lyrical schoolのコラボ新曲の面白さとツアーファイナルへの期待

現在全国ツアー中のリリスクことlyrical school。残すはファイナルの新木場スタジオコースト公演なんだけどそのライブに先駆けて発表した新曲がめっぽう面白いのでその話を今日はしたい。

 

今回のツアーファイナル公演ではコラボレーションゲストとしてSUSHIBOYSとYoung Hastleがコラボレーションゲストとして参加することが発表されている。この形式はヒップホップのライブだとよくある、お祭り的にいろんなアーティストをFeat.してライブを展開していくやつだ。どんなコラボをするのかなと思っていたところ、両者がそれぞれリリスクのために書き下ろし曲を作りFeaturingアーティストとして参加するという形式になった。そしてそのコラボ曲がライブ本番に先立ち、YouTubeで先行公開された。

 

SUSHIBOYSとのコラボレーション曲「シャープペンシル

 

Young Hatsleとのコラボレーション曲「Cookin'」

 

リリックの内容とかトラップ色の強いトラックについても話したいけど長くなるので話題を絞って。この2曲はそれぞれのアーティストの色が出ていて好きだなあと思うと同時に、リリスクにとっては新しいアプローチのラップだと感じ、すごく面白みを覚えた。どこがというと、ラップにおける言葉の「密度」が高いと感じた。僕はめちゃくちゃ熱心なヒップホップリスナーというわけではなく話題になってるのをつまみ食いしているレベルなんだけど、そんなレベルでも「これまでとかなり違う今っぽいラップだな」という感想を持った。

ここでリリスクが今っぽいラップに踏み出すことはグループにとってものすごく意義のあることだなあと思う。よく言われてる話だけど、リリスクの楽曲は基本的には90年代〜00年代のヒップホップを参照してアレンジしている物が多く、結果としてラップのフロウ(要はラップの歌い方・歌い回し)もそれらに近いものが多かった(ただしもちろんファストラップみたいなのはしばしば入っていたし、最新アルバム「WORLD'S END」ではこれまた今っぽさに満ちた3連符ラップが取り入れられるなど、色々なアプローチを取り込もうとしているという前提はある)。とはいえ今っぽいラップのアプローチをしたこと自体がいいというわけではなく、いろんな年代のラップを縦に行き来できることが良いことだと思うのだ。そして、それを実現するスキルを彼女たちが体得するに至ったこともまた素晴らしいことだと思う。それぞれが新しいフロウにアジャストしながら自分たちの個性を出せていると感じるし、実践を積み重ねることでまだまだ表現の幅が広がっていきそうだとも思える。なので今回のコラボ曲は既存の曲にもいい影響があるんじゃないかなって思ったりもする。そして両者コール&レスポンスを入れやすそうな箇所があったりリリスクの曲としてきちんと成立してるのが良いし、ライブ映えしそう(個人的にはCoookin'が色々楽しそう)。

アイドルというスタイルは音楽ジャンルではないということはよく言われる話で、その分自由な表現ができるというのはとても良いことだと常々思う。その自由さを活用してリリスクが今っぽいラップもクラシカルなラップもどっちもやってそれぞれで個性の反映されたいいフロウを繰り出してくれればとても良いなあと思ってる。例えばBABYMETALも古典的なパワーメタルから今どきなメタルコアやジェントなんかまで広くおさえてることが確実にたくさんの支持を集めてることに繋がってるし(前に弊ブログで書いたのでご参照ください)、リリスクもそんな感じでいろんなヒップホップを乗りこなす存在であればいいよね、と思うわけです。

 

これらのめっちゃ面白い曲が聴けるし、アルバム「WORLD'S END」の曲も聴けるしアルバムから今回のコラボ曲との間に出た曲達も良いし。今の5人になってからの1年半で作られた曲はなんと23曲。どれも特徴ある良い曲ばかりだしなにせその曲を歌って踊るメンバーがめっぽう楽しそうでこっちも楽しくなっちゃうリリスクのライブ。その中でも今年一番の大きなライブ、来られる人は来たらいいことあると思いますのでこれを読んだあなたは下の画像をクリックだ!

