちんと書いてある。なにより出演ミュージシャン。フィッシュマンズとサカナクションだよ。夢にも思わなかったこの組み合わせ。魚の名を冠する伝説のバンドとこれから伝説を作るかもしれない(いや、きっと作る)バンド。フィッシュマンズの野音ライブは去年見たライブの中で1番だったし、サカナクションの武道館ライブは一昨年見たライブの中で1番。最もライブを見たいバンドの(サカナクションはしょっちゅう見てるけどその辺後述)共演。しかも会場さいたまスーパーアリーナ!?家から徒歩で行けるじゃない。どうすんのこれ!?申し込むしかないでしょ!!
というわけで申し込んだのが1月の31日。この日の時点で何となくとっていたサカナクションとBOOM BOOM SATTELITESの対バンのチケットを全数譲り渡すことに決定。即行動。そして当選して届いたチケットを見たら。見たら。
なにこれ。メンツと会場だけでも完全に俺得なのに、どうしてチケットまで俺得なのさ!むちゃくちゃすごいじゃないの。最前列のチケットなんて、当たったことないよ。もうそわそわ。わくわく。どきどき。
そんなわけで気持ち最高潮のまま現地へ。最前列のステージ左端辺り。今回は収録の方々も入っていたので最前列とステージの間はカメラクルーゾーンだったんだけど、僕らの前にて途切れてたので、邪魔する物が何もなくステージを全体俯瞰できるという妙に好ポジション。そして今日の周りのメンバーはおそらく僕と最も音楽の趣味や考え方が合う方々だったので、それこそたっぷり楽しんでしまいましょうという話。うん。全て絶好の条件じゃないかい、これ。
というわけでお誂え向きの状態でライブ開始。
●フィッシュマンズ
僕がフィッシュマンズを知ったのは確か2007年くらい。フリッパーズギターのリマスター版がいいよ!って話を大学の友達(バンドマン)にしたところ「ならばフィッシュマンズも聴いてみ、ちょっとひねた感じが気に入るはずだから」と奨められたので「空中」「宇宙」の2枚のアルバムを買って聴いたのが出会い。元々クラムボンがカバーしたナイトクルージングくらいは知ってたけど、それ以外にもいかれたbabyとか何曲も気に入ったのがあって折に触れて聴いてたわけ。そんな中の去年の再始動。野音ライブ。チケットは外れたけどTwitterのフォロワーの方に譲ってもらい見に行ったライブ。雨の中の充実の3時間。それについて語るともう一つエントリが作れちゃうから今日は書かないけど、とにかく楽しかった。その方には今回のチケットでお返しを。
前置きが長くなったけど、要は僕はリアルタイムでフィッシュマンズを聴いていた人間ではないので、その人達とは判断基準が違うよってことを先に書いておきたいわけ。別にエクスキューズを置いておくわけじゃないんだけど。
さて本編。セットリストと共に。
1:SEASON(Vo.茂木欣一) 2:土曜日の夜(Vo.の子) 3:あの子が眠ってる(Vo.の子) 4:WEATHER REPORT(Vo.原田郁子) 5:Just Thing(Vo.の子) 6:頼りない天使(Vo.原田郁子) 7: MELODY(Vo.の子) 8:すばらしくてNICE CHOICE(Vo.茂木欣一) 9:ナイトクルージング(Vo.茂木欣一) 10:100ミリちょっとの (Vo.茂木欣一・原田郁子・の子)
まずは初っ端にSEASON。欣ちゃんボーカル曲から来るだろうなと思っていたし、この曲はなんだかんだで好きだったから早速気持ちが盛り上がる。それが終わったあと続けてたたみかけられたのが「土曜日の夜」。野音ではこの曲はインストでやったのだけどこれがまたかっこよくてねぇ…と思ったところで、今回ボーカルつき!?え、の子!?そう。発表と共に物議を醸したゲストボーカル・の子(神聖かまってちゃん)。正直大丈夫かと思ったし、最初はなんか違和感を覚えたけど、だんだんはまってくる感じ。サカナクションの(山口)一郎さんが良い違和感と言ってたけど、まさにその通りだ。じわじわ来る。というか土曜日の夜ってこんな曲だったのね、と。(この曲と、野音でメドレー演奏したSmiling Day,Summer Holidayだけは野音と今回の両方の演奏曲の中で「空中」「宇宙」に未収録なので未聴だった)そしてそこから「あの子が眠ってる」。この曲、野音でやってないだけに聴きたかった!!そして今日は野音でやった曲の繰り返しではないことを確信し、これからの展開にも更に期待が高まるわけ。そして早々とギターをへし折るの子。同じギターが2本並んでたから折るだろうなとは思ってたけど、このタイミングは早いだろww
4曲目にはもはや鉄板とも言える原田郁子ボーカルの「WEATHER REPORT」。さいたま地方にはまさにその日、青空が広がっておりましたよ。その青空を彷彿とさせるような心地よい歌声。の子と対極な所が、またNICE CHOICEだなあと。そこから「Just Thing」。この曲は、絶対の子が歌うと思っていた曲。なぜかっていうと、「くたばる前に、消えようね〜」というフレーズに象徴される投げやりな歌詞。フィッシュマンズの曲って、ある種の狂気をはらんだ曲もあって、そういう曲は絶対彼に合うだろうなあという僕の予想を裏切らず、期待を超える表現をかましてくれたの子。まさに、まさにこれだよ、と言わずにはいられず。そこからの郁子さんボーカルの「頼りない天使」。この曲は去年の野音では七尾旅人がやって、UAのバージョンはYouTubeで見たことがあるけど、このバージョンはまた切なく優しい感じのまさに「頼りない天使」だったな。郁子さんのボーカル、やっぱり大好きだ。あとこの曲は欣ちゃんのドラムがすごく好き。欣ちゃんって結構リム打ちを多用してると思うんだけど、それがこの曲だと思いっきり聞こえるのがたまらない。バスドラとリム打ちの基本ビートは、野音で聴いたときより物凄く良かった。
