2020年1月に聴いて良かった音楽アルバム
もはやCDではないので変えました。アルバム単位なので曲単位では載せないぞ、と(面倒を回避)。
Kaede「今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる」
良質なポップス〜〜。初っ端のTRICERATOPS「2020」のカバーからして心にしみてくる感じで良い。新曲少なめではあるんだけど、ミディアムテンポ・アレンジは抑制的でまったりしたものにしてボーカルの個性を引き立たせることに注力している感じがして良い。
上坂すみれ「NEO PROPAGANDA」
すみぺのアルバム以上に「自由にやってます」って感じの作品もないのではないだろうか。「すーぱー呂布呂布ぱらだいす!」の最後のセリフに大爆笑。group_inou提供のラップ(?)曲「MESSAGE」が異色だけどめちゃ良かった。
GEZAN「狂(KLUE)」
これを聴いた時「自分は何を聴かされているんだろう」って気持ちになった。頭を殴られるかのような価値観の揺さぶり。メッセージ性もさることながら曲の構成の異形っぷりにやられた感がある。狂うっていうか、クる。
POLLYANNA「pantomaim」
最初聴いた時はド直球Cymbalsフォロワーって感じで「こういうの好きなんだけどさあ…」という気持ちでいたんだけど今作は自分たちのオリジナリティというのがようやく見えてきたなって感じでようやくしっくりきた。「LIFE」が超いい。
ほんとはネクライトーキーとかSHISHAMOとかも入れようと思ったんじゃが…良いは良いんだけどなんとなくこれまでからのジャンプアップみたいなのを感じられないなって思っちゃって見送りました。でもいいとは思ったのでここに記載しておきます。
2019年12月に聴いてよかったCD
今年からは名前変えるようにしよう。
Ovall「Ovall」
mabanuaさんのいるOvall。1曲目「Stargazer」のズレ気味なリズムのイントロからもう好きすぎ。もうちょい新規性みたいなものも欲しかった気がするけど自分の好みど真ん中な感じ。
Answer to Remember「Answer to Remember」
今最も熱い若手ドラマーと言っても過言ではない石若駿のソロプレジェクト。テクニカルなドラムをはちゃめちゃに叩きまくってる曲の爽快感が半端ない一方で中村佳穂バンドとの共演曲(ライブで聴けた!)はポップスアンサンブルの楽しさなんかが味わえるしとにかく聴いてて色々な楽しい気持ちを味わえる楽曲集。今年屈指のいい音楽集って感じでした。
さよならポニーテール「来るべき世界」
Tパレに移籍してからのさよポニは基本的にどのアルバムも好きなんだけど、今作も良かった。まったり感を少し脱してちょっとひねた感じとアンニュイな感じをうまくミックスしていたのがとても好感。
私立恵比寿中学「playlist」
良い意味でエビ中っぽくないっていうか、なんか新境地って感じですね。新しい魅力を見出したという感じ。とにかく前半の楽曲群が良い。
小袋成彬「Piercing」
分離派の夏はまあそれなりって感じだったんだけど、この作品は衝撃的に良かった。複数トラックに跨った曲、その辺で声かけた女子たちのコーラス、話し声が普通に入っている曲、録音の音源だからできることがたくさん。それでいて分離派より曲は開かれている感じもあったり。いい作品だなって。
2019年マイベストディスクトップ20
さて、楽曲ベスト10に続きアルバム単位でのベスト20をまとめてみました。前回書いた通りアルバム聴きする旧世代の人間なので、ベストソングよりベストアルバムの方がサクサク選べるんですよね。
過去のものはこちら。多くなってきたので何が1位かは省略するから、各自の目で確かめてくださいね。
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
アルバムの場合は楽曲の判断基準に加えて追加の選考基準があるのでそれも書いておきますね。ちなみにこれは毎年の使い回しです。
構成の妙:つまるところ曲順。個々の良くても、明らかにかみ合わせの悪い並び順になっていたりしてるとつらい気持ちになります。
成長性・進化:アルバムというのはシングル以上にそのミュージシャンの一定期間における活動のまとめというような色彩を持つと思うわけ。だから、やっぱり前より良くなってほしいしマンネリ感や成長が見て取れない感じを見ると「惜しいな」と思っちゃう。
時代性:「この2019年に鳴るべき音か」とかいうけどハイパー主観に満ちた要素。どちらかというと懐古的表現やちょっと前の焼き直し的な作品に「この時代にこれかよ!」みたいな減点要素に使ってしまってる気もしなくもなく。あくまでも、自分にとってのジャストフィット感でしかないことは強調しておきたい。主観だ主観!!
