たにみやんアーカイブ(新館)

音楽について何か話をするブログです

COUNTDOWN JAPAN 15/16に行ってきた話 〜完全に確立した"年末の風物詩"〜

あけましておめでとうございます。定例なので、今年も昨年末から元旦にかけて行っていたCOUNTDOWN JAPANについて色々振り返るところから始めたいと思います。新年早々振り返りから始まるのだけどいいのか。

今年も去年同様後2日参加でした。見たのはこんな感じ。 30日:cero→LITTLE GREE MONSTER→東京スカパラダイスオーケストラパスピエ→GOOD ON THE REEL→back number→DAOKO→電気グルーヴサカナクション 31日:the HIATUSthe band apart→The Fin.→Shiggy Jr.→エレファントカシマシ清竜人25→BUMP OF CHICKENCzecho No RepublicSPECIAL OTHERS→banvox→SCANDAL

特に良かったのはceroBUMP OF CHICKEN。後者については後ほど詳述します。あと良かったのはサカナクション、Suchmos、Shiggy Jr.、清竜人25辺り。自分の好きなもの中心に見てたから当たり前ではあるんだけど、全般的に満足度高かった。

さて、今年も実際に行って色々気付いたところがあるので書き残しておきたいと思う。

●ブッキングの話〜アニソンDAYは定着するか?

今年のブッキングの特徴だけど、概ね昨年までの傾向を踏襲しつつ幾つか変化があったのでまとめておく。

  • 昨年に引き続き「異分野は単体集客武道館以上」が基本線(一部例外あり)
  • 28日のアニソン関連ブッキングが拡大
  • 新人のピックアップも積極的に

今年呼ばれたグループアイドルはBABYMETAL、でんぱ組.inc、チームしゃちほこの3組。いずれも日本武道館公演をソールドアウトさせた実績のあるグループだし、横浜アリーナ2DAYSを成功させ東京ドームを控えるBABYMETALや代々木第一体育館2DAYSを成功させたでんぱ組.incはEARTH STAGEに配置された。ただあくまでそれは例外的というか、ジャンルの枠をこれらのグループが飛び越えてるとの判断によるもので、後述するアニソン関連歌手やSirent Sirenなども含め、日本武道館を売り切っても「ロックフェスがアウェイ」のグループはCOSMO・MOON・ASTROの3ステージのいずれかに配されている(GAKLAXY STAGEの大半は武道館でやったことなんてないミュージシャンなのに!)。率直に言って目配せしてますよレベルで、それ自体の集客効果についてはかなりシビアに見ているようだ。

そして、去年も28日に呼ばれたアニソン勢(何故28日なのかというとコミケと重ならないのがその日だけだからだろう)については、昨年に引き続きのKalafinaOLDCODEX、LiSAに加えてAimer、藍井エイル茅原実里が追加され、加えて昨年ごっそり削られたボカロ勢からじんが復活。タイムテーブル上は全く重なってなかったので、その気になればプチアニメロウィンターライブする事も可能であった。年末にはこういうタイプのアニソンライブイベントが無く、なおかつ28日は仕事納めが終わってない人も多くそもそも来られる人が少ない(が、これらのファンは若年層が多くこの日程でも来られる)ので層を広げで会場を埋めるというのは有効な策だろう(現にこの日は4日間のうち唯一当日券が出た日になった)。

また、これはRIJFと合わせて話すべきことなのだろうけど次世代のバンドをピックアップ・ブッキングしていこうという考えがあるようで、ネクストブレイク組がかなり呼ばれてたな、という印象。Shiggy Jr.なんかもそうだろうけどThe Fin.、Suchmosなど既存のROJ的文脈と離れたグループがそこに該当する。元々1000人未満のライブハウスでワンマンというグループが多いこともあり決して動員が良かったとは言えないが、今後も継続してブッキングしてほしいところ。

●会場設備の改善と「音楽の鳴るお祭り」化

会場は今年も1〜8ホール+イベントホールをライブ会場及び飲食スペース、9〜11ホールをクローク・物販・リクライニングスペースとする形。基本ライブ・フードエリアにたくさん人が入るようにしている形なんだけど、今年は大きく2つのマイナーアップデートがあった。1つはGALAXY STAGEの位置でもう一つは開催時間の変更。

まず会場の話。昨年は8ホールをまるまる使う形だったのが、今年は方向を変えて7〜8ホールをまとめたエリアの半分弱を使う形となった。多分なんだけど、去年より収容人数は少なくなってるはず(公式サイトによると収容人数16,000人。去年のは書いていないんだったけど、20,000人って話だったような……?)。また、昨年は丸ごと1つのホールで壁も立ててと記憶しているのだけど、防音のような工夫は幕が張ってある程度でステージの音がほぼ丸聞こえ。もちろん幕の向こう側に行った方が音は良く聞こえるとはいえ、別にフードエリアでもそこそこ音楽を楽しめるという状況。この工夫は、率直に言って最近のこのフェスの客層にはわりとマッチしているのではないか、という気もしてきてしまう。まずは、下のエリアマップを見てみてほしい。

CDJ1516_MAP

これはCDJ公式サイトのマップに僕が赤線を書き入れたものだ。6個ほど赤で新規に書き加えているけどこれは何かというと、写真撮影ポイントとして行列ができていたところだ。昨年に引き続き公式コラボブースとして登場したスターウォーズブースはライトセイバーを持って写真を撮れるところで、WOWOWブースでは撮影した写真をSNSにアップすることでステカーがもらえる、という試みをしていた。それがいいとか悪いとかそういうことではなく、写真撮影に行列しながらも音楽がそれなりに聴こえる場であるというような工夫が比較的されているように感じた(COSMO/MOON間とASTORO2階ロビーにあるROCKオブジェクトは音が聞こえづらくなる位置だけど)。大多数がそうだというつもりは全くないけど、「その辺で音楽が鳴っているお祭り」くらいな感じで来ている人もそれなりにいるんじゃないかという気がする。ステージはそこそこおめあてのをちょっと見られればいいやみたいな。そういう感じでフェス慣れしている人から全然慣れていない人まで様々な人を受け入れる都合上、会場整理・誘導(特に海浜幕張駅から9〜11ホールへの誘導)なんかはかなり小慣れてきたなという感想を持った。あと、個人的にはこのステージ入口ディスプレイが良いなと感じた(その分ラインナップ看板がなくなったのはちょっと納得いかないけど)。

