lyrical schoolのライブがいよいよすごいのでその魅力を本気出して考えてみた

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またリリスクの話かよ!と思われるかもしれないけど、前回のブログを書いてから2ヶ月で彼女達のライブがまたすごい方向に進んできていると思うのでその点について今日は書きたい。あの記事を書いて以降、都内のライブハウスであった対バン(アウェー含む)にはほぼ全部行ったんだけど、どれもすごく盛り上がってるしとにかく楽しい。しかも毎回毎回成長・進化していて独特のグルーヴ感が出てきていると思うんだけど、ただ「楽しいよ!」とかそういうのではあまり伝わらなそうな気がしたので、深掘りして考えてみたい。

リリスク=ウータン・クラン!?予測不可能なライブの楽しさ

今のところYouTubeに上がっている最新のライブ映像は9月10日のアイドル甲子園出演時のものなので、これを素材にして話をしたい。全部見ると25分くらいあるから最初の3曲(10分)でもいい。

まず、ラップしながら踊る曲とそうでない曲が分かれて来ている。具体的には夏休みのBABY以前のリリスクの曲は踊り、その後にできた曲とtengal6時代の一部の曲は踊りはほぼ入ってない。そして従来からの曲は随分と踊る部分を減らしているものが多いがその分踊る所はキビキビと踊りメリハリをつけている。しかし踊らないからといって突っ立ってる訳ではなくあちこち動き回ってお客さんを煽ったりレスしたり他にも色々なんかしてるわけ。その煽りやら立ち回り方が面白くて目がいっちゃうのだ。

メンバー同士で抱き合ったりいちゃついたりとかそういうのはもちろんながら最近はプチ寸劇みたいな動きをしたり途中でバナナを食べたり食べさせたり食べさせようとして断られたりしている。温泉の宴会場でライブした時はラムネを一気飲みするわ座布団を積み上げてその上で正座してラップするわでやりたい放題(余談だがこの湯会のライブは現体制ベストライブの一つだ)。わざわざ小道具を持ち込んでいるあたりツッコミどころだと思うのだけど、メンバーが楽しそうにライブをしている姿もさることながら予測不可能なメンバーの行動が独特なグルーヴ感につながっているのではないかとも思えてきてしまう。いいぞもっとやれ。

新体制が動き出してから半年で、メンバーの個性もパフォーマンスに強烈に表出されるようになってきた。それもものすごくはっきりと。まるで、彼女たちが和製ウータン・クランなんじゃないかという気すらしてしまう(ちなみにソニーミュージックのWebサイトに残ってるウータン・クランのプロフィールは妙にエッジが立っていて面白い)。

なので、早速個々の魅力的なメンバーについて紹介していきたい。

●炸裂するメンバーの個性とフロウ

メンバー紹介する前に。himeはトークイベントで今のリリスクのライブは楽屋の雰囲気をそのまま持ち込む感じでやろうとしていると話していた。つまりメンバーの素のパーソナリティが反映されるようなステージングになっているということだ。それを踏まえた上でここからのメンバーごとのレビューを読んでいただきたい。

●risano

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5月から加入した3人の中で、パフォーマンス面で最も目立っているのは彼女であるということに異論を唱える人はいないだろう。オーディエンスをガンガン煽り、英語で曲コールしたり色々セリフを挟んだり(たまにお昼ご飯に何を食べたかも英語でそれっぽく言う)、その抜群のダンス能力で合間合間にソロダンスを披露したり。彼女の特徴を一言で表すなら「ファンキー」だ。むき出しのパフォーマンスをガンガンぶつけてくる彼女。ロサンゼルスに2年半暮らしていたこともあり、英語はもとより全体的にブラックミュージックが染み付いているかのようなフロウを繰り出してくる。今のメンバーは全体的にキーが高い中で唯一の低音ボイスなので曲に安定感を与えてくれる。すんごいパフォーマーだよ、りさの先生。

●hinako

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hinakoはかわいい。超かわいい。いや僕がhinako推しだから言っているのではなくて、ライブにおける所作が何やってもめちゃくちゃかわいいいのだ。たまに変顔みたいなことしたりシーンによってはマジな顔になるけど基本的には笑顔。かわいいとお茶目のスキルが限界突破していて、まさに天真爛漫。risanoとはまた別のベクトルで破天荒でライブ中に色々アドリブでメンバーにいたずらしたり甘えたりおちゃらけたりする。その全てがかわいくて、見るとついつい笑顔になってしまう。ほんと目が離せないのです。そんな彼女は「3度の飯よりディズニーが好き」で、テレビでよく見る芸人のギャグを真似したりするのが好きな普通のかわいい女の子だ。ある意味リリスクの初期コンセプトである「ラップをしたことのない素人の女の子がラップする」の体現者ともいえる。そんな中でもラップスキルはめきめき向上してきているし、あと「プチャヘンザ!」のサビ前、「サマーファンデーション」の大サビのような胸キュンフレーズをやらせたら右に出るものはいない。あれは練習とかでどうにかなるものではなく、天賦のアイドル性と言っていいのではないか。「アイドルラップ」の「アイドル」要素を牽引するリリスクのカワイイ・リーサル・ウェポン、それがhinakoだ。

●yuu

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映画とペンギンが大好きで服装がめちゃくちゃガーリーなサブカル女子のyuuはその声質も相まって「夢見る女の子」みたいなキャラや「寂しがる女の子」みたいなキャラを仮託されることが多く、楽曲にオンリーワンの味わいを加えている。独特な浮遊感と芯の強さを兼ね備える彼女はlyrical school の「lyrical=叙情的」な部分を一身に負う存在とも言える。彼女の歌唱でしか表現できないことはたくさんある。「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」の歌メロをはじめ、高いキーを背伸びして歌い上げるところがキュンとくる。そしてダンスをはじめ一つ一つの所作がとても丁寧。risano&hinakoが本能型だとしたらyuuはとても理性的な存在で、グループのパフォーマンスに落ち着きを与えている。 

