2018年4月に聴いて良かったCD

恒例のやつ。今回はApple Musicの視聴だけ貼る。Spotifyはあったりなかったりだしそもそも同じものを二つ並べるの激しく無駄くさいと気付いたのだ。では早速行ってみよう

 

春ねむり「春と修羅

オルタナティブロックのトラックにラップ?ポエトリーリーディング?が乗っかる感じ。他には無い格好良さがあるし芯の強さも感じられてなかなか良い。

 

市川愛「MY LOVE, WITH MY SHORT HAIR」

菊地成孔プロデュースのソロシンガー。本人曰くジャズではもうないみたいで弾き語りとか今っぽいR&Bみたいな感じのものが多くて聴きごたえあり。個人的には後者の割合をもうちょい増やしてもらえたらさらに良かった。「悪事」の曲中のセリフは笑ってしまった。

 

SUSHIBOYS「WASABI

SUSHIBOYSが好きな理由を考えてたんだけど「ラッパーだけどおらついてなくてヤンキー臭が無い」「でもラップはカッコよい」「トラックが洗練されてておしゃれ」「コミカルなキャラクターとリリック」「埼玉出身」辺りかな。今作もそれらがふんだんに出てる。彼等は長らく出てきてなかったスチャダラパー的なポジションのグループだし、KICK THE KAN CREWみたいなポピュラリティを獲得しうる存在になるかも。

 

小袋成彬「分離派の夏」

宇多田ヒカルがプロデュースしてるということで大々的に売り出された今作。確かに宇多田ヒカルが惚れ込むだけあり歌声がとてもよい。そして、無駄が極力省かれたミニマルなサウンドからは彼女のポップス感が垣間見える……と宇多田ヒカルのことばかり書いてしまったけど小袋成彬というシンガーの作品としてとても良くできている。しかしながらこの前ライブで聴いて思ったのだけどなんか虚無に触れたかのような気持ちになるんだよね。不穏なところがある。

 

ジャネール・モネイ「Dirty Computer」

話題になってたので聴いたら存外に良かった。ブラックミュージックベースの現代ポップスという感じで、R&B的な湿っぽさもそれほどなく上質。ただジャケットのドットが並んでるかのように見えるところは生理的に苦手であった…すまぬ。

 

なんかたくさん聴いた気がするのであえて厳選したところもあったり。3・4月は毎年タイトル数多いよね。

「夏フェス革命」を読んだのでレジーさんと色々話してみた

レジーさんの「夏フェス革命」を読んだので、本を読んで改めて考えた事など、レジーさんとメールインタビュー形式でお話した。 

夏フェス革命 ー音楽が変わる、社会が変わるー

このブログではレジーさんのブログのことは度々紹介・言及してるので本ブログの読者の方は知ってる方も多いだろうけど念のため紹介しとくと会社員兼音楽ライターで、2012年に書いたロック・イン・ジャパン・フェスティバル(RIJF)に関する記事がブレイクしてその後しばらくしてから執筆活動との二足の草鞋を履くことになったので今回の本はある種の総括的な意味合いもあるかなとか思ったり。

本の内容をざっくり書くと1998年にフジロックが始まって以降の現代フェス(つま恋のフォークフェスなどと区別するため僕はあえてこう書きます)の隆盛と発展、そして変貌を筆者自身が第1回から毎年欠かさず通っているRIJFにフォーカスを当てつつ読み解いているというもの。特にフェスの変貌については参加客の傾向からニーズを読み取りキャッチアップ・対応していく「協奏」という概念が提唱されているというのが本書のキモ。あとは実際に本を読んで頂くのが良いと思うけど、現代の「フェス」、それも「ロッキング・オンのフェス」を題材に消費行動の変化・音楽需要の変化などを切り取ろうとした意欲作です。

本来は年初くらいにやろうとしていたんですが、こちらの都合で随分遅くなってしまいました。

●「協奏」と「フェスというビジネスチャンス」について

この本の中核となる「協奏」の概念には多く話を割きました。

たにみやん→レジー

この本の中核となる概念である「協奏」はRIJFを始めとするフェスの参加者の広がりをうまく説明した概念だと思いますが、フェスのような「複合的な価値を束ねて提供するもの」だからこそ活きる話でもあるのかなとも感じました。単一消費財には転用はなかなか難しいですね。