IMG_3002

それからもう一つの時間変更だけど、今年は開演時間と終演時間がそれぞれ1時間早まった。シンプルに会場にいる人が多くなりすぎたので電車のキャパとの兼ね合いによるものだろう。先に述べた会場整理・誘導など含めてイベントとしての洗練度というか快適性の追究は引き続き行われているようなので来年もより良くなることを期待するところ。今年はそこまで寒くなかったので9〜11ホールへの移動が大変ということはなかったけど、終演後は人がたくさん集まって移動に時間がかかるので風除けなどあるとめちゃ寒かった時なんか良いのでは、というリクエストをしておきたい。去年から言ってるけど。

●紅白中継で「世間」とつながったCDJ

今年のCDJの最大のトピックとして挙げられるのはBUMP OF CHICKENの紅白初出場とそれがCDJ会場からの中継で行われたことだろう。クイックレポートにも記載があるけど少し補足しきながら振り返りたい。

1曲目の「Hello,world!」が終わったら影アナ鮎貝さんも登場しての5分以上に及ぶ長めのMC(ここはあまり評判よくなかったけどもう1曲やってギリギリになったら怒られるとか色々理由があったんだろう)。そして鮎貝さんの「それでは紅白歌合戦の会場の様子を見てみましょう」の声で前方ディスプレイが紅白のオンエア映像に切り替わり。西野カナ「トリセツ」の曲紹介くらいから流れる。この時点ではまだ音声なし。そして西野カナの歌唱が終わったところで音声が入り、司会のV6井ノ原快彦が藤原基央に意気込みを聞いて準備を促した後「COUNTDOWN JAPAN、国内最大の年越しフェスです」という紹介。お茶の間でCDJの名前が出てくるなんて!!何年も通っている側としては感慨深い瞬間であった。音楽好きではない知人・友人の間では名前も存在も知られてなかったわけで。ある種、コミケに次ぐ「年末の風物詩」としてその地位が確立された瞬間ではないかなと思う。

そして、映像が入ったあたりから徐々に紅白モードに切り替わっていくのを現場で肌で感じることができたのはとても良かった。バンプの演奏もめちゃくちゃ気合い入っていたし、観客の盛り上がりも良かった。結構な数の人がテレビに映りたいというか現場に居合わせたいという野次馬だったけど(結構な数の人が中継終わってすぐ出て行った)、そういう人達も含めて会場の空気感に独特のものがあったのを肌で感じた。バンプに特に思い入れがあるわけではないけど、率直に言ってものすごい感慨深いステージだった。

この歴史的瞬間についてだけど、事務所の後輩であるサカナクションが2013年の紅白歌合戦に出たことから繋がっているだろう。それ以来所謂「音楽雑誌」初の文化圏が紅白に入り込んでいくことになった走りだ。2014年のセカオワも、2015年のバンプゲスの極み乙女も(あるいは星野源も)、サカナクションが築き上げた道に乗っていると言っていいんじゃないかと思う。バンプは紅白どころかテレビにすら出ないことを信条とするバンドの代表的存在だった。しかし、それすらも動かした、ということはとても大きなインパクトのある出演だったんだな、ということを2年たった今再度確信する次第。

 

そんなわけで今年も良いCDJでした。基本的に今年見られた変化は好ましいものだと思っているので、きっと次回も行ってると思います。そんでもって今年もよろしくお願いいたします。

洋楽マイベストとか書きつつ2015年を総括するの巻

暮れゆく今年。まずはApple Musicでいろいろ聴いたしせっかくなんで洋楽ベストも出しておこうみたいな話です。率直な話聴いた作品の数は圧倒的に少ないので色々ご勘弁頂きたい!w

10:Kendrick Scott Oracle「We Are the Drum」

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9:Thundercat「The Beyond / Where the Giants Roam」

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8:Alabama Shakes「Sound & Color」

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 7:Robert Glasper「Covered」

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6:Kendrick Lamar「To Pimp A Butterfly」

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 5:Hiatus Kaiyote「Choose Your Weapon」

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4:Kamashi Washington「The Epic」

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3:The Spandettes「Sequin Sunrise」

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2:Christian Scott「Stretch Music」

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1:Tigran Hamasyan「Mockroot」

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超偏ってるやんけ!!!!!!!!

ほとんどジャズとネオソウル的なものばっかりであった。いや、パッションピットもニュー・オーダーカーリー・レイ・ジェプセンもミューズも聴いたんだよ。でも圧倒的にこの界隈が面白かった。特に2位のクリスティアン・スコットと5位のハイエイタス・カイヨーテはとにかくドラム・リズムが楽しすぎたのでオススメです。前に音ゲーの記事書いたけど、特にドラムマニアをやってたことはこの辺の界隈が好きなことに影響大かもしれないのです。今でも大概の曲のドラムのフレーズが頭の中でドラムマニア譜面(旧筐体の方ね)に変換されて流れてくるので(笑)、複雑なリズムがあるとどう表現するのかなーとか色々興味津々になるわけ。自分でなんとなくてでリズム打ったりとか。そんなわけでこんな順位になりましたとさ。1位のティグランは1月のリリースだけど、ほんとたくさん聴いた。メタルっぽさがあるところなんかも含めて自分の好みにかなり合ってた感じ。

ちなみにSpandettesはライブも行きました(アトグラスパーのエクスペリメントの方も。トリオは行かなかった)。ちなみに今年のベストライブはD'Angelo And The Vanguardです(アルバムは去年だったけど)。はっきり言うと生涯ベスト位な感じ。まあ来年春に再来日するんでまた行きますがね!生涯ベスト更新か、それもと2位に位置付けられるか楽しみであります。(あと年明けにはクリス・デイヴ&ドラムヘッズも…!)