●minan

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minanについて話す時に欠かせないフレーズは「カッコいい」であり、実際にステージ上の姿はカッコいいので女の子のファンも多いのがminanさん(ただしこれは強調しておきたいのだけどステージの外ではめちゃくちゃかわいい)。しかしその雰囲気は一朝一夕に身につけたものではない。最近はhimeと「1日30個韻を踏もう」とトレーニングに励んでいる(hime談)とのこと。そのストイックさが人を引きつけて離さないあの凛とした歌唱に表れているのではないか。音程・声量共にとても安定したminanの歌唱があるから、各メンバーは冒険できる。まさに、minanあってこその今のリリスクなのだ。

●hime

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かつて所属していたライムベリーでのキャリアもあってアイドルラップといえばみたいな言われ方をすることもままある彼女だけど、物心ついた時から今まで熱心なヒップホップリスナーであり、今も旬なラッパー・ヒップホップクルーのライブに足繁く通っていてKANDYTOWNに憧れていることはそんなに知られてない(と思う)。今のライブスタイルを提案したり、色々アイディアを出したりで「かっこいいことしかやりたくない」と言ってはばからない彼女はかっこいいラップからかわいいラップまでこなせるオールラウンドプレイヤーだ。himeがラップを始めると会場のボルテージが明確に上がるのが体感できる。かつては渡された仮歌そのままでラップしていたが今はほとんど聞かないで自分自身のフロウを出そうとトライを続けているとのこと。そう、もちろんhimeも今まさに成長を続けているのだ。

改めて見ると、ほんと個性的。そして重なってるところが少なくてバランスが良いなあと思う。

●楽曲面での変化

メンバーについてたっぷり話したところで次は曲の話。リリスクが今の5人になってから作られた楽曲は下記の8つ。

  • 夏休みのBABY(7/18リリース)
  • Concrete Jungle 〜Boy Meets Girl〜(7/18リリース)
  • つれてってよ(12/19リリース予定)
  • CALL ME TIGHT(12/19リリース予定、未発表)
  • (GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!(リリース未定)
  • I.J.(仮) (リリース未定)
  • NOW!(リリース未定)
  • DANCE WITH YOU(リリース未定) 

始動から半年で8曲作られ既に7曲がライブで既に披露されている。特に10月の自主企画の時はこれら7曲でライブの殆どが構成され、これより前に作られた曲は殆どショートバージョンでフルに披露されたのは「photograph」だけだった。ヒップホップはやはり演者のパーソナリティと不可分である面が強いのでガンガン新曲出して今のメンバーに楽曲をアジャストさせていくことは必要だと思うのでこの動きは好ましく思ってる。「プチャヘンザ!」や「FRESH!!!」のようなキラーチューンが欲しいなと思ってるんだけどどうやら「DANCE WITH YOU」がそれに該当しそう(この曲、びっくりするほど良い)。しかしながら4曲はCDリリース未定ということなのでライブに来ないと聴けない。これまたレア感があるぞ。

楽曲の特徴という面ではどんな感じかというとまず各メンバーの担当割りがそこそこ長めになっている。初期楽曲に近いとかメンバー変わったから一からみたいな要素よりも、単純にメンバーごとのフロウを聞かせたいみたいな意図の方が強いのではという感じもする。おそらくダンスを減らしているのもその辺の意図とリンクするところではないかと推察される(何せ踊りながらラップするということはとても大変だ)。何事もバランスであり今はこうするのがよいと思ってラップ重視にしている、ということだと思うけど各人の飲み込みの早さや個性の確立が想像以上に早かったので相当面白いことになっているのではないか。

楽曲制作陣は昨年のアルバム「guidebook」でも製作陣の中心であった泉水マサチュリー(WEEKEND)・大久保潤也(アナ)が引き続き大半の楽曲を書く体制になっており、他にも坪光茂樹・高橋コースケなどおなじみのメンツが時折提供、という感じだ。以前は様々なミュージシャンから提供を受けていたが新体制のスタートにあたっては気心と統一感を重視したのだろう。バンドサウンド+サンプリングで割と聴きやすいトラックが多い。

そんな中で異彩を放っているのが「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」。どちらかというとハードコアタイプの楽曲なのだけど、タイトな楽曲でありながらかわいらしさやはしゃいでるような感じをキープした絶妙な塩梅の仕上がり。この曲は今のリリスクによる「女の子たちの成り上がり物語」の開幕宣言と捉えている。これまでに僕はリリスクの楽曲と「日常」の結びつきについて何度か話をしてきた。それが完全になくなったとかまでは言わないにせよメンバーが変わったことを機に新しいモードに移行しているんだなというところを感じさせる。

●ライブハウスでのリリスクは最強である

リリスクのライブ、今だとニューシングルリリース前なのでいろいろなところで週末インストアライブをやっている。ただ、僕は是非ともライブハウスで見ることをお勧めしたい。なにせ「(GET AROUND!)TOKYO GIRLS!!」や「DANCE WITH YOU」などのビートがめちゃくちゃ増幅されてドープな感じになる。メンバーの気合も入ってるし、とにかくライブハウスでのリリスクのライブは毎度マジックが起きている。特に10月の自主企画「MY DATE」は嵐のような激しさだった。リリスクの楽曲ってBPM100〜120くらいでそんなに早くないしわかりやすいファストラップみたいなこともしていないわけだけどそれでも爆発的な盛り上がりを生むことができるんだってことを是非とも体感してほしい。直近だと11月5日に対バン企画「MY DATE」12月9日に名古屋で企画ワンマン12月16日の恵比寿リキッドルームでのワンマンライブがある(12/3の矢口真里主催やぐフェス出演もあるが、キャパシティがブッキングに見合ってなくてチケット争奪戦なので置いておく)。

「今のリリスクはこんなにすごいんだぞ」ということをひたすら書いてきたけど、なぜここまで長々書いてきたかというと今のリリスクがめちゃくちゃ良くなっているということがかつて見ていた人達含めあまり知られていないんじゃないかと感じているからだ。すんごいもったいない。見れば間違いなくわかる。見にいらっしゃい。おいでよ。