また、RIJFに毎年行っているレジーさんとは対照的に僕は2008年〜2016年までCDJに行き続けてました(去年は後の方になってからチケット取ろうとして失敗しましたw)が、近年企業ブースに一定の傾向が見られるように感じます。
・30〜40代以上がよく見る映画(スターウォーズシン・ゴジラ
・若い世代があまり持っていない耐久消費財メーカー(ダイハツマイクロソフト
・若者が離れているといわれるタバコ製造のJT(これはずっと昔からいますがw)
こういったアプローチは他のフェス含め今後も増えて行くと思いますが、少なくともCDJで行われているそれは「協奏」的な発想とは真逆な真正直すぎるマーケティングにも思えます(各ブースでやっているいことは千差万別であるんですが)。どれもどううまくいったとかそういう話が全く残っていないのですが、レジーさんはフェスに対するスポンサーシップは(短期・中長期問わず)ビジネスチャンス・フロンティアだと思いますか?(個人的にはアウトドア商品やらの周辺産業の方が筋が通ったビジネス機会だと思ってます)

レジー→たにみやん

単一消費財の件については、本書内でもメントスの事例を挙げたように、SNSと絡むことでそっち側への広がりが出てくるのかなと思っています。
この辺はよく言われる「モノ消費からコト消費へ」的な話かと思いますが、自分なりに噛み砕くと「ユーザー側の行動まで織り込んだ文脈を提示することで、“モノ”を買う瞬間だけでなくそれを使うシーンまでデザインする」ということなのかなと。(→さらに、使われた状況をビジネスサイドが取り込んでいくことでもともとの文脈を拡張、強化する)今回はフェスというイベントを起点に「協奏」という概念を導き出しましたが、個人的にはこの着想は(手前味噌ですが)これからの時代のビジネスやエンタメを考えるうえで重要な視点になってくると思っており、継続して掘り下げていこうと目論んでいます。

スポンサードの話もこれとつながっていて、たにみやんさんが挙げていただいたようなCDJのケースは単に「デモグラとしてターゲットになる層が来るところで露出してみよう」「あわよくばSNSで拡散してくれるかも?」というだけの話になっているように思うので、この手のやり方は「ちょっと認知高まったかもしれなくてよかったね」くらいの効果しかなさそうですよね。なので、ご指摘いただいたようなアウトドア商品だったり、あとはアルコール系(これはジーマとかいろいろありますが今のところ基本は売ってるだけですよね)だったり、フェスとちゃんと文脈をつなげられるジャンルにこそ「フェス×スポンサー」のフロンティアがあるのかなと。

 

ここは一番議論が長くなった箇所で、僕が「メントスコーラの動画でバズってもメントス自体がおいしくなったりとかするわけじゃないよね?」的な疑問をぶつけたところから話が展開している。そもそも材そのものの価値だけで測るもんでもないでしょって話で、若干ここは僕が九世代的な考えに囚われているかな、と思った次第です。とはいえまずはエンタメ方面で先行しそうな考えかな、とも。とはいえ、水島弘史シェフが提唱し勝間和代さんが最近推奨しているロジカルクッキングなんかも調理家電の再定義につながる話になりそうで、「思わぬ使い方」から世界が広がる話はまだまだそこらに転がってそうとは思う次第。

あとフェスの経済効果を図る際にアウトドアグッズなどを周辺産業として測ることとかも大事なんじゃないかな、と思ったり。物事は単一のものにおいてのみ成り立ってるものではないですよ、と(そのまま前半の自分の発言にブーメランとして跳ね返ってくる)

こういう話をすると、やはりこの本は「音楽を題材にしたビジネス書」として捉えるのがベターだなあと思ってくるので、そう感じたことを素直に話しましたところ…

たにみやん→レジー

この本を読んで感じたのは「音楽を題材にしたビジネス書である」ということです。そこは狙い通りだと思いますが(笑)。個人的にはフェスの功罪について迫っている4章が本体です。ここの話はもっと読みたいですね。