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●2015年を振り返る

正直に言うと2月以降あまり記事を書けなかった。そんな中Apple Musicが出た翌日に3時間くらいで書いた記事がきっかけになって雑誌に載ることになった。色々と勉強になる経験でありとても楽しかったし身の回りの人にも色々読んでもらえてよかったなあという感じなんだけど、全般的に今年書いた記事については質的にも満足していないものが多く、来年以降は直したいなあという気持ち。具体的には、自分がどう考えたかとか感じたかとかを掘り下げて明確な言葉にしたいとか、単純に表現の引き出しを増やしたいなあとかそういう話。そういえば今年は読書量も少なかったな……

ここで今年書いた記事で良かったものをつらつら挙げていきましょう。

tanimiyan.hatenablog.jp

tanimiyan.hatenablog.jp

ベビメタ関連で1月に書いた記事2つとも結構よく書けてるという自信あり。正直Road Of Resistanceの楽曲解説は何度か書いたこの手の記事の中で一番よくできてるかも。ベビメタ快進撃の概説はその前に大間違いな記事が上がったからそのカウンターとして書いた節があるんだけど、個人的に考えていたことをまとめ切れた感じがある。横浜アリーナも行ったし、来年の東京ドームを前に、THE ONE(ベビメタの会員サービス)は結局継続するのでありました。

tanimiyan.hatenablog.jp

個人的に今年の記事で一番気に入ってるかもしれない。音ゲーをゲームとしてだけ捉えるのではなく、ミュージシャンの受け皿だったり若い世代の音楽受容経路の一つだったりとかいろんな面から見てみると面白いんじゃないかな、という話です。あと、嵐が新曲出したりするたびに佐々木博史さんがお仕事されてるかどうか確認してます。

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雑誌「MONOQLO」に載ることになったきっかけの記事。実は今年書いた記事の中で書くまでに要した時間が一番短い記事でもある。Apple Musicが開始された次の日の昼休みくらいに思いついて、そのまま帰りの電車の中で大体ネタを整理して、帰宅してから1時間半くらいで書き上げた。今年一番集中力を発揮した瞬間かもしれない。「Apple Music邦楽少なくてダメ」みたいな直後評判を多少なりともひっくり返せたのかな、という気もしたり。それにしても今年は良くも悪くもApple Music様々、という1年だった。自分の音楽の選定・捜索基準が相当変わってしまった。

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あとこれは当面の僕のテーマかもなあと思いつつある。30代になってもずっと日常的に音楽聴いてて新曲探したりをしているレアな人間ではあるので、それなりに自分が得たものを代わりに誰かに伝えたい、みたいな気持ちは最近強くなってるかも。

自分がどうこうというよりも読み手にとってノイズになると考えているから、個人的な話や自分の属性めいたものはブログにあまり書きたくないんだけど、30代でフラフラ音楽聴き歩いている人間というのは世間的には少数派みたいなんで、日々簡単じゃないなあと思う瞬間はあれど、来年も色々自分が見聞きしたものを周りに配布していきたいなあという気持ち。あまり締まらない話ですが来年もよろしくお願いします。

それじゃ、幕張(CDJ)行ってくるね!!

2015年マイベストディスクトップ20 10位〜1位

はい、今年のまとめということで、よく聴いたアルバムベスト10です。

一応おさらい。基本的なルールは今年発売された邦楽のアルバム(ミニアルバム含む)からの選出。因みに過去のランキングはこちらからどうぞ。
2010年のランキング 1位:サカナクション「kikUUiki」
2011年のランキング 1位:レキシ「レキツ」
2012年のランキング 1位:cero「My Lost City」
2013年のランキング 1位:tofubeats「lost decade」
2014年のランキング 1位:BABYMETAL「BABYMETAL」
20位から11位

ここで挙げたアルバムはホントにどれもお勧めです。例年以上に上位は横一線です。例によりAmazoniTunesApple Musicへの試聴リンクは付いているけどAWAやLINE MUSICやGoogle Play Musicユーザーの人は自分で探してくれ!

10位:lyrical school「SPOT」

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詳細はこちら。個々の楽曲は良い。構成もよくわかる。ただ、若干のぶつ切り感があったかな。いずれにせよ「CAR」「ゆめであいたいね」などの秀逸なアルバム新曲もありでトータルの満足度は高かった。メンバーが変わってこれからどうなっていくのか、来年もウォッチしていく感じ。ひとまずhimeちゃん加入初回のライブはニコ生で見たけど、えらくラップが上手くて驚いた。

9位:きのこ帝国「猫とアレルギー」

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前は結構よく聴いていたけど最近はあまり音楽聞いてないよっていう人にきのこ帝国を聴かせたら「Coccoっぽい」というコメントをもらった。確かに作品を出すたびにどんどん穏やかで落ち着いた曲になって本来のメロディの良さが際立っていってる、というのは両者に共通するところかも。今作は聞きながらうっとりする感じがしてよかった。

8位:CICADA「Bedroom」

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ネオソウル meets クラブミュージック meets J-POPみたいな感じで、個人的には完全に好みのど真ん中みたいなサウンドだった。しかもこういう曲やるグループってほとんど男性ボーカルなんだけど(これは日本で無くて海外でもそうだ)、若干paris matchみたいな色気のある女性ボーカルがポイント高し。こういうバンドがもっと出てくるとグルーヴ感とか多様化してより面白くなっていくと思うから応援したい。

7位:安室奈美恵「_genic」

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シンプルに、超クオリティが高かった。テイラー・スウィフトとかアリアナ・グランデとかと並べて聴いても別に違和感ないだろう。あと去年のバンプに続き初音ミクとも共演していたんだけど、より特性を活かすというか、リズム重視で歌わせている感じで、アプローチというか考え方の違いが際立ってるなあとしきり。

6位:星野源「Yellow Dancer」

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以前からの内省的な感じの曲やSAKEROCKを彷彿とさせるようなインストも挟み込みながらも、大部分を占めるのはブラックミュージック直系の王道J-POP。アシッドな感じの「Snow Men」や「Soul」なんかも含め、全体的に開かれている印象が強く、とにかく彼は色々と良い時期にあるんだろうな、ということが強く感じられる物であった。この勢いで紅白出て、スターダムを一気に登って行っちゃうんだろうなあ。すごいなあ。