2017年7〜9月に聴いて良かったCD

色々かまけてて(そんなに色々ではない)書くのが遅くなってしまった。分量多いし月1回とかにしたほうがいいのかもなあとか思いつつあります。

ものんくる「世界はここにしかないって上手に言って」

菊地成孔プロデュースの若手ジャズバンド(といっても二人だけど)の新作。前作以上に歌ものとしての純度が増している感じがしてて、しかもよれたリズムやヴォコーダーの使用などグラスパー以降の今のジャズの流れともアジャストしている秀作。ジャンルの狭間というか境界線上にあるような作品なので、あまりそういうの気にせずに聞いた方がいいと思う。おすすめ。

indigo la End「Crying End Roll」

いろいろありながらもやっぱり川谷絵音って優秀なソングライターだなあと思わずにはいられない一品。メロディラインが美しい。あとは「End Roll I」「End Roll II」を筆頭にドラムが歌ってる感じがしてめちゃくちゃ良い。

欅坂46「真っ白なものは汚したくなる」

書き下ろし曲が粒ぞろいなんだけど、中途半端な曲順や秋元康のステレオタイプが隠しきれなかった辺りなんかは残念だなあって感じになった

chara「Sympathy」

多数ミュージシャンが参加してるのでやや散漫さはあるけどcharaさんの円熟味のある歌唱を引き立てるアレンジ多数の佳作です

CORNELIUS「Mellow Wave」

タイトルの通りメロウなアレンジが施された曲が並ぶ。落ち着いて聴ける感じがするけどなんか不穏。そこがコーネリアスっぽいといえばそうなんだろうけどね。

星野みちる「黄道十二宮」

TWEEDEESも参加している星野みちるさんの新作は前作よりしっとりめな感じで大人な感じ。良いは良いんだけど前作の軽快さがジャストマッチな感じだっただけにちと違うかな、みたいな感じも。

WHY@DOLL「WHY@DOLL」

前作「GEMINI」同様ハズレなしのアイドルファンク楽曲群。ただ前作からの上積みは少ないような気も……

Special Favorite Music「Royal Blue」

菅弦楽器の使い方が上手くてとても豊穣な音の世界が広がってる作品。どんなシチュエーションで聴いても良い感じ。ほんとセンスを感じるしドバーッと人気が出る感じではないかもしれないけどまだまだこれから期待したい。今年の初めに1度見たけどライブもかなり良いです。

かせきさいだぁ「ONIGIRI UNIVERSITY」

2年前にライブで聴いて以来音源化を超超待望してたキラーチューンこと「カンフーダンス」がNegiccoやおみそはんまで入ってパワーアップして登場。そして全般的に洗練されてるシティ感高い楽曲群。夏の決定盤!

脇田もなり「I am ONLY」

元Especiaの脇田もなりによる待望の1stソロアルバム。星野みちると同じVIVID SOUNDでこれでもかと言わんばかりのグッド・アーバン・ポップスが並んでいる。星野みちるのアルバムがしっとりだっただけにこちらの方が軽快に仕上がってる。めちゃくちゃ良い作品。

思い出野郎Aチーム「夜のすべて」

汗臭さとシティ感が絶妙に混ざってる一品。結構そこかしこに挟まれてるローズピアノの音が好き。クセになる感じなんだけど、すんなりも聞ける。不思議な作品だ。今度リリスクの対バンイベント出るので楽しみ。

赤い公園「熱唱サマー」

ボーカル佐藤千明が脱退することになったので現体制最後の作品。そんなことを感じさせない(ということはないな。むしろそんなことだからこそのような気もする)清々しさに満ちた作品。なんだかんだいっても彼女たちの真骨頂は彼女たちがそう思っているよりも20〜30くらいBPMを上げた楽曲なのでは、と改めて思う。

緑黄色社会「ADORE」

期待の新人バンドによるタワレコ限定発売なアルバム。メロディーがキャッチーだし、アレンジも軽快な王道ポップロックだし、ボーカル華があるしこれからブレイクしそうな雰囲気がプンプンする。

KICK THE CAN CREW「KICK!」

3年ほど前から活動再開はしていたけどついに本腰入れて、ってことでついにニューアルバムをドロップ。やっぱりこの3人が揃ってのラップは説得力がまるで違う。マイクリレーも楽しいし、やっぱりヒップホップグループって良いなあと思っちゃう

吉田凜音「STAY FOOL!!」

ソロ楽曲やマジペパは全然聴いてない中で聴いたんだけどめっぽう良かった。声がラップ向きな感じ。ファストラップ主体なので聴き疲れするところが少しあるけど。

ふくろうず「びゅーてぃふる」

色々試行錯誤しながら原点に戻ってきた感じというか、今作はとてもビートルズっぽさを感じる(特に前半)。結果としてグッドポップス感が強くて安心して聞ける感じ。良作。

あいみょん「青春のエキサイトメント」

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unBORDEに移籍が発表された時のライブ(昨年4月)以来に聴いたらアレンジや歌詞やらがぐっと洗練されてて驚いた。いい意味で毒が抜けてる感じがしてなかなかいい。

odol「視線」

音数が少ないミニマルなダンスロック。その分歌とメロディの良さがフォーカスされる形になっている。よく出来ているな〜

KANA-BOON「NAMiDA」

出てきた当初は単調極まりない奥行きのないロックだと思っていたけど壁に当たって苦しんでからは随分と色々工夫するようになった。マイケル・ジャクソン「BLACK OR WHITE」のようなギイターリフが入った「wake up!」が良い。

SKY-HI「SKY-HI Tour 2017 Final "WELIVE" in BUDOKAN」

今年の5月に行われた日本武道館公演の2日目を完全収録した配信限定アルバム(映像メディアでもリリースしているのでその音源版かな)。とにかくフルバンド+ホーン編成の音圧がすごい。実はこの翌日にVIVA LA ROCKに出演した時に見てたのだけどその人同様の感想で、スタジオアルバムと全然別物みたいに感じた。また見たい