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来られない人はニコニコ生放送での配信もあるのでチェックしてね。タイムシフト予約もあります。

いちリリスクファンとして、当日ははちゃめちゃに楽しみつくしたいです。

2018年8月に聴いてよかったCD

CDとは概念である。

 

上坂すみれ「ノーフューチャーバカンス」

 上坂さんのこれまでの作品って本人のキャラクターとのギャップが大きいように感じていたのだけど、今作はかなりはまっているように感じる。ロマンポルシェ提供の「チチキトクスグカエレ」が歌詞も含め最高。

 

Da-iCE「BET」

w-inds・三浦大知Da-iCeとこの辺りのアーティスト群が最近熱い。このDa-iCEのアルバムもとにかくカッコいい。

 

chelmico「POWER」

女子2名のラップグループchelmicoの2年ぶりのアルバム。前作では若干背伸び感というかちょっとオラついた感じが見受けられたんだけど今作は等身大のキャラクターが反映されたかのような仕上がりになっている。そして二人ともラップうまいね!

 

ペンギンラッシュ「No size」

Apple Musicのニューリリースコーナーで見つけた。適度にジャズ・ソウル・R&BとJ-POPがブレンドされて心地よい音楽。高校の軽音部がスタートらしく、その顧問からSUPER BUTTER DOGを進められたのが色濃く影響しているということで、その辺好きな人にもオススメ。

 

Perfume「Future Pop」

「 If you wanna」以降のここ1年のPerfumeにどうも乗り切れない気持ちを抱えていた自分ではあったんだけど、アルバムで聴くことによる収まりの良さみたいなのがあってすごく印象が変わった。曲の構造が和式ポップスの典型的なそれから離れつつあるという話がこのアルバムについてはよく出てたのが印象深いけど、アルバム通しで聴くことによって自分もそこに順応できたのかな、とか。

 

ゲスの極み乙女。「好きなら問わない」

このバンドも年月を経て楽曲の印象がずいぶん変わってきたなあということを先月のindigo la endのアルバムと並べて聴くと思うところ。昔の(意図的に)いびつだったり小難しくしていたところがずいぶん洗練された感じに。とはいえクラシック有名曲の引用は毎度のことながらちょっとあからさますぎないかという気持ちに。

 

 

mabanua「Blurred」

プロデューサー業・あるいはドラマーとしての活躍著しいmabanuaさんの5年ぶりのアルバム。前作はJazzy Hiphop色が強かったけど今作はR&B・ソウル等々色々な音楽のエッセンスをほどよくミックスした「平熱の音楽」として機能している感じ。ずっと聴いていたくなる音楽。

 

 

 

2018年7月に聴いてよかったCD

今月は早めに投稿したぞ!まあ夏休みだしね…

 

Special Favorite Music「NOWADAYS」

この感じはホールライブで聴きたいやつです。好き。

 

Negicco「MY COLOR」

ちょっとおとなしい曲に寄ってないかなという印象もあったけど聴き心地の良いグッドポップス。

 

三浦大知「球体」

アート性の高い作品という内容とタイトルから小沢健二を思い出したりするんだけど、静と動に満ちた味わい深い一作。

 

CRCK/LCKS「Double Rift」

スペシャルなミュージシャン達によるスペシャルなバンドの3作品目。現代っぽいブラックミュージックとJ-POPの融合が図られてて体を揺らしたくなる一品。リリースペースが早いのはいいけどそろそろフルアルバムで聴きたい。

 

蓮沼執太フィル「アンポロトセン」

蓮沼執太フィルの名義では4年ぶりかな。グッドメロディと優しいオーケストラの音、そしてラップ。完成度高いなーって感心しちゃう。僕は蓮沼さんが書いたリリスクの曲を聴きたいって3年くらい思ってるよ。