5位:bird「Lush

 

試聴用のSoundCloud音源、なぜ消したし…「ドラム良ければ全てよし」と言い切る富田ラボさんがここ数年の「ロバート・グラスパー以降」のリズム・ドラム革新に対する研究成果を遺憾なくつぎ込んだ作品。前から僕も取り上げている「ヒップホップのアナログマシンで作られたよれたビートをジャズドラマーが自分の手で再現」したものを構造分解して冨田さんオリジナルのサンプリング音源を使ってデジタルに再現する、という恐ろしい作品。単純なビートはあまりないのでそれなりにノリが独特で入りづらいみたいなところはあるかもしれないけど、とにかくドラムがサイコーであり、聴いていてスリルを味わえる。これについてはbirdと冨田さん二人のインタビューがハイパー面白いのでぜひ読むべき。

4位:cero「Obscure Ride」

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birdと並ぶ「今年の最先端」枠の代表選手。ネオソウル・今ジャズ的なものをJ-POPの中に落とし込むということ自体は、この作品リリース時に挙げた通り近年急激に増えてきている。しかしながら、そういった作品群の中でこのアルバムのクオリティは群を抜いている。なぜかというと、「変にアーバンにカッコつけた感じになっていない、肩肘張らないポップスに仕上げていること」と、メロディや高城晶平のボーカル技術などによるところが大きい。それは彼等が経てきた音楽的変遷による積み上げによるというところもあり、「最初からブラック思考ではないバンドだった」ことは案外大きいのかもしれない。だからこれからもまだまだ変わっていくわけで。年末、久々に見るのが楽しみである。

3位:POLTA「SAD COMMUNICATION」

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noteにもブログにも長文のレビューっぽいものを垂れ流してしまった後で何を書くのかって感じもするんだけど、どうしてもこのアルバムのことを話そうとすると「30代の自分の現状」みたいなものと切り離して考えることができない。ただ、それを踏まえても率直にメロディ・アレンジに無駄がない聴きごたえのある作品だと思う次第。 だからこそ歌詞の内容がすんなり入ってくる、とも言えるわけで。今の時代こういう率直なギターポップをやるバンドはいないので、いろいろ苦労しているみたいな話もTwitterなんかで伝え聞くところであるので大事にして行ってほしいし僕も来年こそはライブ行かないとな。

2位:アナログフィッシュ「Almost A Rainbow」

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上で挙げている「Baby Soda Pop」はこのアルバムの1曲目なんだけど、こんな美しいハーモニーをのっけからならされてしまったらそれだけでノックアウトなのであった。そしてこの歌詞がとても良い。もちろん「Baby Soda Pop」もなんだけど、「No Rain(No Rainbow)」はさらに良い(柴那典さんの分析を参照。というか必読)。この曲の「ただそうであるというだけのものに対価っているの?」や、「Baby Soda Pop」の「待ちに流れているようなラブソングみたいな言葉が恋の言葉だというなら、僕は恋を知らないってことだ」という、なんとなく感じているけど言葉にしていなかったような心境に輪郭を付けてくれるような歌詞。とにかく必聴。

1位:花澤香菜Blue Avenue

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ぶっちゃけた話をすると、この曲に収録されているシングル曲は別にそんなに良くない(やくしまるえつこ作詞作曲の「こきゅうとす」に関して言えば、完全に曲と声がマッチしていて驚いたけど、それでも曲自体がいいか、というと普通くらい)。ただし、アルバムのために新規にニューヨークでレコーディングした楽曲がめちゃくちゃいい。1曲目「I ♥ NEW DAY!!」のイントロのドラムの音が質感がめちゃくちゃ良くて、そこで一気に引き込まれる。そこからの曲順の緩急はなかなか良い。個人的にはクラムボンのミトさん作曲による「Trace」やプロデューサー北川勝利さんによるダブナンバー「プール」等の憂いを帯びた楽曲群がとてもはまっていた。前から言っている通り声優さんのアルバムは表現力を誇示しようと収録曲の曲調があらばらで散漫な物が多い、と思っていたのだけど、このアルバムに関して言えばそこをプロデューサーが上手く仕切って整理している、という印象を持った。これまでのアルバムも曲はいいんだけど耳に残らない、みたいなのが多かったけど、今回はそんなこと無かった。割り切りが大事というか、欲張らないことが大事だということを教えて頂きました。VIVA LA ROCK初日(というかスピッツ出演日)と重なってなければ武道館ワンマンも行ったんだけどなあ……

●感想とか総評とか

選んでみるとびっくりするくらいに「ブラックミュージックをそれぞれの形で咀嚼して折衷的にアウトプットしている音楽」の割合が高い。さらにいうとネオソウルや今ジャズ・JTNC的を取り込んだJ-POPはトップ10の半分くらいを占めている。去年くらいから自分の音楽的関心のメインである部分だしそもそもこういう折衷的・クロスオーバー的なものが大好きなのでまあそうだよなって感じなんだけど、自分こんなにブラックミュージック好きだったのか!と少々驚いている。もちろんトップ20に上げたもの以外にもそういった傾向のものをたくさん聴いてるしApple Music使い始めてからは海外の新世代ジャズをガンガン聴いているので来年以降も同じような感じになるかもw

なんだけど、そういう範疇に入るはずの「アーバンなシティポップ」的な、カッティングギター中心でファンク・ソウル系のベースラインをのっけたような「シティポップ」的なものには食傷気味になってしまっている。フォーマットとしてはもう相当界隈に氾濫してしまっているので、ここからは歌詞・メロディの良さを上げるかリズム面などに工夫を入れるかなどしていかないとこれらのバンドは持続が難しいのではないかと感じた。そういう面での先行事例としてはベストディスクに入れていないけどAwesome City Clubの「Awesome City Tracks2」なんかはそういう取り組みが見られて、とても聴きごたえがあった。

