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ドラマティック・ビューティフル・アンサンブル〜ディスクレビュー:jizue「Novel」

jizue Music ディスクレビュー

インストのバンドって、普段そんなに聴かないんだけど、これは久々に自分の中でヒットしたわ。

novel - jizue

京都出身でギター・キーボード・ベース・ドラムの4人組バンド、jizue 。去年はneutralnationとかにも出演していたわけで、今年も夏にはどこかしら出てきてくれるでしょう。北海道とか…いや、さすがにそれはないかな。

先に言っとくと、このアルバムは相当の傑作だと思う。どの曲もとても美しく、そしてキャッチーさもあり、耳を捕らえて放さない。

まず最初の「Intro」を通り抜けての「Sun」。この曲は物凄くよくできていて、ボサノバ調のギターとドラムのリズム(このリムを2連打ちするフレーズが僕は好きでたまらないw)から流れるようにピアノが入り込んできて交互に旋律を奏で合うという形で進行していく。この両者の奏でるメロディがとっても美しい。そして両者が絡み合いそして時には共に旋律を奏でながら盛り上がりは最高潮に達し、そしてまた最初のフレーズに帰るという。超のつく傑作。MVもあるのでぜひ↓

http://youtu.be/N_SjknWet3AKhsl3mzEJjg

そしてその次の「Unnecessary Pain」は同じように静かなところからいきなりうなるようなピアノがたたみかけてきて一気にその曲名の通り痛々しいまでに張り裂けそうな緊張感のあるメロディが奏でられていく。更に次の「Chaser」も、さらに攻撃的な曲調でどんどん耳に迫っていく。この前半3曲のパワーは物凄く、僕なんかは1回さしかかると途中で止めたり飛ばしたり他のに切り替えたりとかできなくなるくらいに曲世界に没入してしまう。そこからまた「C-loud」っていう若干短めの、そこまで激しくないけど打ち込みを交えることで揺らぎを織り込んだ曲で、クールダウンさせてくれる。いや自分で今聴きながら書いてるわけだけどこれ、曲順も含めて相当練り込んで作ってると思うよ。

そして後半戦はまた緩急効かせてくれてる。ミドルテンポのピアノ主体のフレーズからアッパーに盛り上がる「Hitorinouta」、多少ながらもボーカル(歌物と言うよりSPECIAL OTHERSの「Laurentech」みたいな歌も楽器的な感じ)が入っており新機軸を予感させる「Kotonoha」、しっとりした情景を思わせる「ふる里」、そしてふたたび重々しい曲調の「Yubiwa」、微かな光が差す中での祈りを連想させるエンディング曲「Pray」と続いて終わる。Jizueの楽曲群はどの曲も情感たっぷりというか、楽曲がそのタイトルにあるような絵を呼び起こしてくれる。インストゥルメンタルという形態の強みを完全に活かしている。とてもとても、ドラマティック。

そして演奏陣。ギターもピアノも上手い。そしてドラムも素晴らしい。「Sun」のボッサっぽいフレーズなんか最高なんだけど、「Hitorinouta」のジャズっぽい感じも好き。そしてベースソロとかは殆どないんだけど、しっかりグループを支えているベース。これまた「Hitorinouta」ではかなり動いていて、なかなか面白いフレーズを出してくれている。しかしそれぞれの楽器が奏でるフレーズの美しさったらねえ。うっとりですよ。本当に息の合うアンサンブルを見せてくれてる。

前のアルバムも一緒に買って、そっちもずいぶん良かったんだけど、こっちは更に数段その上を行く出来。タワレコでおまけとしてついてきたDVDを見てたらライブテイクもまたかっこよくて、ああライブ行きたいなあ!ということで7月のライブチケット取った次第。

jizue。インストバンドだけど、残響系みたいなロックゴリゴリのというよりは、どちらかというとtoeとか好きな方がはまると思いますよ。まあ僕がそうなんだけどwwとってもとってもオススメ!