レジー→たにみやん

「音楽を題材にしたビジネス書」のつもりで書いていたのですが、現状その観点で楽しんでもらえる人全員に正しく到達したかなというと正直まだまだだなという実感があります。上記の通り「協奏」の話も含めて、そっち側でこの本をどう価値化するかというのはもうちょい考えたいですね。

 

読んでレビュー上げている人が割と「この本は音楽を題材にしたビジネス・社会分析の書」的に書いているのが多いのでバイアスかかってたけど、実際のところはそうでもないと。 ここは音楽の話にビジネスの話を持ち込むと怒る人が多いところからすると、息の長い話かなとも思うところ。

 

●フェスと音楽の話Update版

ビジネス面の話が一息ついた所で、音楽的な面についてもお話をしました。

たにみやん→レジー

一体感のくだりの中でラウドロック系のバンドが様々なフェスで一定のポジションを確立しているという点が抜けているのは少し惜しいと感じました。リフ主体の体感重視サウンドでみんなで騒ぐというのは四つ打ち以降の現代的な音楽受容にも感じます。

レジー→たにみやん

確かにそうですね、そう言われてみると一体感周りのくだりは3~5年くらい前の認識をちゃんとアップデートできずに書いてしまっている感じはありますね。
ラウド系のバンドの動向を触れられていないのとエアジャムや京都大作戦のようなアーティスト型のフェスの話を組み込めていない(この辺は柴さんから受けた指摘ですが)のは、フェスを語る本としては手落ちかなと今振り返ってみて思うところです。

 

本書において述べられていた「一体感」の話では「四つ打ち」を主体にした若手ロックバンドについて述べられていたけど、それらのバンドはある程度(人気はあるけど)落ち着いた感もある。そして、ここ数年のフェスにおいて頭角を現し一定の位置を占めているのがいわゆるラウドロック系(ピコリーモ・メタルコア等)。例えばSiM・coldrain・Fear, and Loathing in Las VegasROTTENGRAFFTYCrossfaithなどの名前が挙がる。基本的にリフ重視の轟音でそこそこテンポ速い、ブレイクダウンが入るなどの特徴があって、とても体感的な音楽であるというのが特徴。そこからの発展系として、最近人気を増しているヤバいTシャツ屋さん・打首獄門同好会などはそういったラウドっぽいエッセンスを取り入れた轟音サウンドにコミカルで覚えやすい歌詞を加えることでフェスで急速に人気を獲得し、打首獄門同好会は単独でも日本武道館公演をできるくらいまでに、ヤバTはNHKにも取り上げられるほどに一気に成長した、というのが去年くらいまでの流れ。この辺が入ってるとなお良かったなあと思う所で。

AIR JAM京都大作戦などのアーティスト主導型のフェスに対しては確かに欲しかった所だったりするけど、本書のテイストからするとむしろ氣志團万博イナズマロックフェスの方がすんなり入ったんじゃないかなという気もしたり。特に後者は地元創生・町おこし的なニュアンスもあるので、さらに色々話が広がるのではないだろうか。

そんな風に他のフェスの話が出てきた所でこんな話も。

たにみやん→レジー

日本におけるフェスのお手本としては真っ先にフジロックが挙がる気がしていますが、それを初代Pが公言していたTOKYO IDOL FESTIVALはブッキング面ではRIJF化しているように感じます(過酷さを改善する気持ちが特になさそうなのはフジロック的なのかもしれませんが)。

レジー→たにみやん

これは「名前としてイメージする“代表的なフェス”はフジロック」「中身として無意識のうちにイメージしてしまっている“定着したフェス”はRIJF」というようなギャップを示す好例のように思いますね。夏フェス革命でロックインジャパンに関してページ数を割いたのは、自分が語れるからというのとあわせてそういう「本当に“フェスの代名詞”になっているフェスはひたちなかでは?」という投げかけをしたかったというのもあります。