今回はApple Musicへのリンクもつけてみた。定額制ストリーミングサービスで自分の音楽視聴スタイルが何か変わったかというと、CDリッピングが果てしなくめんどくさくなったのでほとんどレンタルしなくなり、CDよりも大抵配信で買うようになった(値段が安いというのもあるけどそれは前からで、本格的に利便性を求めて配信を使うようになった)。なのでジャニーズは今年下半期殆ど聴かなかった。というかこれに出てる曲ばっか聴いてるのである種の偏りは生じているのかもしれない。今のところどんどんApple Musicで聴けるようになっているので、来年以降も生活の中心ツールになるだろうな、と感じている。

というわけで来年もいろいろ聞いていきたいな、という感じなんだけど多分もう1回くらい使って洋楽とかもろもろ回収し損ねている話をするんじゃないかと思う。

2015年マイベストディスクトップ20 20位〜11位

さて、マイベストソングトップ10も発表し終わったところでいよいよ後編というか本番、今年のベストディスクの発表に移りたいと思います。ディスクというかアルバムなんですが。毎年聞くものが増えていて選出に困っているわけで、今回も例に漏れず。因みに、大体全体は3分割くらいな感じになってて、7・8曲ごと位に大きな境界線があります。なんでそういうことを先に言うかというと、上位はかなり団子だということを言いたいからです。

というわけで、基本的なルールは今年発売された邦楽のアルバム(ミニアルバム含む)からの選出。因みに過去のランキングはこちらからどうぞ。
2010年のランキング 1位:サカナクション「kikUUiki」
2011年のランキング 1位:レキシ「レキツ」
2012年のランキング 1位:cero「My Lost City」
2013年のランキング 1位:tofubeats「lost decade」
2014年のランキング 1位:BABYMETAL「BABYMETAL」

それではまず20位から11位(長いので前編後編で分割するよ)。例によりAmazoniTunesApple Musicへの試聴リンクは付いているけどAWAやLINE MUSICやGoogle Play Musicユーザーの人は自分で探してくれ!

20位:Suchmos「The Bay」

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めっちゃブラックで今っぽい。これをシティ・ポップと皆は呼ぶのだろうか…?所謂ヒップホップ・ネオソウル直系のサウンドを若干アーバンな味付けしている感じ。と思ったら、SANABAGUNメンバーの一部がやっているバンドなのね。納得のサウンド&クオリティだ。

19位:宮川純「The Way」

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国内ジャズ勢で今年一番良かったなあと思ったのは宮川純のアルバム。全曲試聴を聴けばわかるけどとにかくかっこいい。因みにドラムは去年Taylor McFerrinのライブにてサポートをやっていた23歳の俊英石若駿。彼のことはそれ以来結構注目していたので自身のソロ作「CLEANUP」や北園みなみ「Never Let Me Go」なども聴いたけど、そういった石若駿参加作品の中でも今年ナンバーワンじゃないかなあ。

18位:ぼくのりりっくのぼうよみ「hollow world」

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先行でApple Musicに出ていた「パッチワーク」を聴いて「これはヤバいな…!」という感想を抱いた。声や歌い方はオザケンのようでもあり、セカオワFukaseのようでもあり。ただ言葉の運び方やそれが音とマッチする感触なんかはものすごくスマートでみんな天才だ天才だっていうわけがわかる。因みにこの文章書くまでずっと「hello world」だと思っていたw

17位:シャムキャッツ「TAKE CARE」

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5曲入りのミニアルバム。今までのアルバムとはちょっと違ってメロウ色・みずみずしさが強い感じ。2曲目「KISS」が白眉。とにかくリードギターのエコーがきいた音が素晴らしく、聴いていると眠くなりそう(良い意味で)。

16位:ボールズ「SEASON」

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「切ないロック」っていうのはこういうやつのことなんじゃないか??という仕上がり。胸に来るリフ・フレーズ・メロディ。そういう意味ではFOLKSの「Blue & Yellow」なんかもとても良かったけど、全体的な曲の仕上がりやアルバムとしてのまとまりなんかはこっちかな、って感じ。とても丁寧に歌を聴かせてくれている。

15位:esno「Release」

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夏くらいにものすごく沢山聞いてた気がする。ベストソングで挙げた「21時のクラゲと月」以外にもdaokoをフィーチャーした「夕暮れパラレリズム」、リリスクゆみずさんの「ターニングポイント」など、とにかくきれいな音+かわいらしい女子ボーカル+ヒップホップ/ラップの組み合わせが心地良い。裏を返せば相当狙って作られた作品であるのは明確なんだけど、もうなんか抗えない。笑

14位:OK!?NO「Rhapsody」

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BandCampで発表されてた既存曲も取り直して収録していることもあり、ほぼ全曲がキラーチューン。その分目新しさという点では若干欠けるところはあるけど、クオリティは高い。スタジオ録音になってとても洗練されたので、すでにBandCampで買ってる人にもお勧めしたい。このアルバムのリリースライブにて突然の解散宣言。行ってホントに良かったなあ。

13位:TWEEDEES「The Sound sounds.」

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復活の沖井礼二。それだけでもう感無量ではあるんだけど、このアルバム単体としてはこんな位置。正直FROGの1stアルバムの時の衝撃を超えるには至らなかった。曲は抜群にいいんだけど、清浦夏実の名言も踏まえた過去の沖井礼二ワークスからの本格的な更新はこれからだなあというところ。カバー曲は正直いらんかった気がする。

12位:星野みちる「You Love Me」

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AKB48第一期生の歌手、星野みちる。これくらいの世代(ギリギリ同世代?)の歌手としてとてもまっすぐなポップスを歌っている、という印象。1曲目の「ディスコティークに連れてって」のイントロでやられ、2曲目の小西康陽提供曲「夏なんだし」が最低で(この曲に入っているオマージュなどは無視しとく)テンション下がるんだけどそのあとはセクシーさとかわいらしさとさわやかさのほどよいミックスで持ち直す。笑。ライブ見に行きたい。

11位:パスピエ「娑婆ラバ」

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とにかく後半の楽曲の存在感が凄まじい。印象的なイントロ、単調ではないながらもインパクトがあり体に響いて来るリズム、そして耳に残る良いメロディと歌詞。特に「つくり囃子」については、極端なまでに緩急が付いている曲調をはじめとして、「MATATABISTEP」以降パスピエが再度構築してきたオリジナリティの、一つの到達点ではないだろうか。

