今こそ新体制lyrical schoolを見てほしい

このブログを読んでたり僕のTwitterアカウントをフォローしてる人にとっては周知の事実だけど僕はlyrical school、通称リリスクの大ファンだ。ところが今年の2月を持ってオリジナルメンバーの3人が卒業して、春から新メンバー加入の上新体制として始動。卒業メンバーの中に推しがいたこともあり、しばらくはまあたまに行くかなくらいの感じでいたのだけど先月のニューシングルリリースイベントやらTIFやらを見てるうちに「これはなんかすごいことになっているのでは……!?」という気持ちになってきたのでそこについて記しておきたい。

一番最初に言いたいことを言っておく。新体制のリリスクをぜひ見てほしい。というか悪いこと言わないから見ておいた方がいいと思う。

 

●より「ヒップホップアイドル」へ

新体制になって何が変わったかを理解するには現物を見るのが一番だ。というわけで早速動画投下。

つい最近のTOKYO IDOL FESTIVALの動画だ。見たからわかってると思うけどいくつか変わったポイントを指摘したい。

  • 入り方が「YOYO!」みたいな感じになっている。アイドル然と元気よく走ってピシッみたいな感じに敢えてしていない。
  • 最初にハードコアっぽい感じの出囃子。しかもわざわざサングラスかけてw(ちなみに物販で売ってる)
  • メンバーのアドリブや自由な動きが増えてる。全体的にダンスで揃えようとかそういうことはあまり志向していない(ただしメンバーのダンススキルはそれなりにあるので見栄えはきちんとしている)

また、衣装にタグがついているのもギャングスタラップの人たちがやっていたことのオマージュ(因みにその行為自体は用途にも由来にも諸説ある模様)。リリスクはヒップホップとアイドルのバランスの最適解を常に探っているけど、それが今はここということであり、新メンバーの加入が「ヒップホップっぽさ」を強める働きをしているようだ。

アドリブなんかが増えたこともいい意味でライブに不確実性をもたらしていて、次は何が起きるのだろうというワクワク感をもたらしてくれる。例えばこんな風に。

TOKYO IDOL FESTIVAL2017 lyrical school ラップとパフォーマンスで魅せ、曲中にバナナも食べる自由度の高いステージ - otoCoto

ヒップホップアイドルユニットlyrical school ステージ上でメンバー同士がキスも @JAM EXPO事前イベントレポート - otoCoto

メンバー同士が抱きつきあったりしてるシーン(主にhinakoが仕掛ける)も結構あるんだけど、個人的にはメンバー同士のいちゃつきに清竜人25を思い出すところもあったり。ありがとうございます。

楽曲もこれまでの鉄板だったパーティーチューン以外によりシティ感のあるヒップホップが出て来たりしている。「Concrete Jungle ~Boy meets Girl~」もそうだし、未発表曲「つれてってよ」なんかは長いバースが初期tengal6を彷彿とさせる。

●+αをもたらす新メンバー、強みを伸ばす既存メンバー

魅力的な個々のメンバーの話もしておきたい。実際に見ると僕が書いている何倍も魅力的な子達であるということは保証する。みんなかわいいのでそこについては特に記載しない。

risano

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ずっとダンスをしていてロサンゼルスに2年半ダンスのために留学しており英語もなかなかな彼女。バックダンサーとしてアリーナクラスのコンサートにも出たことがあるという経歴を持つ。貴重な低音ボイス担当。ライブの元気・盛り上げ担当。絵は画伯

yuu 

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risanoと一緒のダンススクールに通っていたという彼女。声がほんわかしていて曲に独特のフレーバーをもたらしている。現体制唯一の関西出身。写真撮影時にやたらと口を歪める(通称ちょけ顔)。私服がめちゃくちゃガーリーでペンギン大好き。

hinako

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今までリリスクにいなかったタイプの女の子だ…!!hime同様大学生。minan曰く「勉強できる」そうで、大学の課題などで大変な中リリスクとの両立を頑張っている。小さい頃からチアダンスしてたということでダンス素養十分。しかしながら彼女の最大の魅力は自由なこと。アドリブ的な動きも彼女が一番多い。ステージ上からかわいいを存分に時には暴力的に振りまく大胆なステージングが楽しくて目が離せない。宣伝のために動画を自分で編集して流したりと、多才な側面も。

minan

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元々歌唱面でグループを引っ張る存在だったわけだけど、現体制移行に伴いリーダーに(まあそんなにそのことを押し出してはいないけど)。パフォーマンス面・精神面双方でメンバー達を支える存在。頼れるお姉さん。ということだけどメンバーの証言によると色々かわいらしいエピソードが…

hime

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新メンバー加入しても変わらず最年少のhimeさん。両親がともにヒップホップ好きでずっとヒップホップに慣れ親しんで育ったサラブレッド(詳しくはこちらの動画の4:30からをチェックだ)。今のライブの構成なんかもhimeの提案が取り入れられてできていたりする。現体制になってから大好きなリリスクを自分が引っ張っていきたいという自覚が強まったのかアグレッシブな発言が目立つ。リリスクのエースとしてさらにグイグイいってくれることを期待してやまない。

 

新メンバーが入っても根本はブラさず、新しい要素を加えてダイナミックに動いていくリリスク。今またとても面白い時期に来ていると思う。ぜひ見て欲しい。8/15には代々木公園でNegiccoとのツーマンライブ(みんな大好きな無料)があるしね!

みんなで夏最高と叫ぼう!