 

「本当に“フェスの代名詞”になっているフェスはひたちなかでは?」という話は結構重要で、さっき氣志團万博イナズマロックフェスの名前を出したのもその流れがあったから。BABYMETALが2016年4大夏フェス全てに出演したが、今年はBiSHが多くの夏フェスに出るだろう。アイドル以外でも、例えばMISIAが今年フジロックに出る事で4大夏フェス全部に出たことになる。日本の各フェスは独特のポリシーを備えているところもあるけど、それと並行してひたちなか的なブッキングにはどこかでなっているのではないかとも言える。

TIFに関しての指摘は最初はアイドルの多様性を提示するイベントとして始まったはずがここ2・3年くらいは48&46・スターダスト等のアリーナクラスができるグループがどんどん出るようになってマスプロモーションでそちらばかり打ち出されている点に対するもの。イベントの趣旨が良くも悪くも変質しているのかなと感じさせるところだなあと。フジテレビの地上波で一部中継したりなどマスに提示して行こうとするのであればこの流れは不可避なんだろうなとは感じるところ。まあまだ「TIFで見つかる」みたいなことは起きているので価値を失っているということはないと思うけど。

 

他にも色々話したいことはあったけど、こんなところで。先週末のARABAKIから今年もフェスシーズンは始まったので、フェスを楽しみつつもその背景で動いている流れとかに目を向けてみるとよりフェスを楽しめる(あるいは広い心でフェスに臨める)のではないかなと思う。音楽と社会・音楽とビジネスという切り口からすると今マストなやつなので、是非読んでみてくださいな。

2018年3月に聴いて良かったCD

4月の頭はなんか色々あってあまり落ち着いて物書いたりする暇がなかった。ただKindleアプリが画面分割に対応したので読書を少しずつ再開しつつある。それはさておき先月の良かった作品たち。引き続き時流に沿って定額聴き放題ストリーミングサービスのプレイヤーを埋め込んだりしているのである。会員じゃなくても少々聴けるので活用いただけるとこれ幸い。

 

Awesome City Club「TORSO」 

ついに「Awesome City Tracks」シリーズから転換して新しいフェーズに。だからといって何か大きく変わっているということはないけどメロディやら歌唱やら基本的ま要素に前進を感じる。ラストのキリンジ「エイリアンズ」カバーがとんでもなく良い。しかしその良さもその前のトラックの良さあってこそ。

サニーデイ・サービス「the CITY」

 今作もストリーミング配信とアナログレコードでのリリース。1曲目で色々衝撃を受ける。笑。しかしながらメロウで普遍性のあるメロディを保ちつつ音が確実に新しい。今っぽい。

 

SOLEIL「My Name is SOLEIL」

一部アイドルファンの間で先月話題沸騰だったやつ。14歳のボーカル「それいゆ」を中心にしたユニットってことでいいのかな。聴いたことあるサウンドだと思ったらかつて土岐麻子さんが作品に参加したサリー・ソウル・シチューこと久保田サリーさんプロデュースなのね。確かによくできている。ただ狙いすました感が鼻につく部分はあるw

APOGEE「Higher Deeper」

 APOGEE5年ぶりのアルバム。響きのいい綺麗な音像が心地よい。

イヤホンズ「Some Dreams」

若手声優ユニットイヤホンズももクロエビ中じみた演劇感のある楽曲群をそれこそ本業で鍛えた演技力、声優力を存分に発揮して乗りこなしてる。サラウンド感のある曲(イヤホン推奨!)やらクラシックパロディやらクイーンのオマージュやら要素がてんこ盛りのめちゃくちゃ濃い一作。

からかい上手の高木さん Cover Collection

イヤホンズにも所属している高橋李依が主演していたアニメのエンディングテーマ集。アニメの方は5話くらいで見るのやめてそれから最終回だけ見るという体たらくだったんだけどエンディングのカバーソングは結構印象に残っていて、見るのやめる直前はそれが最大の目的になってた感すらある。「気まぐれロマンティック(いきものがかり)」、「自転車(JUDY AND MARY)」、「出会った頃のように(Every Little Thing)」あたりが特に良い。