 

今年ほど順位づけに悩んだ年もないんだけど、総評とか傾向とかはトップ10発表後にって感じでよろしくなり。そう間を空けずに発表するつもりなのでよろしくです。

2015年マイベストソングトップ10

というわけで今年もいよいよ終わり、という感じになってきましたので、いよいよ毎年恒例のあれ、行きたいと思います。2015年マイベスト。昨年同様楽曲はベスト10、アルバムはベスト20で行きます。一応いくつか条件があります。邦楽・J-POP縛りで1ミュージシャン辺り1つにすること、それからネット上に何らかの聞ける音源(YouTubeSoundCloud)があることです。あとこの次に年間ベストアルバムを出すので、それとの兼ね合いもちょっとだけ考えたり。そしたらなんか若干面白みのないランキングになった気もしなくもないな…

因みに過去のベストはこちら。アルバムとは違って最近しかやってないの。
2013年 1位:パスピエ「On The Air」
2014年 1位:きのこ帝国「東京」

それでは行きましょう。今年からApple Musicへのリンクもあるものにはつけるようにしました。さすがにGoogle Play Musicまではカバーしきれないのでそれは各自で頼むよ。

10位:椎名林檎「長く短い祭」

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僕にとっては、ホセ・ジェイムスとコラボしてた椎名林檎がこういう曲を出すということは悲願だったかもしれない。ネオソウル・今ジャズ的な意匠をJ-POPに、というより椎名林檎に持ち込んだらこんなにも妖艶な雰囲気の曲になるんですね。浮雲とのデュエットと言うこともあるんだけど、めちゃムーディーなサウンドで良い。

9位:赤い公園「KOIKI」

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今年のギターロック方面での優秀賞。赤い公園の楽曲は全体的にガチャガチャしている感じがあるんだけど、それがきちんと調和取れているような感じになっているのが良い。なのですごく好き。ただリスナーの耳にしがみついて離せなくするような音数が多いだけの楽曲とは違うと思うの。

8位:Emerald「ふれたい光」

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日本版ネオソウル系の中では独特な音の温かみを持つEmerald。この曲について言えば、後半のドラマティックな展開がめちゃくちゃ気に入った。

7位:清 竜人25「Mr.PLAY BOY…♡」

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今年多分リリスクの次くらいに通った(それでも一桁回数だけど)清竜人25。その中で一番良かったのは間違いなくこれ。ビッグバンド系のオケが入る曲に僕がめっぽう弱いってのと、単純にスケベ一直線ともいうべきな勢いにやられて選出。清竜人25の特徴として挙げられる「非現実感」というものがトップクラスに出ていたと感じるところ。

6位:BABYMETAL「Road of Resistance」

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ベビメタでは珍しい、それなりにメッセージ性や主張がある歌詞。単純に僕がメロスピ・パワーメタルものが大好きというのもあるけど、聴くとなんか気合が入る。良い曲だと思います。

5位:esno「21時のクラゲと月 feat.ボンジュール鈴木

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esnoのアルバムは夏にめちゃめちゃ聴いていたんだけど、その中でも一番好きなのはこれ。美メロっぽいオケに舌ったらずなボーカルで完全にあざといの塊以外の何物でもないんだけど、残念ながら好きだ。笑

4位:Shiggy Jr.「サマータイムラブ」

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Shaggy Jr.の曲は明るいサウンドでちょっと切ない内容を歌うっていうギャップに本質があるんじゃないかと思っているんだけど、個人的には歌詞自体もなんかひきつけられるものがある。普遍的なものにこれから進んでいきそうだなあ、ということを強く感じる。

3位:cero「Summer Soul」

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ロケ地が自分が通ってた大学の周り!というのもあるけど特にサウンドというかリズムのグルーヴ感が自分好み。CDリリースに先駆け最初にライブで聴いた時に「あ、これはすごい」と確信した。

2位:Negicco「ねぇバーディア」

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なんかこの前と入れ替わっている気がするけど堪忍な!Negiccoと池ちゃんが組んで良い曲にならないわけがないと思っていたけど、やっぱり出来上がりは一級品であった。エビ中に過去提供した曲と割と曲調なんかは似ててなるほど…という感じで、あとはNegicco3人の魅力分上積み。

1位:lyrical school「ゆめであいたいね」

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リリスクとtofubeatsの最高傑作。単純に曲のヒキは「おいでよ」「プチャヘンザ」の方があると思うけど、楽曲の作りはよく練られている(メロとサビでリズムが変わってるところとか)と思うし、メンバーの魅力はかなり出ていると思うのです。ヒップホップっぽいかというと少し違うところがあるかもしんないけど、単純にポップソングとしてすごくよくできている曲だと思う。

 

総評。レンタルCD、SoundCloudやBandcampなどのネット音楽に続き今年はサブスクリプション型定額配信が登場することで、たくさんの音楽を聴くこと自体はものすごく簡単にできるようになっている。それだけに、アルバムを離れて楽曲単位でよく聴いたもの、となるとどうしても自分が元々よく聴いてたものを選びがちで保守的なセレクトになる、という話を実感した。そのあたりトップ4には如実に出ているわけですが、その分アルバムの方はそういう縛り・くくりみたいなものからかなり外れたような気がするのでご期待ください。笑

ホームシアターシステムをオーディオ集約機+スピーカーとして使って快適音楽生活している話

ちょっと前に友達とカラオケボックスでのBlu-ray上映会をやったんだけど、その帰り道で自分の部屋でもいい音でBlu-rayを見たいと思ったわけですね。なにせ今の自分の部屋、レコーダーでWOWOW見られるんだけど出力先がテレビじゃなくてHYUNDAI製の液晶ディスプレイ(そんなのあったのか!というレベルのレア品。コンポーネント端子が付いていたのでWii接続のために購入したもの)なわけで、音質なにそれおいしいのみたいな感じ。そしてMacも据付のスピーカー。若干こっちの方が音がいいかもしれないってくらい。この辺を解消できるかなあと以前Olasonicのアクティブスピーカーを購入検討したんだけど結局集約とかは出来なそうだったので買わなかった。

しかしそれから数年。意外と今ならいいのあるかもねってことで色々探してたら、ソニーホームシアターシステムに良さげなものを見つけた。ホームシアターシステムっていうとどうしてもでかいウーファー置いて立体的に音が出るようにスピーカー配置してみたいなイメージだったんだけど、最近はこういうオールインワンな台座タイプ(ボードタイプと言うらしい)のものが安く出ており、省スペースなのもあって人気なんだとか。そんなわけでそのボードタイプの中から、ソニーの下の写真のやつ、型番はHT-XT1を購入。

というわけで、このソニーホームシアターシステムHT-XT1をどんな風につなげているかと、良いところ悪いところを挙げていきたい。あ、なんかブロガーっぽい記事だぞ!!