今こそ新体制lyrical schoolを見てほしい

このブログを読んでたり僕のTwitterアカウントをフォローしてる人にとっては周知の事実だけど僕はlyrical school、通称リリスクの大ファンだ。ところが今年の2月を持ってオリジナルメンバーの3人が卒業して、春から新メンバー加入の上新体制として始動。卒業メンバーの中に推しがいたこともあり、しばらくはまあたまに行くかなくらいの感じでいたのだけど先月のニューシングルリリースイベントやらTIFやらを見てるうちに「これはなんかすごいことになっているのでは……!?」という気持ちになってきたのでそこについて記しておきたい。

一番最初に言いたいことを言っておく。新体制のリリスクをぜひ見てほしい。というか悪いこと言わないから見ておいた方がいいと思う。

 

●より「ヒップホップアイドル」へ

新体制になって何が変わったかを理解するには現物を見るのが一番だ。というわけで早速動画投下。

つい最近のTOKYO IDOL FESTIVALの動画だ。見たからわかってると思うけどいくつか変わったポイントを指摘したい。

  • 入り方が「YOYO!」みたいな感じになっている。アイドル然と元気よく走ってピシッみたいな感じに敢えてしていない。
  • 最初にハードコアっぽい感じの出囃子。しかもわざわざサングラスかけてw(ちなみに物販で売ってる)
  • メンバーのアドリブや自由な動きが増えてる。全体的にダンスで揃えようとかそういうことはあまり志向していない(ただしメンバーのダンススキルはそれなりにあるので見栄えはきちんとしている)

また、衣装にタグがついているのもギャングスタラップの人たちがやっていたことのオマージュ(因みにその行為自体は用途にも由来にも諸説ある模様)。リリスクはヒップホップとアイドルのバランスの最適解を常に探っているけど、それが今はここということであり、新メンバーの加入が「ヒップホップっぽさ」を強める働きをしているようだ。

アドリブなんかが増えたこともいい意味でライブに不確実性をもたらしていて、次は何が起きるのだろうというワクワク感をもたらしてくれる。例えばこんな風に。

TOKYO IDOL FESTIVAL2017 lyrical school ラップとパフォーマンスで魅せ、曲中にバナナも食べる自由度の高いステージ - otoCoto

ヒップホップアイドルユニットlyrical school ステージ上でメンバー同士がキスも @JAM EXPO事前イベントレポート - otoCoto

メンバー同士が抱きつきあったりしてるシーン(主にhinakoが仕掛ける)も結構あるんだけど、個人的にはメンバー同士のいちゃつきに清竜人25を思い出すところもあったり。ありがとうございます。

楽曲もこれまでの鉄板だったパーティーチューン以外によりシティ感のあるヒップホップが出て来たりしている。「Concrete Jungle ~Boy meets Girl~」もそうだし、未発表曲「つれてってよ」なんかは長いバースが初期tengal6を彷彿とさせる。

●+αをもたらす新メンバー、強みを伸ばす既存メンバー

魅力的な個々のメンバーの話もしておきたい。実際に見ると僕が書いている何倍も魅力的な子達であるということは保証する。みんなかわいいのでそこについては特に記載しない。

risano

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ずっとダンスをしていてロサンゼルスに2年半ダンスのために留学しており英語もなかなかな彼女。バックダンサーとしてアリーナクラスのコンサートにも出たことがあるという経歴を持つ。貴重な低音ボイス担当。ライブの元気・盛り上げ担当。絵は画伯

yuu 

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risanoと一緒のダンススクールに通っていたという彼女。声がほんわかしていて曲に独特のフレーバーをもたらしている。現体制唯一の関西出身。写真撮影時にやたらと口を歪める(通称ちょけ顔)。私服がめちゃくちゃガーリーでペンギン大好き。

hinako

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今までリリスクにいなかったタイプの女の子だ…!!hime同様大学生。minan曰く「勉強できる」そうで、大学の課題などで大変な中リリスクとの両立を頑張っている。小さい頃からチアダンスしてたということでダンス素養十分。しかしながら彼女の最大の魅力は自由なこと。アドリブ的な動きも彼女が一番多い。ステージ上からかわいいを存分に時には暴力的に振りまく大胆なステージングが楽しくて目が離せない。宣伝のために動画を自分で編集して流したりと、多才な側面も。

minan

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元々歌唱面でグループを引っ張る存在だったわけだけど、現体制移行に伴いリーダーに(まあそんなにそのことを押し出してはいないけど)。パフォーマンス面・精神面双方でメンバー達を支える存在。頼れるお姉さん。ということだけどメンバーの証言によると色々かわいらしいエピソードが…

hime

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新メンバー加入しても変わらず最年少のhimeさん。両親がともにヒップホップ好きでずっとヒップホップに慣れ親しんで育ったサラブレッド(詳しくはこちらの動画の4:30からをチェックだ)。今のライブの構成なんかもhimeの提案が取り入れられてできていたりする。現体制になってから大好きなリリスクを自分が引っ張っていきたいという自覚が強まったのかアグレッシブな発言が目立つ。リリスクのエースとしてさらにグイグイいってくれることを期待してやまない。

 

新メンバーが入っても根本はブラさず、新しい要素を加えてダイナミックに動いていくリリスク。今またとても面白い時期に来ていると思う。ぜひ見て欲しい。8/15には代々木公園でNegiccoとのツーマンライブ(みんな大好きな無料)があるしね!

みんなで夏最高と叫ぼう!