 

年度末ということもあり結構たくさん出たので取捨選択苦労しました。

 

2018年2月に聴いて良かったアルバム

今月も色々聴いたので紹介してくぞ〜 

集団行動「充分未来」

相対性理論の真部脩一・西浦大輔を中心とするユニットの新アルバム。というわけだけどそろそろこのグループに対するその類の呼称も改めるべきでは、と思わされる一作。真部さんの作るメロディは記名性が高く一聴しただけで彼の作品とわかるけどアレンジ面での洗練・ボーカルのこなれ感などあって新しさを感じることができる。相対性理論後の真部ワークス随一の快作。「フロンティア」が白眉。

大橋トリオ「STEREO」

 大橋トリオの作品は毎回良い。温かみのあるボーカルとアレンジというのは根底にありながら毎回新しい音を入れてたりして挑戦してる感じが好ましい。「VENUS」のイントロで一気に引き込まれた。

lyrical school「"TAKE ME OUT" ON DEC 16」

昨年12月16日のリキッドルームでのワンマンライブから、昨年5月に今のメンバーになって以降に作られた楽曲だけを抜き出して作られたライブアルバム。すんごく曲が良いし(多少のミスはありつつ)アイドルらしいハツラツとしたパフォーマンス。しかしながらこのアルバム、驚くほどミックスなどがされていない。なので音量が小さくて聴きづらい部分があったりするのだけど、逆に生々しさを際立てているようにも感じるところ。「PIZZA」「つれてってよ」「DANCE WITH YOU」が良い

AL「NOW PLAYING」

これは正確には1月のアルバムだけどApple Musicに入ったのが2月なので2月扱い。andymoriのデビューから10年近くになるけど、瑞々しい少年らしさを兼ね備えたロックンロールを奏でられるのは本当に奇跡だなあと思う。

 

今月は結構粒揃いだった気がするぞ。ありがたやである。

2018年1月に聴いて良かったアルバム

今年から月一企画にするぞ。なぜかというとまとめてやるのが大変だから。でも月一なのに早速この記事が翌月中旬にずれ込んでるのは気にしない方が幸せになれます。君みたいに勘のいいガキは嫌いだよ…

 

というわけで早速。今年からは時代にあわせてSpotifyApple Musicの埋め込み主体で行くぜ。でも盤で欲しいぜって人はタイトルをクリックしてくれよな。

Little Glee Monster「juice」

 

歌の中身もいいんだけど、とにかく音が良いなあと感じた。最近音が綺麗なのが好き、というか汚いのがダメになってきてる(ジャンルとはあまり関係ない)。歳かな……

POLTA「LOVE TO DIE」

POLTAの2年半ぶりのフルアルバム。リード曲になってるメロディアスな曲も良いんだけど疾走感ある曲がとてもよい。「失踪志願」「とけいのむこう」「イエスタデイノーモア」などなど、どれも曲調とアンバランスな歌詞がすごくいい味出してる。

People In The Box「Kodomo Rengou」

 去年の年末にライブで見て(ボーカルの波多野さんが喉を痛めたが故のインストゥルメンタル編成だったという例外要素はあったけど)めちゃくちゃ音の圧力を感じたPeople In The Box。アルバムも3人のアンサンブルが緻密さと大胆さが全開ですごく引き込まれるものがあった。

Chris Dave and the Drumhedz「Chris Dave and the Drumhedz」 

ロバート・グラスパー・エクスペリメントの初期メンバーでディアンジェロのドラムでもあり最近では宇多田ヒカル「あなた」にも参加した稀代のR&Bドラマーであるクリス・デイヴの初ソロアルバム。4年前のフリーDLのミックステープからは随分作品としてのまとまりが出てるし(当たり前か)2年前にライブで見た時の「なんじゃこりゃ感」が凝縮されてパッケージングされてると感じる。

 