●接続構成という名の使い方

いくつかある機器をつなげた結果、以下のようになった。なんか複雑なように見えるけど、音の出力をほぼホームシアターシステムに集中させることができるようになった。

htxt1

上記の図を文章で説明すると下記のような感じだ。

  • アナログレコードは赤白→ステレオミニプラグのケーブルで普通に接続。
  • BDレコーダーとApple TVはHDMIで切り替え。アナログ含め音声ソースを気軽に切り替えて使っている。(他社機でHDMIを何個も挿せて切替器的に使える物は意外に少なかった!
  • BDレコーダーとAppleTV共にスマホのリモコンアプリで操作している。ちなみにホームシアターシステムもBluetooth接続すればリモコン的に使える
  • BDレコーダーは普通に録画したものだったり市販のBlu-rayだったりを流すのに使用
  • Apple TVにはiMacからiTunesの音声をAirPlayで流したり、iPhoneiPadで見ているものをAirPlayしたりしている。たまにスカパーオンデマンドも見てる。HuluやNetflixも対応しているのだけど、契約していないので見ていない。

SoundCloudとかBandcampはPCからだとAirPlayできないのでiOS機器からやることになるけどそれだとちょっとDigりづらい気がする。BTスピーカー接続すればいいのかもしれないけど、ペアリングはiOS機器でやりたいので今のところ保留。ちなみにHDMI出力側に最近のテレビを繋ぐと電源連動してくれるらしいんだけど、現時点ではテレビないのでそのめりっとはよくわからない。ただ、iTunesの音をAirPlayするときはディスプレイの電源を切っている(一応Apple TVを通じて再生画面出てくるんだけどね)ので、テレビを買っても電源連動は使わないかもしれない。

●実際に使って良かったところと、微妙だけど許容したところ

使い始めて1ヶ月。色々と良い点があった。

  • 音がいい 2.1chなので立体感とかがそんなにあるわけじゃないけどオーファーで低音もしっかりしているし、普通に中高音域もはっきり出る。モード切り替えで音楽向けとか選べるしかなり良い。因みに「声を聞こえやすくする」モードがあるんだけど、それを入れる前から普通に喋り声が聞き取りやすくなっていた。
  • オーディオの出る場所と方向を一つに集約できる 特に集合住宅に住んでいる人にとっては意外なるメリットなどではないかなと思いまする。部屋づくりしやすい。
  • 全体的にコンパクト とは言っても70cmあるのでテレビ台の板が10cm足りず、追加購入することになった。最初は換装しようかと思ったけど、結局上に乗っけた機器の重みで固定されているので普通にテレビ台の上に板をのっけて、HT-XT1とディスプレイを乗せて使っている。
  • HDMI機器を3つつないで、切替器としても利用出来る 正直これはかなり大きかった。今まではアナログな雰囲気のスイッチ型切替器を使っていて、いちいちボタンで切り替える必要があったんだけど(HDMI切替器なのにアナログとはこれいかに)、これでリモコンでどうにかできるようになったのとても良かった。
  • Bluetoothでつなげばリモコンとしても使える 専用アプリが必要ではあるけど。Blu-rayレコーダーもApple TVスマホから制御できるので、その気になれば専用リモコンなしでも頑張れる。

現時点で微妙なところは下記の通りだけど許容してる。もしくはそのうち対処する。

  • 2.ch1なので音質に限界があるといえばある でも以前とは比べ物にならないから満足。ちなみにナイトモードっていうのがあるんだけど、これを使うとウーファーが一気に弱まって音質とかそういう問題じゃなくなるので、夜は普通に音量下げてる。
  • リモコンアプリの起動が遅い スマホのリモコンアプリを立ち上げる→機器選ぶ→接続動作して使えるようになる、というので10秒くらいかかる。そして他のアプリに行ってから再度リモコンアプリに戻ると大体最初からやり直し。レコーダーのアプリも全く同じなんだけどこの辺なんとかならないかな、と思ってる。当然のことながら出力ソースが変わると音量も変えないといけない場合が多いからね…
  • iPhoneBluetoothペアリングを自動的にしてくれない 上記に加えてこれがあるので家帰ってきてからホームシアターシステムをペアリングする、という手順が入ってるわけ。なんか仕様っぽい気もするけど、どうにかならないかなあ。というわけでなんだかんだで物理リモコンが登場する頻度は高い。
  • スマホのリモコンアプリで音量が数値表示されない これ、LED画面の方にも変更結果が表示されないので、正直困っている。
  • MacSafariで再生しているYouTubeをAirPlayできない これは多分AirPlay先のApple TVが第2世代だからじゃないかなと思ってる。Apple TV自体でもYouTube見られないしね。いずれ現行世代のに買い換えたいんだけど、NASにアクセスできる良さげなアプリが出てくるまでもうちょっとだけ待つ。
  • ホームシアターシステム傘下の機器は全て一つの機器としてテレビ側からみなされる まあ集約するから当たり前なんですが。機器毎にテレビ側も色のモードとか変えてる人は大変よね。

とはいえ全体的に満足している。価格は今Amazonで29600円で、量販店の実質価格もそんなところだけど、1ヶ月前には25000円ちょいくらいだった。ちなみに僕はヤフオクで20000円+送料で買った。正直今年のこういった買い物の中で1番のヒットだと思う。イヤホンもちょっとお金かければ良くなるけど、家で聴く音もちょっと(と言うにはイヤホンよりお金かかるけど)お金をかけることで飛躍的に良くなるし、何しろオーディオの出る場所と方向を一つに集約できたのはかなりスッキリ。そんなわけで多分次回はそんな環境で聴いて選んだ年間ベスト!になるはずです〜〜。