 

 

indigo la end「PULSATE」

インディゴの新譜、昨年同様良い。というかおとなし目の曲がずいぶん多いような気がするけどそれでも(それだからこそ?)良い。

 

5lack「夢から覚め。」

トラックがかっこよかった。ラップも聴きやすい感じだったし好きなタイプのやつだった。

 

 

Analogfish「Still Life」

7月度の優勝案件。いろんな音楽の要素が詰まってて、それをアナログフィッシュというフィルターを通すことで一本筋の通った音楽となり輝きを放っている。絶対聴いた方がいいやつです。

 

来月も早めにアップできますように。

 

2018年6月に聴いてよかったCD

また月末になってしまった……

 

 

lyrical school「WORLD'S END」

全ての曲が良くて、夜明け→朝→昼→夜という曲の流れと昼のパートで夏が始まり終わってくという二段構えになっている多層的なストーリー性のある曲順。2018年にアルバムで聴くべき作品としてトップクラスのできばえ。製作陣に拍手!それから別記事にも書いてあるからぜひそちらも読んでほしい。

というわけで今月これで終わりでいいですか?え?マジメにやれ?

 

わかりました。他はこんな感じです。でもホントまずリリスクの「WORLD'S END」聴いてください。

 

R+R=NOW「Collagically Speaking」

 

宇多田ヒカル「初恋」

Apple Musicにはまだ無いのでこの形で勘弁

 

TAMTAM「Modernluv」

2018年5月に聴いてよかったCD

もう6月も終わるから慌てて書くよ!

 

 

CHAI「わがまマニア」

基本的にはこれまでの路線の踏襲っぽい感じであり目新しさには欠けるけど、ベースのグルーヴ感がしっかりしてるので引き続き聴きたくなる。

 

SOIL&"PIMP"SESSIONS「DAPPER」

えっソイルってこんな感じだったっけ!?自分は別のミュージシャンのアルバムを聴いているのでは…!?となったけどテイストを変えて大人な感じになった新生ソイル、ずいぶん良いです。三浦大知参加曲が特に良い。

 

cero「POLY LIFE MULTI SOUL」

ceroの2年ぶりの新作はビートの追究の成果とも言える意欲作。前作ほどブラックミュージック一辺倒ではなく初期のような多国籍感も。あえて言えば歌モノとして少し弱いかなあと思うけど、最後の表題曲がホントすごい。8分30秒の新音楽体験。

 

阿佐ヶ谷ロマンティクス「灯がともる頃には」

昨年の「街の色」も大変良かった阿佐ヶ谷ロマンティクス。今回も冒頭の「ひとなつ」が夏の情感を巧みに表現しててうっとりしちゃう。落ち着きとポップネスが両立されており、縁側で夏涼みしながら聴きたくなるような一品。

 

August Greene「August Greene」

コモンとロバート・グラスパーにカリーム・リギンスという構成のバンド。好みど真ん中な感じのビートな今風ブラックミュージック。カリームのこと知らなかったんだけど調べたら今ポール・マッカートニーのライブバンドに参加してるんだってさ。マジかよ……

 

土岐麻子SAFARI

前作「PINK」で土岐麻子シティ・ポップスが確立された感があり、その流れを前に進めてる印象を受ける一作。正しく大人のポップスしてるねっていう印象。

 

 

今月分は早めにやります。

lyrical school「WORLD'S END」私的ライナーノーツという名の感想

今年一番楽しみにしていたリリスクのニューアルバム「WORLD'S END」が発売されて、やっぱり素晴らしく良かったので自分なりに感じたポイントなどを書き残しておきたい。まずジャケットが2013年の「date course」に引き続き江口寿史先生。これすごく良い。

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試聴はこちらから。

なお、Apple MusicSpotify等でも配信が即開始されているので、そちらでも是非聴いてほしいです。

各曲レビュー

コメント内の固有名詞は敬称略なんでよろしくです(以後も)