うん、1ヶ月ずつやれば大変じゃないな。こんな感じで来月以降もやっていきます。って、もう半月したら来月の分作らないとだなw 

2017年マイベストディスクトップ20

さて、楽曲ベスト10に続きアルバム単位でのベスト20をまとめてみました。毎回思うけど曲の方が母数多いのに選出少ないの不思議だなあって思ってたけど前回のエントリで答え書いてたわ。基本アルバム単位で音楽聴いてるから曲単位で印象に残るのは相当なものなんだ、という話で。配信が普及してアルバムという単位が解体されたみたいな話はよく出回っており、僕は旧世代側の人間なのかなとか思っちゃう。歳はとりたくないもんだな。なんの話だっけ。

 

過去のものはこちら。多くなってきたので何が1位かは省略するから、各自の目で確かめてくださいね。

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

 

アルバムの場合はシングルに加えて追加の選考基準があるのでそれも書いておきますね。

 

構成の妙:つまるところ曲順。個々の良くても、明らかにかみ合わせの悪い並び順になっていたりしてるとつらい気持ちになります。
成長性・進化:アルバムというのはシングル以上にそのミュージシャンの一定期間における活動のまとめというような色彩を持つと思うわけ。だから、やっぱり前より良くなってほしいしマンネリ感や成長が見て取れない感じを見ると「惜しいな」と思っちゃう。
時代性:「この2017年に鳴るべき音か」とかいうけどハイパー主観に満ちた要素。どちらかというと「この時代にこれかよ!」みたいな原点要素に使われてしまう気もしなくもなく。あくまでも、自分にとってのジャストフィット感でしかないことは強調しておきたい。主観だ主観!!

 

というわけで、そういった観点から選んだと言われている20枚はこちらです。コメント入れるのはトップ10から。

 

20位:chara「Sympathy」

19位:CRCK/LCKS「Lighter」

18位:MONDO GROSSO「何度でも生まれ変わる」

17位:パスピエ「&DNA」

 

16位:ねごと「SOAK」

 

15位:吉田ヨウヘイgroup「ar」

 

14位:思い出野郎Aチーム「夜のすべて」

 

13位:かせきさいだぁ「ONIGIRI UNIVERSITY」

 

12位:SHISHAMO「SHISHAMO4」

11位:Emerald「Pavlov City」

10位:さよならポニーテール「夢見る惑星」

久々にさよポニ聴いたけど、前は淡々としていたポップスって感じだったのが緩急つくようになって、アルバムとしてのまとまりも良かったし昔よりきちんと耳に残るようになったし、聴いてかなり満足がいった。

9位:indigo la End「Crying End Roll」

個人的には今までの川谷絵音ワークスの中でも屈指の出来なのでは、と感じた。ドラムがいろいろ工夫されて一辺倒な感じになってないしメロディもとても良い。

8位:Special Favorite Music「Royal Blue」

年初に一度ライブで見た。このバンドについては、「音が豊かなポップス」って感想。ただホーンズと何が入っているからってわけではなく、アンサンブル自体に一般的なロック・ポップスのバンドと少し違うものを感じる。

7位:ものんくる「世界はここにしかないって上手に言って」

 

ジャズとポップスのどっちでもあり、どっちでもない感じがすごく好き。ライブも行ったけど、なかなかにしてパワフルで良かった。

6位:Base Ball Bear「光源」

ベボベはインディーズの時から聴いてたけど、なかなかここ数年マンネリ感があったところを、メンバー脱退というピンチをチャンスに変えて1段階上のステージに進んだ印象を受ける。こいちゃんの歌い方も少し変わったかな?

5位:Maison book girl「image」

ブクガは今まで全くのノーマークだったけどこのアルバムは凄まじく良かった。独特のリズムとスピード感とサウンドで一気に世界観に浸れる感じがすごく良い。

4位:SUSHIBOYS「NIGIRI」

リリスクの自主企画に出演発表されるっていうから聴いたらトラックは洗練されてるわコミカルでスキルフルなラップだわでかなり気に入った一作。今年のめっけもん。ライブも楽しかった。なお、CDは500枚程度しかプレスされていないのでプレミアもの。

3位:SKY-HI「SKY-HI Tour 2017 Final "WELIVE" in BUDOKAN」

http://img.imageimg.net/artist/skyhi/img/product_1026394.jpg 

ライブアルバムだけどこれがランクイン。スタジオアルバムよりも音の・ボーカルの圧力や凄みが桁違いで、このアルバムのライブの翌日に自分がVIVA LA ROCKで見たときの衝撃的な体験が思い出された。ライブアルバムとして今までで最高のものでは?