第4回アイドル楽曲大賞2015に投票しました

この記事を書くともうすぐ今年も締めの季節に入りつつあるんだなあ、という気持ちになる。そんなわけで今年の振り返り第1弾、アイドル楽曲大賞への投票内容公開です。2013年2014年の記事はこちらなんで、それぞれ見て頂ければ。

そんなわけでさくさく行きますよ。投票サイトはこちら

メジャーアイドル部門

ノミネートされてる物の中から、この賞にマッチしているか、という観点から若干の絞り込みをしました(ぶっちゃけた話Silent Siren清竜人25、Perfumeなどを外しました)。例年こういうランキングの時には1ミュージシャン1つとしているんだけど、今回ばかりは二つ選ばせてほしい。配点は書くのめんどくさくてやめたけど、1〜3位にほとんどの持ち点を振り分けてます。

1位:Negicco「ねぇバーディア」

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Negiccoの纏う雰囲気とレキシ池ちゃんのポップス職人としての才能が化学反応を起こして出来た名作。

2位:lyrical school「ゆめであいたいね」

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tofubeatsリリスクのコンビでもトップ3に入る傑作ではないだろうか。

3位:Negicco「光のシュプール」

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2014年12月に出た曲なので投票。個人的には「まず、この曲よりも良いか」が判断基準になった。本当は1つのグループを2つ入れたくなかったんだけど、どうしても片方を切ることができなかった。

4位:BABYMETAL「Road Of Resistance」

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世界本格進出後の新曲の中ではピカイチ。というか、他が…(まあ音源出てないから投票のしようがないんだけど)

5位:乃木坂46「今、話したい誰かがいる」

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最後の1曲は色々考えたけどこれかな~。全体的にきれいにまとまってるな、って感じ。

 

ちなみにはっちゃけ体操がなかったのがものすごく悔やまれる。早く音源化してくださいお願いします。

www.youtube.com

これだけ音源化されても困るけどw

インディーズ部門

実は、今回相当苦労した。コメントは書きません。

1位:amiina「canvas」

youtu.be

2位:星野みちる「ディスコティークに連れてって」

残念ながら音源アップなし

3位:Faint★Star「BoyFriend -A.S.A.P-」

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4位:RYUTist「メクルメクルメ」

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5位:せのしすたぁ「moment」

www.youtube.com

Especiaがメジャーデビューしたのとライムベリーがああなっちゃってから聴いてないのと単純に色々と動向を追いかけるのが大変になったのもあり、選出には苦労した。この「追うのが大変になった」というのが今年のトピックかもしれない。インディーズ部門についてはホントにこれくらいしか聞いていないのが実情。あと意外に音源未リリースのものがあったりとか。ハイタッチガールズみたいに。

www.youtube.com

Tパレ勢なんかは実際インディーズだしこっちに入れてよ……とも思ったけど、そうすると票はそこに偏りそうな感じがあるので今の配置でいいのかもな、と思いましたとさ。

アルバム部門

1位:lyrical school「SPOT」

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2位:Negicco「Rice & Snow」

www.youtube.com

3位:callme「Who is callme?」

www.youtube.com

ベビメタのライブ盤とか入れようかな、と思ったけど入ってなかったのでやめました。いや入ってても入れなかったと思うけど。callmeはいいんだけどちょっと優等生すぎる感じがする。あるいは習作感が漂っているというか。Negiccoはまあもうちょっとできたんじゃないの?みたいなところはあり。いやそれはリリスクもそうなんですが。なんというか動向追ってるところは出来がある程度予想ついちゃってるところ多いから評価しづらいというか全体的に辛めの評価になりがち。それでもこの辺がトップを占めるあたりあまり僕は動向を追ってないなあ。いや他にも聴いたんですけどね。

推し箱部門

lyrical school

来年もよろしくお願いします。

全体的なコメントとか

自分自身が夏頃からアイドル現場に行く回数が相当減ったのもありなんかコメントしづらいところあるけど、「シーンの疲弊感」「楽曲派向けアイドルの生き辛さ」みたいなのは今年割と感じた。

WASTE OF POPSさんのところでやってるアイドルライブキャパ定点観測にもあったけど、最近ライブ会場をバンバン上げていく攻め方をするアイドルが増えている。WWW→リキッド→赤坂BLITZZepp野音中野サンプラザみたいな倍々ゲーム。そしてこのインターバルも半年だったり、それ以下だったり。さらにはその大箱ワンマンの週にCDリリースして物販も展開して一気に収穫、みたいなのが多い。しかしお客さんの数も有限だけど1人のお客さんの財布の中身も有限なのだ。スパンが短くなればそれにつれ厳しくなる。だいたいリキッドくらいまではうまくいくんだけど、そこから先で急速にきつくなることが多い。あとこれ失敗するとアイドルとそれを取り巻く諸々が一気に後ろ向きになる気がする。自分が見てるもの以外もそんな感じの話が色々ある印象。

スパンが急速なので楽曲の良さでじわじわ……みたいなのはとても難しい。というか楽曲が良いってなんだ、みたいなことを最近思う。2月くらいに行ったトークライブで南波さんが言ってたけど、「曲がいい」のは当たり前なんだよね。みんな力入れてるので、ホント好みの話でしかない。そうなるとたくさん積む人がいる方が伸びる。「楽曲派」は色々目配せしつつ広く薄く買っていくからそういうファンが多いとなかなか色々伸びない。みたいなのがここ最近の実感。解散商法使われたバニラビーンズなんかはかなりそういうとこあるよなあとか。そういえばTパレ最近あまりCDリリースしてないけど大丈夫なのか、と言われたりしてる。実際のところどうなのかな。

全く実になる話でなくて後ろ向きで申し訳ないなあと思いつつ、なんだかんだ楽曲やらパフォーマンスやら何やらを通じて楽しませて頂いているのは事実なのでアイドルの皆さんには感謝である。

さあ、ここから一気に年末モード突入ですね!