夏が終わって秋になっても色々変化していくんだろうなあと思うともっとリリスクの主催ライブ、イベントやってほしいし音源もガンガン出してほしいという気持ちが強まる。期待。

 

 

追記(2017,08,15)

8月15日、代々木公園でのNegiccoとのツーマンライブに行って来た。この日のことは絶対書き残しておかないといけないと思ったので書く。なお興奮したまま書いているので文体が変わっていることに注意。

最初に今回のライブのタイトル「Avec Summer Breeze」に使われている「Avec Summer」から(因みにNegiccoは「Summer Breeze」をやらなかった)。その後ぶち上がり曲「Maybe Love」を投下していつもの感じでアゲて行くのかなと思ったら、そうじゃなかった。「Maybe Love」終了とともに突然ゴリゴリでドープなトラックが鳴り響き、risanoやhimeが煽る煽る。まさかの今回初披露の新曲。タイトルはわからないけどコールアンドレスポンス多めな騒げる曲。突然の展開に驚くオーディエンスに対してminanが「もう一曲いっとく?」。なんと初披露新曲はもう1つあったのだ。誰も想像してなかった展開を見て呆気にとられているうちに2曲終了。落ち着いたトラックが流れ、自己紹介&MCタイムかな、と思った。そうだったんだけどそうじゃなかった。引き続きhimeがラップし始め、そのままラップで自己紹介コーナーを先導。各メンバーの名前を呼び、それに対してメンバーが客席を煽りつつコメントしてく感じ。hinako「イェー!!おじぃ見てるー?ちゃんとネギ持って来た〜〜??」この子最高かよ。yuu「今日は楽しんでいこう〜〜!!」いつものふわっとした感じではない力強い声。この子はこんな声も出せるのか。risano「ハーイ、risano先生だよ〜」自分で言った!笑。そこから「Concrete Jungle」「つれてってよ」と新体制の曲を披露。これは素晴らしい蛮勇だ。「今のリリスクはこうなんだぞ!」ということをパフォーマンスで強烈に説明。そしてなにより直近(3日前)のライブからすらまたアップデートされている。なんていう成長スピードの速さなんだろうと思わずにはいられない。

前半部分が終わっていよいよ後半戦かなと思ったところでまたトラックは鳴り続けている。そこでhimeが「2・0・1・7・8・1・5」と今日のツーマンのことを書いたラップを披露して、そのままラップの中に組み込む形で次の曲を紹介。「サマーファンデーション」。その流れが美しすぎて、その後についてはずっと楽しく踊り声を上げていた記憶しかない。「サマーファンデーション」「そりゃ夏だ!」「プチャヘンザ!」「PARADE」「FRESH!!!」「夏休みのBABY」「photograph」とあっという間すぎた。こんなにやったのか(メドレーだからはしょった部分もあったり)。なによりサマーファンデーションまでの構成がすごくよかったのでものすごく引き込まれた。この後対バン企画を9〜11月に行うこと、12月に恵比寿リキッドルームでワンマンライブをすることを発表。ここから一気に上がっていくぞ、という気概が感じられる素晴らしいライブだった(晴れていたらこれがもっとたくさんの人の目に触れていたわけで、本当惜しいなあという思いもある)。この日のライブを見て、僕がここに書いたことは間違っていないことを確信した。というか、むしろそれ以上に行くのではないかという気すらしてきた。ますます目が離せない。自主企画イベントは全部行きたい。いや、行く。

 

もう一度言う。今こそ新体制lyrical schoolを見てほしい。いや、見るべきだ。

邦楽ロック雑誌のポップス・アイドル論の理屈を読み解いてみる(副読本:人はなぜ物語を求めるのか)

ここ最近特にロック雑誌の「分野外のミュージシャン」に対する言及がツッコミを受けることが増えているように感じる(主にRO社が大半だけどMUSICAとかでもたまにある)。それ自体は浜崎あゆみがROCKIN'ON JAPANに載った時からある話でそんなに目新しい話ではないんだけど、SNSで雑誌へのツッコミがアップされることが最近増えた増えた(最近だとwith8月号の夏フェスコーデのページが炎上してた)とか、ここ10年くらいブレイクしたアイドルに「アイドルを超えた」というコピーが冠されるのが普通になってしまったこともあり随分と増えている。

そんな中近年特大級のホームランとして注目されているのが欅坂46の1stアルバム「真っ白なものは汚したくなる」のrockin'on.comにおけるレビューだ。

今週の一枚 欅坂46 『真っ白なものは汚したくなる』 (2017/07/18) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

レジスタンス精神」「蒼い少女性」「危うくも儚いティーンエイジャーのバランス感」とまあよく色々言葉が出てくるなあと思うし、複数パッケージ展開について「ボリュームだけでも十分に注目には値する」なんて斬新な褒め方だなあと感心しきりなわけなんだけど、ここを起点にしてレジーさんと色々会話をした。

というわけでここで考えてることをもう少し詳しくじっくりと話してみたい、というのが今日の趣旨。

今日の副読本は、文中でも上げている「人はなぜ物語を求めるのか」。

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この本で提示されている論理に乗っかってみると、どうしてこのような言説がまかり通るのかがわかってくるはずだ。早速簡単にサマリーする(各章末のサマリーからピックアップしたもの)。

  • 人は「世界」や「私」をストーリー形式(できごとの報告)で認識しており、物語の形式で表現・伝達する。
  • 人は個別の事例から一般論を帰納し、その一般論から演繹して新たな事例の原因・理由を説明したがる
  • トーリーは平常状態が破られるところから始まり、受信者・解釈者は非常事態が収まって新たな平衡状態に着地するところを期待する
  • 「実話」と「ほんとうらしい」は異なるが、人は手持ちの一般論に話が合致した時に、その話を「ほんとうらしい」と感じる傾向がある
  • 人はストーリーを理解しようとする時に登場人物の信念や目的を推測・解釈しており、ストーリーの中で多くのことを決めつけて生きている。

この本はちょっと筆致があまりに類型的な気がしなくもないけど、「いわゆる邦楽誌的な価値観を説明するにマッチした論理である」ように感じた。もちろん欅坂46の話もよく当てはまると思える。