というわけで、そういった観点から選んだ説濃厚な20枚はこちらです。コメント入れるのはトップ10から。
20位:Aliana Grande「thank u, next」
19位:Vampire Weekend「Farther of the Bride」
18位:舐達麻「GODBREATH BUDHACESS」
17位:私立恵比寿中学「playlist」
16位:Billie Eilish「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」
15位:ネクライトーキー「MEMORIES」
14位:BBHF「Mirror Mirror」
13位:桜エビ〜ず「Octave」
12位:さよならポニーテール「来るべき世界」
11位:Kan Sano「Ghost Notes」
10位:あいみょん「瞬間的シックスセンス」
当たり前のようにメロディが良い、曲が良い。アルバムとしての構成は特筆するところはないけど曲がとにかくいい。
9位:Taylor Mcferrin「Love's last chance」
前作程の衝撃はないけど聴いてるときの心地よさが抜群。
8位:宇宙ネコ子「君のように生きれたら」
春頃にたくさん聴いてた。なんとなく生々しくて、でも心地良くて。繰り返し繰り返し聴いた一枚。
7位:lyrical school「BE KIND REWIND」
正直この作品の評価は超迷った。曲の良さとコンセプトの懐古みと構成とを総合的に考えるとこの辺かなーと。skitはチート。
6位:小沢健二「So kakkoii 宇宙」
色々なことを言われているけど僕はこの作品はきちんと今の時代に向き合って作った作品だと思うんですよね。
5位:小袋成彬「Piercing」
複数トラックで一つの曲にしたり、カジュアルな会話やらその場で声かけた人にコーラスしてもらったりとか録音作品だからこそみたいな要素がてんこもりで面白い。
4位:Answer to Remember「Answer to Remember」
今一番日本でアツいドラマー石若駿のソロプロジェクト。めちゃくちゃにドラムをガッツリ叩いてかつメロディも自分で作ったりしていろんな曲があって楽しい。そしてビートが好き。みんな聴こ!
3位:サカナクション「834.194」
長く待たされたけど、その分だけきちんとたくさん新曲も用意してくれていいアルバムだった。これこそサカナクションって思えて、この数年間の悪戦苦闘をきちんとした形に昇華できててよかった。
2位:Robert Glasper「Fuck Yo Feeling」
「Brack Radio」二部作のあとの作品の中ではいちばん好きかもしれない。クリス・デイヴがドラムだからってのもあるけど録音された音がザラっとしてるのがすごく好き。ライブ音源を聴いてるような感覚にもなる。
1位:kiki vivi lily「vivid」
なんだかんだ今年たくさん聴いたし先行配信曲からの期待そのままでいい感じに出来上がった作品だったなって。自分の好きな感じがギュッと詰まっててドンピシャだったなー。
とは言いつつ上4〜5枚くらいはわりと僅差でした。ガツンとくるのがなかったとも言えるしどれも満遍なくよかったとも言える。あと個人的には「今年割と皆が選びそうなやつ(具体的な作品名は挙げないけど)」にピンときてないものがいくつかあって老化なのかただの趣味の合わなさなのか、みたいなことを感じたりもしたり。とはいえなんだかんだ毎年新しいものとの良い出会いはあるので来年もそういうのを期待して今年のまとめといたします。よいお年を!!
2019年マイベストソングトップ10(ではない)
年の瀬です。なので今年聴いてよかった楽曲のトップ10をまとめたいと思います。過去のはこちら。
2013年 1位:パスピエ「ON THE AIR」
2014年 1位:きのこ帝国「東京」
2015年 1位:lyrical school「ゆめであいたいね」
2016年 1位:POLTA「春が過ぎても」
2017年 1位:lyrical school「つれてってよ」
2018年 1位:lyrical school「パジャマパーティー」
基本アルバム単位で聴く屋さんなので曲単位でのベスト選ぶのに苦労してるんだけど今回はついに10個リストアップすることすらできなかったwもちろんたくさん聴いていていいねと思ったものもたくさんあるんだけど、トップとして特筆するほどじゃないかなって。基本インパクトあったなってものをチョイスしてます。
8位:上坂すみれ「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」
7位:結城萌子「散々花嫁」
6位:サカナクション「忘れられないの」
5位:KIRINJI「killer tunes kills me feat. YonYon」
アルバム聴いて「超いいじゃん〜!!」ってなったらそのあと色んなところで聴く機会があったw
4位:仮谷せいら「ZAWA MAKE IT」
せいらちゃんは何度か対バンで見たんだけどこの曲はすごく耳に残った。
3位:崎山蒼志 wiph 諭吉佳作men「むげん」
10代ヤバいって久々に思ったやつ。こんなすごい曲が出てくるのならこの先も心配はいらないなって思った。
2位:中村佳穂「LINDY」
曲自体よりもこれは体験込みみたいなところがあって、まさにこの映像のライブに自分はいて、衝撃的かつめちゃ幸せな音楽体験だったなって感じたので。そしてこの曲はライブの中でも一つのピークだったもんねえ。
1位:lyrical school「大人になっても」
MVが無くてもこの曲は1位に推したい。よくヒップホップでリリックは自分で書いてナンボっていう話があって、ぼくもある程度は正しいと思うんだけど、この曲はメンバーへのヒアリングをもとに書かれているからたとえjinmenusagiのリリックだとしてもメンバーのリアルを感じられるからこういうのもいいんじゃないのって思うわけですよ。
そんなわけで多分明日ベストディスク発表します!