夏が終わって秋になっても色々変化していくんだろうなあと思うともっとリリスクの主催ライブ、イベントやってほしいし音源もガンガン出してほしいという気持ちが強まる。期待。

 

 

追記(2017,08,15)

8月15日、代々木公園でのNegiccoとのツーマンライブに行って来た。この日のことは絶対書き残しておかないといけないと思ったので書く。なお興奮したまま書いているので文体が変わっていることに注意。

最初に今回のライブのタイトル「Avec Summer Breeze」に使われている「Avec Summer」から(因みにNegiccoは「Summer Breeze」をやらなかった)。その後ぶち上がり曲「Maybe Love」を投下していつもの感じでアゲて行くのかなと思ったら、そうじゃなかった。「Maybe Love」終了とともに突然ゴリゴリでドープなトラックが鳴り響き、risanoやhimeが煽る煽る。まさかの今回初披露の新曲。タイトルはわからないけどコールアンドレスポンス多めな騒げる曲。突然の展開に驚くオーディエンスに対してminanが「もう一曲いっとく?」。なんと初披露新曲はもう1つあったのだ。誰も想像してなかった展開を見て呆気にとられているうちに2曲終了。落ち着いたトラックが流れ、自己紹介&MCタイムかな、と思った。そうだったんだけどそうじゃなかった。引き続きhimeがラップし始め、そのままラップで自己紹介コーナーを先導。各メンバーの名前を呼び、それに対してメンバーが客席を煽りつつコメントしてく感じ。hinako「イェー!!おじぃ見てるー?ちゃんとネギ持って来た〜〜??」この子最高かよ。yuu「今日は楽しんでいこう〜〜!!」いつものふわっとした感じではない力強い声。この子はこんな声も出せるのか。risano「ハーイ、risano先生だよ〜」自分で言った!笑。そこから「Concrete Jungle」「つれてってよ」と新体制の曲を披露。これは素晴らしい蛮勇だ。「今のリリスクはこうなんだぞ!」ということをパフォーマンスで強烈に説明。そしてなにより直近(3日前)のライブからすらまたアップデートされている。なんていう成長スピードの速さなんだろうと思わずにはいられない。

前半部分が終わっていよいよ後半戦かなと思ったところでまたトラックは鳴り続けている。そこでhimeが「2・0・1・7・8・1・5」と今日のツーマンのことを書いたラップを披露して、そのままラップの中に組み込む形で次の曲を紹介。「サマーファンデーション」。その流れが美しすぎて、その後についてはずっと楽しく踊り声を上げていた記憶しかない。「サマーファンデーション」「そりゃ夏だ!」「プチャヘンザ!」「PARADE」「FRESH!!!」「夏休みのBABY」「photograph」とあっという間すぎた。こんなにやったのか(メドレーだからはしょった部分もあったり)。なによりサマーファンデーションまでの構成がすごくよかったのでものすごく引き込まれた。この後対バン企画を9〜11月に行うこと、12月に恵比寿リキッドルームでワンマンライブをすることを発表。ここから一気に上がっていくぞ、という気概が感じられる素晴らしいライブだった(晴れていたらこれがもっとたくさんの人の目に触れていたわけで、本当惜しいなあという思いもある)。この日のライブを見て、僕がここに書いたことは間違っていないことを確信した。というか、むしろそれ以上に行くのではないかという気すらしてきた。ますます目が離せない。自主企画イベントは全部行きたい。いや、行く。

 

もう一度言う。今こそ新体制lyrical schoolを見てほしい。いや、見るべきだ。

邦楽ロック雑誌のポップス・アイドル論の理屈を読み解いてみる(副読本:人はなぜ物語を求めるのか)

ここ最近特にロック雑誌の「分野外のミュージシャン」に対する言及がツッコミを受けることが増えているように感じる(主にRO社が大半だけどMUSICAとかでもたまにある)。それ自体は浜崎あゆみがROCKIN'ON JAPANに載った時からある話でそんなに目新しい話ではないんだけど、SNSで雑誌へのツッコミがアップされることが最近増えた増えた(最近だとwith8月号の夏フェスコーデのページが炎上してた)とか、ここ10年くらいブレイクしたアイドルに「アイドルを超えた」というコピーが冠されるのが普通になってしまったこともあり随分と増えている。

そんな中近年特大級のホームランとして注目されているのが欅坂46の1stアルバム「真っ白なものは汚したくなる」のrockin'on.comにおけるレビューだ。

今週の一枚 欅坂46 『真っ白なものは汚したくなる』 (2017/07/18) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

レジスタンス精神」「蒼い少女性」「危うくも儚いティーンエイジャーのバランス感」とまあよく色々言葉が出てくるなあと思うし、複数パッケージ展開について「ボリュームだけでも十分に注目には値する」なんて斬新な褒め方だなあと感心しきりなわけなんだけど、ここを起点にしてレジーさんと色々会話をした。

というわけでここで考えてることをもう少し詳しくじっくりと話してみたい、というのが今日の趣旨。

今日の副読本は、文中でも上げている「人はなぜ物語を求めるのか」。

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この本で提示されている論理に乗っかってみると、どうしてこのような言説がまかり通るのかがわかってくるはずだ。早速簡単にサマリーする(各章末のサマリーからピックアップしたもの)。

  • 人は「世界」や「私」をストーリー形式(できごとの報告)で認識しており、物語の形式で表現・伝達する。
  • 人は個別の事例から一般論を帰納し、その一般論から演繹して新たな事例の原因・理由を説明したがる
  • トーリーは平常状態が破られるところから始まり、受信者・解釈者は非常事態が収まって新たな平衡状態に着地するところを期待する
  • 「実話」と「ほんとうらしい」は異なるが、人は手持ちの一般論に話が合致した時に、その話を「ほんとうらしい」と感じる傾向がある
  • 人はストーリーを理解しようとする時に登場人物の信念や目的を推測・解釈しており、ストーリーの中で多くのことを決めつけて生きている。

この本はちょっと筆致があまりに類型的な気がしなくもないけど、「いわゆる邦楽誌的な価値観を説明するにマッチした論理である」ように感じた。もちろん欅坂46の話もよく当てはまると思える。