どういうことか。ROCKIN'ON JAPANに代表される邦楽ロック雑誌にはそれまで歴史的に積み重ねてきたものの見方があり、それが書き手・読み手の多くに浸透している。すなわち、それが本書で挙げられている「一般論」に該当するといえる。その内容は例えば「ロック=反骨精神」だったり「生き様が高い音楽性につながる(2万字インタビュー的な)」だったりするのだろう。ただし、色々な商業的要請によって、「ロック」のカテゴリに入らないようなミュージシャンを特集しなくてはいけない、という「平常状態が破られる」事態が時折生じる。古くは浜崎あゆみから、Perfumeもそうだし、ゴールデンボンバーいきものがかり、そして今回の欅坂46もある種の非常事態とみなすことができる。なのでそれに対してこれまで培ってきた「一般論」を駆使して書き手・読者共に「このミュージシャンはこの雑誌に掲載されて然るべき存在だ」と納得するような記事を作る、という筋書きだ。

そしてそのストーリーの提示はフロントマンが、ということになるだろう。それもまた雑誌で積み重ねてきた「一般論」だから。その時にはどうしても普段以上に過剰に修辞句を使ったりすることが出てきてしまうゆえに、先に挙げたようなお腹いっぱいになる文章ができてしまうのではないだろうか。書き手や雑誌の持つアティテュード・一般論はそれらが個別事象から演繹してきたものの積み重ねに成り立っている。それゆえ常々偏っているものだということを僕達はきちんと理解していちいち過剰反応せずに付き合っていかなくてはならないと感じるところ。

ただ、音楽についてどう語るかっていうのは常々難しいテーマとして挙がっているところで、これまた何度か議論になってる話。特に最近は色々ビジネス的に曲がり角なのでそういう観点から語る人は多い(かくいう僕もそういう流派に位置付けられるだろう)。とはいえ音楽表現そのものにきちんとフォーカスしようとするととても難解なものになりがちだ。これは音楽理論が難しいとかみんなよくわかってないとかそういうことではなくて、音楽が視覚情報を持たないからそれを文章だけで説明することがそもそも難しい、という構造上やむを得ない問題な気もするけど。とりわけリスナーが多くマスとは言わずともそれなりの層にリーチする必要がある邦楽ロック雑誌が生き残りのためにとってきた手法が今の記事制作手法なのではないかなとも考えられるところでもある。別に悪いことだというつもりはないが今でも「音楽そのものやシーンの傾向に対する向き合い方やアティチュードが過剰に称揚されるシーン」は多いと感じるので、いわゆる「ロキノン記法」はなんだかんだまだまだ広く受け入れられてるのだと僕は思う。ここについては僕はこれらの雑誌についてそれほど熱心な読者ではないのでなんとも掘り下げられないところがあるけど。

ところで話題に挙げた欅坂46のアルバム、配信で全曲パッケージングされてるのでちょいちょい聴いてる。まだ実は全部聴ききれてないんだけど全般的に音や歌唱などが整った曲が多いな、という感じ。というかある種整いすぎてるというか時折凛としすぎてる気もして聴いてて妙に疲れることがあるんだけど、その中に時折挟まれる牧歌的な楽曲群にホッとする。

2017年4月〜6月に聴いてよかったCD

もはやCDじゃないのもあるけど気にしてはいけない!

 

DADARAY「DADAISM」

休日課長と美女二人、楽曲は川谷絵音プロディースと色々興味惹かせるところがあって蓋を開けて見たらボーカル力がすごい。このボーカルはちょっとうっとりしちゃうよね。声もビジュアルもすごい良い。4〜6月で3枚ミニアルバム出してたけど一番良かったのは最初のこれかな。

Maison book girl「image」

アイドルの楽曲としてはおおよそ王道から外れてるマイナー調の複雑なもの、しかし作り込まれているので聴きごたえがある。まあ最後の朗読はいらなかった気もするけど。

Base Ball Bear「光源」

 彼らのことはデビュー時からずっとそこそこ聴いていたけど今回最高傑作では。メロディやリズムがバリエーションある感じで単調になってないし小出祐介氏のボーカルもいい感じにコネてない。

ゲスの極み乙女「達磨林檎」

 発売がずっと延期になってた作品がようやく登場。最初出てきた時の感じとは随分変わって「複雑っぽいフックがやたらあるバンド」から「深みと多面性のあるバンド」に進化したみたい。

Yogee New Waves「WAVES」

体制も変わって久々の作品。すんごい爽やかな感じがする楽曲群。夏に聴きたい一枚。 

柴田聡子「愛の休日」

ちょっぴり情念を感じる歌声となかなか味わい深い歌詞、などなど聴きどころの多い作品。アコースティックというか音数が少ないのが多かったんだけどまあ前述の要素を引き立てるのが狙いなんでしょう。

tofubeats「FANTASY CLUB」

メジャーデビュー後に ずっとやってきた「大物とのコラボ」を一旦封印。たでなポップスっぽいのも抑えめにしてヒップホップに比較的フォーカスした感じの作品に。結果として均整とれた感じになってて僕は好き。

Dragon Ash「MAJESTIC」

ミクスチャーロックという言葉は伊達じゃない。いよいよ結成20年を迎えてもなお色々な音を取り込んで鳴らしている 

MONDO GROSSO「何度でも生まれ変わる」

満島ひかりとか齋藤飛鳥乃木坂46)とかチョイスがなんとも絶妙。そしてR&B・ジャズ・ハウスなど複数要素が組み合わさっててめっちゃ自分好み。

amiinA「Valkyrie」

 相変わらず壮大そのものな世界観からして作り込まれている。そんでもって「◯△⬜︎」みたいな変化球は彼女達ではできないのではないか。

DATS「Application」

電子音+バンドサウンドも今時珍しくなくなったけど、結構バランスが悪くて飽きてしまうものが多い。彼らの作品は個人的にいい塩梅。暗くて音の反響が良くてドープな感じ。浸れる。

サニーデイ・サービス「Popcorn Ballads」

 

なんとあのサニーデイ・サービスがストリーミングサービスオンリーのアルバムをリリース。そもそもストリーミングに配信始めたの今年の春じゃなかったっけ?中身は「DANCE TO YOU」の路線を引き継ぐメロディアスでど直球のポップス。