2019年11月に聴いてよかったCD
年間のまとめ出す前にこれ書いとかないと!
小沢健二「So kakkoii 宇宙」
歌モノのオリジナルアルバムは17年ぶり?ただそのEclecticよりも25年前のLIFEの方に近い雰囲気かもしれない。歌唱的にはところどころ昔のように歌えなくなってる箇所もあったけど、それでも伝えたいものがあるのだろうなと感じた。
BBHF「Family」
BBHFという名前にしてからの2枚目。みずみずしくて美しい日本のロックミュージックって感じでライブで観たい気持ちあり。
椎名林檎「ニュートンの林檎」
ベストに伴うリマスターされてて音が良い。そして曲が全部強くて(当たり前)椎名林檎ってすごいよな、偉大だよなって実感するアルバム。そして書き下ろし新曲2曲も良い。「公然の秘密」はメロディが好き。宇多田ヒカルも参加した「浪漫と算盤」は労働をモチーフにしてて同日発売の小沢健二とのシンクロに驚いたり。ポピュラー音楽は時代を移す鏡というけど、今フォーカスを当てるべきはここ、ということなんだろうか。
KIRINJI「cherish」
KIRINJIのアルバムは毎度ハズレなしで好きなんだけど、今回は特に「killer tune kills me feat. YonYon」が好き。
ジェニーハイ「ジェニーハイストーリー」
川谷絵音案件、どれも好きで抗いようのなさがある。面白いメンツを集めておいてその面白さを上手いことアウトプットとして昇華できてるなっていう感想を抱く。
坂本真綾「今日だけの音楽」
たくさんの豪華作家陣が参加して作られた作品ながら散漫にならずに一つの作品として成立してるように感じられるのは、彼女が素晴らしいキャリアを持つ声優であることによりその「声」という一本の芯かつ立ち返るべきものがあるからなんだろうなって思うわけです。大沢伸一プロデュースの「ホーキングの空」、川谷絵音案件の「ユーランゴブレット」あたりが個人的に超好き。
第8回アイドル楽曲大賞2019に投票しました
いよいよ年末ですね。なのでこういうのが増える12月です。今年のマイベストの選出とかまだ全くしてないよ!まあ僕はマイベストを選ぶために聴き漏らしを拾うとかそういうことは全くしないで自分がただ出会ったものだけを聴いてその中から決めるタイプの人間ですが(てかそれが普通じゃない?人は年間ベストを決めるために音楽を聴いているのではないのです。いやまあそういう人もいますってんならごめんなさいだけど)。
アイドル楽曲大賞のレギュレーションは公式サイトを見ていただきたく。
メジャーアイドル楽曲部門
1位:パジャマパーティー / lyrical school
2位:大人になっても / lyrical school
3位:ちゅるサマ! / 26時のマスカレイド
4位:形而上学的、魔法 / でんぱ組.inc
5位:あなたのダンスで騒がしい / 私立恵比寿中学
去年はメジャーで選出するのに苦労したけど今年はリリスクがメジャー移籍したので簡単に選べた。だけでなく実は何曲かあぶれたものもある(もちろんリリスク以外でね)。因みにリリスクのこの2曲はホントにこのメンバーだからこそ出来上がった曲なんだよなって思います。
3位のニジマスは曲はいい。メンバーかわいい。でもライブを見ると動きの少なさとか何か見てて物足りなさを覚える。因みに夏フェスで何度か見たけどいまだにちゅるサマ!を見ることができてない。
インディーズ/地方アイドル楽曲部門
1位:I LOVE YOUR LOVE / Negicco
2位:それは月曜日の9時のように / 桜エビ~ず
3位:ロックンロール・アップルパイ / 星野みちる
4位:ダンス・オア・ダンス / フィロソフィーのダンス
5位:Remember You / Kaede (Negicco)
今年はインディーズを選ぶのにホント苦労した。なので基本聴いてるNegiccoとあとはライブで見たのを中心にセレクト。
アルバム部門
1位:『BE KIND REWIND』 / lyrical school
2位:『octave』 / 桜エビ~ず
3位:『METAL GALAXY』 / BABYMETAL
実はアルバム単位ではほとんど聞いていない。なのでほとんど自動的にこの3つになる気がする。
推し箱部門