01. -PRIVATE SPACE-
まずはリリスクのアルバム恒例のSkitから。今までに比べると非日常感が強く、過去のいくつかの映画などからの引用が見受けられるところがSF的世界観の強い今作の世界に引き込む効果を出している。risanoの英語力を活かす台本になっているが、話されてる内容を聞き取ると…笑

02. つれてってよ
このシングルが出たときにプロデューサーのキムヤスヒロが「この曲は次に出るアルバムのキーになる」と言っていたが、まさにこの曲の冒頭のリリック「明日急に世界が終わる可能性があるなら」から展開されたんだなと感じられる。また、この曲は各メンバーのスキル・特徴が分化し始めたきっかけの曲でもあり、この曲を起点に聴き比べすると面白い。

03. 消える惑星
「つれてってよ」と同じ作家陣による楽曲。夜→明け方と時系列的に連続性を感じられるようになっている(後述するけどアルバム全体としてそう)。夜明けの情感を巧みに描いたhinakoバース「一緒に眺めよう空のグラデーション」が胸を打つ。MVも曲の雰囲気をジャストな感じでパッケージングしてる。

04. High5
4月のVISIONでのワンマンライブで披露された曲。2018年の夏曲…と見せかけて「アウターで過ごす日々は充電」「待ちきれないサマータイム!」という初夏くらいの感情を歌った曲。あちこちにキラーフレーズがまぶされてるけどど頭のminanヴァース「introに陰と陽」がめちゃくちゃ好き。

05. 夏休みのBABY
今の5人になってから初めてレコーディングされた曲にして2017年のリリスクの夏ソング。明るくてマイクリレー細かくてこれぞリリスクが脈々と培ってきた夏ソングの系譜って感じ。それにしてもhinako・yuu・risanoの3人の声が初々しい…!!

 

06. 常夏(ナッツ)リターン
リリスクの2018年夏ソング。スチャダラパーBOSE&SHINCOかせきさいだぁという「サマージャム'95」「じゃっ夏なんで」の2大夏名曲の作者が集結。これらの曲の続編とも言えるような一作に仕上がった。これら2作を含む各所からの引用の目立つリリックに注目が集まるが、チルアウト風味な曲調やサビでのユニゾンの美しさなどに、残暑の既設に吹く涼しい風のような心地よさを感じる。risanoヴァースの「遠すぎウケる湘南のビーチ」「余裕ブッこきマックイーン」が好き。終始risanoが低音でのハーモニーなど良い味を出している。

 

07. オレンジ
リリスクと10月に対バンを行い大いに場を盛り上げた思い出野郎Aチームが作曲、tengal6時代からラップを提供してくれていたRyohu(KYANDYTOWN)がリリックを提供している。ロングヴァースを基調としていて直近のリリスクだと「おしえて(guidebook収録)」なんかとラップの調子が近い。hinakoヴァースの青春への寂寥感やhimeヴァースのかっこよさが際立つが全員の色がよく出ていて聴きごたえあり。ここからアルバム自体も夕方から再び夜に近づいている。

08. CALL ME TIGHT
空はすっかり暗くなって、再び夜の曲へ。12月に発売された「つれてってよ」との両A面シングル曲。minanヴァース「君の声はMagic」のあたりの凜とした雰囲気が胸を鷲掴みにする。

09. Play It Cool
「CALL ME TIGHT」よりもさらに夜を深めたかのような楽曲。トラックやラップが今っぽい感じで他の曲と異彩を放っているところもあるが、歌詞は全体的に今のリリスクのステージングのスタンスを表明しているかのようで非常にクールでかっこいい。「レイニーブルー」「失恋中」で韻を踏んでるのとサビのリズムが好き。

10. DANCE WITH YOU
ライブでも度々場を盛り上げているキラーチューンが待望の音源化。この曲でも「今夜二人のせいで世界が終わるかもしれないって言っとく?」とアルバムのキーコンセプトに繋がる表現が出てくる。また、その後の「もっとボリューム上げてねぇそこのDJ」という表現は、世界に「あなたとわたし」しかいないような主人公の視点が表れており、この後の楽曲群の世界観とも通底するところがある(因みにここのminan&yuuのユニゾンが素晴らしく綺麗)。