どういうことか。ROCKIN'ON JAPANに代表される邦楽ロック雑誌にはそれまで歴史的に積み重ねてきたものの見方があり、それが書き手・読み手の多くに浸透している。すなわち、それが本書で挙げられている「一般論」に該当するといえる。その内容は例えば「ロック=反骨精神」だったり「生き様が高い音楽性につながる(2万字インタビュー的な)」だったりするのだろう。ただし、色々な商業的要請によって、「ロック」のカテゴリに入らないようなミュージシャンを特集しなくてはいけない、という「平常状態が破られる」事態が時折生じる。古くは浜崎あゆみから、Perfumeもそうだし、ゴールデンボンバーいきものがかり、そして今回の欅坂46もある種の非常事態とみなすことができる。なのでそれに対してこれまで培ってきた「一般論」を駆使して書き手・読者共に「このミュージシャンはこの雑誌に掲載されて然るべき存在だ」と納得するような記事を作る、という筋書きだ。

そしてそのストーリーの提示はフロントマンが、ということになるだろう。それもまた雑誌で積み重ねてきた「一般論」だから。その時にはどうしても普段以上に過剰に修辞句を使ったりすることが出てきてしまうゆえに、先に挙げたようなお腹いっぱいになる文章ができてしまうのではないだろうか。書き手や雑誌の持つアティテュード・一般論はそれらが個別事象から演繹してきたものの積み重ねに成り立っている。それゆえ常々偏っているものだということを僕達はきちんと理解していちいち過剰反応せずに付き合っていかなくてはならないと感じるところ。

ただ、音楽についてどう語るかっていうのは常々難しいテーマとして挙がっているところで、これまた何度か議論になってる話。特に最近は色々ビジネス的に曲がり角なのでそういう観点から語る人は多い(かくいう僕もそういう流派に位置付けられるだろう)。とはいえ音楽表現そのものにきちんとフォーカスしようとするととても難解なものになりがちだ。これは音楽理論が難しいとかみんなよくわかってないとかそういうことではなくて、音楽が視覚情報を持たないからそれを文章だけで説明することがそもそも難しい、という構造上やむを得ない問題な気もするけど。とりわけリスナーが多くマスとは言わずともそれなりの層にリーチする必要がある邦楽ロック雑誌が生き残りのためにとってきた手法が今の記事制作手法なのではないかなとも考えられるところでもある。別に悪いことだというつもりはないが今でも「音楽そのものやシーンの傾向に対する向き合い方やアティチュードが過剰に称揚されるシーン」は多いと感じるので、いわゆる「ロキノン記法」はなんだかんだまだまだ広く受け入れられてるのだと僕は思う。ここについては僕はこれらの雑誌についてそれほど熱心な読者ではないのでなんとも掘り下げられないところがあるけど。

ところで話題に挙げた欅坂46のアルバム、配信で全曲パッケージングされてるのでちょいちょい聴いてる。まだ実は全部聴ききれてないんだけど全般的に音や歌唱などが整った曲が多いな、という感じ。というかある種整いすぎてるというか時折凛としすぎてる気もして聴いてて妙に疲れることがあるんだけど、その中に時折挟まれる牧歌的な楽曲群にホッとする。

2017年4月〜6月に聴いてよかったCD

もはやCDじゃないのもあるけど気にしてはいけない!

 

DADARAY「DADAISM」

休日課長と美女二人、楽曲は川谷絵音プロディースと色々興味惹かせるところがあって蓋を開けて見たらボーカル力がすごい。このボーカルはちょっとうっとりしちゃうよね。声もビジュアルもすごい良い。4〜6月で3枚ミニアルバム出してたけど一番良かったのは最初のこれかな。

Maison book girl「image」

アイドルの楽曲としてはおおよそ王道から外れてるマイナー調の複雑なもの、しかし作り込まれているので聴きごたえがある。まあ最後の朗読はいらなかった気もするけど。

Base Ball Bear「光源」

 彼らのことはデビュー時からずっとそこそこ聴いていたけど今回最高傑作では。メロディやリズムがバリエーションある感じで単調になってないし小出祐介氏のボーカルもいい感じにコネてない。

ゲスの極み乙女「達磨林檎」

 発売がずっと延期になってた作品がようやく登場。最初出てきた時の感じとは随分変わって「複雑っぽいフックがやたらあるバンド」から「深みと多面性のあるバンド」に進化したみたい。

Yogee New Waves「WAVES」

体制も変わって久々の作品。すんごい爽やかな感じがする楽曲群。夏に聴きたい一枚。 

柴田聡子「愛の休日」

ちょっぴり情念を感じる歌声となかなか味わい深い歌詞、などなど聴きどころの多い作品。アコースティックというか音数が少ないのが多かったんだけどまあ前述の要素を引き立てるのが狙いなんでしょう。

tofubeats「FANTASY CLUB」

メジャーデビュー後に ずっとやってきた「大物とのコラボ」を一旦封印。たでなポップスっぽいのも抑えめにしてヒップホップに比較的フォーカスした感じの作品に。結果として均整とれた感じになってて僕は好き。

Dragon Ash「MAJESTIC」

ミクスチャーロックという言葉は伊達じゃない。いよいよ結成20年を迎えてもなお色々な音を取り込んで鳴らしている 

MONDO GROSSO「何度でも生まれ変わる」

満島ひかりとか齋藤飛鳥乃木坂46)とかチョイスがなんとも絶妙。そしてR&B・ジャズ・ハウスなど複数要素が組み合わさっててめっちゃ自分好み。

amiinA「Valkyrie」

 相変わらず壮大そのものな世界観からして作り込まれている。そんでもって「◯△⬜︎」みたいな変化球は彼女達ではできないのではないか。

DATS「Application」

電子音+バンドサウンドも今時珍しくなくなったけど、結構バランスが悪くて飽きてしまうものが多い。彼らの作品は個人的にいい塩梅。暗くて音の反響が良くてドープな感じ。浸れる。

サニーデイ・サービス「Popcorn Ballads」

 

なんとあのサニーデイ・サービスがストリーミングサービスオンリーのアルバムをリリース。そもそもストリーミングに配信始めたの今年の春じゃなかったっけ?中身は「DANCE TO YOU」の路線を引き継ぐメロディアスでど直球のポップス。

TWEEDEES「a la mode」

沖井サウンドに劇的な変化が起きた前作「The Second Time Around」と比べると地味だけど、その変化を定着させるかのようなミニアルバム。でもまあ、一番良かったのは「プリン賛歌 ~20th a la mode edition」だったかな。