2位:土岐麻子「PINK」

 

土岐さんのメジャーデビュー後のアルバムの中では1番好き。インディーズのときの「Debut」が最高であったことは揺るぎないけど、いろいろサウンド的にも新しいトライをしててそれが効果的に作用しているように感じる。

1位:阿佐ヶ谷ロマンティクス「街の色」

 

めちゃくちゃ耳に馴染む楽曲群だった。最初から最後まで落ち着いて聴いていられる歌たち。ライブも1度行ったけど、演奏もしっかりしていてもっと聴かれてほしいグループだなと思った次第。トータルで一番いいなと思ったので優勝。

 

ざっくりとした総評みたいなもんだけど、今年はいいアルバム自体たくさんあったけどシーンとしても個人としても「本命不在」を感じてしまった。このランキングは1位〜6位くらいまでの差はかなり小さい。良いことなのか悪いことなのかはよくわからないけど、いい音楽がたくさんある状態であることは好ましいことなので、来年以降もいろいろ聴いて楽しんでいきたいところ。

それから、トップ20は全てApple Musicで聞いた作品。「ストリーミングで聴いた作品は印象に残らない」みたいなこと今でもいう人いるけど、9割以上これで聴いているので全部平等です。笑。CDを買っていないということはないです。配信でない作品をライブ会場の手売りで買ったりとかね。

そんなわけで来年もよろしくです。なお、例年年初にやっていたCDJ振り返り記事ですが、なんと10年ぶりくらいに行かなかったためやりませんのであしからず。それではよいお年を。

2017年マイベストソングトップ10

年も暮れてきたので毎年恒例のマイベストを挙げたい。まずは楽曲から。これまでの記事は下記の通りですよ。

2013年 1位:パスピエ「ON THE AIR」
2014年 1位:きのこ帝国「東京」
2015年 1位:lyrical school「ゆめであいたいね」
2016年 1位:POLTA「春が過ぎても」

さて、本題へと入る前に自分がどういうところを重視・注目するのかという話を軽くしておきたい。因みにほとんど去年のコピペなのであまりつっこまないでね。

アレンジ:メロディや歌詞に合った(もしくは巧妙に外した)アレンジか、全体の音の均整が取れてるか、ハッとさせられるポイントがあるかなどがポイントだと思われる。基本的に過度にシンプルなスローバラードなどは面白くないと考えるタチです。
メロディ:耳に残るか、美しいと感じるか、など。この辺は多分に自分の感性によるところなんだけど音感がないのでどういうメロディが好きかはあまり説明できない。すみませんな!
リズム:元々重視してたんだけどここ数年は更に重視傾向に。変拍子大好き。普通のエイトビートにするよりバスドラやハイハットで16分音符を適度に挟み込んでアクセントにしているようなのが好き。あとベースはメロディ楽器みたいな気持ちでいます。
音像:説明の難しいところで、アレンジとも密接に関連してると思うんだけど要は「キレイに聞こえるか」みたいなところが評価ポイント。パワーメタルみたいなのは好きだけどハードコア系のメタルテイストは好きになれない、みたいな話。そういう観点からは、歌詞も言葉の響きとして良いかみたいなのが気になる。中身が気になるケースはレア。
影響:自分の生活にインパクトを与えたかどうかみたいな話だけど、これは年に1曲出るか出ないかくらいです。まあ主観による補正みたいなもんだと思ってもらえれば。

そんな観点から選んだように推測される今年のベスト10はこちら。Apple系の配信リンクを入れてますが、時間の都合によりAmazonとかSpotifyのリンクは気が向いたら入れるんで勘弁してください。