11. Hey!Adamski!
リリスクを長く見ていたALI-KICK(ex.ROMANCREW)による提供楽曲で初お披露目以来ファンからの評判も高い曲。イントロの音がいったん止まってからの「OKリリスク、踊らせて」という台詞とテンションの高いディスコサウンドが一気に曲の世界にリスナーを引き込んでいく。「銀河の果てまで」「私の好き=mc2」等SF・サイエンス的な要素がてんこ盛りの歌詞だけどこの曲も実は一貫して「私と君」の歌詞であるように感じた。ふたりだけのパーティー。yuuヴァース「手を取り見つめあってダンスする運命なんだ2人は」はなんか聴くと胸がギュッとなる。

12. WORLD'S END
「夏休みのBABY」を書き、今リリスクに一番寄り添ってくれている大久保潤也(アナ)・泉水マサチュリーによる書き下ろしラストトラック。Pixies「Whre Is In My Mind」のオマージュから軽快なダブにつながりだんだん雰囲気が怪しくなっていく構成の妙が光る一曲。世界の終わりなのになんだかあっけらかんとして楽しそうな歌唱が逆に切なさを増幅する。こんなにかわいらしい「神様ごめんね」ってありますか?

全体的な話

skitの後、割と深夜っぽい「つれてってよ」から始まり夜明け→昼間→朝〜午後(同時に夏の季節が進行するという重層的な構造)→夕暮れ(夏も終わる)→夜が深まる→パーティーを続ける、という流れるような曲の並びをしている。この連続性を感じられる曲順がとても自然なのでシャッフルしたりすることなく通しで聴きたくなる。そうすると最後の「Hey! Adamski!」「WORLD'S END」はどう捉えればいいのか。もしかしたら夢なのかもしれない。

個人的に凄く気になっているというか興味をかき立てられるのがそのラスト3曲「DANCE WITH YOU」「Hey! Adamski!」「WORLD'S END」の歌詞に見える「世界に私とあなたしかいない」感じ、雑な言い換えになるのを躊躇せずに言うと「セカイ系」的な雰囲気。ジャケ写の背景なんかもそれらの作品と共通した感じしないかな…?2人のワールズエンド。

成長を続けるリリスクメンバーたち

半年くらい前にも各メンバーについて書いたけど、今回はアルバムでの歌にフォーカスして書く。なのでライブ中の所作とかについては残念だけど書かない。あー残念だwでもね、それでも書くことたくさん出てくるくらい5人全員が大きく成長してることがわかるのです。各人の個性がより濃い輪郭を持ち始めたことがわかる今作でもあります。

minan
minanといえば凜とした意思を感じるラップと歌唱。今作でもそれがフルに発揮されていてもちろんかっこいいんだけど、yuuという歌唱におけるパートナーが見つかったことによりminanの歌が前よりさらにうまくなっているんじゃないかということを実感している。想像する理由の一つは得意なシーンが違うから良いところをそれぞれが発揮できてるということ、もう一つは二人で高め合うかのような相乗効果が出ているからではないかな。そして二人のハーモニー・ユニゾンがふんだんに発揮されるシーンが多いのも今作の良いところの一つだ。

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hime
ラップ大好きでかわいいラップもかっこいいラップもどちらも出来るオールラウンダーラッパーhime。今作だと「消える惑星」でhinakoのラップを聴いて自分のラップのやり方を即座に変えるなど、作品内でのバランスを取るという役割も果たしている。そしてかっこいいラップはホント板についてきた感じだし、野心が現れててすごく好き。