TWEEDEES「a la mode」

沖井サウンドに劇的な変化が起きた前作「The Second Time Around」と比べると地味だけど、その変化を定着させるかのようなミニアルバム。でもまあ、一番良かったのは「プリン賛歌 ~20th a la mode edition」だったかな。

環ROY「なぎ」

ハードな音ではなくまったりとしてるヒップホップ。こういう感じの大好き。

寺尾紗穂「たよりないもののために」

オーガニックな感じの音と声。そしてなんとも心に響く繊細な歌唱。うまいなあ。

橋本絵莉子波多野裕文「橋本絵莉子波多野裕文

チャットモンチーPeople In The Boxというそれぞれ独特な音作りをしているバンドのフロントマン同士が組んだらこんなにシンプルな音の作品が出来上がりましたよと。すごく興味深い。

Alfred Beach Sandal + STUTS「ABS+STUTS」 

Alfred Beach Sandal、地味に自分的ヒット作品多い。ダブ感満点の浮遊感のあるサウンドで暑い時に聞くと涼しくなれそう。フィッシュマンズとか好きな人は聴くといいんじゃないかな。

 

上半期通しても結構いい作品が多かったなあという感想。下半期も楽しみですな。

清竜人25とはなんだったのか

一夫多妻制アイドル清竜人25の「ラスト♡コンサート」が6月17日に幕張メッセイベントホールで行われ、3年間続いた活動は終わった。披露宴というコンセプトで(じゃあ今までは何だったのかという話はメンバーも気づいていたけどひとまず置いておいて)ひたすら幸福な空間が4時間にわたり繰り広げられた。先行販売とかでもうちょっと良い席取れば良かったなと思えるくらいにかなり満足のいくステージだった。

その日のライブ自体にはいろいろとレポートが上がっているので今更僕の方でディティールにこだわった記事を書くつもりはない(なにせ3階席だったし)。では何を書きたいのかというと、不思議なグループだった清竜人25とは何だったのかという疑問について突き詰めて考えることをしてみたいのだ。

まずはこの曲を見てほしい。

デビュー曲「Will♡You♡Marry♡Me?」。この曲が清竜人25そのものだ。この後の活動はあくまでこの曲の提示した世界を拡張するものであったと僕は考えている。なのでそんなに長く続けるつもりはなかったと竜人くんはあちこちで言っている。しかしやってみたら思った以上に面白かったので続けた、とのことだ(また、夫人達がかわいくなったから、とも語っている)。そういう経緯だったからか、近年のアイドルが繰り広げていた「規模拡大競争」のようなものには乗っかってなかったなあと思う。もちろん活動して行くにつれてワンマンの会場は大きくなってってたけど(因みに、2016年の中野サンプラザとラスト♡コンサートは会場を1年前から押さえて準備していたとのこと)。にしてもあちこち飛んでいた楽曲のアレンジや、特に技量を重視せずにメロディやライブの雰囲気(世界観、というと若干大袈裟か)など、シーンの流行どこ吹く風みたいな感じでやりたいようにやっていた、という印象が強い。まあ竜人くんの楽曲はメロディのクセが強いのでアレンジが色々なことにグループの寿命を延ばす作用があったと思うけどね。

そのやりたい放題だったステージ。そのステージ上では竜人と夫人達がいちゃつく、というのが基本的構図。そのいちゃつきというか絡みはまあマンガみたいな感じのごっこ遊び感強いものではあって、性的な要素を含む歌詞が多用されてた割にリアルという感じは全くないんだけど、僕たちはそれに熱狂し、喝采をあげていた。何がそうさせてたのかということを最近よく考えてたんだけど、竜人が提示した一夫多妻という虚構が、「ファンタジーと分かりきっているから、乗ると楽しい」ものだったからだろう。色々な人たちがすでに言っているだろうけど、アミューズメントパークみたいなものだ。そして、ファンタジーだとわかっているから、「愛してる♡キスしたい♡Hしたい♡」みたいなド直球な曲名でも抵抗なく受け入れていたし、思いっきり乗ってスケベコールしたりして楽しめたんだろう。ラスト♡コンサートで竜人は「清竜人25は夢ではありませんでした。現実でもありませんでした。清竜人25清竜人25でしかありえません」とMCで言ってたけど、ある種現実と夢の狭間に作られた幸せな空間だったのかもしれない。なので、「清竜人25とはなんだったのか」という問いに対しては「清竜人25でしかありえなかった」と僕も答えるだろう。

それだけに、グループの終わりは慎重に計画されてきたようだ。ラスト♡コンサートで予約販売されていた「清竜人25メモリアルブック」によると、2016年の6月の時点で、1年後に解散することを夫人達には告げていたらしい。解散宣言を曲にした「25」は、見て見ると振り付けが今までの楽曲のものをコラージュしたものになっていて、活動を総括するかの内容になっている。

実は解散宣言をしてからあまり「解散」という言葉は使われていない(特にラスト♡コンサートでは一度も使われなかった)。宣言時は仕方なかったにせよ、基本的に世界観を重視はしていたということで、結果としてラスト♡コンサートのコンセプトが先述の通り(多少?の矛盾は織り込み済みで)「結婚披露宴」という形になり、「そして竜人くんと夫人達は仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし」というハッピーエンドになったのだろう。いわゆる解散・活動終了等に伴う節目のライブというのをそんなに見てきたわけではないけど、やり切った達成感がメンバーから感じられることが多く、コンセプトやシナリオで悲しみを上書きする、良い組み立てのライブだったなあと思う。それでも終わって数日は25ロス状態だったけどね!