そして欣ちゃんの本日2度目のMC。といっても、両方ともの子に邪魔されて殆ど喋れず、あのいつもの「ドヤ顔MC」はあまり見られず。あれにツッコミを入れるのも楽しみの一つだったんだけどな…笑。そこからは一気に後半戦。まずはの子ボーカルで「MELODY」。この曲も絶対の子にはまるだろうなあと思ってたらもう予想以上で!!完全に針を振り切った感じですごく乗っていける感じだったこの曲。もう本当に「あと2時間だけ夢を見させて」と思わずにはいられなくて。そして中盤以降の間奏部分での子が本日1回目のステージ飛び降り。そしてこちら側へダッシュし、客先にマイクを向け、客に叫ばせる!!!僕の4つくらい右の席だったんだけど、そのとき会場スクリーンに僕達が大写しになったみたいwwあとでいわれて知ったけど。スタッフに持ち上げられての子がステージに戻りそのまま倒れている中で欣ちゃんボーカルで「すばらしくてNICE CHOICE」。これもまた野音では聴けなかった曲。ここでこの曲とはNICE CHOICE!ベタだけど。たまらない。欣ちゃんのボーカルはかなりサトちゃんを意識してるよね、と改めて思ったりとか。
そして最終盤に入り超名曲「ナイトクルージング」。ボーカルは郁子さんと思いきや欣ちゃん。マジか。いや郁子さんボーカルは去年国技館で聴けたから良いですよ!?でもまたこれも良し。しかし欣ちゃんって、普通のポップソング歌うとすごく浮くけど、フィッシュマンズやSo Many Tearsではかなりハマってる感じだよね。まあさっき言った通りサトちゃんを相当意識して歌ってるというのは大きいだろうけど。それにしてもこの曲の浮遊感はすさまじく、それこそ一緒に魚になって音楽の海をたゆたい泳いでいくかのような気持ちになる。とても心地よい瞬間。そして最後の曲は「100ミリちょっとの」。これも野音ではやってない曲だね。ボーカルは3人が交代で担当。どの瞬間も深海の中のかけがえのない輝きのようで、この瞬間がずっと続けば良いのにと思わずにはいられなかった。
フィッシュマンズ。佐藤伸治が死んでしまったことにより神格化された感はあるけど、バンドが産み出した音をそのフォロワーと一緒に新しく奏でていけるバンドって、そう多くはないと思う。すごく色々な面を持っていたから、一人のボーカルでは全部カバーしきれず色々な人達が集まるというのもまた一興。それも茂木欽一をはじめとする演奏陣の盤石っぷりの証左かな。とにかく野音同様に演奏陣はがっちり固まってた。その演奏陣と強力なボーカリストのコラボレーションが生む奇跡という物を野音に続いて大いに感じることができる素晴らしいステージだった。
●サカナクション
サカナクションと僕、って話、してもこちらは全く需要ないというか意味ないと思うけど、改めて書くと出会いは2009年のRIJF。いや、このときは行かなかったんだけど、いった人の反応が総じて良いという話だったのでたまらずCD漁ったらナイトフィッシングイズグッドに大ハマリしたというわけ。一番最初のライブは09/10のCDJ。あの時は本当に楽しかった。それ以来サカナクションにぐいぐい引きつけられていったねぇ。
さてそのサカナクション。セットリストと共に。
1:RL 2:モノクロトウキョー 3:セントレイ 4:仮面の街 5:アンタレスと針 6:years 7:流線 8:エンドレス 9:『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 10:ホーリーダンス 11:DocumentaRy 12:ルーキー 13:アルクアラウンド 14:アイデンティティ En1:ナイトフィッシングイズグッド
良くいえば安定鉄板、悪くいえばマンネリのセットリスト。どの会場でもセットリストに驚くほど手を入れないというのは何か狙いがあるのかな。演出に手を相当入れてる分予算的な制約とかがあったりするのかなと邪推してしまうくらい。
でもね。絶対この順番だと分かっていてもね。それでも楽しいんだよ、サカナクションのライブは。Twitterでは折に触れ言ってる周りの反応が云々という話も、今回は最前だから全く気にならない分、それこそ大いに踊り倒すことができた。最高の気分!
http://twitter.com/tanimiyan/status/154538332859281408
まさにそういうことなんです。
あと思っていることを少々。
- エンドレスはやっぱり良い曲。2番のAメロ部分とか、最後のサビとかはかなり踊れるポイントだと思うのだ。
- DocumentaRyはビートが打ち込まれ始める瞬間に一気に持っていかれる。
- ナイトフィッシングイズグッドの最初のアレンジがちょっと変わった。でもそれが災いしてか一郎氏痛恨のミスww
- 最前で見たルーキーの時の草刈姉さんが美しすぎてもう。
- 最前でももっちの顔はなかなか見えなかった。
やっぱりサカナクションのライブは良いよなあ。本当に。てか感想短いね。ごめんね。でもいつも言い尽くしてるからさwwwナイトクルージングでたゆたったあとはナイトフィッシングイズグットで力強く泳いでいった、というような心持ち。
それにしても全てが最高すぎてあまりにも幸せすぎて神様に感謝!SEE YOU NEXT YEARの表示が最後に出てたけど、この組み合わせでSEE YOU NEXT YEARしましょう!とてもとても美しい音楽の海に、いつまでもつかっていたいなあと思える3時間でしたよ。