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BABYMETALのルーツたるヘヴィメタルを掘り下げてみよう〜その4「メギツネ」

さて、前回に続いてBABYMETALのファーストアルバムの発売を記念した元ネタ・オマージュなどの深掘り企画。もうアルバム発売まで2週間ほどということで、各種雑誌への展開とかも多く色々見逃せないですね。というわけでMステでの披露曲をはじめとした今までの解説記事はこちら。


BABYMETAL

さて、第4回のお題はこちら。

メギツネ

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2013年の6月にリリースされた和風メタルソング。とにかく情報量が多くて濃いんだけど、かけ声のところとかみんなでやるのが楽しくて、ライブで盛り上がる曲であることは間違いない。

さて、今回もメタル専門ムック「ヘドバン」を読みつつそれに+αする形で進んでいきますね。

●楽曲のオマージュ元

まずこの曲のジャンルなんだけど、 非常に難しい。というのもものすごく色々な分野が混ざっているから。ひとまずは「ピコリーモ(メタルコア)+フォークメタル」みたいな感じだと考えるといいのかな。前者のピコリーモについては前回の「いいね!」でやった通り、展開がめまぐるしいのとエレクトロニックな打ち込みサウンドを入れているのが特徴。相変わらずブレイクダウンもあったりでかなり曲の構成としては近いのかな。

特にイントロのシンセ音は「ニューレイヴっぽい」って言われてて、色々聴いてみた中では具体的にはペンデュラム辺りなんかの音が近い感じある。

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Immersion

そしてフォークメタルだけど、簡単に言うと「民族音楽とメタルが融合している」音楽。有名なところから引っぱると、フィンランド出身のコルピクラーニというバンドは、フィンランド民謡やバイキング伝説とメタルを融合させている。

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Spirit of the Forest

因みにこの曲「Wooden pints」は邦題が「酒場で格闘ドンジャラホイ」という珍妙な物だったのとMVが過剰なまでにシュール(何度見ても小屋からバイオリニストが出てくるところで笑ってしまう)等諸要素があってメタル好きの一部に大ウケ。ある種の伝説になっている曲です。このバンドについていえば邦題がめちゃくちゃすぎる上に日本での販売元によりジャンルも「森メタル」「旅メタル」「酒メタル」等頻繁に変更されるなど完全にネタバンド的な扱いをされているんだけどサウンドは意外にもキャッチーで覚えやすい物が多いので、ぜひ見てみることをオススメする次第。僕はこの人達大好きです。ただしこのバイオリニストさんは体調の問題で2011年に脱退してしまったそうな。残念…

それから、この曲のアイディアの下敷きとしてあるのは、おそらく聖飢魔IIの「NEVER ENDING DARKNESS」における花柳流能楽演者との共演だろう。

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BIG TIME CHANGES

BABYMETALの源流の主成分はMetallicaX JAPAN聖飢魔IIで、聖飢魔IIからは演出面でのコンセプトでかなり影響を受けている。ライブを「聖飢魔IIのミサみたいな感じで」とプロデューサーKOBAMETALさんは「ヘドバン」で語っていたし、さくら学院などBABYMETAL以外の活動やプライベートのことを「世を忍ぶ仮の姿」と言わせるのはまさにそれww

そんなわけで、この曲は演歌や祭り囃子をメタルと融合させたフォークメタル+メタルコアみたいな感じの曲と言えるんじゃ無いかと思う。そういう意味では陰陽座を思わせるところがある。「甲賀忍法帳」では途中に笛が入ってるけど、過剰には和の要素を入れないどちらかというとパワーメタル的な感じだと思う。

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臥龍點睛

話を戻そう。イントロのドラムロールについてはそのMetallicaの「That Was Just Your Life」のイントロのそれっぽい(Metallicaからの影響についてはまた次の曲の時に)。

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Death Magnetic

あとは普通の歌メロからブレイクダウンに繋がる過程で何度もお囃子が挿入されるという展開で曲の密度が上がっている。そしてブレイクダウンの時は今回も日本の童謡を引用していて「さくら さくら」が使われている。

普通の歌メロおよびサビの部分のリズム感はかなりモダンで、AメロとBメロのドラムの感じは最近のメタルコアとかプログレッシブロックみたいな感じ。KOBAMETALさんがヘドバンでオススメに挙げてたPeripheryなんかは確かにこの感じはある。というかこの感じは他のイマドキなメタルバンドには頻出であるけど。

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Periphery II

こんな感じなのは最近のメタルコアのバンドにも結構あったりする。例えば次のは日本人メタルコアバンドのCrossfaith。

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ZION EP

あとサビの部分でツーバス打ちまくりな辺りもなんとも今っぽいなあという気がする。

●MVのオマージュ元・元ネタ

というても最初の方の聖飢魔IIの下りで随分喋っちゃった気もするけど。

まずこのMVの撮影場所なんだけど、建物の形状からして阿佐ヶ谷神明宮の能楽堂であることが判明している。ネット民の捜索能力凄いですね。

それから、類似品だけど和+メタルで考えるとこういうMVも。前回も紹介したAttack Attack。これは忍者だけどね。

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This Means War

「攻撃攻撃」の鉢巻きは笑うしかなかったww

そして、「ヘドバンギャー」に続き扇風機ヘドバンが最後のサビのところで登場。ただ、世間の扇風機ヘドバンよりもかなり大きくゆっくり目な感じ。

曲のモチーフになっているキツネに関しては前回説明した通りで、それに加えて「女は女優よ」 というコンセプトを加えてこの曲ができたらしい。曲自体は随分前からあったがアレンジを固めることに苦労したらしく、最初はK-POPみたいなアレンジからだんだん演歌調ハードロックを経由して今の形に落ち着いたということ。結果BABYMETALの、メタルの傘の下ならなんでもござれ的な部分が遺憾なく発揮されている傑作になったのではないかな。

ここまでやってくるとメタルにも色々あるんだなあとわかってもらえると思うし、それを統合しちゃってる感じがすごいと思う。アイドルというカテゴリーの中にはすごいたくさんのジャンルの音楽があると言うのが現状だけど、そのいちジャンルのヘヴィメタルを引き受けたBABYMETALもまた、そのサブジャンルの見本市状態になってて凄く楽しい。

そんなわけであと1回だけこの特集やる予定だけど、その間に別に書きたいことが溜まり気味なのでそちらを先に書いて、アルバム発売直前位でこの特集最後の1曲を書くつもり。ではでは。