そんなわけでめでたしめでたしなんだけど、「清竜人25メモリアルブック」には色々と興味深い話が載っていた。完全受注販売で在庫の放出もないと思われるところなので、そこに書かれてた興味深い話を一部紹介したい。この本5000円だったんだけど内容には相当満足したw

  • 各夫人との1対1インタビューで全員に「早死にしそうだから気をつけてね」と言われていた竜人くんだけど、本人は人生80年スパンで物事を計画しているらしい
  • 中野サンプラザ公演の前に日本テレビ系列「行列のできる法律相談所」に出演したところ、チケットが相当売れて「テレビってすごい」と思ったとのこと
  • ファンとの接触・コミュニケーションについて竜人くんは、「嬉しいけど、作品に影響するわけではない。アーティストとしては作った音楽をしっかり共有してWin-Winになるのが正しいあり方だと思う。」とのこと(要約してます)
  • 竜人くんはメンバー7割、プロデューサー3割くらいの気持ちの配分でやっていた。それがライブで多幸感を出せるようなグループの雰囲気作りに繋がった、とのこと
  • メンバーの今後についてもそれとなく書かれていた。まだまだショウビズの世界でやってきたいと明確に宣言していたのは2人、表舞台から引きそうなのが2人。ぼやかしていた1人は早々に夫婦別姓で再デビューした
  • 竜人くんはこのプロジェクトに相当満足しているらしく、「誰かに一夫多妻制アイドルを試してみてほしい。絶対に3年間続かないから」とドヤ顔(が文章から滲み出てた)

もっと他にも書きたい話とかあったけどひとまずここまで。割と最初の方から最後まで継続して見られたグループだったのでなんだかんだ思い入れがあるグループだな、と終わりが近づくにつれて気づいてきた。なので最後の方は竜人くんや亜美ちゃんとチェキ撮ったり結構満喫できてよかったな。清竜人40といわず30くらいで記念カムバック公演やってほしいなw

2017年1月~3月に聴いて良かったCD

この四半期毎の振り返りは去年までnoteでやっていたものだ。そもそもnoteは「ブログで書かない話を書く」みたいな体だったのだけど、そもそもブログ記事自体が少ないので今年から本記事に昇格させることにした。というか3月はゼルダの伝説だけして終わった。もちろん通勤・移動中なんかには音楽聴いてたわけだけど。

 

そんなわけで今四半期良かった今年発売の作品群。たくさん聴いたからだろうけど、いいものたくさんあった。ほぼ聴いた順で書いていくので発売日前後してても気にしないでね。

SKY-HI「OLIVE」

ヒップホップと呼称するだけでは彼の魅力は伝わらなそう。ヒップホップを土台に置きつつ様々な要素を取り入れてエンタメとしての濃度を高めてるな、という印象。ただ「十七歳」のリリックは笑ってしまった。

 

土岐麻子「PINK」

土岐さんがメジャーデビューからずっと志向してた(そして僕としてはなんとなくその感じに乗り切れなかった)「シティポップ」が一つの形に結実したのでは、というくらいにとてもよくできた「都会の大人のポップス」。具体的な表現になるとなんかもたつくのはご愛敬としてとても耳なじみがよく繰り返し聴きたくなる。1曲めの「CITY LIGHTS」のコーラスアレンジがアルバムへの導入として秀逸。離れてた気持ちがかなり戻ってきた(1st「debut」至上主義は譲らないけどw)

パスピエ「&DNA」

このバンドの「変化を止めない」感じには感服する。2曲目の「やまない声」の疾走感と高揚感には最初聴いたとき思わずガッツポーズした。

Suchmos「THE KIDS」

既発曲が多いので内容自体にそれほど目新しさはないけど今年の主役として申し分ない挨拶代わりの1枚。

阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」

最高!最高!柔らかみと温かみのある音、耳障りのいい言葉運びとメロディ、一本筋の通ったアレンジ 。いつ聴いても穏やかな気持ちになれる今年上半期の決定盤でしょう。ライブもまた行きたいな。クラムボンとかなつやすみバンド好きな人にはマストな一枚。

ねごと「ETERNAL BEAT」

チャットモンチーともSHISHAMOとも違う方向へ行き「ねごとらしさ」を確立したといえる1枚。彼女たちの音からはとにかく「夜」を感じる。まさにバンド名を地でいく感じ。アレンジのこだわりとリズム隊の安定感は相変わらずGOOD。

SHISHAMO「SHISHAMO 4」

ファースト・セカンドあたりの時はこんなバンドになるとは全く想像していなかった。若い女の子の喜怒哀楽をふんだんにまんべんなく表現しているかのようなアルバム。しかしながら前作同様「哀/憂い」を表す曲こそが彼女達の真骨頂でしょう。「終わり」が白眉。 

花澤香菜「Opportunity」

今作は「UK」がひとつのテーマなんだそうだ。TWEEDEES色満点の沖井礼二書き下ろし作「カレイドスコープ」は確かにそんな気もするが全体的には「うーん、UK?」な感じ。前作は「I❤︎NEW DAY」という掴みがあったけど今回のはそういうの特にないしね。カレイドスコープも中盤だし。ただ個々の曲はどれもグッドポップスなので必聴なやつです。 

sympathy「海鳴りと絶景」

GRIM SPANKEY筆頭に最近出てきている「ガールズ・ブルース・ロック」の一派かなと感じさせる1曲目以降はそこまでどきつくなくて聴きやすい。まだまだこれからどう転がるか楽しみな原石。 

V.A.「加山雄三の新世界」

 

PUNPEEの「お嫁においで2015」をきっかけとして始まった加山雄三のリミックスアルバム。ちょっと一本調子感はあるけどどう料理してもなんだかんだ成立してしまう加山雄三の楽曲群の生命力の強さにはなんとも感心してしまう。

大森靖子「kitixxxgaia」

当初のタイトルが「キチガイア」と直球だったのを宣伝担当に「名前を媒体に出せなくて困るから変えて」と泣きつかれて変えたという経緯含め、半ば無理してやってるんじゃないかと思ってしまうくらいの痛々しさ・毒々しさ。ただメロディやアレンジは独創性もあって耳から離れないので彼女には一度あえて無色透明な曲を作ってみてほしいなという気持ちもある。  

w-inds「INVISIBLE」

年頭早々出た「We Don't Need To Talk Anymore」というホームラン級の1曲を軸にしつつ緩急つけた踊れるポップスが並ぶ。相当完成度高い。

 

今年も良い曲・良いアルバム出まくり。単曲では小沢健二19年ぶりのシングルが大いにツボだったり2017年も音楽聴くの楽しいです。ゲームやるのも楽しいけどww 

 