10位:宇多田ヒカル「あなた」

 

クリス・デイヴのドラムのゆらぎが、宇多田ヒカルの声のもつふるえと合わさって独特なグルーヴを生み出している曲。

9位:DADARAY「イキツクシ」

 

川谷絵音ワークス、全般的に良かったけどその中でもこれが好きだった。独特の色気がある。フェスで2度見たけどライブでもとてもよい佇まいだった。

8位:思い出野郎Aチーム「ダンスには間に合う」

リリスクの主催イベントでやってたんだけど、とにかくライブでみんなで一緒に歌ったりしながら聴いてたの、今年行ったたくさんのライブの中でもとりわけよい光景だった。

7位:MONDO GROSSO「ラビリンス」

 

ここ数年ジャズやR&Bをたくさん聴いてきてたので、MONDO GROSSOが出てきた時よりもよりすんなり自分の耳にフィットする感覚がある。しかし満島ひかりの歌声、なんか独特の存在感があるね。 

6位:w-inds「We don't need to talk anymore」

恥ずかしながらw-indsをきちんと聴いたのはこれが初めてってくらいなんだけど衝撃的に良かった。いい意味でJ-POPぽくないというか、ちょっと先に進んでる感じ。ただ従来のリスナーをそこまで置いてきぼりにもしない感じ。 

5位:Kaede「あの子が暮らす街(まであとどれくらい?)」

Negicco本体の曲も今年は少ないながら粒ぞろいだったんだけどこの曲はかなりびっくりした。かえぽだけだとこんな感じなのか、と。歌声がすごく独特。なんか喋りと歌唱の中間地点みたいなところにあるような不思議な感じの歌だった。

4位:ONE III NOTES「SHADOW AND TRUTH」

僕が大好きな漫画家であるオノ・ナツメ先生の「ACCA13区監察課」のオープニングテーマ。めちゃくちゃカッコいいサウンドでなんとなくカウボーイ・ビバップ的な印象を与える曲だったかも。アレンジがよく練られてたな、という感想。

3位:小沢健二「流動体について」

 

去年の「魔法的」ツアーに行ってめちゃくちゃ満足してもっと聴きたいなとずっと思っていたところに満を持して出てきた感じ。他の人があまり使わない言葉回しから作られる歌詞、それを詩的に伝える歌唱(彼の歌唱は世間で言われる上手下手とは全く別のレイヤーにあると思う)。小沢健二 is back!!という感じ全開の一曲。

2位:かせきさいだぁ「カンフーダンス」

この曲を初めて聴いたのは2015年の5月にあった代官山loopの企画でのかせきさいだぁ&ハグトーンズのライブ。もしその年のうちに音源がリリースされていればその年の年間ベストに選出していたかもしれないくらい1度ライブで聴いただけで心を鷲掴みにされてしまった曲だ(実際にはその場でのあまりの好評っぷりにアンコールでもやったので2度聴いたが)。楽しさの極致みたいな曲で、スタジオ録音にあたってはNegiccoDJみそしるとMCごはんをゲストに加えている。これがまたいい味出してる!またライブで聴きたいなあ。

1位:lyrical school「つれてってよ」

  

 

1位は2年ぶりのリリスク。結局リリスクかよ!と言われそうだけど実際いい曲なんだから仕方ない。かわいらしさと情感のバランスがすんばらしく良い。「夏休みのBABY」の時より各自のラップはこなれてきてて、個性も出始めてきている(ライブで何度か披露した後に録音されたのが理由として大きい)。とにかく今年の後半はライブでもスマホでもたくさんたくさんこの曲を聴いた。もうこの曲以外に1位はありえないでしょう。

 

全体的な感想としては、基本アルバム聴きなので曲単位で聴くことが少なく、上位はシングルリリースされたものが中心になった。聴き方が順位に影響を及ぼしている、というのは結構ありそうだなと思った。

 

そんなわけで次はアルバムだけど、まだ全く順位付けてない!!果たして2017年のうちに仕上がるのか!?お楽しみに〜〜