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hinako
hinakoのラップはかわいい。デビュー当初は若干舌っ足らずなところが出ててそれがかわいさに繋がっていたが、今は「きちんとラップできていて、聴くとかわいいって絶対分かる」ラップを出来るように成長している。minanは「笑いながら歌っているのがわかるラップ」と言っていたが、まさに聴く人に歌い手の顔を想像させることが出来るラップである。また、「オレンジ」のように青春への切ない憧憬を表現させたらこの子の右に出るものはいないと思う。ザ・アイドルラップ。

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yuu
yuuはラップや歌唱に様々な感情を込めるのがうまい。このアルバムでも色々な表情を出しており、楽曲に色を添えている。個人的には「つれてってよ」「常夏リターン」等で見られるようなアンニュイな雰囲気は彼女ならではだなあと思うところ。そして後半の「DANCE WITH  YOU」「Hey! Adamski!」「WORLD'S END」あたりではがっつりエモーショナルに歌ってもいるのでそこも聴きどころ。

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risano
メンバー内で唯一の低音の持ち主であるrisanoはどの曲でも楽曲を支える重要な役割を果たしている。それが特によく出てるのが「常夏(ナッツ)リターン」や「WORLD'S END」のサビの下ハモリ。あと海外在住経験があることもありどことなく日本人離れした歌い回しをすることろもまたいいアクセントになってるなあと感じる。あとはskitや「WORLD'S END」の冒頭など飛び道具的な役割もこなせるのが強い。

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もちろんここからの全国ツアー・更にその先も楽しみなんだけど、まずはこんなにいいアルバムを出してくれてありがとうという気持ちでいっぱい。本当にお勧めなのでぜひ聴いてください。もしよければライブにも来てみてください。

 

2018年4月に聴いて良かったCD

恒例のやつ。今回はApple Musicの視聴だけ貼る。Spotifyはあったりなかったりだしそもそも同じものを二つ並べるの激しく無駄くさいと気付いたのだ。では早速行ってみよう

 

春ねむり「春と修羅

オルタナティブロックのトラックにラップ?ポエトリーリーディング?が乗っかる感じ。他には無い格好良さがあるし芯の強さも感じられてなかなか良い。

 

市川愛「MY LOVE, WITH MY SHORT HAIR」

菊地成孔プロデュースのソロシンガー。本人曰くジャズではもうないみたいで弾き語りとか今っぽいR&Bみたいな感じのものが多くて聴きごたえあり。個人的には後者の割合をもうちょい増やしてもらえたらさらに良かった。「悪事」の曲中のセリフは笑ってしまった。

 

SUSHIBOYS「WASABI

SUSHIBOYSが好きな理由を考えてたんだけど「ラッパーだけどおらついてなくてヤンキー臭が無い」「でもラップはカッコよい」「トラックが洗練されてておしゃれ」「コミカルなキャラクターとリリック」「埼玉出身」辺りかな。今作もそれらがふんだんに出てる。彼等は長らく出てきてなかったスチャダラパー的なポジションのグループだし、KICK THE KAN CREWみたいなポピュラリティを獲得しうる存在になるかも。

 

小袋成彬「分離派の夏」

宇多田ヒカルがプロデュースしてるということで大々的に売り出された今作。確かに宇多田ヒカルが惚れ込むだけあり歌声がとてもよい。そして、無駄が極力省かれたミニマルなサウンドからは彼女のポップス感が垣間見える……と宇多田ヒカルのことばかり書いてしまったけど小袋成彬というシンガーの作品としてとても良くできている。しかしながらこの前ライブで聴いて思ったのだけどなんか虚無に触れたかのような気持ちになるんだよね。不穏なところがある。

 

ジャネール・モネイ「Dirty Computer」

話題になってたので聴いたら存外に良かった。ブラックミュージックベースの現代ポップスという感じで、R&B的な湿っぽさもそれほどなく上質。ただジャケットのドットが並んでるかのように見えるところは生理的に苦手であった…すまぬ。

 

なんかたくさん聴いた気がするのであえて厳選したところもあったり。3・4月は毎年タイトル数多いよね。