環ROY「なぎ」

ハードな音ではなくまったりとしてるヒップホップ。こういう感じの大好き。

寺尾紗穂「たよりないもののために」

オーガニックな感じの音と声。そしてなんとも心に響く繊細な歌唱。うまいなあ。

橋本絵莉子波多野裕文「橋本絵莉子波多野裕文

チャットモンチーPeople In The Boxというそれぞれ独特な音作りをしているバンドのフロントマン同士が組んだらこんなにシンプルな音の作品が出来上がりましたよと。すごく興味深い。

Alfred Beach Sandal + STUTS「ABS+STUTS」 

Alfred Beach Sandal、地味に自分的ヒット作品多い。ダブ感満点の浮遊感のあるサウンドで暑い時に聞くと涼しくなれそう。フィッシュマンズとか好きな人は聴くといいんじゃないかな。

 

上半期通しても結構いい作品が多かったなあという感想。下半期も楽しみですな。

清竜人25とはなんだったのか

一夫多妻制アイドル清竜人25の「ラスト♡コンサート」が6月17日に幕張メッセイベントホールで行われ、3年間続いた活動は終わった。披露宴というコンセプトで(じゃあ今までは何だったのかという話はメンバーも気づいていたけどひとまず置いておいて)ひたすら幸福な空間が4時間にわたり繰り広げられた。先行販売とかでもうちょっと良い席取れば良かったなと思えるくらいにかなり満足のいくステージだった。

その日のライブ自体にはいろいろとレポートが上がっているので今更僕の方でディティールにこだわった記事を書くつもりはない(なにせ3階席だったし)。では何を書きたいのかというと、不思議なグループだった清竜人25とは何だったのかという疑問について突き詰めて考えることをしてみたいのだ。

まずはこの曲を見てほしい。

デビュー曲「Will♡You♡Marry♡Me?」。この曲が清竜人25そのものだ。この後の活動はあくまでこの曲の提示した世界を拡張するものであったと僕は考えている。なのでそんなに長く続けるつもりはなかったと竜人くんはあちこちで言っている。しかしやってみたら思った以上に面白かったので続けた、とのことだ(また、夫人達がかわいくなったから、とも語っている)。そういう経緯だったからか、近年のアイドルが繰り広げていた「規模拡大競争」のようなものには乗っかってなかったなあと思う。もちろん活動して行くにつれてワンマンの会場は大きくなってってたけど(因みに、2016年の中野サンプラザとラスト♡コンサートは会場を1年前から押さえて準備していたとのこと)。にしてもあちこち飛んでいた楽曲のアレンジや、特に技量を重視せずにメロディやライブの雰囲気(世界観、というと若干大袈裟か)など、シーンの流行どこ吹く風みたいな感じでやりたいようにやっていた、という印象が強い。まあ竜人くんの楽曲はメロディのクセが強いのでアレンジが色々なことにグループの寿命を延ばす作用があったと思うけどね。

そのやりたい放題だったステージ。そのステージ上では竜人と夫人達がいちゃつく、というのが基本的構図。そのいちゃつきというか絡みはまあマンガみたいな感じのごっこ遊び感強いものではあって、性的な要素を含む歌詞が多用されてた割にリアルという感じは全くないんだけど、僕たちはそれに熱狂し、喝采をあげていた。何がそうさせてたのかということを最近よく考えてたんだけど、竜人が提示した一夫多妻という虚構が、「ファンタジーと分かりきっているから、乗ると楽しい」ものだったからだろう。色々な人たちがすでに言っているだろうけど、アミューズメントパークみたいなものだ。そして、ファンタジーだとわかっているから、「愛してる♡キスしたい♡Hしたい♡」みたいなド直球な曲名でも抵抗なく受け入れていたし、思いっきり乗ってスケベコールしたりして楽しめたんだろう。ラスト♡コンサートで竜人は「清竜人25は夢ではありませんでした。現実でもありませんでした。清竜人25清竜人25でしかありえません」とMCで言ってたけど、ある種現実と夢の狭間に作られた幸せな空間だったのかもしれない。なので、「清竜人25とはなんだったのか」という問いに対しては「清竜人25でしかありえなかった」と僕も答えるだろう。

それだけに、グループの終わりは慎重に計画されてきたようだ。ラスト♡コンサートで予約販売されていた「清竜人25メモリアルブック」によると、2016年の6月の時点で、1年後に解散することを夫人達には告げていたらしい。解散宣言を曲にした「25」は、見て見ると振り付けが今までの楽曲のものをコラージュしたものになっていて、活動を総括するかの内容になっている。

実は解散宣言をしてからあまり「解散」という言葉は使われていない(特にラスト♡コンサートでは一度も使われなかった)。宣言時は仕方なかったにせよ、基本的に世界観を重視はしていたということで、結果としてラスト♡コンサートのコンセプトが先述の通り(多少?の矛盾は織り込み済みで)「結婚披露宴」という形になり、「そして竜人くんと夫人達は仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし」というハッピーエンドになったのだろう。いわゆる解散・活動終了等に伴う節目のライブというのをそんなに見てきたわけではないけど、やり切った達成感がメンバーから感じられることが多く、コンセプトやシナリオで悲しみを上書きする、良い組み立てのライブだったなあと思う。それでも終わって数日は25ロス状態だったけどね!