lyrical school
好き。
総評
毎年の総括的に投稿してるけど、ここ数年は投票することに苦労してる気がしなくもない。というか今年は楽曲やパフォーマンス面で注目を集めたグループとかもあまり見当たらなくて(敢えて言えば桜エビ〜ずくらい?と思ったけど今年ではないような気もする)、シーン自体の縮小と変質を感じる。前からそうだった気もしなくもないけど懐古的な表現が増えた気もしなくもなく色々しんどい感じもあるなぁという感想もあります。話題を集めたのがNGTの件とベテラングループのメンバーの結婚でありどの曲がいいとかそういう話は(割とそういう話をする人の多い)自分の周りでもあまり聞かなかったな、相変わらず解散休止卒業の話多いなって思うとなかなか暗い気持ちになるけど、来年も素敵な表現と会えるといいなと思ってます。
2019年10月に聴いてよかったCD
先月の反省から今回は早くやる。というか序盤に書ききらないと週末は全て遠征とかで予定が埋まってしまってるわけでな…
the chef cooks me「Feeling」
超名作「回転体」から6年(そんなに経つんですかと書いて驚く)。前作は当時のシティポップムーブメント(らしきもの)に沿っていたかのような華やかな楽曲が主体だったけど今作ではそこからの伸びを感じさせつつもしっとりした感じの楽曲が増え!なおかつボーカルエフェクトも随分使われてたりなどで今っぽくなってて色々ありながらもバンドは前に進んでるんだなって思わせてくれる。
Robert Glasper「Fuck Yo Feeling」
クリス・デイヴと久々の共演作。だからかなのかはわからないけど、ドラムの音がめちゃくちゃザラザラしてる。音源自体もセッションそのまま録って出しみたいな感じで全体的にラフな感じ。でもそれがすごくいい。Black Radio二部作より後のグラスパー関連作品の中では一番好きかも。
DADARAY「DADABABY」
メロウなメロディラインがとにかくツボ(後で出るインディゴもそうなんだけど川谷絵音はホントそういうのがうまい)。ボーカルの声質とのマッチ加減も良いと思うんですよね。
スピッツ「見っけ」
毎度毎度スピッツのアルバムにはみずみずしさを感じてやまないのだけど、どうしてだろう。これだけキャリアがあって既に大物バンドであることは間違いないけどそれでいて鮮度を保ち続けている。その謎を解くために我々はアマゾンの奥地に向かった…
indigo la end「濡れゆく私小説」
この前川谷絵音氏が関ジャムで「indigo la endの由来はスピッツのアルバム「インディゴ地平線」」って言っててそうなの!って驚いた記憶(今更)。DADARAYのところと感想重なっちゃうんだけど憂いのある曲のメロディがめっちゃ刺さるのだ。
BABYMETAL「METAL GALAXY」
YUIMETAL脱退後の初作品。BLACK BABYMETALができなくなったので必然的にSU-METAL成分が増す。しかしそれでいて個々の曲が強くてアルバムとして存在感がある。インタビューとか殆ど目を通してないのでこの分量でなぜ2枚組なのかは知らない。あと既存曲と性質の似てる曲が多く今後はリプレースしていく形になるのかね……とか思ってしまった。
赤い公園「消えない」
元アイドルネッサンスの石野理子をボーカルに迎えて以降初となる待望の新作EP。自分の赤い公園のイメージは「歪なサウンドと凛としたボーカルのコントラストが産む独自のグルーヴ感」なんだけど、石野理子のボーカルは佐藤千明とは違いながらも赤い公園のサウンドにフィットしてると感じた。何かが降りてきたモードの石野理子の強さは僕もよく承知してるし一度生で見たいですね。
Kanye West「JESUS IS KING」
ストリーミングで登場したカニエの新作、まさかのゴスペル。ロバート・グラスパーとかクリス・デイヴみたいなジャズミュージシャン達は教会のバンドでまず腕を磨いて見出されるみたいな話を知ってたのでゴスペルとかの教会音楽と繋がり的なのはあるんだろうと思ってたけど、カニエみたいなどヒップホップの人からこういうのが出てくるのは想像つかなかった。きっといわゆる広義のブラックミュージックは教会・キリスト教と深い結び付きがあるんだろうな。
もう11月か。あっという間に年末が来そう。