 

2016年の音楽売上を読み解く

このブログの名物記事といえば音楽マーケットの数値読み解きだ。今年もこの季節がやってきたぞ。

一般社団法人 日本レコード協会|各種統計

毎年1月にCD売上、2月に配信売上の通年分が日本レコード協会から出てくるのでそれぞれを元に色々語ってるんだけど今年は2月にまとめてやることとした。理由は自分が1月に忙しかったこと以外にもいくつかあるのでまずそこについて説明しておきたい。

  • CD売上の深堀ができなくなった
    前からオリコンのトップ100の数値を重ね合わせて傾向とか読んでいたのだけどそれができなくなった。なぜかということについては下記を参照いただきたい。
    【重要】2016年3月16日以降の「オリコンランキング」に関する記事掲載について
    要はオリコンのWebサイトに載っている以上の情報は載せてくれるな、ということだ。そして今年は年間ランキングに売上指数が載らなくなり結果各種サイトにも載らない、ということになった。有料会員サイトの情報を持ち出さないで、ということなのでそこはまあ仕方ないだろう。
  • 掘り尽くした感
    わりと趨勢は見えてて語られてもいるので例年より執筆モチベーションは低め。笑。ただ、それでも見えてくるものがあるだろうと思っており、今年も集計してみた。

言い訳も終わり本題に行くまでに、これまでのエントリはこちらにあるので読み比べなどして見てほしい。
CD:2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
配信:2013年 2014年 2015年 

それからもう一つ。パッケージメディアに関してはレコード協会の統計なのであくまで「生産金額」となっている点にはご注意願います。そんなわけで各項目別にみていこう。

項目別数値の推移

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CDシングル:5,457万枚(前年比99%)
CDアルバム:10,456万枚(前年比93%)
CD合計:15,922万枚(前年比95%)
音楽DVD:4,191万枚(前年比96%)
音楽Blu-ray:988万枚(前年比96%)

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CDシングル:429億円(前年比103%)
CDアルバム:1,320億円(前年比95%)
CD合計:1,749億円(前年比97%)
音楽DVD:435億円(前年比92%)
音楽Blu-ray:244億円(前年比99.5%)

まずはCD。全体としてここ数年の緩やかな低落傾向は変わらない。その中でシングル盤だけは比較的気を吐いている状況。これもここ数年の傾向通り。シングルは全体のパイが少なくいくつかのヒット作でわりと動くので、乃木坂と欅坂が昨年すごく伸びたことが寄与したと考えられる。続いて映像メディア。Blu-rayが前年割れ。ここ数年進んでいたBlu-rayへのシフトが止まった感が少しある。そんでもって映像メディア全体としては頭打ち感が出ているのでなんともな…という感想である。

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アナログ生産数量:79.9万枚(前年比121%)
アナログ生産金額:14億5,500万円(前年比124%)

アナログレコード、引き続き好調。しかし伸びは若干鈍化。しかし相変わらずパイは小さい。仕方がない。なお、レコード市場を新品だけで測るのは如何なものかとよく言われるけど測るすべがないしむしろ新品流通にフォーカス当てることでそれ特有のファクトを探したい。

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PC/スマホシングル:1億229万6千DL(前年比94%)
PC/スマホアルバム:836万7千DL(前年比99%)
着うた+着うたフル:971万5千DL(前年比66%)
メロディコール:3,722万6千件(前年比85%)
DL数総計:1億5,916万9千件(前年比89%、ビデオ等その他項目含む)

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PC/スマホシングル:165億3,800万円(前年比95%)
PC/スマホアルバム:95億5,400万円(前年比104%)
着うた+着うたフル:15億1,000万円(前年比65%)
メロディーコール:25億1,900万円(前年比85%)
ダウンロード総計:328億8,300万円(前年比95%、ビデオ等その他項目含む)
サブスクリプション:200億0,300万円(前年比161%)
音楽配信売上総計:528億8,600万円(前年比112%)

音楽配信。今年最大のトピックは音楽のダウンロード販売が前年割れしたこと。その一方でサブスクリプション(定額聴き放題)はまだまだ勢い良く伸びており、このままのペースで推移するとするなら(多少鈍化したとしても)、日本における音楽配信売上金額の過半を締めることになる。フィジカル・配信の比率が諸外国と違うので実感がどうにも薄いけど、日本も「音楽配信の主役がストリーミングになっている」という点で諸外国と同じような環境になりつつあるのだ。 

ちなみにグラフがこれだけ2011年以降になっている理由は、それより前の年で「着うた+着うたフル」が大きすぎて今主流になっている配信方式の数値の変化が見えなくなるから。

というわけでここからトピックを挙げつつ結論に持って行きたい。

配信で売れた楽曲

日本レコード協会では毎月有料音楽配信で一定の売上を挙げた楽曲を発表しているので、そこからプラチナ(25万)以上の売上を達成した楽曲をリストアップしていきたい。

トリプルプラチナ

ダブルプラチナ

プラチナ

星野源の「恋」は2017年1月にトリプルプラチナをすっ飛ばしてミリオンの認定を受けており、12月の時点でトリプルプラチナに限りなく近かったものと推察される(因みに「前前前世」はまだミリオンに達していない)。とにかく配信でこの曲の勢いがすごかったというのが率直な感想。「恋ダンス」動画のアップとその中での90秒以内の楽曲使用を許諾したことがかなり追い風になっているものと推察される。あれはレーベルの英断であったというほかない。「恋」と映画共々大ヒットした「前前前世」の2曲が今年の配信市場でトップ2だったことには異論はないだろう。

また、アルバム単位で宇多田ヒカル「Fantôme」とRADWIMPS君の名は。」がゴールド(10万DL)を達成。なお、2015年12月配信開始のもので浦島太郎(桐谷健太)「海の声」がミリオン、RADIO FISH 「PERFECT HUMAN」がプラチナを達成している。これらも合わせると紅白出演歌手も結構納得度高かったなあと感じるところだ。