そんなわけでめでたしめでたしなんだけど、「清竜人25メモリアルブック」には色々と興味深い話が載っていた。完全受注販売で在庫の放出もないと思われるところなので、そこに書かれてた興味深い話を一部紹介したい。この本5000円だったんだけど内容には相当満足したw

  • 各夫人との1対1インタビューで全員に「早死にしそうだから気をつけてね」と言われていた竜人くんだけど、本人は人生80年スパンで物事を計画しているらしい
  • 中野サンプラザ公演の前に日本テレビ系列「行列のできる法律相談所」に出演したところ、チケットが相当売れて「テレビってすごい」と思ったとのこと
  • ファンとの接触・コミュニケーションについて竜人くんは、「嬉しいけど、作品に影響するわけではない。アーティストとしては作った音楽をしっかり共有してWin-Winになるのが正しいあり方だと思う。」とのこと(要約してます)
  • 竜人くんはメンバー7割、プロデューサー3割くらいの気持ちの配分でやっていた。それがライブで多幸感を出せるようなグループの雰囲気作りに繋がった、とのこと
  • メンバーの今後についてもそれとなく書かれていた。まだまだショウビズの世界でやってきたいと明確に宣言していたのは2人、表舞台から引きそうなのが2人。ぼやかしていた1人は早々に夫婦別姓で再デビューした
  • 竜人くんはこのプロジェクトに相当満足しているらしく、「誰かに一夫多妻制アイドルを試してみてほしい。絶対に3年間続かないから」とドヤ顔(が文章から滲み出てた)

もっと他にも書きたい話とかあったけどひとまずここまで。割と最初の方から最後まで継続して見られたグループだったのでなんだかんだ思い入れがあるグループだな、と終わりが近づくにつれて気づいてきた。なので最後の方は竜人くんや亜美ちゃんとチェキ撮ったり結構満喫できてよかったな。清竜人40といわず30くらいで記念カムバック公演やってほしいなw

2017年1月~3月に聴いて良かったCD

この四半期毎の振り返りは去年までnoteでやっていたものだ。そもそもnoteは「ブログで書かない話を書く」みたいな体だったのだけど、そもそもブログ記事自体が少ないので今年から本記事に昇格させることにした。というか3月はゼルダの伝説だけして終わった。もちろん通勤・移動中なんかには音楽聴いてたわけだけど。

 

そんなわけで今四半期良かった今年発売の作品群。たくさん聴いたからだろうけど、いいものたくさんあった。ほぼ聴いた順で書いていくので発売日前後してても気にしないでね。

SKY-HI「OLIVE」

ヒップホップと呼称するだけでは彼の魅力は伝わらなそう。ヒップホップを土台に置きつつ様々な要素を取り入れてエンタメとしての濃度を高めてるな、という印象。ただ「十七歳」のリリックは笑ってしまった。

 

土岐麻子「PINK」

土岐さんがメジャーデビューからずっと志向してた(そして僕としてはなんとなくその感じに乗り切れなかった)「シティポップ」が一つの形に結実したのでは、というくらいにとてもよくできた「都会の大人のポップス」。具体的な表現になるとなんかもたつくのはご愛敬としてとても耳なじみがよく繰り返し聴きたくなる。1曲めの「CITY LIGHTS」のコーラスアレンジがアルバムへの導入として秀逸。離れてた気持ちがかなり戻ってきた(1st「debut」至上主義は譲らないけどw)

パスピエ「&DNA」

このバンドの「変化を止めない」感じには感服する。2曲目の「やまない声」の疾走感と高揚感には最初聴いたとき思わずガッツポーズした。

Suchmos「THE KIDS」

既発曲が多いので内容自体にそれほど目新しさはないけど今年の主役として申し分ない挨拶代わりの1枚。

阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」

最高!最高!柔らかみと温かみのある音、耳障りのいい言葉運びとメロディ、一本筋の通ったアレンジ 。いつ聴いても穏やかな気持ちになれる今年上半期の決定盤でしょう。ライブもまた行きたいな。クラムボンとかなつやすみバンド好きな人にはマストな一枚。

ねごと「ETERNAL BEAT」

チャットモンチーともSHISHAMOとも違う方向へ行き「ねごとらしさ」を確立したといえる1枚。彼女たちの音からはとにかく「夜」を感じる。まさにバンド名を地でいく感じ。アレンジのこだわりとリズム隊の安定感は相変わらずGOOD。

SHISHAMO「SHISHAMO 4」

ファースト・セカンドあたりの時はこんなバンドになるとは全く想像していなかった。若い女の子の喜怒哀楽をふんだんにまんべんなく表現しているかのようなアルバム。しかしながら前作同様「哀/憂い」を表す曲こそが彼女達の真骨頂でしょう。「終わり」が白眉。 

花澤香菜「Opportunity」

今作は「UK」がひとつのテーマなんだそうだ。TWEEDEES色満点の沖井礼二書き下ろし作「カレイドスコープ」は確かにそんな気もするが全体的には「うーん、UK?」な感じ。前作は「I❤︎NEW DAY」という掴みがあったけど今回のはそういうの特にないしね。カレイドスコープも中盤だし。ただ個々の曲はどれもグッドポップスなので必聴なやつです。 

sympathy「海鳴りと絶景」

GRIM SPANKEY筆頭に最近出てきている「ガールズ・ブルース・ロック」の一派かなと感じさせる1曲目以降はそこまでどきつくなくて聴きやすい。まだまだこれからどう転がるか楽しみな原石。 

V.A.「加山雄三の新世界」

 

PUNPEEの「お嫁においで2015」をきっかけとして始まった加山雄三のリミックスアルバム。ちょっと一本調子感はあるけどどう料理してもなんだかんだ成立してしまう加山雄三の楽曲群の生命力の強さにはなんとも感心してしまう。

大森靖子「kitixxxgaia」

当初のタイトルが「キチガイア」と直球だったのを宣伝担当に「名前を媒体に出せなくて困るから変えて」と泣きつかれて変えたという経緯含め、半ば無理してやってるんじゃないかと思ってしまうくらいの痛々しさ・毒々しさ。ただメロディやアレンジは独創性もあって耳から離れないので彼女には一度あえて無色透明な曲を作ってみてほしいなという気持ちもある。  

w-inds「INVISIBLE」

年頭早々出た「We Don't Need To Talk Anymore」というホームラン級の1曲を軸にしつつ緩急つけた踊れるポップスが並ぶ。相当完成度高い。

 

今年も良い曲・良いアルバム出まくり。単曲では小沢健二19年ぶりのシングルが大いにツボだったり2017年も音楽聴くの楽しいです。ゲームやるのも楽しいけどww