TWEEDEESのライブが今すごいって話

すごく良かったライブの話をする時、そのすごさをどういう風に説明するかはとても難しい。だからどうしても「エモい」とかのようなわかりやすい感嘆の言葉を多用したくなったり「最高」「良い」みたいなシンプルな言葉を使いたくなってしまう。その問題意識はそのうち何らかの形でアウトプットしたいんだけど、それはさておき昨日自分が見たTWEEDEESのライブはそういった誘惑を振り切ってそのすごさを噛み砕くことにトライする価値のあるライブだと思った。なのでその話をします。途中で挫折したらごめんなさい。

LINE LIVEアーカイブも残っているので見てみてね(しかし音が結構小さくてこんなんだったっけみたいな気持ちになるところはある)。

出囃子が鳴ってメンバーが入場してからの1曲目は今回のツアーに先駆けて出たアルバム「DELICIOUS.」の1曲目にしてタイトルトラック「DELICIOUS.」。CDで聴いたときにもそうだったのだけどシューゲイザーを基調にキラキラした音を適度にまぶしてある曲で、テンポに比して歌メロ自体は長音主体であまり動いて歌い上げるような感じでもない。しかしながらボーカル清浦夏実さんがドンと構えて歌い上げるその姿は相当に力強くて自分の心は鷲掴みされた。そして演奏陣もこれまでの陣容からドラムの原"GEN"秀樹さん以外全員変わり、ギターがPOLLYANNAクロサワさんに・キーボードがブルー・ペパーズ井上薫さんになってバンドの音が明確に変わったのもこの1曲でよくわかった。クロサワさんのギターはエネルギッシュで弾けてるし井上さんのキーボードは上手くてオシャレ。これまで(2017年まで)のTWEEDEESのライブメンバーは沖井さんと同世代の人が殆ど(たまにギターに若手が入る)だったのに対して今のライブメンバーは清浦世代・沖井世代が半々になっている。アルバムの音でも清浦さんの存在感・色が強まっていることを反映したライブをするならこの座組みがマッチしているのだろうと思わせる。特に前半はクロサワ・井上両氏が走るような演奏をし沖井・GEN両氏が技で支えるという構図のように感じられた。

それで冒頭からアルバムの曲順に3曲やるもんだからオーディエンスとしてはアルバム「DELICIOUS.」をライブでやるとこうなるのかということ、今のTWEEDEESはこんな感じだよっていうことがすんなりつかめた。あと前半にやった中では最初4曲やったあとの挨拶を挟んで「月の女王と眠たいテーブルクロス」がかなりアレンジを変えてロックンロール色を強めていたのは大変良かった。(21:48頃から。映像が結構飛んでしまっているのが残念)

とはいえ熟練の沖井さんGENさんも黙っていない。中盤のMCを挟んでの「美しい歌はいつも悲しい」はAメロの部分でドラムとベースで同じリズムを奏でるパートがある。ここのシンクロ具合はさすが長年一緒にやっているだけあるなって感じだしそもそもの話として二人ともえらく上手いので超カッコいい。ボーカルのハーモニーがビシッと決まると気持ち良い感覚ってあると思うけど、リズム隊でそれが出ると凄い爽快感があるなあと感じた。

今まで楽器隊の話ばっかりしてきたけど清浦夏実さんのボーカルも全然負けてない、というか声の伸びなどは前のライブよりさらに増しててめっちゃ強い。そんで声色の細やかさというか表現力が増してるのがよくわかる。アンコールで披露された「ムーンライト・フラッパー」は元々様々な色合いを持つ歌だけど、シーンに合わせた歌い分けの力が更に増してて素晴らしかった。清浦さんの歌声聴いてるとうっとりする。心地良い歌声でそれでいてロックサウンドにハマってるというね。

※1年半前のライブの映像です

そしてこの日の「ムーンライト・フラッパー」はバンドの演奏も素晴らしくハマってて自分が今まで見たTWEEDEESのライブの中でも一番だったと思う。フロアの後方でめちゃくちゃ肩を揺らしてというか踊りまくってた。沖井さんも「曲のここでシンガロング起きたらいいなあ」的なこといってたしもっとフィジカルに訴えかけてくる魅力があると思うわけ。全身で音を浴びて楽しみたい。

TWEEDEESがデビューしてから4年。今回の「DELICIOUS.」はアルバムもライブもバンドの個性を確立する会心のものになったなあと思う次第で。CymbalsともFROGともSCOTTとも違うこのメンバーならではの音だしなにより今の編成の若さと熟練のバランスは今までになかったものだ。だからと言って100%の別物ってわけではなく過去のワークスがあったからこそのTWEEDEESだとも思うので、Cymbalsは知ってるけどみたいな人にこそめちゃくちゃ見てほしい。今TWEEDEESのライブがホントすごくてオススメなんです。