新品レコードの販促キャンペーンと品物の種類

4月にはレコード店中心のレコードストアデイ、11月には東洋化成主導のレコードの日、とレコードは色々販促をしているが次の月別販売データを見る限り、それが寄与しているような感じは見受けられない。それぞれの販促キャンペーンは色々課題も多く、まだまだ道半ば、という印象がある。

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また、レコード1枚あたりの生産額は洋楽が1,739円、1,906円である。差が1割くらいなので優位なものかは判断しかねるけど洋楽の方が7inchシングル盤など低価格な商品の比率が高いということだろうか。それとも単純な値付けの問題だろうか。ここからは余談だけど、海外でのレコード作品はDLコード付きであることが多いとよく言われるが僕が最近買ったレコードはそういった類いのものがない。DLコード付きアナログレコードがもっと増えれば買うのになあという気持ちは結構ある。

映像と配信から見えてくる日本の音楽視聴の現状

2016年の市場で特筆すべきトピックはPC/スマホ向け配信とBlu-rayがともに前年割れしたこと。どちらもここ10年程で次世代のメディア/プラットフォームとして期待されながら、必ずしもその期待通りには伸びてこられなかったものだからだ。そして映像も音楽も今まさに伸びているのはサブスクリプション型の「○○放題」サービスだ。映像方面では(まだ音楽コンテンツは弱いにせよ)NetflixやHulu等のSVOD、あるいはAbemaTV等に急速に置き換えられているし、先述のように音楽配信をセグメント別に見ると日本ですら定額聴き放題が4割で来年には過半数を超える見込みだ。これらサービスはPC・スマホタブレット・あるいはゲーム機だったりテレビへの機能埋め込みだったりで色々なデバイスから利用することができる。メディアが・機器が・フォーマットがどうこうという時代からの大きな転換である。

 

 日本では2000年代にエンタメメディアの世代交代にもたついた。かくしている内に「見放題・聴き放題」によるメディアレス・メディアフリーの時代に切り替わろうとしている。2016年はまさにそのターニングポイントとなる1年だったのではないだろうか。

 

一応しっかりとしたトピックを見いだせるような調査になったので、ちゃんと調べてよかったな、という感想。今年1年間も、また変化を見つめながらその中でいちリスナー・ユーザーとしてサバイブしていきたいなあと思う次第。

Jリーガーの好きなミュージシャンは誰だ選手権2017

2017年のJリーグが今年ももうすぐ始まろうとしている。世界的な動画ストリーミングサービスの高まりを受けてJリーグもイギリスのパフォームグループと放映権に関する大型契約を交わしたためリーグ戦は配信サービス「DAZN」を中心として放送されることとなった、ということが大きな変化。それによって強化分配金や賞金が大幅に増えるのも特徴で、初年度の今年はそれを見据えて各チームが積極的な補強を行いしのぎを削っている。

ところで、選手バスから降りてスタジアムに向かう選手たちはヘッドホンをしていることが結構多いように見受けられる。彼等はどんな音楽を聴いているんだろうか。日本代表のキャプテンである長谷部誠Mr.Childrenの大ファンであるというのはファンの間では知られた話であるが、他の選手はどうなんだろう。

ということで調べてみた。

取り出したるはエル・ゴラッソの選手名鑑2017年版。

Jリーグ選手名鑑2017 J1・J2・J3 (エルゴラッソ特別編集)

ここでのJ1チーム各選手へのアンケートから「好きな芸能人・アーティスト」の欄に記載されていたミュージシャンを集計してみた。打ち込みつらいかなと思っていたけどミュージシャンを記入していたのは半分くらい(未回答もかなり多数)だったので2~3時間くらいで打ち込みは終わり、少々拍子抜け。入力した後に他のメディアの名鑑だともっと精度のいいデータがあったりしないか…と思ったら他の名鑑にはそもそもこういった質問が無かった。安心した。

それでは早速集計結果発表するけど、先に補足と注意事項を。

  • 傾向を見るために、選手の2017年1月1日時点での年齢を補足データとして用意。回答者平均年齢は25.64歳。
  • あくまで選手名鑑に載っている選手が対象なので、2種登録の背番号無い選手などは対象外。
  • 対象になった選手548人のうち、300人弱から有効な回答を得た(アバウトな数なのは外国人選手が挙げた人達がミュージシャンかどうか判断つかないものもあったため)。
  • 2月8日に発売した選手名鑑編集の都合上、情報が取れてない選手いるのでそこはご勘弁を(2月6日に鳥栖に加入した権田修一、1月末にC大阪に加入決定・2月に帰国した清武弘嗣、去就の判明が2月にずれ込んだ斉藤学など)。
  • 2017とかタイトルに銘打っちゃってるけど、2018は多分やりません。

それでは10位から順々に発表。

10位:ナオト・インティライミ(6票、投票者平均年齢26.00歳)・西野カナ(6票、投票者平均年齢21.67歳)・長渕剛(6票、投票者平均年齢26.67歳)

同率10位が3人。ナオトは柏レイソルのジュニアユースに所属していたこともありサッカーとの関わりも深いのは知られた話。林彰洋FC東京)、今野泰幸G大阪)などが投票。西野カナは支持層がめっちゃ若い。トップ10では2番目の若さ。U-20代表の堂安律(G大阪)などが投票。長渕剛北本久仁衛(神戸)が投票というのがなかなかハマっていた。 

9位:安室奈美恵(7票:投票者平均年齢30.00歳)

 

Jリーグ開幕と同じ1992年にSUPER MONKEYSでデビューした安室ちゃんがランクイン。阿部勇樹(浦和)、水本裕貴(広島)、青木剛鳥栖)らベテラン選手からの支持を集め、トップ10で最も投票平均年齢が高かったミュージシャン。そんな中、なぜかC大阪のユース昇格2年目である庄司朋乃也も投票。なるほどそうか… 

8位:AK-69(9票:投票者平均年齢25.89歳)

スポーツ選手に人気のヒップホップミュージシャンAK-69。スタジアムにも観戦にも来ていたりする。親交も深い槙野智章(浦和)、遠藤保仁東口順昭(共にG大阪)らが投票。 

7位:back number(11票:投票者平均年齢22.26歳)

テレビにもフェスにもよく出るバンドback numberがここにランクイン。彼等も投票者が全般的に若いのが特徴で、中島翔哉FC東京)、三浦弦太G大阪)、金森健志(鹿島)などリオ五輪世代からの得票が目立った。この世代の代表はとてもおとなしいとよく言われていたが、back numberの若干後ろ向きな歌詞も影響していたり……しないよね。

6位:AAA(12票・投票者平均年齢22.25歳)

先日メンバーの伊藤千晃さんが突然の「おめでた引退」を発表したAAA。西川周作(浦和)、清水航平(広島)、土居聖真(鹿島)、丸岡満C大阪)など、若手寄りながらも幅広い年代から支持が集まった。なお、リーダーの浦田直也が昨年のYBCルヴァンカップ決勝で国歌斉唱を行ったので西川周作テンションアップにより浦和が優勝したのではないかという説もある。 

5位:清水翔太(16票:投票者平均年齢21.13歳)

 

トップ10の中では最も投票者の平均年齢が若かったのが彼、清水翔太関根貴大(浦和)、小池龍太(柏)、端山豪(新潟)など20歳前後の選手から多く票を集めた。若くから活動している彼も、ある種この世代にとってヒーローなんだろうな。

4位:BIGBANG(22票:投票者平均年齢23.76歳)

韓国の選手が多くいるJリーグだから何組か入るだろうなと思っていたK-POPミュージシャンだけど、意外にも BIGBANGに一点集中する結果に(次点は少女時代の3票)。チョン・ソンリョン(川崎)、ク・ソンユン(札幌)、パク・ジョンス(横浜FM)ら韓国人選手だけでなく、倉田秋G大阪)、渡辺一真(神戸)など日本人選手からも支持を多く集めた。MV貼ろうと思って探索したら再生回数が桁違いだった。

3位:ONE OK ROCK(24票:投票者平均年齢23.92歳)

 

NHKで今年サッカー番組のテーマ曲担当に抜擢されたワンオクが栄えあるトップ3入り。2002年W杯のDragon Ash「Fantasista」といい、ミクスチャー・ハードコア的な音楽とサッカーの相性は良いのか。いずれにせよサッカー選手からも人気のミュージシャンを起用ということでNHKサンキューな!といったところか。中谷進之介(柏)、江坂任(大宮)など若い選手中心に票を集める中、今年36歳で年男の那須大亮(浦和)も投票。うん、那須さん血の気多いから若いしな。若い若い!!(同い年)

2位:Mr.Children(28票:投票者平均年齢28.07歳)

はいきました!ミスチル、なんと2位。ってことは上にもう一ついるということか…ミスチル桜井和寿自身も相当なサッカーファンなのは有名なので取り立てて話すこともないんだけど、投票平均年齢がここに来てずいぶん上がったね。前田遼一FC東京)、梁勇基(仙台)、稲本潤一(札幌)などベテラン選手からの支持が厚かったのが特徴。野津田岳人(清水)など若手も数名投票しているのだけど、ファンの高齢化なのか…という心配も出てきたりこなかったり。

1位:ケツメイシ(34票:投票者平均年齢27.41歳)

1位はなんとケツメイシ。今30歳前後くらいの選手からしたら青春時代に大ブレイクしてた思い出深いミュージシャンってことで支持厚かったのだろうと推測。あとは風体とかもJリーガーに近いところあるかな、とか。大前元紀(大宮)、田中達也(新潟)などそういった年代の選手に混ざり、J1最年長選手の土屋征夫甲府)も投票していたりwしかしながら、彼らも劇場版クレヨンしんちゃんの主題歌を担当するようになっているなど、時の移り変わりを感じるところだ。

 

という結果でした~。いわれてみるとなるほどって感じもそういう傾向なのか~という気付きもありで色々面白かった。そんなわけでデータ集計していたら副産物が出てきたので少しおまけを。

 

複数回答書きすぎで賞

1人で複数のミュージシャンを挙げている人も結構いたんだけどその中で最も多かったのは梅崎司(浦和)と三浦弦太G大阪)の4組。君たちわかるけどさあ(笑)。因みに梅崎と仲良しで大の音楽好きとして知られる小林祐三鳥栖)はまさかの無回答。多過ぎで答えられないの境地に達してしまったのだろうか。

アイドルファン

サッカー選手でももちろんいるでしょ、アイドルファン!と思ったけど意外に少なかった。回答は下記3名。

因みに大谷幸輝はガチのモノノフで有安杏果推しです。後大屋翼(大宮)がぱるるっていう回答していたけど、歌手としてではなさそうなので一応除外(先述の通り、対象質問項目が「好きな芸能人・アーティスト」のため。なお、好みのタイプの女性芸能人という項目は別に用意されている)。あとE-Girls丸山祐市FC東京)、Flowerを田川亨介(鳥栖)が揚げてたけど文脈的には少し違うかな。

チームごとの傾向

川崎・神戸・磐田は回答率が低かった。複数回答者が多かったのは浦和・新潟・G大阪。あと大阪で局地的人気だったのが地元バンドのベリーグッドマン。

洋楽

ジャスティン・ビーバーブルーノ・マーズの3票が最多。その次がアデルの2票。想定以上に少なかった。海外志向ある選手は移籍先での話のタネとして洋楽聴いといたほうがいいんじゃないかな(適当)

Suchmos

成岡翔(新潟)、福田晃斗(鳥栖)の2名が記入。彼らにはいい波が来るのではないか。

ピコ太郎

該当者なし。

 

そんなわけで、集計して結果ニヤニヤしてた自分の気持ちをおすそ分けすべく、ランキングを下に埋め込んでおくので見てみてくださいな。

 

いやしかしもうすぐ開幕か〜楽しみだな〜〜。

そんじゃまた。